『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第23話「仰天!孔明の館!!」の感想 【「もちもちきなこ餅」……それはひょっとしてギャグでやっているのか!?】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第23話「仰天!孔明の館!!」を観ての感想を書く。結局今回は孔明さん、一言も喋らなかったよ……゚(゚´Д`゚)゚



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第22話「劉備さんは面白い!」の感想 【雨宮太陽登場!三国志編・突入!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 劉備玄徳(CV:平田広明)と諸葛亮孔明のオーラを手に入れるため、後漢末期、西暦207年の中国にやって来た松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は首尾よく劉備に出会うことが出来た。

 だが次の目的である孔明の屋敷で次なる敵、ザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)の部下たちとマインドコントロールによって敵になってしまった劉備の義弟・関羽雲長(CV:稲田徹)、張飛翼徳(CV:奈良徹)たちの連合チームとサッカーで戦うこととなる。

 関羽の巨躯(きょく)に行く手を阻まれた天馬にパスを求め声をかけてくる人物がいた。それはゴールキーパーを任せたはずの劉備その人だった! ゴールをがら空きにして攻撃に参加した劉備のこの奇策が果たして吉と出るか凶と出るか……!?



   オープニング



 敵だけでなく味方まで戸惑わせるこの作戦、天馬は劉備に元の位置に戻るよう指示する。だが劉備は攻撃のことのみ考えてその指示を聞こうとしない。思わぬところで口論となってしまうが、今は試合中である。

 注意力散漫になっていた天馬はその隙を敵チームのリーダー格のラセツ(CV:金野潤)に突かれ、ボールを奪われてしまう。そしてラセツからパスを受けた張飛無人の雷門ゴールに豪快にシュートを放つ。

 この試合は1点先取のサドンデスルールだ。これが決まるとその時点で雷門の敗北が決まる(負けるとどうなるのか決まってなかった気がするが……)。すわゴールかと思わせるシーンを救ったのは、前キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)であった。



 さすがに状況把握力に長(た)ける神童は劉備の飛び出しに気づいた直後に、カバーのため自陣ゴール前に戻っていたのだ。安堵して胸をなでおろす雷門ベンチ陣。だが劉備の行動は、同じゴールキーパーのポジションを務める西園信助(CV:戸松遥)にとってはチームプレーを考えない、勝手な振る舞いに思われた。


 シュートを止めた神童は一気に前線の天馬と剣城京介(CV:大原崇)にロングパスを送る。2人は走り込みながら、阿吽(あうん)の呼吸で同時にジャンプし、合体技「ファイアトルネードDD(ダブルドライブ)」を撃ち込む。迎え撃つ敵陣営のキーパー・シュテン(CV:佐藤健輔)は気合い一閃、片手でそのシュートを止めにかかる。だがあの千宮路大和(CV:早志勇紀)の牙城さえ崩した「ファイアトルネードDD」だ。そんな文字通りの手抜き(片手なので)で止められようはずもない。




 サドンデスルールにより、この勝負は雷門の勝ちだ。その様子をモニターしていたザナークの命令により、ラセツたちは撤退する。と同時に関羽張飛にかけられていた洗脳も解ける。これまでのことを一切覚えておらず、当惑する関羽たちを、劉備はいつもの大笑(たいしょう)した笑顔で抱きしめ、無事を歓迎する。この辺はさすが、弟思いの兄貴分だ。



 サッカー対決の場となった部屋を抜け、先を進む一行。道すがら、劉備は天馬たちが戦う先ほどの敵の名を「エルドラド」と認識する。関羽張飛は操られていたということを聞かされ、長兄(ちょうけい)の劉備に深く詫びる。それを軽く流すところがまた劉備の性格の良いところだろう。関羽たちが心酔して付き従うのもよく分かる。

 同様に、敵の存在を初めてその目で見ることとなった雨宮太陽(CV:江口拓也)も、次の機会には自らの力を貸すと心強く発言する。


 そんな中、信助は劉備に向かって厳しい表情で語りかける。先ほどの戦いでの劉備の軽挙(けいきょ)に対し、「キーパー失格」だと強い口調でダメ出しする。この館に乗り込む前はむしろ自らに対して畏敬(いけい)の念で接していた信助から強い調子で非難され、劉備は驚いてどういうことかを聞き返す。

