『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第18話「みんなが帰ってきた!」の感想 【菜花黄名子ちゃん初登場】

 今日は8月31日。今年の夏も今日で終わりだ(その割に暑いが)。ちなみに8月31日は初音ミクの誕生日でもある。彼女の誕生日、3月9日じゃなかったんだねぇ。


 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第18話「みんなが帰ってきた!」を観ての感想を書く。新章に突入したこともあり、心機一転した気分で新たな感想文を書くよう努めたい。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第17話「夢の天下(てんが)」の感想 【お勝ちゃんとの別れにただ涙、涙】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

 で、一覧表示されます。

 時空最強のイレブンの能力を求める松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は、戦国時代でついに第1の能力を持つ織田信長(CV:千葉一伸)のオーラを手に入れた。

 現地の人たちとのあいだに築いた友情に後ろ髪を引かれつつ現代に帰ってきた一行。ベータ(CV:伊瀬茉莉也)を打ち破ったことで他の雷門中サッカー部の一同を洗脳したマインドコントロールも解けているはずである。期待と不安が入り混じった表情で、サッカー部のロッカールームへと続く扉を開く。


 そこには、天馬たちが辿(たど)ってきた時空間では懐かしく感じられる光景が見受けられた。雷門サッカー部のユニフォームに身を包んだ三国太一(CV:佐藤健輔)、車田剛一(CV:野島裕史)、天城大地(CV:奈良徹)ら3年生がいつもの口調で天馬たちを迎える。ベータの洗脳解除で、彼らと天馬たちとの経てきた時空間がパラドックスを起こしたのだ(洗脳前の状態に戻ったとも言う)。

 元に戻ったことを喜び、天馬と西園信助(CV:戸松遥)が駆け寄る。三国が言うには、サッカーを離れても心に引っかかるものがあったらしい。それも解消され、こうしてサッカー部室に舞い戻ってきたということだろう。ほかのメンバーも同様だ。



 洗脳が定着していたら見られなかったであろう姿。三国は相撲の世界に行ってただろうし、車田はラグビーの世界に転身していただろう。どっちも似合ってる気もするが。


 ベータの洗脳が解け、こうして再び集結することが出来た。ベータちゃんはプレー中は極悪だったけど、こうして約束をきちんと果たすところは義理堅い。

 浜野海士(CV:金野潤)などは洗脳されていたという自覚もなかったらしく、その辺がC調の彼らしい。これで雷門サッカー部も元通りとスケバンマネージャーの瀬戸水鳥(CV:美名)が笑顔で言うが、相変わらずストーリーの整理役の剣城京介(CV:大原崇)がそれはまだだと否定する。

 円堂守(CV:竹内順子)が依然敵に囚われたままだし、クロノ・ストーンにされてしまった円堂大介(CV:藤本譲)もそのままだ。部員こそ戻ったが、精神的支柱である監督がまだ奪還されていないというのはたしかに残された大きな課題だ。

 サッカーの未来を含め、それらすべてを取り戻すためには、やはり時空最強イレブンの力が必要だと、彼ら不在中のチーム大監督を自称するクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)が叱咤する。



 だが先々の懸案よりも、錦龍馬(CV:岩崎了)は久々の旧友との再会が嬉しいらしい。一乃七助(左 CV:折笠富美子)と青山俊介(右 CV:高垣彩陽)の肩を取り、満面の笑みを浮かべる。同学年だから仲は良いんだろうけど、青山はこのノリにちょっと戸惑い気味。


 そこで仲間の再会を祝して、キャプテンとして何かひとこと言えと信助から急(せ)かされ、天馬は困る。相変わらずこういう指導者ポジを求められるとちょっと困ってしまうらしい。まぁ1年生だしね。

 だが意を決した天馬くん、全員に質問という形で、檄(げき)を飛ばす。


 天馬「サッカーは好きかぁ〜!?」

 一同「オオッ!!!」


 再び集結した雷門メンバー。このシーンをまた見れるということを胸に信じて、これまで『イナクロ』を観続けてきた気がする。剣城は相変わらずノリが悪いぜよ。フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)も賛同しているところを見ると、彼もサッカーを愛していると理解して良いのかな、スタッフさん? あと今さら中の今さらなんだけど天城はデカ過ぎ。腕一本で信助より体積ありそう。


