『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第25話「炸裂!孔明の力!!」の感想 【三国志編ここに完結!】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第25話「炸裂!孔明の力!!」を観ての感想を書く。なんと今回で三国志編は終了という急展開。三国志のクライマックスの赤壁の戦いを描かずして終了なんて、残念でならない゚(゚´Д`゚)゚



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第24話「激襲!ザナーク・ドメイン!!」の感想 【また新たな男の娘爆誕!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 後漢末期、西暦207年の中国にやって来た松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は、そこで劉備玄徳(CV:平田広明)と諸葛亮孔明(CV:沢海陽子)の2人に出会う。彼らのオーラを手に入れ、サッカーを守るという使命を果たそうとする彼らの前に、そのサッカーを根絶やしにしようと画策するエルドラドと協調関係にあるザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)率いるザナーク・ドメインが立ちはだかる。

 果敢に立ち向かう雷門だったが、10年に一人の逸材と呼ばれ大いに期待された新戦力の雨宮太陽(CV:江口拓也)が持病の再発を無意識に恐れてしまい、本来の能力を発揮しきれない。

 強力なザナーク・ドメインに大苦戦する雷門、そして太陽に転機が訪れる。試合を見ていた孔明の背後から龍タイプの化身が現れ、生身の太陽と融合してしまったのだ!

 「強制ミキシマックス」と呼ばれる驚異の現象が起こった。これは孔明が太陽に興味を抱いたことと無縁ではないだろう。孔明を時空最強イレブンの1人とみなしていた円堂大介(CV:藤本譲)はその孔明のしでかした行為に得意げだったが、瀬戸水鳥(CV:美名)から性別の誤謬(ごびゅう)をすかさず突っ込まれる。



 大介「さすが孔明。儂(わし)が見込んだ男!」
 水鳥「いや、(孔明は)女だってば……」


 孔明のオーラは孔明自身が選んだ太陽に受け継がれる。ミキシマックスを受けた太陽は身体から湧き上がってくる力を感じ、その表情にも自信が漲(みなぎ)る。

 孔明は太陽に向かって、その能力(ちから)をどう使うかは太陽次第だと宣言する。太陽はその恩恵を感謝し、自分たちの守るべきサッカーのために使わせてもらうと告げる。


 そしてさっきまでの疲労困憊(ひろうこんぱい)、周章狼狽(しゅうしょうろうばい)の姿などどこ吹く風で、ボールを持ってピッチを駆け上がる。その前にはここまで散々太陽を痛めつけてきた大敵・ザナークの姿が。

 ザナークは早速ミキシトランス・曹操の能力を駆使し、開眼なった太陽をつぶしにかかる。化身「剛力の玄武」まで召喚し、万全の態勢で太陽を待ち受ける。

 だが孔明の能力を受け継いだ太陽は、ワンステップでその困難に思われた障壁をあっさりと抜き去ってしまう!



 ザナークも驚愕する身体能力そのまま、太陽は一気にシュート態勢に入り、ゴールを狙う。受けて立つゴールキーパーのシュテン(CV:不明)もザナークが抜かれることは想定していなかったのか、準備不足なままシュートに飛びつくが、ミキシトランスしてパワーアップを果たした太陽のシュートには追いつくことすら出来なかった。



 これで1−1と雷門が追いついた。ザナーク・ドメインの画策で、ここまでほぼ戦力外とされていた太陽の得点ということが大きい。一気にチームの主軸として蘇(よみがえ)った太陽に、天馬をはじめとするチーム全体が勇気を与えられ、チームの士気も大いに上昇したからだ!

 フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)はその最大の協力者である孔明のその功績に感謝しつつ、彼女を見やる。その表情は「こうなって当然」と言わんばかりに落ち着いた微笑をたたえていた。



   オープニング

 映画で共演する「ダンボール戦機W」とのコラボ的アイキャッチ。こう見ると天馬たちが山野バン(CV:久保田恵)に操られているように見える……。



 雷門が追いついたところで前半戦終了の銅鑼(どら)が鳴る。勝負の決着は後半戦に持ち込まれた。ベンチに戻った太陽を、劉備が称えながら迎える。そしてともどもに、協力してくれた孔明に礼を言う。


 孔明「別にあなたのためではありません!」


 なんと突然の「べ、別にあなたのためじゃないんだからね!」的なツンデレ発言。太陽の、ましてや劉備のためではなく、あくまでも自分に降りかかった火の粉を避けるための行為だったと強調する。その言葉を額面通りに受け取った直情径行(ちょくじょうけいこう)な関羽雲長(CV:稲田徹)と張飛翼徳(CV:奈良徹)は怒り出すが、劉備は結果論でも助かったんだから感謝しておこうとおおらかに構える。そのさまは劉備という人間の大きさを端的に表している。

 そして劉備は監督として、後半戦への戦いに臨むチームに檄を飛ばす。その姿を見て、西園信助(CV:戸松遥)は感じ入っていた。劉備の言葉から元気を受ける自分に気づき、これは相手を理解することでミキシマックスが出来るようになったのではないかと歓声を上げる。

 それを聞き、監督の座を奪われた現在、この役しか目立つシーンがないと心得ているクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)が張り切ってミキシマックスガンを発射する。だが何も起こらなかった。やはり信助の側にまだ何かが足りていないようだ。



 そしていよいよ後半戦が開始される。神童拓人(CV:斎賀みつき)がまずはディフェンスと仲間に指示を出す。どう見てもこのシーンは神童がキャプテンにしか見えなかったが。

 そんな神童と、とりあえずキャプテンマークを付けている天馬に、太陽は自分に任せて欲しいと告げ、正面を向く。そこには前半見せていた弱気な姿は微塵(みじん)も感じられず、天馬ですら親友のその豹変ぶりに戸惑ってしまう。だが機を見るに敏なフェイはその態度に何か策があるのだろうと見当を付ける。


 ザナーク・ドメインのキックオフ。ボールを持ったザナークはいきなり曹操のオーラとミキシトランスする。



 ここで劉備の永遠のライバルである曹操という人物の紹介。字(あざな)は孟徳。黄巾の乱で戦功を挙げ、その後ライバルの袁紹を倒して魏王となり後漢末の最高権力者となる。220年死去。息子の曹丕(そうひ)は漢王朝を滅ぼして初代・魏皇帝となる。自分を援助してくれた人を誤解で殺害したり(呂伯者(りょはくしゃ)一家殺害事件)、当代随一と言われた名医・華佗(かだ)を殺すなどひどい暴君であることで知られるが、「三国志演義」では劉備が主役で曹操は悪役なのでその辺は割り引いて考えないといけない。実は詩人であり画家でもあり書家でもあり音楽、囲碁も名手。戦争でも自ら率いて戦えばほぼ勝利し、兵站(へいたん)面では屯田制(とんでんせい)を導入するなど将軍としても優れていたというマルチ人間。兵法家としても有名で、孫子の兵法は彼が編纂(へんさん)しなければ現在に残らなかったと言われる。こう見ると個人の資質として劉備孫権などより明らかに優れた王であったことは事実。だがそんな彼ですら孔明には赤壁で大敗するのだから、いかに孔明が優れた軍師であったかが光るわけだ。正義の味方を映えさせるには、悪役が強大であればある程よいという例。


 曹操に対抗するには孔明とばかりに、太陽は受け継いだばかりのその能力を発動させる。



 「ミキシトランス・孔明!!」


 とはいえ太陽はそのまま個の力で対抗するのではなく、天馬、剣城京介(CV:大原崇)、倉間典人(CV:高垣彩陽)の3人にザナークの周囲を右回転で回るよう指示を出す。そして錦龍馬(CV:岩崎了)とフェイには自分と一緒にその外周を左回りで回るよう指示、そして残りの(キーパーの信助を除く)4人でさらに外周を右回転するよう指示する。