 信助はサッカーでは役割分担があり、キーパーはゴールを守ることがその責務であると、その意義を説く。劉備はそれを聞き、あっさりとその言を受け入れる。劉備に対して無礼なほど強くその態度を戒(いまし)めた信助だったが、それは負けられない戦いを自覚するものの当然の務めだと自らの行為を正当化する。


 その頃、屋敷が組み込まれた山の頂上では、その館の主(あるじ)である史上最高の軍師が悠然と扇子(せんす)を扇(あお)ぎ、試練を乗り越えて客人がやって来るのを待っていた。



 孔明。その表情はうかがい知れない。何を思うのだろうか?



 そして新たな部屋にたどり着いた天馬たち。全員が中に入ると背後の扉が塞がれ、戻るための足場も無くなってしまう。つまりこの部屋の仕掛けを解くより他はない状況になったということだ。

 そこは幾つかの細かい足場に床が分割された部屋だった。中央には炎を上げる台座があり、その向こうには何も置かれていない燭台(しょくだい)、そして手元には縄で出来たボール……。これらを使って何らかの仕掛けを解く必要があるらしい。

 それらが何を意味しているのか分からずに戸惑う天馬たちだったが、ただひとり楽観的な劉備は迷うことなく、点(つ)いている火を消せば良いと提言する。単純バカで兄貴一途な張飛はすぐさまその意見に同意するが、仕掛けを解くのに失敗すれば何が起こるか分からない。神童がボールと燭台の意味を問うが、劉備は分からないとにべもない。

 いい加減なその態度に信助が呆れるが、決めたことは必ず実行するのがモットーの劉備は「迷っていても先に進めない」と独断で張飛に命じて燃えさかる炎を消させる。矛の風圧で見事に炎を消すことに成功した張飛だったが、その瞬間彼らの立っていた足場が姿を消す。やはりこの方法は間違っていたらしい。



 奈落の底に落とされ、坂を滑り落ちた一行は、装置によってこの屋敷の入口に吐き出されてしまう。なぜか嫌がらせのように遅れて落ちてきた張飛の巨体がクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)の上に落下。下敷きになったのがロボットのワンダバじゃなかったら死人が出ていただろう。


 落ちた時の土煙(つちけむり)に咳(せ)き込む菜花黄名子(CV:悠木碧)を介抱(かいほう)する瀬戸水鳥(CV:美名)。前回の大砲のシーンでは空野葵(CV:北原沙弥香)と山菜茜(CV:ゆりん)をかばうような素振りを見せていたし、いかにも姉御肌(あねごはだ)の彼女らしい態度だ。


 一行はスタート地点に戻されてしまった。またしても劉備の考えなしの行動がみんなに迷惑をかけた形だったが、劉備はまたも大笑するだけだった。これには信助が色をなして怒り出す。さっき呈した苦言をまったく聞き入れていなかったとしか思えない劉備のその態度は、信助には我慢ならないものに映った。

 またやり直せば良いと悪びれずに語る劉備のそのあまりに飄々(ひょうひょう)とした軽い返答が、信助を不安にさせる。「劉備には自分の言葉が届いていないんじゃないか?」と……。ミキシマックスする対象の心情まで理解していないと難しいということは、以前の神童が信長とミキシマックスした時に実証済みだ。こんなことで信助は劉備のオーラを引き継ぐことが出来るのだろうか?



 気を取り直し、先ほどの仕掛けの部屋に戻ってきた一行。信助はキレ気味に劉備は手を出すなと告げ、自分たちだけで仕掛けに挑戦する。

 フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)は縄で出来たボールが怪しいとあたりを付ける。フェイの持つボールが炎と、そしてその先の燭台と一直線に並ぶさまを見た剣城は、その意図するものを瞬時に理解する。さすがは雷門の中でも頭が良さそうなキャラの一人だ。

 剣城はフェイからボールを受け取り、炎の中にそのボールを蹴り込む。炎の中を通過した縄製のボールは炎を帯び、その先の燭台に落下して火を灯(とも)す。その瞬間、足場を分けていた空間が埋まり、部屋の出口が開く。剣城の見立てはやはり正解だった。



