『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第40話「壮絶開幕!最終決戦ラグナロク!!」の感想 【最終決戦、開幕!】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第40話「壮絶開幕!最終決戦ラグナロク!!」を観ての感想を書く。ついに開幕する人類の運命を賭けた戦い「ラグナロク」。雷門とエルドラドというここまで敵同士だった組織が呉越同舟(ごえつどうしゅう)で最強の敵に挑む!



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第39話「結束!雷門とエルドラド!!」の感想 【新しい仲間、そして新しい敵!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 時空最強イレブンの力を手に入れる冒険を続けていた松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は、これまでそれを妨害する敵であったエルドラドのトウドウヘイキチ(CV:相沢まさき)から意外な提案を受ける。

 これまでの敵対行為が無かったことのように振舞う彼は、共通の敵であるセカンドステージチルドレンの組織「フェーダ」と戦うために力を貸せというのだ。

 これまでの経緯を無視したその高圧的な態度に雷門の選手たちは態度を硬化させるが、彼らの指導者、円堂守(CV:竹内順子)がクロノ・ストーン状態でフェーダに囚われていること、そしてフェーダがサッカーから産まれた超人類的存在でありながら人類に敵対しているという事情をトウドウから聞かされ、天馬たちは結果的に共闘を受け入れる。


 フェーダとの決着は、3日後に行われるラグナロクという名のサッカーによる決戦に委(ゆだ)ねられる。3チームによる総当たり戦で勝った方が多い側の勝利だ。簡単に言うがこれは人類の命運を決する3試合である。必勝を期すため雷門とルートエージェント、それぞれの戦力を三分して混成チームを結成し、チームプレーの確認のため特訓を開始する。

 だがここまで敵同士だった両者のチームワークはバラバラで、おおよそチームの体(てい)を成さない。苦悩するそれぞれのチームのキャプテンの天馬、神童拓人(CV:斎賀みつき)、剣城京介(CV:大原崇)たち。



 ラグナロクを翌日に控えたそんな中、突如エルドラド本部を急襲するフェーダの姿が……!! サッカーで決着をつけるはずではなかったのか!?


トウドウ「エルドラドを破壊するというのか!?」



 フェーダのリーダー、SARUことサリュー・エヴァン(CV:岡本信彦)の号令の元、セカンドステージチルドレンたちは一斉に攻撃を仕掛け、エルドラド本部は見る影もなく崩壊してゆく。


 すっかり瓦礫(がれき)と化した本拠地の前で、呆然とその惨状を見つめるトウドウとサカマキトグロウ(CV:石井康嗣)、そして雷門の選手たち。トウドウとサカマキは瞬間移動で逃げてたけど、雷門メンバーはよく無事だったな。

 そんな彼らの前に微笑をたたえて現れたのは、SARUを筆頭とするフェーダたちだった。見た目は普通の子供たちなのに、この悪魔とも言える蛮行を笑顔で行う彼らの行為は見る者に強い戦慄(せんりつ)を与える。



   オープニング



 夕陽をバックに一同に語りかけてくるSARU。その顔に天馬は見覚えがあった。アーサー王伝説の世界の中で語りかけてきた自分にそっくりな少年……それが今、目の前でセカンドステージチルドレンの一員として姿を現した。

 天馬の問いかけにSARUは悪びれることもなく、自らがセカンドステージチルドレンであることを認める。それだけでなく、自らをフェーダの「皇帝」リーダーであることを誇らしげに示す。



SARU「そしてもうすぐ世界のリーダーになるんだ!」


 自分とほぼ同年齢の少年のあまりにも自信に満ちあふれ超然としたその態度に、天馬はギャップを覚えてハッとなる。そして同時にSARUを見たフェイ・ルーン(CV:木村亜希子)に異変が起こる。



 フェーダの精神攻撃だろうか? それとも何かが彼の記憶を刺激するのだろうか? 頭を押さえて苦悶(くもん)の表情を浮かべるフェイ。


 SARUはこの破壊工作が、ラグナロクを開催するにあたってのセレモニーであると嘯(うそぶ)く。サッカーで勝負をつけるのではなかったのかと神童が怒気を込めて問うが、SARUはやはり悪びれることもなく、そのラグナロクを実行するために準備をすると言う。