 みんな笑顔で、サッカーが大好きで堪らないという顔を浮かべていた。仲間の認識を再確認するうえで、これ以上みんなの心をひとつにまとめ、かつ前進するうえで共感を得る言葉はなかっただろう。「サッカーは好きか?」という問いかけを咄嗟(とっさ)に思いついた天馬には、それだけでキャプテンとしての素質があった。そう、かつてのキャプテン、円堂の「サッカーやろうぜ!」と同じぐらいの効用があったと思う。



   オープニング(感動共有!)



 再会の喜びに湧くサッカー部があるサッカー棟、学校校舎からそこへとつながる渡り廊下を、ひとりの少女が鼻歌を歌いながら駆けていく。


 部室では天馬が久しぶりにみんなで練習しようと気炎を上げる。だが忘れているようだが、現代は未だサッカー禁止令のもとにある。おおっぴらにサッカーをすることは禁じられているのだ。影山輝(CV:藤村歩)から窘(たしな)められ、天馬は残念そうに天を見つめる。

 天馬たちが時空を越えているあいだも豪炎寺修也(CV:野島裕史)の尽力により、取り壊される予定だったこのサッカー棟の解体工事も延期されていた。豪炎寺さん、何もしていないようでちゃっかり何かしてくれているところは、前シリーズを彷彿(ほうふつ)とさせる。



 とにかくそういう事情なので、「サッカー棟の中ならば簡単に見つかることはないぜよ」と言う錦の悪巧みに、なんとなく乗っかろうとする小悪党の天馬に輝、そして一乃(たぶん信助も同じような顔してる)。


 その時サロンに通じる扉が開く。現れたのは、天馬たちにとっては初めて出会う女の子だった。だが女の子の方は天馬を見知っているらしく、とてもフレンドリーに語りかけてくる。戸惑う天馬たちを置いてきぼりに、彼女は独特のコケティッシュな挨拶(あいさつ)をする。



 「雷門中サッカー部の皆さん、ち〜っす!」


 釣られて敬礼する天馬だったが、やはり聞かないわけにはいかないだろう、彼女の素性(すじょう)を問いかける。少女はこれも独特の方言で、その質問を冗談として受け止める。


 「ウチ、エースストライカーやんね?」


 言葉の意味がよく分からない天馬くん。少女が雷門のユニフォームを着ていることに気付くが、彼女をマネージャー志望と決め付ける。少女はそれも冗談と受け取り、クスクス笑い出してしまう。だが天馬たち過去に出向いていたメンバーを除く、離脱→復帰組のメンバーはこの少女が誰であるのかをよく知っていた。

 このパラドックス、これも歴史の時間軸に干渉があったからこそ起こり得た因果律(いんがりつ)の特異点なのだろう。少女は自身の特徴である長い栗色の後ろ髪をかき上げ、隠れていた背番号を示す。そこにはエースストライカーが付けることを許された背番号「10」の文字が……。驚く天馬たち。背番号10って、剣城が付けていたナンバーじゃん。

 少女が言うには、こっちの時間軸において剣城とのストライカー対決に勝利して、自分が10番を背負うことになったと屈託(くったく)なく話す。ではこの世界での剣城の背番号って、どうなってるんだろう? あとこのふわふわした少女が本当に剣城に勝ってしまうほどすごいストライカーなのだろうか?