 正解を出して得意げな表情の剣城。上記したが個人的に剣城、神童、霧野蘭丸(CV:小林ゆう)、速水鶴正(CV:吉野裕行)、三国太一(CV:佐藤健輔)、一乃七助(CV:折笠富美子)、青山俊介(CV:高垣彩陽)は学校の成績も良さそうに思う。あとはほぼ間違いなくサッカーバカの群れ。新規加入の太陽はまだ未知数(たぶんサッカーバカの方だと思う)。



 中国風のとんがった山の周囲に貼り付くように組まれた回廊(かいろう)を経て進む一行。次の部屋は暗い室内に無数の土製の人形が居並ぶ、不気味な空間だった。

 この時代の人間である関羽がこの人形が兵馬俑(へいばよう)であることを告げる。兵馬俑とは高貴な人物が亡くなった時に、死後の世界でその人物の世話をするために副葬品(ふくそうひん)として埋められる人形のことで、日本では埴輪(はにわ)に当たるものだ。秦の始皇帝の陵墓(りょうぼ)が発見された時に大量に出土したことで知られる。

 なぜそのようなものがそこにあるのかは分からないが、孔明の館の仕掛けに懲(こ)りている一行は慎重に進もうと心がける。



 3マネと黄名子の雷門女子陣も怖々(こわごわ)といった表情で進む……ていうか、茜はこういうのが好きそうだと思われるとおり、なんだか嬉々として嬉しそうに兵馬俑に見入っている。さすがと言おうか。葵は男まさりの水鳥の袖を持って、やっぱり頼りにしている感じで可愛い。


 人型をした物体にはやはり不気味な印象を禁じえないものだ。おっかなびっくりな態度を示す倉間典人(CV:高垣彩陽)に対し、シニカルな性格の狩屋マサキ(CV:泰勇気)がちょっかいを出さないハズがない。

 日頃強気の倉間のことだ。後輩に鼻で笑われて黙ってはいられない。精一杯の強がりでビビっていることを否定する。だがその2人の後方で何か物音がする。

 あわてて振り返る2人だったが、何ら変わった点は見当たらない。気のせいだと、お互いに言い聞かせるように言い合って先を進むが、物音はその後も続く。しかもどう見ても人形が自分たちに近づいてきているとしか思えないのだが……あくまでも気のせいにして現実を受け入れようとしない怖がりの2人。

 だがついに振り向いた時に動く人形の姿を見てしまう! 見られたことで開き直ったのか、人形たちは一斉に飛びかからんばかりの姿で迫ってくる!



 前回も書いたけど、ニヒルキャラを通してきた2人がキャラ崩壊を起こしたシーン。来ない方が良かったかも。倉間と狩屋は今後の活躍でこのヘタレイメージを払拭するしかない。


 あまり聞いたことのない2人の悲鳴を聞いて異常事態に気づいた天馬たち。からくり仕立ての兵馬俑に狭い部屋で襲われては分が悪いと、劉備の指示で一行は走ってその場を逃れようとする。倉間と狩屋の足が一番速かったことは言うまでもない。


 だがその先の部屋で兵馬俑たちに追いつかれ、周囲を取り囲まれてしまう。果たして孔明はこんな仕掛けを施(ほどこ)してまで劉備の訪問を固辞しているのだろうか? だとしたら相当嫌われているな〜。






 カードゲームCMがニューバージョンになっていた。神童と蘭丸というミキシマックスに成功した2人が主役の内容。後ろでは剣城が相変わらず孤立してハブられている。寂しそうな剣城……前回のCMで遊んでいたワンダバ以外に友達おらんのか? 神童サイドでは茜ちゃんがノリノリで応援している。一方の蘭丸はさすが美形キャラらしく、多くの名も無き女子生徒たちの黄色い声援を受ける。ただ右から2人目のメガネの女子は男の娘好きの腐臭を感じる。