 あたかもザナークを人の渦(うず)で取り囲むような作戦。


 だがその封じたかのような動きには一瞬の隙があることをザナークは見逃さない。一瞬訪れる人の隙間となった空間を抜き、強烈なシュートを放つ。

 しかしそのシュートはゴールポストを直撃し、シュートは不発に終わってしまう。外れたことにホッとする信助だったが、それは外れたのではなく、外させたのだと太陽が語る。


 それを聞いた関羽は、その策が「奇門遁甲(きもんとんこう)」の陣であることを見抜く。孔明関羽がさすがよく知っていることに感心しつつ、その奇門遁甲の陣について解説する。

 周囲を取り囲まれた敵は死に物狂いでその封鎖を打ち破ろうと向かってくるが、その際わざと隙のある部分を作っておくと、そちらへと殺到してしまうという人間心理の特性を利用した高等戦術……それが奇門遁甲の陣なのだ。



 必殺タクティクス「奇門遁甲の陣」。奇門遁甲とは方位学的要素を踏まえた呪術的考え方。兵法や戦時における陣形などにも応用された。三国志では「八門金鎖(はちもんきんさ)」の陣として孔明の学友の徐庶(じょしょ)が用いて曹操軍を散々に打ち破った。映画「レッドクリフ」では孔明が使ったことになっていたけど。


 まさにザナークはその戦術に見事にはまってしまい、太陽(孔明)の計算通りの行動を取ってしまったというわけだ。史上最高の軍師と謳(うた)われる孔明の頭脳が、10年に一人と言われる太陽に加わって誕生したその高度な必殺タクティクスを目の当たりにし、雷門イレブンの意気はさらに上がる。



 雷門のゴールキックで試合は再開。信助はやはり今もっとも頼れる太陽にボールを送る。ザナークは太陽、そして孔明を見て、曹操のオーラでは対抗できないと悟ったのか、自らミキシトランス状態を解除し、そして今度は何も憑依(ひょうい)しないまま、新たな化身を呼び出す。



 ザナーク「魔界王ゾディアク!!」


 それは曹操に由(よ)らない、ザナーク本来の化身だった。そして驚く天馬たちを尻目に、ザナークはそのまま化身アームドして前進を開始する。



 部下(?)であるシュラ(CV:不明)やエンギル(CV:不明)は、リーダーが本気を出し始めたことを歓迎するかの様に邪悪な笑みを浮かべる。

 太陽はもう一度奇門遁甲の陣で対抗するため、メンバー一同に指示を出す。だが本領発揮状態のザナークには孔明の策ですら通用しない。何も考えない、単なる力押しでその包囲をいともたやすく突破してしまう。

 奇門遁甲の陣は10人でなすタクティクスだ。つまりそれが破られた瞬間、ゴールを守るのはそれに加わっていない信助ただ一人となる。そんな信助に容赦なく必殺シュート「ディザスターブレイク」を撃ち込むザナーク。信助も化身「護星神タイタニアス」を召喚して身構えるが、ものすごい災害(ディザスター)を前にして怯(おび)えの色が浮かぶ。そんな精神状態では……




 やはり止められない〜! 1点目の再現のようにザナークの強烈なシュートがゴールネットを揺さぶる。衝撃で吹き飛ばされた信助を心配して天馬とフェイがゴール前に駆けつけるが、信助はザナークのシュートに完全に気力を削(そ)がれ、怯えきっていた。ザナークがそれを嘲笑(あざわら)うかのように捨てゼリフを残す中、信助の身体の震えは止まらなくなってしまう。

 だが去り際にザナークがその顔をしかめる。身体から散逸(さんいつ)するオーラを感じ、自信満々の彼らしくない不安げな表情を浮かべる。一体ザナークの身に何が起こっているのだろうか?