 彼がその右手を天に差し伸べ、他のセカンドステージチルドレンも一斉にその動作に習う。その時、崩れ落ちた瓦礫が中空に浮かび上がる。

 驚く天馬たち。かつてエルドラド本部であった瓦礫はSARUの思い通りに組み合わさって建造物を再構築する。こんな能力は普通の人間では不可能だ。セカンドステージチルドレンの超能力の凄まじさをまるで見せつけるかのようなそのパフォーマンスに、雷門の選手たちは飲まれてしまう。

 再構築された建造物、それは巨大なサッカースタジアムであった。SARUはそのスタジアムを「ラグナロクスタジアム」と命名し、そこが決戦の地であり、フェーダによる新たな世界の始まりの地であることを宣言する。


 物理的には指一本触れることなく大サッカー場を建造してしまったその能力は、それこそが恐るべき超人類の「超能力」であった。狩屋マサキ(CV:泰勇気)や速水鶴正(CV:吉野裕行)は戦う前からこんな化け物じみた能力の持ち主の敵に勝てるわけがないと尻込みしてしまう。

 SARUは淡々と、スタジアム内にエルドラドのチームのために生活スペースや練習場などを完備したと語る。ラグナロクの間はそこをミーティングルームとして使用すれば良いと言うわけだ。



 SARUの尊大な物言いに、元はといえばエルドラドのビルを破壊して作り替えたのだから恩着せがましく言うなと狩屋が反発する。さっきは恐れおののいていたのに気骨あるじゃんと思わせておいて、SARUに睨(にら)まれると途端にビビってしまう狩屋が情けなくも可愛い。


 SARUは無駄だろうけど準備を怠(おこた)るなと無礼なことを言う。それには西園信助(CV:戸松遥)が怒りを込めて反論する。その反応を見てであろうか、セカンドステージチルドレンの中でももっとも気が荒く戦闘的なガロ(CV:不明)がまだるっこしいことは抜きにして、今ここで天馬たちをぶっ倒してしまおうと提案する。

 だがSARUは命令に従わない部下に決然と態度を示す。ガロの腕を掴(つか)んで睨みつけたのだ。過去にもこういうケースで何らかの制裁を受けたことを示唆するように、ガロはあわてて自分の意見を引っ込めて服従の意思を示す。

 そして天馬たちに向き直り、ラグナロクで自分たちはこの能力(念動力を始めとする超能力のこと)を使用しないことを誓う。それは正々堂々というより、この能力を使わなくとも自分たちセカンドステージチルドレンが優秀であることを証明するためであるらしい。つまり純粋なサッカーの能力でも雷門を、エルドラドを圧倒することが出来るという自信の表れである。


 そして明日の試合が楽しみだと言ってSARUが去り際にこちらに向けた視線、それは何故かフェイを見つめるものであった。



 SARUのその視線を受けた途端、フェイはまたも頭を押さえてその場に倒れてしまう! 菜花黄名子(CV:悠木碧)が必死にフェイの名を呼んで心配する。その騒ぎを尻目に、SARUは思惑ありげな表情を浮かべてその場を立ち去る。

 夕闇が迫るラグナロクスタジアムの前に、フェイを呼ぶ黄名子の悲痛な声がこだまする……。



 フェイはラグナロクスタジアム内に設けられたエルドラドの居住スペースに寝かされていた。気がついたフェイをまず気遣うのは、ずっとフェイの前で心配していた黄名子だった。



 上体を起こしてもう大丈夫だと笑うフェイを見て、黄名子はようやく安堵(あんど)の息をつく。一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)はSARUが超能力でフェイに何か害を与えたのではないかと訝(いぶか)る。だがフェイは何か確信を持つかのような口調でそれを否定する。フェイはSARUが言っていた「超能力を使わずに勝負する」という言葉に絶対の信を置いていた。



 それに異論を唱える声が部屋の外から聞こえる。見るとルートエージェントのガウラ(CV:佐藤健輔)たちが「セカンドステージチルドレンの言うことなど当てにならない」と言う。


 だがフェイはやはり確信を持ってSARUは嘘をつかないと返す。ガウラたちは自分よりも敵であるSARUを信じるフェイに不快感を抱いて去っていってしまう。

 チーム内の不協和音がこんなシーンにまで現れてしまい、室内は気まずい雰囲気に包まれる。話題を変えようと、黄名子がフェイに何か食べ物を持ってくると提案する。最近の黄名子ちゃんはものすごく空気が読めるキャラになっちゃった感があるよね。