 天馬はまだ納得のいかないような表情を浮かべつつも、今さらながら少女の名前を聞く。彼女は天馬たち(と視聴者)にとっては初めての自己紹介をする。



 「菜花黄名子ですっ、よろしく!」


 少女、菜花黄名子(CV:悠木碧)の大変フレンドリーな自己紹介を受ける天馬たち。体を傾けて敬礼するこのポーズは彼女のクセというか、決めポーズなのだろう。

 だが10番の背番号のユニフォームを着てきたことは彼女の独断だったらしい。咎(とが)められたと早合点(はやがてん)した黄名子は屈託なくユニフォームの裾を持って、まくり上げようとする。慌てて制する空野葵(CV:北原沙弥香)たちマネージャー。



 いくら試合中は男女の別がないサッカー競技といえども、こういうのは別だ。羞恥心(しゅうちしん)という概念が脳内に無いとしか思えないほど屈託のない黄名子を慌てて止めるマネたち。日頃おっとりしている山菜茜(右 CV:ゆりん)ですらこの慌てよう。思った以上に大物かもしれない。黄名子、侮(あなど)れない子。



 その姿を円卓上の球形モニタで見つめる12人の老人たち。それはサッカーを根絶するために歴史に干渉を続ける敵対勢力・エルドラドの指導者たちであった。ただモニタに映る黄名子がユニフォームを脱ごうとするシーンだけに、いろいろと間抜けだし倫理上も問題ありそうな気がする。こんなところのぞき見すんな。


 彼らにとっても黄名子の出現は想定外だった。エルドラドに敵意を抱く何者かが設置した特異点の可能性を考慮して、捨て置くわけにもいかない。早速調査のメスが入ることとなる。



 のぞき見されていることなど知りようもない雷門の選手たちは、結局錦の悪巧みに全員が乗ったらしい。サッカー棟内のサッカーグラウンドで練習することとなった。過去に向かった中でも、信長のオーラを受け継いだ神童拓人(CV:斎賀みつき)の能力をお披露目するという、いわば凱旋セレモニー的な練習だ。



 神童はミキシトランスで信長のオーラと融合した自らの能力を披露する。ミキシトランスって、やっぱり一度オーラを受け継ぐと誰にでも出来る能力らしいね。天馬もシュウのオーラをいつでも出せるってことか。


 その力を測ることが目的の練習だ。天城、霧野蘭丸(CV:小林ゆう)、狩屋マサキ(CV:泰勇気)という雷門が誇るDF陣が神童に挑みかかる。だが信長のオーラと融合した神童にまったく触れることさえ出来ず、突破を許してしまう。そしてゴール前、神童はあのベータ率いるプロトコル・オメガ2.0のゴールですらこじ開けたあの必殺のミキシマックスシュート技「刹那ブースト」を放つ。



 三国もそのシュートには反応することすら出来ず、為すすべなくゴールを割ってしまう。ミキシマックスした神童は、常人とはあまりにも違うスピードとパワーを見せつける。

 その見違えるようなパワーアップに、雷門のメンバーも大喜びで神童を称える。いつもはネガティブな速水鶴正(CV:吉野裕行)ですら「この能力ならば勝てる!」と浮かれる。全員がそう思っているのだろう、神童の強さに笑顔を浮かべる。ただひとり、蘭丸を除いては……。そしてその蘭丸の冴えない表情に気づいたのは、狩屋だけであった。

 神童は謙虚に、この能力を使いこなすには特訓が必要だと自戒する。今まで葵のポケットの中で眠っていたのだろうか、そこでクロノ・ストーンとなった大介が現れ、次の最強イレブンのために必要なオーラを手に入れに行くことを提言する。


 第2のメンバーに必要な能力とは「仲間の勇気を奮い立たせ、鉄壁の守りに変えるカリスマディフェンダー」であることを再度説明する大介。だがそこで急に黙り込む。発言の順番が自分のターンであることを理解していなかった大介の天然ボケにズッコケる一同。そこで例えるべき人物の名を言うべきところだと天馬からダメ出しが入る。

 気を取り直して大介はその特性に最も相応しい人物の名を挙げる、



 大介「例えて言うならば、ジャンヌ・ダルクだ!」


 ジャンヌ・ダルクは英仏100年戦争の末期、領土の過半を侵略されていたフランス軍の救世主として現れ、瞬(またた)く間に勝利を重ね、フランスに、そして主君シャルル7世に大逆転勝利をもたらした実在の英雄だ。戦場のカリスマの彼女のオーラを受け継ぐということは、仲間を守る強い信念を持ち勝利へと導くディフェンダーがその適任ということとなる。つまり次のミキシマックス対象はDFだということだ。以前このシルエットを見て「ジークフリートに間違いない」と言っていたのは忘れて欲しい。