 周囲を取り囲まれて天馬たちは動くことが出来ない。そんな時、暗闇の向こうから何かが飛んでくる。ワンダバの顔面に激突したそれは、天馬たちには馴染みの深いサッカーボールだった。どうでもいいが、今回はワンダバが特に受難の日だ。

 そして部屋の周囲の明かりが灯り、暗かった室内の様子が明らかになる。そこはサッカーフィールドとなっていた。つまりはここで兵馬俑たちとサッカー対決をし、勝利せよ、これが孔明の求めるこの部屋通過の条件らしかった。どうでもいいが、孔明はさっきの戦いでサッカーを知ったばかりなのにサッカーボールにサッカーフィールドと用意が良すぎるだろ。天才にも程がある。


 黄名子「まさかお人形さんとサッカーするなんて思わなかったやんね〜」


 黄名子や錦龍馬(CV:岩崎了)といったちょっと思慮が足りなさそうなメンバーは相手が人形だということで楽勝ムードを感じていた。一方、先ほどの戦いでは出場できなかった太陽が、今度は出して欲しいと天馬に直訴する。天馬ももちろんその思いを歓迎する。というか、選手は11人しか来ていないんだから11対11で試合する場合は出場は当然だろJK。

 そこに劉備がやってきて、自分もキーパーで出場すると言い出す。信助はもちろん反対だ。慎重さを重視する信助にとって、劉備のプレーぶりは言語道断で許せないものとみなしていた。だが孔明に用があるのは自分であり、自分抜きで勝利しても孔明に会う資格を得られないと劉備はもっともな反論をする。

 劉備を否定することに頑(かたく)なになっている信助は譲らないが、一度決めたことを曲げない劉備の心情を理解する天馬は信助に自重を求める。さらにフェイが今回の戦いはエルドラド相手のものではないから信助の考えのように勝利至上にこだわることもないと後押しする。

 それでも譲らない信助だったが、やむを得ないという形で関羽張飛の2人が実力行使に出て信助を力づくで退場させる。



 巨漢に掴まれながらも、雷門の勝利にこだわる信助の執念は、劉備の心についに響く言葉となる。





 試合直前の両チームの布陣。雷門は3−5−2のやや攻撃的なフォーメーション。背番号は倉間は17番、太陽は18番だ。劉備は相変わらず背番号なし。今回の遠征メンバーはストライカー揃いなので、黄名子はディフェンダーに回る。エースストライカーなのに、器用な分、後方に回されることが多そうやんね〜。

 一方のからくり兵馬俑軍団。画像載せる意味もほとんど無いと思われるが、一応。3−3−3−1のフォーメーション。背番号以外はまったく区別がつかねぇ。本物の兵馬俑って、実は一つ一つ表情や着ている衣装が違うんだけどね。



 劉備にポジションを取られた信助はまだ納得がいかない様子だったが、そんな思いなど顧(かえり)みられることもなく試合開始の笛が鳴る。



 ちなみに審判も兵馬俑。オカリナ型の笛を吹く。


 兵馬俑軍団のキックオフ。人形相手ということで試合前から侮(あなど)っていた錦が立ち向かうが、タックルを受けてはじき飛ばされてしまう。その後をカバーするのは、これまた方言キャラの黄名子。だが兵馬俑はそこでシュート技「ギアドライブ」を撃つ。



 必殺シュート技「ギアドライブ」。回転するギア(歯車)で加速したボールが高速で射出されるシュート。


 意表を突かれた黄名子の脇をすり抜け、シュートは一直線に雷門ゴールに向かう。キーパーはしろうとさんの劉備だ。この必殺シュートを果たして止められるのだろうか?

 劉備は両手でガッチリ掴みかかり、なんとか押さえることに成功する。劉備は自分に熱い視線を送る信助を見やり、蘭丸にボールをフィードする。

 蘭丸は剣城にパス。剣城は兵馬俑にマークされながらもさらに太陽にパスを送る。受けた太陽、彼は雷門の一員として最初の実戦に燃えていた。みんなの力になりたいと願う思いは、彼をしていきなりの全力プレーという形で表出する。