 一方、元気の出ない信助を狩屋マサキ(CV:泰勇気)が叱咤するが、信助は取り合おうとしない。菜花黄名子(CV:悠木碧)が気を利かせて、「雷門のゴールを守れるのは信助だけやんね」と優しく声をかける。以前は黄名子ちゃんのこと、KYとか言ってすまんかったやんね。こんなに気配りできるいい子だったとは……。

 信助の態度は極めてまずい状態だが、その気持ちが分かると倉間が珍しく優しい気性を見せる。皮肉を言わない倉間さんなんて倉間じゃない。



 またも突き放され、しかもキーパーは自信喪失という悪いムードを払拭すべく、神童がこういう時こそ攻撃だと仲間全体を叱咤する。またもキャプテンは神童かと誤解してしまいそうな光景が繰り広げられる。

 攻撃は最大の防御であり、自分たちが攻撃しまくることで結果的にザナークのシュートを撃つタイミングを与えなければ良いという前向きな鼓舞に、ムードメーカー的存在の錦も同意する。その意識は良い感じに仲間全体に伝播(でんぱ)していく。ただ天馬くんはうなづいてるだけじゃなく、自分がそういう指示を出さないとダメやんね。



 失点を喫した雷門のキックオフで試合再開。剣城から錦にパスが渡る。雷門が再開直前に唱えた「攻撃は最大の防御」というフレーズを茶化すように自分も口ずさんだザナークは、本当の攻撃を見せてやるとばかりに錦に激しいチャージを見舞う。



 天城大地(CV:奈良徹)や車田剛一(CV:野島裕史)が参加していない今回の遠征メンバーでは一番ガタイの良い錦ですらこうなってしまう。ザナークはまさに人間凶器だ。フィジカル強すぎ。


 ザナークにシュートをされてしまうわけには行かない! 霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が化身「戦旗士ブリュンヒルデ」で対抗しようとするが、ザナークも化身「魔界王ゾディアク」を召喚、化身パワーで対抗し、蘭丸を打ち倒す。

 ザナーク・ドメインはザナーク以外全然働いていないように思えるのだが、またもザナークの個人技(……というより力押し)で攻めてくる。2度までもゴールを破られ、深刻なザナーク恐怖症を罹患(りかん)してしまった信助は恐怖で顔がひきつる。

 そしてまたも襲い来る災厄、必殺シュート「ディザスターブレイク」を前にして、信助は目をつぶってしまう。ゴールを守るキーパーがこの状態では失点は確実だろう。

 だがその危機に立ちはだかったのは天馬だった。化身「魔神ペガサスアーク」を召喚、アームドして災害に備える。そしてもう一人、フェイがミキシトランス・ティラノの状態で待ち受け、2人がかりでその強烈なシュートに立ち向かう。

 しかしなんというパワーなのか!? 2人がかりでもそのシュートを止めることが出来ず、勢いに吹き飛ばされてしまう。



 だが2人の体を張った頑張りで、その威力は相当に減速していた。最後に太陽がボレー状態でそのボールに飛びつき、何とかゴールを阻止することだけは成功する。背中からピッチに落ちた太陽を気遣う信助に、太陽は笑顔を見せる。

 信助はそんな太陽に謝らずにはいられなかった。キーパーの自分がしっかりしていないから太陽に多大な負担をかけてしまったことを、太陽に、そしてチームメイト全員に詫びる。

 だがザナークのシュートが怖いということはどうしようもないと苦しい心情を吐露する信助。こればかりは周囲がどう鼓舞してもどうしようもないものだ。ベンチで見守っていた孔明はそこで初めて自ら積極的に動き、驚くべき指令を発する。



 孔明「皆さん、ここは逃げましょう!!」
 全員「えええ〜っ!!??」



 CMをまたいでも孔明の言わんとすることがピンと来ない天馬くん。孔明は「今のままでは」最善の策は逃げることと涼しい顔だ。だがその意見を真っ向否定するのが劉備だった。何も成し遂げずに逃げることは出来ないと、反対の論を張る。

 孔明は心外だとばかりに持っている扇(おうぎ)で口元を隠しながら「今のままでは」と注釈を付けていたことを言及し、その現状を解説する。メンバーは満身創痍、そして要のキーパー・信助がザナークに怯えきっている現状を説き、勝敗は決していると告げる。劉備もそれに関しては反論できない。