 女の子ということで黄名子がそのミキシマックス候補に名乗りを上げる。キミはエースストライカーじゃないの? だが女の子には甘い(?)大介は二つ返事でそれに了承を与える。


 神童「そんなんでいいのですか!?」

 黄名子「そんなもんやねぇ〜、こういうのんは♥」


 ジャンヌ・ダルクの世界に向かうに当たってのアーティファクトは明日に到着するという。誰に手配させたのか気になるが、やはりあの裏方さんだろうか?

 そしてここでフェイが意外な提案をする。現地には11人で行きたいというのだ。復帰なった雷門サッカー部は17人(新規加入の黄名子を含む)の大所帯(おおじょたい)。減らしたいのは分からないでもないが、それだと割を食う選手もきっと出てくるぞ。ベンチウォーマーならぬ現代ウォーマーって、画面の隅(すみ)にすら映らない最悪のポジションじゃん。

 結局、歴史への影響を最小限にしたいという取ってつけたような理由で11人固定制度で望むこととなる。怪我したりなど、不測の事態の時のことを考えているとは思えないんだが……。

 そうなってくると大事なのがメンバー選出だ。監督風を吹かせたいワンダバが出しゃばるが、ミキシマックスの成功性を考慮する立場として、大介がメンバー選出の権限は譲らないと言う。石とぬいぐるみの醜い主導権争いは周りのメンバーをドン引きさせる。



 慌ててフェイが仲裁に立つ。フェイが頭を下げる形でワンダバに引っ込む余地を与える大人びた行動。大人げない連中が指導者だと、下々のものが苦労する。


 出発はアーティファクトが届く明日となる。大介に出発メンバーを尋ねる蘭丸の表情は、なぜか思いつめた表情だったが、大介は明日発表するとつれない返答。

 ジャンヌ・ダルクの世界に臨むこととなり、緊張する天馬たちだったが、その中で黄名子だけがもうメンバーに選ばれ、さらにジャンヌのオーラを受けるのは自分だと言わんばかりに照れまくっていた。



 いや大物と言おうか、本当に屈託がない。倉間典人(右 CV:高垣彩陽)のいろいろ含むところがありそうな表情に注目。



 解散後、夕暮れの校庭をひとり歩く蘭丸。セカンドチームが主に利用する屋外の第2グラウンドを見つめる。蘭丸はその場で練習に励んだ1年前の思い出に耽(ふけ)る。彼が中学1年の入学時から、彼の良き同僚でありライバルであり親友であったのは、常に神童であった。



 セカンドユニフォーム時代の両者。桜の花びら舞い散る頃、入学直後の姿だろう。


 だが現在、彼我(ひが)の距離は如何(いかん)ともしがたいものとして、両者のあいだに横たわっていた。先を行く神童にその阻害要因など気がつくほどのものでもないだろう。だが残された蘭丸にとって、それは才能というどうしようもないもので隔(へだ)てられたという悲哀であり、努力のみでは越えられない高き障壁でもあるのだ。

 いつしか悲しい表情に変わっていた蘭丸に話しかけてくる者がいた。それは狩屋だった。だが蘭丸は自分の心の悩みを押し隠し、立ち去ってしまう。相談してもどうしようもないことでもあることは確かだ。



 その頃、街中のコンビニで買い物を済ませたちょっと不良風の5人は、通りがかった路地で奇妙な人物の接触を受ける。その人物・ガンマ(CV:不明)は怪しく笑うとサッカーボール状のスフィアデバイスを作動させる。


