『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第24話「激襲!ザナーク・ドメイン!!」の感想 【また新たな男の娘爆誕!】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第24話「激襲!ザナーク・ドメイン!!」を観ての感想を書く。待ちに待った孔明登場の回なんだけど、そのキャラクター性はいろんな意味で興味深い存在だった。そして今回は敵チーム「ザナーク・ドメイン」の初陣でもある。見どころが多いぜ!



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第23話「仰天!孔明の館!!」の感想 【「もちもちきなこ餅」……それはひょっとしてギャグでやっているのか!?】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 時空最強のイレブンの能力を獲得するため、三国志時代の中国にタイムジャンプしてきた松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は、先に出会った劉備玄徳(CV:平田広明)、関羽雲長(CV:稲田徹)、張飛翼徳(CV:奈良徹)と共に、諸葛亮孔明に会うために孔明の館(別名「孔明要塞」)の攻略に挑む。

 幾多(いくた)の障害を乗り越えた彼らを最上階で待っていた微笑をたたえる人物、それこそが当代最高の軍師として知られる孔明その人であった。



 諸葛亮孔明(CV:沢海陽子)。若き頃から臥龍(がりょう・天に昇る前の龍、転じてまだ世に出ていない大物のこと)と呼ばれ、この人物を配下にすれば天下を取れると噂された傑物。劉備に天下三分の計を授け、その並外れた智謀を駆使して魏の曹操赤壁の戦いで破る。実兄は劉備のライバルとなる孫権の軍師・諸葛瑾(しょかつきん)。劉備の死後は息子・劉禅を助けて5度に渡る北伐を実行、魏を攻めるが孔明に匹敵する智謀の軍師・司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)には勝てず、5度目の遠征(五丈原の戦い)の最中に病没。享年54。「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という有名な故事成語はその北伐の時に出来た。劉備亡き後の蜀はほぼ孔明一人の能力に支えられていたことは確実で、孔明死去の後、すぐに魏に滅ぼされたことからも明らか。


 その美しくたおやかな表情、そして紡ぎだされる声、それは女性特有のものであった。孔明は男性だと思って疑いもしなかった一同は大いに驚かされる。速水鶴正(CV:吉野裕行)はやっぱり連れてきたかったよなぁ。三国志クラスタの彼だったらメガネが割れるぐらい驚いたはずなので。


 天馬「お、女の人……っ!?」



   オープニング



 庵(いおり)に腰掛けて優雅に扇(おうぎ)をあおぐ孔明に、劉備はここに来た理由として、自分の配下に加わって国づくりを助けて欲しいと説く。しかし孔明劉備に目もくれず、なぜか天馬を見つめる。

 劉備孔明の態度を知ってか知らずか、このままでは国は曹操支配下に入ってしまい、民が蔑(ないがし)ろにされる政治が行われてしまう危険性を指摘する。

 孔明はここで逆に劉備に質問する。劉備がこの国の支配者になるとして、自分(孔明)の力をどのように使うつもりなのかを問うたのだ。孔明の的を射た問いかけは劉備をしどろもどろにする。道理を説かず、とにかく仲間にしたいの一点張りの劉備の態度は孔明を失望させる。

 孔明は顔を背(そむ)け、劉備の意見を鼻で笑い飛ばす。自分の説得が不調に終わったことをその態度から悟り、劉備も同様に失望の色を浮かべる。


 そのようなやり取りを見ながら、マネージャーの山菜茜(CV:ゆりん)は孔明が女性であったことをいぶかる。瀬戸水鳥(CV:美名)がそれを受け、歴史は100%真実とは限らないということかと、ひとりごちる。まぁジャンヌ・ダルク(CV:寿美菜子)もメガネっ娘だったわけだし、色々と違う面があってももう驚くことではないかもしれないが……孔明が女性ってのは大きすぎるでしょ! それだけで歴史が根底から変わってしまいそうだ。


 劉備との史実上の展開の会話ですら孔明は興味を示さない現状、ミキシマックスの話など聞いてくれそうにないと霧野蘭丸(CV:小林ゆう)や神童拓人(CV:斎賀みつき)は悲観的だ。

 だが意外にも孔明はその話は聞かなくとも分かっていると答える。さすがは名軍師、話す前から分かっているとはすごい!