 それは自分たちでやるから黄名子にはフェイについていてあげろと優しく気を利かせる車田剛一(CV:野島裕史)がさらに空気読める人だったので驚いたけどな。脳みそまで筋肉製だと思っていたのに(ひどい)。


 室内に2人きりとなり、黄名子はフェイに、倒れた時に何が起こったのかを具体的に尋ねる。フェイにも何が起こったのかよく分からないらしい。とにかくSARUを見たら頭の中で何かが見えた気がするとぼんやりと状況を説明するフェイ。彼の記憶の断片を呼び覚ます何かがSARUにはあるようだ。うつむいてしまうフェイの横顔を見つめ、黄名子は心配そうにその名をつぶやく。



 待ったなしの大決戦が明日に迫っている。天馬をキャプテンとするチーム・豪炎寺修也(CV:野島裕史)のミーティングが行われていた。天馬はフェイの容態を心配するが、チームが別ということで宿舎も別となり、様子を見に行くことも出来ないらしい。普段から交流できるようになってたら良いのだが、このスタジアムを建造したのはセカンドステージチルドレンだからそう都合よく造られていなくとも仕方がない。信助に黄名子やみんながついているから大丈夫だと励まされ、天馬も笑顔を浮かべて友の回復を信じる。


 そして監督の豪炎寺から対戦するセカンドステージチルドレンの情報が語られる。エルドラドからの情報によると、何と彼らにはサッカー選手としてのデータが一切無いというのだ。戦った経験があるのではないのかと霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が元パーフェクト・カスケイドのキャプテンのレイ・ルク(CV:河野裕)に問いかけるが、彼はサッカーでセカンドステージチルドレンと戦ったことはないと事務的に回答する。

 となると敵がどういうサッカーをするのかということが事前には一切不明ということとなる。影山輝(CV:藤村歩)や速水がそれを聞いて動揺する。日頃は楽観的な浜野海士(CV:金野潤)も彼らに同調せざるを得ない。



 戦いの決着方法としてサッカーを選択してきたのだから、その実力は推して知るべしと太陽も警戒感を募らせる。それほど強いと想像される相手に、エルドラドは情報戦において丸腰で敵に対するようなものなのだ。逆に敵はこちらの情報をかなりの精度で持っているはずだ(前回もSARUがスパイしていたし、アーサー王編でもSARUは観戦に来ていた)。


 だがどんな相手であろうと、俺たちは俺たちのサッカーをするだけだと豪炎寺は強気に言う。監督としてはそう言わざるを得ない立場なのだが、その意思をうまく受け継いでみんなの気持ちに昇華させるのは天馬の役目だった。サッカーを守るためにも、円堂を取り戻すためにも負けるわけにはいかないと、みんなの気持ちをその二点に集約させる。



 一方、3チーム中一番クセが強いメンバーが揃い、チームとしての団結力に欠けるのが神童をキャプテンとするチーム・サカマキだった。神童が熱弁を振るう中、何とあくびをするという態度でミーティングを台無しにするのは問題児の筆頭・ベータ(CV:伊瀬茉莉也)だった。

 眠くなるほどつまらなく意味がない会合であると決め付けるベータは、倉間典人(CV:高垣彩陽)の叱責にもお構いなしだ。かねてよりベータとそりの合わないガンマ(CV:泰勇気)がここぞとばかりに逃げるのかとベータを挑発する。ルートエージェント同士ですらこの協調性のなさに、倉間は舌打ちして敵意をむき出しにする。

 さらにアルファ(CV:谷山紀章)までもがこの場を去ろうとしてガンマ、さらにはベータと衝突する。格下に見ていたアルファの態度にガンマだけでなくベータまでが噛み付いたのだ。



ベータ「今あなたたちと決着をつけても構わないんですけどぉ?」
ガンマ「……クッ!」


 一触即発の状況に、狩屋があわてて天城大地(CV:奈良徹)に止めるよう要請する。体が大きくとも気は小さい天城は監督に言えと責任を回避する始末。

 同じチームとは思えない醜い争い合いに、ついに神童が怒りを爆発させる。だが「俺たちは仲間」という神童のフレーズをベータは笑い飛ばしてしまう。アルファもエルドラドに所属する同志であっても競うべき敵だと言い放ち、個人主義で誰をも仲間とは認めていないことを神童に主張する。アルファくん、多分それを聞いて命令違反まで犯して君を救おうとしたエイナム(CV:野島裕史)くんは泣いていると思うぞ。



 そして一斉に出口に向かってしまうルートエージェントの面々。ここまで協調性が無いクセに、こういう時の行動はバッチリ一致するのはどういう事なんだ?