 劉備「だが儂は好かん!!」
 孔明「えっ!?Σ(゚д゚lll)」


 劉備は感情論のみで孔明の理路整然とした解説を否定してみせたのだ。今度は孔明の方がその非論理性に驚かされる番だった。

 劉備は信助に、諦めるなと檄を飛ばす。劉備の言葉に力を感じていたはずの信助だったが、今度ばかりは意気消沈して元気を出すことが出来ない。ザナークのシュートを止めることは無理だと腐る信助に、劉備は笑って「その通り」と、その言葉を肯定する。

 落ち込む信助に対し、劉備は慰めや優しい嘘をつくことなく肯定したのだ。そして劉備自身も自分一人では強大な曹操に対抗することは不可能だと言い、それを補うために仲間がいるのだと語る。戦には弱く、曹操には負け続けだった劉備が今ここにいるのは関羽張飛をはじめとする多くの仲間たちがいたからこそであり、民を守るという共通の意思があったからこそだと熱く語りかける劉備の言葉は、信助、そして劉備の誘いを断り続けてきた孔明の心をも強く打つ。

 お前も守りたいものを持っているのだろうと劉備に問われ、信助はサッカーという守るべきもの、そしてその意思を共有する仲間たちの存在に思いが至る。サッカーを守る、そしてそれには心強い仲間たちが一緒に戦ってくれているという思いが信助の心に宿り、信助はついに恐怖心を克服する。


 信助「守るんだ、サッカーを! みんなと一緒に!」


 そして劉備に向き直り、やるという断固たる意思を明らかにする。強くうなづき返す劉備。その背後では自らの絶対の状況判断をも一変させてしまった劉備の言葉に、孔明が目を見張っていた。天才軍師の自分ですら読み通せない英傑の存在を知り、これまで世間を達観していた思いの孔明はようやくこの男こそ、自分が力を貸すに相応(ふさわ)しい人物であることに気付いたのだ。




 信助はもうゴールは大丈夫だから、点を取りに行って欲しいと太陽に告げる。すっかり自信を取り戻した信助の様子に、太陽そして天馬の表情も明るくなる。

 そして今こそ信助と劉備の心はミキシマックスするに絶好の機会であるはずだと、フェイがワンダバに声を掛ける。ワンダバは間髪いれずに2人にミキシマックスガンを向け、発射する。




 ミキシマックス完了!! 「ミキ信助、髪の毛がもっさりしただけやんけ!」とか言ってはいけない。バンダナもしっかり変わっているぞ!(逆に言えば、その他は弁護の余地なく変わってねぇ〜)


 ついに劉備のオーラを受け継ぐことに成功した! すでに気力を復活させていた信助にすれば鬼に金棒の気分だったろう。立ち向かう勇気がさらにグレードアップしたことは間違いない。その姿を見て、仲間たちも安心してゴールを任せ、攻撃に専念出来るということを感じていた。



 試合はラセツ(CV:金野潤)のスローインで再開される。早速ボールを受けたザナークは、4度目となる災害「ディザスターブレイク」を放つ。だがこれまでと違い、信助は絶対の自信を持ってその災害に立ち向かう。




 激しく巻き上がった土煙のあとには、しっかりとボールをキャッチした信助の姿が浮かび上がる。驚愕するザナーク、そして信助の成長を大歓呼で迎える雷門イレブンたち。

 信助はすぐにフェイにフィード、フェイもミキシトランス・ティラノでそのボールを受け、ドリブルで敵陣に鋭く切れ込んでいく。迎え撃とうとするザナークだったが、さっき感じた違和感がまたも彼を襲い、一瞬行動が鈍(にぶ)る。フェイはその隙をついて抜き去る。



 ザナークを抜き去るフェイ。だけどシュートも防御も全部ザナークに任せっきりで、本当にキーパーのシュテン以外は仕事しないな、ザナーク・ドメインの皆さんは。そらザナークさんも疲れるわ。