 ……と思いきや、クラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)がミキシマックスガンを孔明に向けていた。何か怪しいことをしようとしているのは孔明じゃなくとも一目瞭然だよなぁ。


 相変わらず泰然自若(たいぜんじじゃく)とした態度の孔明に、劉備は改めて説得を試みる。民が戦乱や飢饉(ききん)に悩むことなく、生き生きと過ごせる国づくりが自らの理想と告げ、そのために力を貸して欲しいと再度思いを伝える。

 しかし孔明はあくまでも興味がないとばかりに席を外し、劉備の弟分でありその共鳴者でもある関羽張飛を激怒させる。史実の「三顧の礼」だと2回までも門前払いをくわせた無礼を孔明が詫びるところから会話が始まるはずなんだけどなぁ……? これも歴史の不確実性? 孔明が女だということと比べれば小さいことかもしれないけど。

 張飛から孔明を仲間に入れることを反対された劉備だが、それでも劉備は諦めきれない。もうひと押しと、さらに食い下がる素振りを見せる。これは一度決めたら信念を曲げないという劉備の性格がよく出た行為だ。そして諦めないその姿勢を西園信助(CV:戸松遥)が憧れの表情で見つめる。


 池のほとりに佇(たたず)む孔明を押し切ろうと更なる説得を続ける劉備に、信助も加勢する。孔明劉備の気持ちを分かって欲しいと告げる信助に、さらに天馬、空野葵(CV:北原沙弥香)、雨宮太陽(CV:江口拓也)が賛同する。

 だがそんな気持ちを孔明は軽くいなしてしまう。かたくななまでに聞く耳を持ってくれない孔明は、まるでこちらの真剣さを試しているかのようだ。皆は肩を落として落胆するが、劉備だけは諦めずに言葉を継ごうとする。


 そこに高速で何かが接近してくる。その接近音は未来人のフェイ・ルーン(CV:木村亜希子)には聞き慣れた音らしく、いち早く異変の到来に気付く。そして印象的なのは、孔明もその異変の接近を知っていたかのように微笑んだことだ。


 その赤いエアバイクは、天馬たちが苦労して登ってきた山をひとっ飛びしてやって来る。乗っているのは、やはりこの男、ザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)だった。



 思わぬ敵襲に緊張が走る。ザナークに初めて対面した太陽はその目で敵の能力を推(お)し量(はか)る。ザナークはスフィアデバイスを作動させ、彼の同志たちを呼び出す。



 「(僕の友達)ザナーク・ドメインだ!」


 チーム名「ザナーク・ドメイン」を名乗り、ザナークはサッカー対決を申し込む。そして雷門の同意も得ずにスフィアデバイスをまた作動させ、山上の空間にサッカーフィールドを現出させる。

 サッカーバトルと聞いて、一人張り切るのがワンダバだ。今度こそチームの大監督として雷門を率いる気マンマンの彼だったが、もちろんそうはならない。天馬たちは劉備に監督として指示を出してもらえるよう依頼する。劉備も二つ返事でそれを受け、行き場のなくなったワンダバのやる気は地を這うスライディングにぶつけられる!



 この扱いのひどさは……。ワンダバはミキシマックスガンとワンダバスイッチ、キャラバンの操縦という重責があるとはいえ、たまには監督もやらせてやれよ、天馬くん。


 で、サッカーバトルとなると、悲劇の登場人物はもう一人いることを忘れてはならない。なぜかずっと審判&実況役として駆り出され続ける悲劇の男、矢嶋陽介(CV:佐藤健輔)だ。

 フランクフルト製作中、もはや海の家から連れ去られるシーンすら省略され、古代中国に連行されてくる矢嶋。強面(こわもて)のザナークの姿を見て逃げ出すが、もちろん逃げられない。あっさり洗脳されて実況役にされてしまう。用意の良いことにTPOをわきまえた兵馬俑(へいばよう)のスタイルで、ノリノリの実況を開始する矢嶋が哀れでならない(タダ働きだし)。