 スフィアデバイス「マインドコントロールモード」


 夕焼けの映える路地に、不良たちの悲鳴がこだまする。



 一方、趣味の釣り堀に仲間を連れ立ってやって来ていた浜野は10匹というその釣果(ちょうか)にご機嫌な様子だった。1匹しか釣れなかった速水が愚痴るが、いつものことなのだろう、浜野は気にした風も見せない。速水は加勢を求めるように横にいた倉間に釣果を尋ねる。倉間は言いにくそうにゼロと告げ、顔を背(そむ)ける。さらにその横の一乃、青山も散々だったらしい。つまりこの釣り遊びは、浜野以外はストレスのみだったようだ。もともと彼らは全員居残り組で、再会を祝う間柄でも無いしねぇ。



 浜野以外の4人のうち3人までがボウズということで速水たちには受けが悪かった釣り遊びだったが、浜野のご機嫌な様子が見られて個人的には満足なシーン。倉間や一乃、青山の私服姿も極めて珍しいし。


 そんな彼らの前に、サッカーボールを携(たずさ)えた5人組が現れる。それはさっきガンマに洗脳された不良たちだった。彼らは突然乱暴にサッカーボールを蹴りつけ、サッカーで勝負しようと言い出す。


 近くの公園のグラウンドに移動した両者は、そこでサッカーバトルをすることとなる。ゴールの位置をぞんざいに指示したのち、不良たちはキックオフを宣告しバトルを開始してしまう。浜野や青山が挑みかかるが、パス回しが信じられないほど上手い不良たちからボールを奪うことが出来ない。

 思ったより相手は腕が立つと気付き、浜野は驚く。だが彼らは痩せても枯れてもホーリーロードで優勝したチームの一員だ。こんなしろうと集団に負けるわけにはいかないと倉間は発奮する。一方の速水はサッカー禁止令がある中、こんな往来でサッカーをしていることそのものにビビる。

 一乃がスライディングでボールを奪い、青山がそれをボレーで浜野につなぐ。そしてゴールに向かって走る倉間に絶妙のパスを出す。久々に見る、雷門2年生ズの連携プレーだ。



 倉間はここで彼的には最強のシュート技「サイドワインダー」を撃つ(ゲームだと「バリスタショット」も持ってるんだけどね……)。私服で放たれるおそらく最初で最後のガラガラヘビだろう。



 翌日、サッカー部では前日の襲撃の話を聞かされ、天馬が驚いていた。倉間のあのシュートが決まり、あっさりと撃退できたという話だったが、襲撃されたという話自体が穏当(おんとう)ではない。

 しかもその同時期、天城たち3年生も何者かに襲われていたというのだ。「当然倒してやった」と自慢げに語る車田さんの表情がヤクザだったが。オトシマエにものすごいバツを与えたんじゃなかろうか? 全員「ダッシュトレイン」の刑とか。

 ただサッカー禁止令が出されている状況で、サッカーで雷門の選手たちに挑んで来る者が現れるというのは、明らかに不自然だ。神童のその問いにフェイが答える。フェイはプロトコル・オメガの手によってマインドコントロールされた人物が襲ってくるのだと見当を付ける。ベータの後を襲った新たな敵の存在を感じる剣城。


 そこに包みを持って入ってくる豪炎寺。彼はサッカーを消滅させるエルドラドの計画が依然進行中であることを告げる。サッカー禁止令下でも、サッカーが好きな人たちは隠れてサッカーをしていた。そんな人たちが次々に襲われているという事件が頻発しており、それはまさにエルドラドの仕業だと豪炎寺は推測する。

 そこに大介が声を掛けてくる。豪炎寺にアーティファクトの用意立てを頼んでいたらしい。やはり豪炎寺さんがパシらされていたのね。豪炎寺が包みから取り出したもの、それはジャンヌが使用していたという「勇気の兜」だった。



 アーティファクト「勇気の兜」


 神童に被るように言う錦だが、その論理が「信長だったら兜ぐらい被るぜよ」というアホ理論だった。神童は最初は婉曲的(えんきょくてき)に断っていたが、錦がアホ過ぎるのでそのうち声を荒げて兜の装着を嫌がり出す。茜が被っているところを見たいと歓声を上げるが、茜が神童ありきで言っていることを理解していないアホの錦は自分で被ろうとして水鳥に怒鳴られる。