 神童が語気荒く止めようとするが、誰も聞き入れずに部屋を出ていってしまう。チームを預かる身としてこの展開を忸怩(じくじ)たる思いで見つめる神童に、まるで他人事(ひとごと)のようにシニカルに鼻で笑ってみせるサカマキ。


サカマキ「どうする? チームのキャプテンは君だ」

 『それを言うならチームの監督はオメーだろ! 何を他人事のように傍観(ぼうかん)してるんだよ? 中間管理職の厳しい役割を俺様に押し付けるなよ。だいたいこのチーム編成もオメーがやったんだろう?』……などと一言も言わない神童が健気だ。私だったら一言どころか5億言ぐらいサカマキに文句を言うところだが。


 サカマキに責任をすべて押し付けられる神童。責任を感じて歯を食いしばり、深き悩みに沈んでしまう。神童はこの戦いが終わったら人間ドックで胃カメラを受けたほうが絶対良い。



 やはりこのチームに必要なのは鬼のハートマン軍曹じゃなかろうか?



 そして剣城がキャプテンを務めるチーム・鬼道有人(CV:吉野裕行)もミーティングでチーム内の意思確認をしていた。ここは問題児が少ない分、異論なくミーティングは終了した。このチームでの心配事はキャプテンに選ばれた剣城個人に帰する。

 未だになぜ自分がキャプテンに選出されたのかが分からずに戸惑う剣城は、この大舞台で本当にキャプテンという大役を努めて良いものなのかと悩んでいたのだ。彼をキャプテンに選んだ鬼道はそんな剣城をジッと見つめる。



 夜が訪れた。倒れて以来ベッドに横たわるフェイは眠れずにいた。それは明日の戦いを前にして興奮しているというわけではなく、あの垣間見たSARUの横顔が忘れられなかったのだ。SARUが自分の記憶と何らかの関わりを持っているとフェイは考えた。

 そしてそのSARUも窓辺に腰掛け、満月を眺めながら明日訪れるであろう、セカンドステージチルドレンの勝利の凱歌を想起して、やはり眠れずにいた……



 明日が待ちきれないという表情のSARU。



 そしてついにその日がやって来た。



 ラグナロクスタジアムを埋め尽くす観客、彼らはほとんどがその出自から、エルドラドを応援する。セカンドステージチルドレンに世界の覇権を奪われては自分たちの命すら危ういのだから、当然の態度だと言えるだろう。


 エルドラドを応援する大歓声を受け、天馬たちにとっては追い風といえよう。だがそんな楽観的な雰囲気はない。トウドウはこの状態の真意を見抜いていた。これだけの観衆を集め、その上で自らの力を示して見せるというフェーダの、SARUの決意を見抜いていたのだ。多くの人間に自分たちの力を誇示することが彼らがラグナロクで果たす目的の一つでもあるわけだから。

 その証拠に、圧倒的アウェイの雰囲気の会場控え室でも、セカンドステージチルドレンの面々は不敵な笑みを浮かべていた。


 さて試合となると審判だ。だがこんな大事な試合でも、エルドラドが雷門の敵ではなくなったとしても、何故か呼ばれる男は変わらない。沖縄海の家にて焼きとうもろこしにタレを塗っていた物語一の悲劇の拉致(らち)られ野郎、矢嶋陽介(CV:佐藤健輔)にその白羽の矢が立つ。最近は嫁の成海(CV:佐々木日菜子)も明らかに諦(あきら)め気味だ。



 アルファ、ベータ、ガンマ、レイ・ルク……誰のスフィアデバイスで召喚されたのか分からないが、最後の最後まで酷使される矢嶋(ブレインジャック中)。エルドラドはちょっとは彼に感謝しないといけないと思う。


 さぁ、ノリノリの実況を開始する矢嶋の声に導かれ、両チームがいよいよ戦いの舞台に登場する。エルドラドサイドは鬼道が率いる「エルドラドチーム01」だ。前日倒れたフェイが元気に整列しているのを確認して、天馬が安堵する。一方のフェーダのチームは全員がローブで身体を覆っていて選手の確認が出来ない。