 この扱いのひどさは……その2。矢嶋の実況でこの地が「孔明の園(その)」ということが明らかになる。

 ザナーク・ドメインの姿を見つめながら、天馬と太陽、そしてフェイは試合に臨む前の心境を意見交換する。ザナークを含めたほとんどの選手は初めてまみえる相手だ。また孔明の館内で出会った3名もその真の実力を見せたとは思えず、油断することなく戦わねばならないだろう。

 そしてポジションにつこうとする信助を呼び止め、劉備がキーパーとしての信助を鼓舞する。その心遣いに感謝して、信助は勇躍、自分が死守すべきゴール前に向かう。

 サッカーバトルで劉備たちとの会話が中断した孔明。庵の椅子に腰掛け、その戦いの行方(ゆくえ)をじっと見つめていた。




 試合開始直前の、恒例の両チームの布陣。雷門は前回のからくり兵馬俑との戦いの時と同様、3−5−2の攻撃的スタイル。やはりディフェンダーが少ない分、オールマイティの菜花黄名子(CV:悠木碧)がディフェンダーポジションをこなす。信助、蘭丸、狩屋マサキ(CV:泰勇気)を除けば誰もがストライカーとして得点能力を持っているという、考えてみればすごいチーム。あ、あと噛ませの倉間さんも除外しないと。

 一方のザナーク・ドメインは3−4−3と更に攻撃的な布陣。5番と8番がいつでも攻撃参加できる形。11番のラセツ(CV:金野潤)、9番のシュラ(CV:不明)も強力そう。3番のヤシャ(CV:不明)と7番のシンジャミ(CV:不明)は女の子のようで、そこの活躍にも注目。



 開始前、覆面のエンギル(CV:不明)がザナークを呼び捨てにして試合展開を相談する。これはかなり意外な設定だった。こうして見ると、エンギルはザナークとは上下関係ではなく、単なる共闘関係なのかもしれない。

 遊んでやれとのザナークの指示に、ドメイン一同が不敵な笑みを浮かべ、その指示を歓迎する。



 そして矢嶋の鳴らす銅鑼(どら)の音を合図に試合が開始される。雷門のボールでキックオフ。剣城京介(CV:大原崇)から倉間典人(CV:高垣彩陽)へ、そして太陽にパスを送りながら前進する雷門。その間、ザナークは微動だにせずに何かの数を数えていた。


 ザナーク「2人……3人……」


 太陽に抜かれたエンギルは大げさに悔しさを表現するが、それは彼の演技だったようだ。振り向きざま、笑って太陽を見送る(その表情は仮面で分からないが)。

 太陽から天馬にパスが渡る。それを阻止するために3番の女性選手がスライディングでパスカット。



 3番の選手・ヤシャはちょっとお化粧が過剰なようだ。磨呂みたいだけど、ちゃんと眉毛もあるしな〜。


 カットされたものの、ボールは友軍のフェイがキープ、そのままドリブルで攻め上がる。そしてシュートを放つが、4番の立方体(正式名称ではありません)のデカイ身体に阻まれる。そして逆襲とばかりに大きくクリアされたボールは前線に向かうが、狩屋がセービングして蘭丸に回す。

 蘭丸からパスを受けた錦龍馬(CV:岩崎了)だったが9番のシュラに奪われてしまう。シュラのシュートは、黄名子がジャンピングボレーで止め、難を逃れる。

 黄名子のクリアボールは神童が受ける。するとそこまで数を数えていただけのザナークが、恐ろしいスピードで突進し、神童に激しいチャージを見舞い、ボールを奪取してしまう。



 こんなごっつい男にチャージされて、繊細な神童が壊れてしまわないか心配される。趣味がピアノ演奏なんだから、指先の怪我は特に気をつけて欲しい(趣旨を履き違えた意見のようだが)。


 ザナークは泰然(たいぜん)と構え、自分たちがあえて手抜きをして雷門の選手全員にまんべんなくボールに触れさせ、その力量を測っていたと語り出す。彼が数えていた数は、ボールに触れた人数のことだったのだ。真剣勝負の最中にそんな試すような余裕のある行為をされたと聞いて、雷門の選手たちに怒りが芽生える。