 そんな仲間たちのアホアホしい喧騒を離れた場から見ていた蘭丸。狩屋がそれに気づいて話しかける。こっちは一転シリアスだ。何気ない風を装う蘭丸だったが、狩屋は蘭丸が神童に対して抱いていた感情に関して、すべて分かっていた。図星を突かれてハッとなる蘭丸。だがやはり弱いところ、醜いところを見透かされるのが嫌だったのだろう、狩屋の言を否定する。

 狩屋はそこであえて彼なりのキャラクターで蘭丸をからかう。神童に対してジェラシーを感じている蘭丸の本音をズバリと突く。神童は化身も使え、化身アームドも出来るしミキシマックスも出来る。引き替え蘭丸には何も出来ないということを失望し、嫉妬していると喝破したのだ。蘭丸は色をなして否定する。


 そこでアーティファクトも届き、出発に目処(めど)が立ったということで、大介により今回の随行メンバーが発表される。

 天馬、神童、剣城、フェイ、信助、錦とこれまでのメンバーが順当に選ばれる。そして新規メンバーとして狩屋、浜野、輝、速水、そして黄名子の11名の名が読み上げられる。



 自分は外された……


 外されたショックで茫然自失の蘭丸。ここで現代ウォーマーになってしまったら、すでに開ききっている神童との差が本当に絶望的なものになってしまう。黄名子の喜びの声も、その後の「おやつは300円まで」などと呑気(のんき)な指示を出す大介の声も、蘭丸の耳には入っていなかった。


 その状態の彼が出来ること、それはメンバーに入れて欲しいと恥も外聞もなく直訴(じきそ)することだった。プライドを捨てて自分も連れて行って欲しいと大介に懇願する蘭丸だったが、大介は決定事項として取り合わないつもりでいた。

 だがここでメンバーに選出されていた狩屋が手を挙げ、腹痛を訴えて蘭丸と交代して欲しいと願い出る。その表情は汗の一つもかいておらず、仮病であることは歴然だ。だが大介はそれを受け入れ、狩屋の代わりに蘭丸を連れて行くことを決める。大介も狩屋のウソに秘められた思いやりに気づいたのかもしれない。


 蘭丸「ありがとう……ございます!」


 蘭丸は大介に向けて深々と頭を下げ、そして自分に晴れ舞台を譲った狩屋を見やる。狩屋は目を合わせずに腹をさすり、そっぽを向いていた。痛くもない腹をさする彼の横顔を、蘭丸はどんな気持ちで見つめていたのだろう?




 エルドラド本拠地と思われる場では、またもメンバーたちへの血の粛清が行われようとしていた。新しいリーダーのガンマが歩み寄る中、ガウラ(CV:佐藤健輔)、ドリム(CV:泰勇気)、ザノウ(CV:岩崎了)、ネイラ(CV:佐々木日菜子)の4人の表情が恐怖に歪む。

 釈明の機会さえ与えず、ガンマは非情にも指を鳴らして彼らをムゲンロウゴクに送り込む。



 前々から「逆に聞こう、なぜリストラされない?」と思っていたザノウはともかく、ドリムとネイラは粛清される理由が分からねぇ。ネイラは好きなキャラだっただけに残念だなぁ。ガンマ派だと予測をつけていたんだけど、それもハズレだったし……。ドリムはもしかしたらベータ派の色が強すぎたせいなのかもしれないと想像する。


 そして消え去った彼らと入れ替わりに現れた4名の名を呼ぶガンマ。おそらく彼らこそガンマの子飼いの忠実な部下たちだろう。そして背後にいた議長のトウドウヘイキチ(CV:相沢まさき)たち支配者の老人に向き直り、自分たちの手で雷門を打倒することを自信満々に約束する。