 化身「太陽神アポロ」をいきなり現出し、シュートを放ったのだ。キーパー兵馬俑もキーパー技「ビームこぶし」で立ち向かうが、化身シュートには敵(かな)わなかった。

 必殺技を粉砕し、豪快にゴールネットを揺らす太陽のシュート。先制点は雷門が挙げることに成功する。最高の形でデビューを果たした太陽は、「行ける!」と心の中で確信し、笑みを浮かべる。


 信助は関羽から劉備の働きを認めるよう言われ、肯定せざるを得なかった。だが劉備が右手首に違和感がある素振りをするのを信助は見逃さなかった。もしかしたら劉備はさっきのプレーで……。



 試合は失点を喫した兵馬俑軍団のキックオフで再開する。さっきしてやられた錦は意気込んで挑みかかるが、今度は絶妙のパス回しでかわされてしまう。兵馬俑軍団は思った以上に多彩な攻撃手段を持っている。孔明、こんなサッカー能力をいつの間に与えることが出来たんだ?

 兵馬俑はまたも必殺シュート「ギアドライブ」を撃ってくる。一度止めた劉備は今度も同じように止めにかかるが、顔をしかめてシュートの勢いに押され始める。なんとかはじき、ボールをサイドラインに押し出して難を逃れる劉備

 やはり劉備は信助の見立て通り、最初のプレーで右手を痛めていた。信助の指摘にも、まだ左手があると劉備は強がる。だが必殺技もなしに、敵のシュートを左手一本で止め続けることは難しいだろう。

 そんな窮状を知ってか知らずか、兵馬俑たちは容赦なくシュートを連発してくる。劉備はキャッチすることを諦め、腕を交差させてシュートに対する盾とする。

 その根性には信助も驚きを隠せない。その劉備のプレーに賭ける精神を、関羽張飛が信助に言って聞かせるように語り始める。劉備は戦乱や自然災害で困窮する民衆を目の当たりにしていた。動こうとしない役人たちに任せていては何もかもが手遅れになってしまう。その前に自分が動くことで解決しようと考えたのだ。

 すべては民衆を救うため、そのために国作りに邁進してきたこと、そしてその国を維持するためには、孔明という英邁な知識を持った人間の力を借りなければならないということを聞かされ、信助は劉備の持つ本当の姿を知る。

 そしてそんな兄だからこそ自分たちは命を賭けられるとまで語る関羽の言葉は、信助の心にずしりと響く。


 試合はまたも兵馬俑の「ギアドライブ」が放たれる(ディフェンダー、仕事しろよ)。三度目の必殺シュートを受け、ジリジリと後ずさる劉備。もう両腕はボロボロなのだろう。受けきれないと見た劉備は頭突きでそのシュートをはじき飛ばし、ゴールを守りきる。

 満身創痍の状態の劉備は膝をついてしまう。そして努めて明るい口調で信助にキーパー交代を指示する。一度決めたことをやり通すというその意思を曲げたのではなく、守れるものが守る、それだけだと言って、信助に後を託す。

 劉備の頑張りをまざまざと見てきた信助は、その後を引き受ける。守備についた信助は、フィールドの外で手を冷やして治療する劉備の期待に応えようと発奮する。


 試合は兵馬俑軍団のコーナーキックで再開。三度目の正直を期して立ち向かう錦だったが、ドリブル技「トランスムーブ」で今度も抜かれてしまう。



 兵馬俑の「ギアドライブ」が迫る。気合いを込めて臨んだ信助だったのだが、そのシュートにまったく反応することが出来ず、みすみすゴールを許してしまう。



 せっかく劉備が死守してきた雷門ゴールをあっさりと割ってしまい、信助は激しく落ち込んでしまう。信助は兵馬俑のシュートに対し、どっちに飛べば止められたのかが分からなかったのだ。



 そしてこの試合で初めて雷門のキックオフで試合再開。さっきから良いところがない錦が剣城からのパスを受け、必殺技「伝来宝刀」を放つ。だが兵馬俑キーパーの「ビームこぶし」によってそのシュートは阻まれてしまう。今日の錦は本当に良いところなしぜよ。ケチケチせずに化身を使うぜよ。


 はじかれたボールは兵馬俑がキープ。そしてまたも「ギアドライブ」を撃ってくる。同じ兵馬俑だったら何回撃てるんだと問い詰めたくなるほどの回数なのだが、顔で見分けがつかないだけで、別人ならぬ別人形が撃っているのだろう、きっと。


 今度こそ止めると意気込む信助だったが、またもボールの軌跡を見極めることが出来ない。ギリギリで飛びついたものの、ボールは信助の手をはじき、ゴールに向かってしまう。すわ逆転ゴールが決まってしまうのか!?