 その怒りを無視し、ザナークはまだカウントしていない選手が一人残っていることを思い出す。それはキーパーの信助のことだ。言うが早いが、ザナークは必殺シュート「ディザスターブレイク」を撃って、最後の一人である信助の力量をも試さんとする。




 信助は化身「護星神タイタニアス」を召喚し、化身アームドで対抗しようとしたものの、アームドが間に合わなかったのか、そのままシュートの勢いに押し切られてしまう。


 強烈なシュートが雷門ゴールネットを揺さぶり、先制点はザナーク・ドメインが挙げる。ザナーク以外はほとんど仕事をすることなく1点を先取してしまった。まだ本気を出していないというのにこの強さ……フェイがその底知れなさに思わず呻(うめ)く。

 本番になる前から気圧(けお)される雷門の雰囲気を良しとしなかったのだろう、ベンチからマネージャーたちが一斉に応援の声を上げる。



 試合再開、失点した雷門が再度のキックオフだ。神童の指示のもと、一斉に敵陣に上がる雷門の選手たち。天馬からサイドを走る太陽に絶妙のパスが送られる。だが太陽に一瞬の戸惑いが見られ、そのボールはサイドラインを割ってしまう。太陽らしからぬミスだ。

 誰もがその緩慢プレーをいぶかる中、神童だけはそのプレーの理由におおよその思いが至っていた。




 前回に続いて神童拓長と霧野ジャン丸によるカードゲームバトルCM。茜ちゃんが水を得た魚のようにイキイキと写真を撮りまくっているのが笑える。



 ザナーク・ドメインの逆襲に、蘭丸が咆哮(ほうこう)する。ミキシトランスでジャンヌ・ダルク(CV:寿美菜子)の能力を得、必殺技「ラ・フラム」でシンジャミからボールを奪う。さすがは究極の力を持つイレブンの能力。



 ディフェンス技「ラ・フラム」。見た目通り、フラム(Flamme)はフランス語で炎(英語のフレイム)を意味する。蘭丸は林属性なんだけどねぇ? ミキシトランス時は属性が火に変わるとか?


 蘭丸は素早く前線の剣城にフィード。受けた剣城は後ろに強大な殺気を感じる。いつの間にかザナークが回り込んでいたのだ。ザナークは面白いものを見せてやると告げ、高らかに叫ぶ。



 ザナーク「ミキシトランス・曹操!!」


 曹操!? それは今しもこの国を乗っ取り、暗黒の世を実現させんとする劉備の天敵だ。その能力をザナークがどうして受け継いでいるのか!?

 その場のすべてのモノを圧倒する強力な波動が満ちあふれる。それが曹操のオーラなのだろう。あのすべてを見通すような知識で、あらゆる物事に対し動じる素振りを見せない孔明ですら、意外なオーラの出現に眉をひそめる。


 強力なオーラの登場に、剣城は全力を出さなければならないことを瞬時に悟った。化身「剣聖ランスロット」を現出させ、即座にアームドする。そして全力でザナークに、そしてその後ろにあるザナーク・ドメインゴールめがけてシュートを放つ。



 迎え撃つザナークは、ミキシトランスしたまま化身「剛力の玄武」を発動し、剣城の化身アームドシュートに立ち向かう。



 そして玄武の周囲に侍(はべ)る蛇(玄武だから亀なのかもしれない)のひと噛みでボールを失速させ、見事にシュートを止めてしまう。これまで一度も阻止されることがなかった剣城の化身アームドシュートが初めて止められてしまった! 恐るべしザナーク、そして曹操



 怖い顔で不敵に笑うミキシザナーク。曹操の能力を受け継ぎ、一層凶悪な顔になってるってばよ! 特にその眉毛が顔面を一周しそうで怖すぎる。


 ザナークは曹操軍に潜伏し、隙を見て曹操のオーラを獲得したのだろうとワンダバが見当を付ける。劉備にとっての不倶戴天(ふぐたいてん)の敵である曹操のオーラを奪うことが出来ると聞き、劉備たちは大いに驚く。実はあんたのオーラも貰いに来たんだと聞かされれば、もっと驚くかもね。