 ベータの処遇を尋ねるガンマ。ベータは一足早く、トウドウ自身の手によってムゲンロウゴク送りとされていた。



 アルファ(CV:谷山紀章)、ベータを含め、これまで送られてしまったルートエージェントたちの姿が。「MUST-GENERIC TRAINING CENTER(マストジェネリックレーニングセンター)」→通称「MUGEN牢獄」という、その名称の由来、そして何がそこで行われるのかがここで初めて説明される。


 人間の精神と肉体のスペックを高めるために、過酷な訓練が行われているらしい。送り込まれるのを誰もが恐れる場であるのだから、そこでの教育が非人道的なまでの苛烈を極めるものであることは想像に難くない。

 ムゲンロウゴクの9人もものすごく強くなって再登場するというフラグが立ったと言えるだろう。ただ以前の人格を持ったまま戻ってこれるかどうかは分からないが……。


 ガンマはベータの失態を嘲(あざけ)り、言外に自分はそうはならないという態度を示す。トウドウから命(めい)を受け、彼もこれまでのリーダーと同様、特徴ある英語で返答する。



 ガンマ「スマート!」


 ここでは「鮮やかに」とでも訳すべきだろうか。



 場面は一転、警戒音を発する地下道のような場面に移る。逃げる人物とそれを追う一団の乗るバイク状の機械の姿を見ても、これが現代ではないことは明らかだ。



 やがて袋小路(ふくろこうじ)に追い詰められる先頭の赤いバイク。サイレンを鳴らして追ってきていたのは、おそらくこの時代の警察組織だろう。警棒を手に赤いバイクの乗り手の男に迫る警官たちだったが、男が気合を一閃したあと、その場に倒れるのは警官たちであった。

 男は警官の乗っていたバイクの端末を操作し、何かを探る。エルドラドの作戦をそこで知った男は、それに興味を示す。再び赤いバイクに乗った男は、何かを意図するような笑みを浮かべつつ、何処(いずこ)かへと走り去ってしまう。



 一方、雷門を乗せたキャラバンは時空を越え、1427年のフランスにやって来ていた。前回の信長の戦国時代からさらに100年以上歴史を遡(さかのぼ)った世界だ。

 そして時を同じくして、雷門を追うガンマ率いるプロトコル・オメガのUFOもこの時代に降り立つ。相変わらずリーダーの腰ぎんちゃく的な位置に存在するエイナム(CV:野島裕史)に確認を取り、ガンマは辺りを見渡す。

 だがそこに何者かが攻撃を仕掛ける。赤いスフィアデバイスの直撃を受け、ガンマはたじろぐ。そのスフィアデバイスを蹴りつけた件(くだん)の相手が姿を現す。それは先ほど脱走者として警察に追われていた男だった。



 ザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)。ひょうたんが付いたような間抜けな髪型だが、なんか強そうだ。


 男は自らを「ザナーク・アバロニク」と名乗ったくせに、直後には「名も無き小市民」と称する。その謎かけ的な言動は、攻撃を受けて苛立(いらだ)っていたガンマをさらに怒りに駆り立てる。

 腰ぎんちゃくのエイナムが解説する。ザナークは何をするか分からないS級の危険人物だという。排除するつもりのガンマに対し、ザナークは余裕の表情で、全員でかかって来いと告げる。

 ガンマは全力でザナークに向けてスフィアデバイスをシュートして攻撃を仕掛ける。跳ね返りを周囲を取り囲んだエイナムたち部下が総出で猛攻を続ける。だがザナークは大言壮語(たいげんそうご)した通り、まったく効いていないと言わんばかりに笑う。

 止めとばかりにシュートを撃つガンマに対し、ザナークは気合一閃、何と口から紫色の怪光線を放ってその強烈なシュートを止めてしまう。ウソみたいなホントの話。



 これがその証拠画像だ。クオース(左 CV:大原崇)たちが驚いてるけど、そら驚くわ。この前に警官の一団をKOしたのもこの技を使用したと思われる。


 そして閃光が走ったのち、その場に立っているのはザナークただひとりであった。ガンマを入れて新規メンバー5人を擁する新生プロトコル・オメガの皆さん、これではあまりにも立場がありません。