 ボールは神童、剣城とホットラインを経て太陽に渡る。この試合で信助同様にパワーアップした、今一番頼りになる得点源である太陽は、信助が止め、みんなで繋いだこのボールを必ず得点にするべく、孔明の能力をまたも借り、ボレーシュートを放つ。





 太陽の一球入魂のシュートはシュテンの必殺技「サンドカッター」を打ち破り、雷門に待望の同点のゴールを与える。再び追いつくという展開に、黄名子はぴょんぴょん飛び跳ね、大喜びで太陽を称える。


 その展開に監督である劉備も満足する。その傍(かたわ)らでは孔明がこれまでの値踏みするような表情とは別の表情を浮かべて劉備のその横顔を見つめていた。



 2度までも追いつかれ、ザナークは怒りとともに雷門が好敵手であることを認め、笑みを浮かべる。そして今度こそ雷門を粉砕せんばかりに強烈に攻め上がる。

 だがここでまたもザナークに異変が……。



 おや、ザナークの様子が……(©ドラクエ)。


 ザナークの身体からオーラが噴出し、制御が効かなくなって行く。それが力の暴走であることをいち早く見抜いた孔明は、今度こそ逃げるよう皆に告げる。試合がまだ終わってはいないとはいえ、ザナークがこうなってしまった以上、もはや試合を続行することも不可能だろう。



 劉備も今度は孔明の意見に同意し、全員に撤退を指示する。ザナークの暴走は仲間であるザナーク・ドメインのメンバーにも驚異を抱かせ、彼らはあわてて次元転送してその難を逃れる。酷使され、挙げ句の果てに見捨てられるザナークさん……。


 敵も味方もいなくなった孔明の園で、大爆発が起こる。その爆発の中心にいたであろうザナークは一体どうなってしまったのだろう?



 避難した孔明の館の扉前でその爆発を見届けた雷門の一行は、危機一髪だったことに安堵の息をつく。いち早く危険を察知して撤退させた孔明に、劉備は感謝の言葉を掛ける。

 そして優雅に扇を扇ぐ孔明に向かって、再度力を貸して欲しいと頭を下げる。孔明は了の返答をするのだが、これまで断られることに慣れていた劉備はダメという返事が前提だったようで、その返答を意外なものとして驚く。

 孔明のOKの言葉を何度も確認する劉備に、孔明は釘を刺すように条件を出す。



 孔明「私を部下ではなく、パートナーとすること」
 劉備「ぱ……ぱー、とな???」


 聞きなれない言葉に逡巡(しゅんじゅん)する劉備。そりゃ古代中国で「パートナー」という英語を聞かされたら誰でもこうなるよね。孔明は対等に意見を言い合える存在として、自分たちを水と魚に例えて語る。

 主君と対等の立場になろうという孔明の言葉は、やはり関羽張飛には我慢ならなかったらしく、顔色を変えて怒り出す。だが劉備は二つ返事でそれを了承する。

 そして劉備孔明がなぜ考えを変えて自分に協力する気になったのか、その理由を問う。孔明劉備が国を治めたらどうなるのか、それを見てみたくなったと純粋な好奇心であることを明かす。

 そしてイヤミっぽく、自分がいなければ劉備は戦に勝つことが出来ないと口元を隠しながら笑う。それにはまたも2人の弟分が怒り出すのだが、孔明は構わず劉備の長所と短所が、ともに一度決めたらやり通すという曲げない意思と実行力にあることを指摘する。

 長所である面が時として短所になることを指摘され、劉備はそれを認めざるを得ない。だがそれだからこそ、劉備の周りには人が集まると孔明はその人徳を褒める。そして意思の強さで失敗してしまわないよう、それを補うために自らの知略が何よりの方策になることを知る孔明は、その劉備の才に賭けてみる気になったのだと言う。

 孔明は戦で考えを変えなければならない局面で指針となり、劉備を導くことを約束する。そして自分の言うとおりにすればもう負けることはないと自信満々に言い切る。自分の才能を鼻にかける20歳も下の若き女性にここまで生意気な口を利かれながらも、劉備はその無礼な言葉を聞いていた。そう、2人は今、水と魚のように切っても切れない関係になったのだ。