 「もちもち〜きなこ餅〜!!」


 その窮地を救ったのは、アホみたいなネーミングの黄名子専用必殺技「もちもちきなこ餅」だった!! どのポジションでも出来ると豪語していた黄名子だけあって、ブロック技も持っていたということだろう。だけどこのダサネーミングセンスは……狩屋が命名したんじゃないの? あとこの技はどう考えても黄名子専用技だろう。ゲームで他キャラにも教えられる秘伝書があるのなら、私は迷わず神童に付けて爆笑したい。

 黄名子のおかげで失点を免(まぬが)れ、天馬たちはアホみたいな必殺技だと思いつつも(これはウソ)、黄名子を手放しで褒める。得意げな黄名子に対し、自分のカバーをしてもらえたということで感謝する信助。だが黄名子は恩着せがましいことなど言わず、信助がボールに触れたからこそ止めることが出来たと信助の健闘を称える。

 だが信助は自分の力で止められないことを引きずって元気がない。その様子は蘭丸や神童も気がついていた。いつもの信助に戻るまで、自分たちがカバーしなければならないと心に期する。

 そしてつるべ撃ちしてくる兵馬俑のシュートを、信助に負担がかからないようゴール前で阻止する2人。先輩たちが不調の自分のために頑張ってくれているということは、もちろん信助にも伝わっていた。

 だがその気持ちが一層信助の心を逸(はや)らせ、正確な対応を取ることが出来ない枷(かせ)となっていた。兵馬俑の動きを読むことが出来ないのだ!

 信助の変調を心配する葵たちに、ワンダバはからくり兵馬俑の動きは人間と違ってクセとなる特徴がない動きで、見分けることが通常より難しいのだと説明する。さらに力んで余裕のない今の信助では、より判断を困難にしていると見抜く。さすがは腐っても大監督だ。今回のように監督の立場を脅(おびや)かされなければ、一定の能力を発揮する。


 信助のカバーもあって疲労の色が出てきたディフェンス陣を抜いて、疲れを知らない兵馬俑がまたもゴール前に迫る。どうすれば良いのか分からなくなった信助は思わずその目を閉じてしまう。


 劉備「迷ったら飛べ〜っ!!!」


 信助を見つめていた劉備からの、彼らしいアドバイスだ。慎重にことを運ぼうとする信助に対し、考えても間に合わないなら、迷うことなく運に任せて行動せよという劉備流の思考の伝授だった。

 運任せといういい加減な意見になおも戸惑う信助だったが、劉備の「決断しなければすべてを失う」という言葉が信助の目を開かせる。さらに先ほど関羽から聞かされた劉備の心情「自分が動いて民を救おうとした。手遅れになる前に」という言葉が胸をよぎり、その言葉の真意に気づく。


 劉備「守りたいものがあるのだろう!?」


 追い打ちのその言葉は信助の頭から悩みを完全に吹き飛ばす。心が晴れやかになった思いの信助を、何度目になるかわからない「ギアドライブ」が襲いかかる。だが劉備に開眼させられた今の信助にとって、それは止められないシュートではなかった。




 「ぶっとびパンチ!!」


 劉備の言葉にインスパイアされて誕生した新必殺技「ぶっとびパンチ」により、見事にシュートを止めた信助。その姿を、満足そうな笑顔で見つめうなづく劉備

 自信を取り戻した信助は、勇躍前線の天馬にボールを送る。天馬から錦、そして太陽へとダイレクトパスがつながる。そしてこの状態ならラストパスを受けた太陽が決めないわけがない。再び化身「太陽神アポロ」を召喚した太陽は、今度は化身必殺技「サンシャインフォース」を、攻められっ放しだった憂さを晴らすかのように敵ゴールにブチ込む。