 ガンマという能力者に託した現状最強のカードをあっさりと潰されたエルドラドは、もちろんこの様子もモニターしていた。トウドウに報告する議員の説明では、ザナークは数時間前にムゲンロウゴクを脱獄したという。つまり彼は脱獄囚として追われていたわけだ。


 ザナークの方も、エルドラドに監視されているということは知っている。モニタ越しに議員たちに向けて自論を開陳(かいちん)し始める。彼の提案は、エルドラドのやろうとしている打倒雷門を自分が引き受ける代わりに、自らの罪を脱獄を含めて帳消しにしろというものだった。

 犯罪者との取引に、側近議員は即座に反対する。だがトウドウは独断でザナークの提案を了とする。トウドウはザナークのその力を認め、取引に応じると返答する。

 お互いが思惑ありげな同士、狐と狸の化かし合いに似た交渉は終わった。ザナークは今度は緑の光を口から発し、倒れているプロトコル・オメガのメンバーを起こしにかかる。



 紫だの緑だの、お前はザ・グレートカブキか!?


 緑の光線を体内に送り込まれたガンマたちは、怪しい視線で立ち上がる。その目はザナークのしもべに成り果てたことを示すかの様に、全員ザナークと同じ赤い瞳になっていた。ザナークは彼らの扱いに関しても、最高権力者のトウドウから全権を委任されたのだ。洗脳しようが何の問題もないと言えよう。



 天馬たちを乗せたキャラバンは、向かう先で激しい戦闘が行われている地に行き当たる。追われて森の中に避難するフランス軍の中に、ひときわ目立つ可憐(かれん)な女性。おそらく彼女がジャンヌ・ダルク(CV:寿美菜子)だろう。なぜ「おそらく」という不確定を表す修飾語が付くのかといえば、彼女がメガネっ娘だからだ(笑)。



 なぜメガネっ娘!? 時代考証ちゃんとしてるのか? それともジャンヌ・ダルク編の考案者は小野寺浩二のファンなのか?



 次回に続く



  エンディング



 さて新章突入。敵味方双方に新キャラが現れたが、驚かされたのが敵のインフレ率。ガンマ登場で数話は持たせると思っていたのに、もう(ストーリー的には)お払い箱とか、酷すぎない? 活躍度はアルファ以下やん。

 それだけ今回登場のザナークが強力なのだという演出なのだと思うのだけど、ガンマと共に新規加入した皆さんもええとこなしでザナークの操り人形に成り果ててしまい、やはり残念感は拭えず。


 味方の方では、黄名子がどれだけの実力を持っているのかが未知数ではある。ただ剣城とのストライカー対決に勝利したということから、相当な実力者であることは推察される。少なくとも化身使えない居残り組たちよりは上なんでしょうね。

 そうなるとメンバーが1人増えたことで17人となり、レギュラー11人とベンチの5人の16人というこれまでの形も崩れることとなる。果たして誰がセカンドチーム行きなのだろうか? 一乃? 青山?



 ジャンヌ・ダルクに関してはいろいろ言いたいことがあるが、歴史的な話は次回以降に譲り、今回はなぜメガネっ娘やねんというところに絞りたい。なんで? 小野寺浩二の漫画の読みすぎ?


 次回はジャンヌ・ダルクとの出会いとその後の心の交流が描かれる回になりそう。蘭丸が彼女のオーラを受け継ぐことになるのだろうけど、その辺の描写がどうなるのかが楽しみではある。大介が最初は蘭丸をメンバーに入れていなかったことから明らかなように、蘭丸は本来ジャンヌ・ダルクのオーラを受ける第2のプレーヤーという構想から外れているわけで、その辺との整合性も見ものと言えそう。



 当時の衣装に身を包んで接触を図ろうとするシーンのようだ。またあの万能のワンダバスイッチで着替えたんだろうなぁ。バリエーションの豊富な男子陣に対して女子陣が同じ衣装であからさまに手抜きを感じるが。



  次回「鎧の少女」に続く。



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