 ミキシトランス状態を解いたザナークは、手のひらを見つめる。そこにはクロノ・ストーンが握り締められていた。それはエルドラドに囚われの身となった円堂守(CV:竹内順子)の変わり果てた姿だった。



 エルドラドの議長・トウドウヘイキチ(CV:相沢まさき)がザナークに渡そうとしていたものとは、まさにこれだったのだろう。クロノ・ストーンは能力者のオーラを惹きつけるという特性がある。きっとこのクロノ・ストーンの導きがあって、ザナークは曹操の能力を得ることが出来たに違いない。


 ザナークの桁外(けたはず)れの能力を見せつけられたものの、怯(ひる)んでいるわけには行かない。フェイが果敢に攻め上がり、太陽にパスを送る。それをボレーで決めるつもりの太陽。後ろで見ていた天馬も親友だけに、太陽の意図が以心伝心で伝わる。太陽の能力を思えば、同点間違いなしと笑みが浮かぶ。

 だが向かってくる2番のゴウズ(CV:不明)の姿を見て太陽の表情が陰る。そしてにわかに失速してしまった太陽はボールを失ってしまう。なぜ失速してしまったのか? 太陽は自身も理解できないといった不可思議な表情を浮かべる。彼自身も無意識なまま変調を来たしているというのだろうか?

 だが敵であるザナークにはその原因が分かっているらしく、太陽を物理的、心理的に攻撃するよう、仲間たちに指示を出す。



 太陽を攻撃するという行為に喜びを隠しきれないドSの皆さん。



 と同時に、部外者である孔明も太陽に関心を示す。


 わざと太陽めがけてドリブルし、そして抜き去るという形で動揺を与える8番の小兵(こひょう)選手。倉間がスライディングでボールを奪い取って攻め上がる。あわててそれに同調する太陽だったが、シニカルな性格の倉間から、イヤミの言葉をいただいてしまう。


 倉間「10年に一人の天才はどこ行っちまったんだよ!?」
 太陽「……」



 そしてまたパスが太陽のもとへ。だが競り合う以前に6番の目隠し選手にボールを奪われ、危うく黄名子がパスカットする。黄名子は太陽のらしくないプレーを心配するが、その流れは変わらない。

 太陽の前でまたもボールを奪ったエンギルは太陽を嘲りながら体当たりで太陽を痛めつける。その行為に怒ったのは天馬だ。強引にエンギルからボールを奪い取る。その後を追う太陽だったが、力を出しきれない自分自身の不甲斐なさを痛いほど自覚していた。ただどうしてそうなってしまうのかが自分でも分からない。

 神童はそのさまを見て、太陽が再び自分の身体が壊れ、サッカーが出来なくなることを恐れているのだと看破する。


 ベンチのマネージャーたちの声援を受け、太陽はこれまでの自分を吹っ切るかのように化身「太陽神アポロ」を発動させる。今度こそ敵陣突破なるか!?



 ダメでした! ヤシャのブロックを受け、化身すら消滅してしまう。


 不甲斐ない自分の状態を自覚しながら、どうして良いのか分からない。そのフラストレーションは怒りとなって現出し、太陽はグラウンドを激しく叩きつける。その姿をジッと見つめる孔明。だがその表情は心配するという類(たぐ)いのものではなく、面白い対象を見つけたとばかりに笑顔を浮かべていた。孔明のその真意やいかに?