 そしてそこで試合終了のオカリナが鳴る。戦いは新規加入の太陽、新必殺技を披露した黄名子、そして信助の活躍により、見事に雷門が勝利を収める。倉間や狩屋は存在しないかのような空気だったが。やはり兵馬俑にビビらされるシーンが彼らの全力か? 次回に期待しよう。


 戦いを終えた信助のもとに劉備が歩み寄る。信助は戦いの前に拗(こじ)れていた関係を詫びるかのように頭を下げ、劉備のアドバイスに感謝する。

 別の場ではこの試合で2得点と雷門の全得点を挙げた太陽を、天馬とフェイが祝福する。太陽は当初から希望していた通り、みんなの力になれたということを素直に喜ぶ。


 そして劉備の号令の下、一行はこの先で待つであろう、孔明のもとへと向かう。最後の扉を開くと、そこは一面の自然の花畑が広がり、まるで別世界のような風景が待ち受けていた。素敵な景色に一同(特に女性陣)は歓声を上げる。

 劉備が聞こえよがしの大声で来訪を告げる。出てこないと恥ずかしい言葉を叫ぶぞと、輩(やから)顔負けの脅しをかける。おそらくあのしょうもない冗談を言うつもりなのだろう。

 それが効いたのか、しょうもないギャグを聞かされるのは敵わんとばかりに花吹雪が舞い、その先の庵(いおり)の前にそれまで無かった人影が現れる。

 その言葉をかけるのも憚(はばか)られるような威厳と威容に満ちた佇(たたず)まい。それは間違いなく、天馬たち、そして劉備が面会を心から求めていた孔明その人であろう。




 次回に続く



  エンディング



 今回は2度のサッカーバトルが描かれていたが、最初の方はザナークが様子見をしていたような印象で、あっさりと雷門が勝利した。後半の兵馬俑軍団は描き分けやキャラ付けしなくとも良いわけで……。敵キャラが今回は物足りないような印象を受けてしまう。

 太陽のいきなりの大活躍は良かったんだけど、まだ化身アームド出来る状態ではなさそう。まぁ天馬たちもアームド出来るようになるまで苦労したもんね。太陽にもそういう特訓的な場面が描かれるのかもしれない。

 そして黄名子の新必殺技「もちもちきなこ餅」がついにそのベールを脱いだ。今回は狩屋が同行していたわけで、絶対に狩屋がネーミングしたと思っていたんだけどなぁ。ダサダサのネーミングだし。ただ可愛らしく、黄名子らしい技やんね。




 信助と劉備は考え方の違いから険悪なムードになって一触即発の状況を迎え、どうなることやらと思っていたんだけど、最後は理解し合えたようで良かった。ちょっと信助が頭固すぎという印象があったけどね。劉備が飄々とし過ぎな面もあるけど。


 次回はいよいよ諸葛亮孔明が登場……って、前回も書いたな。今回は結局後ろ姿をちょこっと見せただけで、一言も喋らなかったわけで、残念極まりねぇ。タイトルで「孔明の館」とか言いながら本人が一言も喋らないなんて詐欺だよね〜。



 これが孔明の見目麗(みめうるわ)しいお姿。これまで登場したキャラの中でも最高レベルの美人さん。本当に男性なのかしらん?


 あと最後にツッコミを入れておきたいんだけど、兵馬俑たちがサッカーが巧みで必殺技も使いこなしていた点は1兆歩ほど譲って認めてあげないこともない。だけどその技が「ギアドライブ」だの「ビームこぶし」だの「トランスムーブ」だの、英語名がついているのは説明がつかんでしょう!? 孔明は英語を知っていたのか? 孔明は賢かったから、100兆歩ほど譲って外国語を知っていたとしよう。だけど英語の成立は最古のものでも5世紀で、3世紀のこの時代には存在してないよ。

 まぁこんな細かいツッコミは無粋な話だけどね。タイムジャンプする超次元サッカーという何もかも根底から覆すお話なんだし。ちびっこは一応この辺の話を覚えておこう。このブログ、勉強になるね。お母さんにもよろしく。




  次回「激襲!ザナーク・ドメイン!!」に続く。



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