 そして孔明を部下……ではなくパートナーとして迎えることを告げ、満足そうに呵呵大笑(かかたいしょう)する。会ったばかりなのにずっと前からの知己(ちき)のような孔明劉備の仲を羨(うらや)む信助に、自分たちもそうじゃないかと天馬が笑って語りかける。サッカーで繋がった仲間も、素敵な関係だ。

 信助は危ないところを守ってくれた太陽に感謝の言葉を告げる。だが太陽は自分が不調だったときに周囲に助けられたことに言及し、それがお互い様であるということを言外に告げる。そしてお互いの友情に思いが至り合ったことに笑い、信助と太陽はお互いを呼び捨てで語り合う仲として握手する。



 劉備孔明のオーラを獲得するという旅の目的を果たし、キャラバンは劉備一行の見送りを受けながら現代へ向けて発進する。


 その頃竹林の奥では、謎の暴走を起こしてしまったザナークが一人、煩悩(ぼんおう)としていた。自分でも力の制御が出来ない状態では、今後戦うことすら難しくなってしまうはずなのだが、その状態をも「面白い」と表現するザナーク。



 ???「君は目覚め始めている……」


 ザナークの背後から何者かが声を掛ける。ローブを目深(まぶか)に被ったその謎の老人(CV:家中宏)が語るには、ザナークはセカンドステージチルドレンとしての能力に目覚めつつあるということらしい。ザナークのことを知っているような素振りのこの老人の正体は……?



 次回に続く



  エンディング



 三国志編が今回で終了というのはやっぱり納得がいかねぇ。赤壁の戦いを見ずして孔明のすごさは伝わってこないはずだし、敵である曹操もザナーク越しでしか見れないというのは何とも中途半端だ。

 曹操のことは赤壁で目一杯語ろうと思っていたのだけど、仕方がないので今回のミキシトランスの姿のところで無理やり書いた。テンポが悪くて申し訳ない。曹操は「三国志演義」では悪役だけど、最近はその高い能力が再評価されている。漫画「蒼天航路」は曹操が主人公で、「演義」をベースにした横山光輝の「三国志」と比較して読むと大変面白い作品になっている。興味がお有りならぜひご一読を。ただ「蒼天航路」の孔明はここでは書けないほどいかがわしいド変人に描かれていて、孔明ファンのわたし的には大いに不満なんだけど(笑)。


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 孔明は好きなキャラだけにもっと長く見たかったのだけど、今後は太陽がミキシトランスする時に限られちゃうんだねぇ……(´・ω・`)


 ちなみに今回彼らの間でかわされた言葉「水と魚のように」というのは実話で「水魚の交わり」という言葉で知られる。ただこれを言ったのは孔明ではなく劉備劉備孔明があまりに仲が良いことに嫉妬した関羽張飛を説得するために「魚(劉備)は水(孔明)がなければ生きていけない」という意味で使ったという。男同士で嫉妬するというのも何だか怪しい。イナクロの孔明は女性だったけど。


 あと今さっきツイッターで教えてもらって思い出したんだけど、ゲーム版『イナズマイレブンGO』では浜野海士(CV:金野潤)が自分と速水鶴正(CV:吉野裕行)と倉間との間柄を「水魚の交わり」と評していた。釣りが好きで魚が身近な彼らしい例えだと思う。ただ浜野は三国志知らなさそうなのにねぇ。速水に教わったのかもね(^ω^)



 次回は幕末編。次回タイトルから坂本龍馬が登場することは確定。



 これは新選組の屯所の前だろうか? ということはやはり沖田総司も登場するんだろうな。戦国時代編にキャラバンに参加していたメンバーはあの時のままの格好。今回からメンバーに加わった黄名子、蘭丸、太陽、狩屋の格好にも注目。……ていうか、またこのメンバーなのか? 3年生は?



  次回「坂本龍馬!登場!!」に続く。



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