 落ち込む太陽を励ますのは天馬だった。調子の悪い時は誰にでもあり、それをカバーするのが仲間の役割だと告げ、太陽を勇気づけようとする。そしてその思いは仲間たちも同様だった。笑顔で口々に太陽を励ますその姿は太陽に強い勇気を与える。



 倉間もさわやかな表情で太陽を励ます。たださっきのイヤミは太陽が忘れても私は忘れずに覚えておくけどね。


 サイドラインを割ったボールは雷門がスローインする。天馬がボールを投げた先には、太陽がいた。これまで太陽の役立たずぶりを演出してきたつもりだったザナーク・ドメインのメンバーは驚く。「この期に及んで、まだこの男を使う気なのか?」と。

 しかしそれこそ仲間を思い、仲間の復活を望む雷門のサッカーなのだ。太陽は信頼されているという責任感を胸に駆け出す。だがやはり躊躇(ちゅうちょ)する思いが抑えきれないのか、変な髪型のゴウズにまたもボールを奪われてしまう。

 そこで動いたのは天馬だった。必殺技「ワンダートラップ」を駆使して太陽が奪われたボールを即座に取り戻し、仲間が不調の時はそれをカバーするという約束を果たす。



 久々の必殺技「ワンダートラップ」。この技も今のところ全勝記録を更新中。


 そして信頼の証とばかり、またも太陽にパスを送る天馬。太陽はボールに回転をかけて一人ワンツー状態のトラップをしてヤシャをかわすが、その後ろに控えていた立方体にクリアされてしまう。それをまたもカバーする天馬くん。身体を張ってそのクリアを阻止し、太陽にその意気を伝える。

 同時にフェイがミキシトランス・ティラノの能力を発動させ、前線に駆け込む。当然ながら警戒対象としてマークに向かうヤシャと立方体。だがそれは敵の注意を逸らす巧妙な罠だった。ミキシトランスしたフェイを囮(おとり)にして、天馬は逆サイドでノーマーク状態の太陽にパスを送る。

 大チャンスの到来だ。太陽は化身「太陽神アポロ」を再発動し、化身シュート「サンシャインフォース」の気を練る。ここまで自分のプレーのために犠牲になってくれたフェイと天馬のためにも、このシュートを外すわけには行かない!



 「行っけえええぇぇ〜っ!!!」


 ようやく敵キーパーのシュテン(CV:不明)の出番がやって来た。必殺キーパー技「サンドカッター」で太陽の渾身のシュートを迎え撃つ。




 「サンシャインフォース」敗れる! 孔明の館内での戦いでは見せなかった「サンドカッター」で止めてしまった。スーパーサイヤ人に似てるだけあってシュテンは本気を出すとやはりすごい。


 悔しがる太陽だったが、天馬とフェイは後を引くことなく次のプレーで得点しようとあくまでも前向きだ。太陽もそれを受け、挫(くじ)けぬ意志でゴールに挑む。

 再度の「サンシャインフォース」に、今度はザナークのミキシトランス・曹操が立ちはだかる。化身「剛力の玄武」を出して、簡単にそのシュートを阻止するザナーク。剣城の化身アームドシュートすら止めてみせた鉄壁ぶりを発揮する。


 強い意志で対抗しようとする太陽だったが、ついにその無理がたたる。前半から飛ばしていた分、化身を使う精神力が持たなくなってしまっていたのだ(ありていに言うと、KP切れ)

 フラフラになりながらも、まだ戦えると語る太陽の意欲を打ち砕くかのように激しいチャージを仕掛けるザナーク。



 そしてザナーク・ドメインの選手間でダイレクトにパスを回し始める。パスだというのに、その威力は凄まじく、倉間や剣城が簡単に吹き飛ばされてしまう。必殺シュートに匹敵するそのパス回しは、雷門の選手たちを標的に繰り返され、どんどん雷門イレブンは痛めつけられていく。

 選手たちが潰されてしまいかねないとマネージャーたちは気が気ではない(茜は特に神童を心配するが)。何か方策はないのかと水鳥が悲鳴のような声を張り上げる。ワンダバはこうなったらミキシマックスしかないとばかりに孔明に向けてマイナス銃を向ける。だが、その孔明のオーラを受け継がせるべきプラス銃を向ける相手がまだ不確定であることに思いが至る。


 ワンダバ「誰にすればいいんだ〜!?」


 ワンダバが迷っているその間も戦いは続く。黄名子が体を張って止めたボールは、まるで魅入られたかのように太陽のもとへと転がってくる。もう化身どころか、まともなプレーすら出来ないほど消耗しきった太陽だったが、最後の気力を振り絞ってボールに歩み寄る。


 太陽「ここで終わるわけには、行かないんだぁ〜っ!!!」


 その太陽の魂の叫びに呼応するかの如く、フィールド外で異変が起こる。孔明の園の一角でオーラが巻き上がり、神々しい白龍がその姿を現す。


 天馬たちばかりではない、ザナーク・ドメインのメンバーも驚愕する中、その龍が孔明のいた庵から出現したことを見た劉備は、やはり孔明は龍に化けることが出来るのだと得心する。

 だが葵はこの現象が変化(へんげ)ではないことを見抜いていた。葵の示す龍の下では、孔明が佇んでいた。その龍は化身だったのだ。孔明はサッカープレーヤーでは無いにも関わらず、化身を出せる人物だったらしい。



 孔明の龍は、睥睨(へいげい)していた太陽に一直線に向かってくる。そして太陽に激しく激突する! 巻き起こる炎状の光の中で、叫び声を上げる太陽。どうなっているのかはシルエットでしか確認することが出来ない。

 そして急激にその光は立ち消え、その場には……。


 淡い光に包まれた太陽が残されていた。これはミキシマックスガンを使用しないで自力でミキシマックスした状態と見て良いのだろうか!? 明らかに孔明の容貌(ようぼう)をその身に宿した太陽が、神々しいばかりの笑みを浮かべ、天馬たちを見つめていた……。



 またも男の娘の爆誕!? 孔明が女性という設定ありきなので、これってスタッフの趣味なのかもしれない。



 次回に続く



  エンディング



 前回のオチの部分でだいたい気付いていたんだけど、やはりレベルファイブは「孔明=女性」で行くらしい。漫画で出てくる孔明は確かに荒々しい武将タイプではなく、理知的なタイプなので女性という見立ても悪くはないかもしれない。史料によると孔明身長は180cm以上あったらしいけどね。


 三国志ファン的には性別以外も今回の劉備に対する、こんなに無礼な孔明は考えられないんだけど、孔明の性格付けも理解する面もある。

 孔明は非情なリアリストな面も持ち、理想主義的な劉備とは意見が合わないことも多かったのだ。以前描かれていた、劉備を慕って付き従って来た10万人の民衆を連れて行くという場面。これは赤壁の戦いの直前に起こった事態なのだが、曹操軍に追いつかれてしまうので見捨てるよう進言したのは孔明だ。また関羽の敵討ちに反対したのも孔明。だが劉備はいずれも孔明の意見に従わなかった。その結果妻を死なせてしまったり、張飛や自分自身の命をも失ってしまうことになってしまう。

 孔明はすべてを見抜いていたはずだ。見抜いた上で、やれやれと思いつつも、こういう自分の命よりも大事な義を持つ性格の男だからこそ、喜んで劣勢の劉備の家臣になったのだと思われてならない。そういう意味では良いコンビなのだ。

 劉備ではなく曹操を主君に選べば、金も名誉も欲しいままだったに違いない。それでも孔明劉備を選んだのだ。劉備の生き方に共鳴し、惚れこんでいたのは間違いない。



 ザナーク・ドメインの方にも気になったことがあったので触れておこう。覆面の男・エンギルがザナークに対してタメ口をきいていたという驚愕の事実。怖そうなザナークだけど、やっぱり上下関係ではないのかな? 今のところエンギル以外がザナークに不遜(ふそん)な態度をとるシーンはない。側近ぽいシュラがザナークに敬語を使っていたが、他はよく分からない。私が脚本家ならエンギルを世を忍ぶ次のリーダーにして、ザナークが失脚したあとに覆面を脱ぐシーンを用意するけどな。


 次回はまだこの戦闘が続く展開。ただ太陽がすでに孔明ミキシマックスしてしまったわけで、もしかしたらこの場で三国志編を終わらせるつもりなのかもしれない。せめて赤壁の戦いまで行ってくれよ〜。私、三国志への思いをまだ100分の1も語れていないというのに〜。




  次回「炸裂!孔明の力!!」に続く。





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