 試合を前に、会場中空にはホログラムで2人の戦士が戦う姿が映し出される。小さな戦士が大きな戦士を刺し貫いて倒すという場面をもって、そのホログラムは終了する。それは少数のセカンドステージチルドレンが巨大なエルドラドという組織を駆逐(くちく)するという暗喩(あんゆ)となっていることを見て取る太陽。それが挑発行為であることは、その後の花火を打ち上げさせたSARUの態度からも明らかだった。



 ついに始まるラグナロクを、いささか興ざめした風情で見つめる2人がVIP席に存在した。



 その一人、ヴァンフェニー・ヴァンプ(CV:笹沼尭羅)。厭世的(えんせいてき)な雰囲気を漂わせるが、SARUにも一目置かれている特殊な存在。


 もう一人の人物、ガルシャア・ウルフェイン(CV:関智一)。


 2人はラグナロクなど構わず、問答無用で人類を滅ぼしてしまえば良いのにと不穏(ふおん)なことを口走る。フェーダの皇帝であるSARUに対してのこの態度は彼らの能力の高さを窺(うかが)わせて興味深い。

 そこにやって来るSARU。久しぶりだと2人に歓迎の意を示しつつ、フェーダのやり方に口を出すなと釘を刺す。ヴァンフェニーは同意しつつも自分たちがSARUたちセカンドステージチルドレンと同類であることを語る。ガルシャアもそれを受け、自分たちも忙しいという言い回しでSARUの思惑には安易に乗れないことを告げる。

 2人はSARUに対してまったく同格の態度を最後まで崩さないまま、会場を後にしてしまう。セカンドステージチルドレンと近い存在でありながら完全に協力する相手というわけでもないというその態度、一体彼らの正体は何者なのだろうか……?

 SARUは去る者は追わず(シャレ)の態度を示し、ラグナロクの開幕を宣言する。



 フィールドではローブを脱ぎ捨てるセカンドステージチルドレンの選手がいた。その選手は、雷門、そしてこのチームの錦龍馬(CV:岩崎了)と深い因縁を持つ選手であった!



剣城「ザナーク!?」


 そう、それは幕末編でエルドラドからも姿を消していたザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)であった。セカンドステージチルドレンの素質をSARUに見出されたザナークは、そのままフェーダに合流していたことが天馬たちにも明かされる。


錦「どうしてここに!?」
ザナーク「そう言うと思ったぜ」


 おなじみの口癖のセリフをつぶやき、ザナークは現在はフェーダのチーム・ザンのキャプテンであることを宣告する。もともと彼はエルドラドの人間ではないわけで、その後どうしようと彼の勝手だったわけだが、こんな奴にクロノ・ストーン(円堂)を渡したトウドウもうかつでしょ。

 ザナークの力の暴走がセカンドステージチルドレンとして目覚める兆(きざ)しであったということをフェイは気が付く。ザナークはフェーダの世界制覇の野望そのものよりも、雷門と再び戦うことこそが望みであった。中でも力対決に敗れた錦に対しては絶対に返さねばならない借りがあるとザナークは心に期する。


錦「またおまんとやれるとは、燃えてきたぜよ!」


 ザナークのその焦がれるような望みが伝わったのだろう、錦も彼ともう一度戦えることを心から嬉しそうにしていた。ザナークは好敵手が相変わらずの態度を示したことが嬉しくて仕方がないとばかりに笑みを浮かべる。

 そして人類の運命を賭けた3番勝負の第一戦が今始まろうとしていた。





 恒例の試合開始前の両チームの布陣。雷門は錦とダーナ(CV:美名)を1.5列に置いた、4−3−3の攻めの布陣。司令塔を務めるのはフェイだ。3番と4番の新旧のデブがどういう守備をするのかも注目。キーパー三国太一(CV:佐藤健輔)の出来が一番勝敗を左右しそうだが。

 他方、チーム・ザンは3−4−3で、ザナークを攻めの中心に置いた布陣。11番のガロはこのチームのキャプテンでは無かったらしい。ただザナークが加わる前はリーダーだったような感じ。暴力的なイメージの選手が多い印象の中、2番の選手、シンク君が可愛い。



 エルドラドチーム01のキックオフ。キックオフ早々、いきなり錦と剣城がミキシトランスする。唐突な戦法に思われたが、これは試合前に監督の鬼道から指示されていた作戦通りの行動だった。



 ベンチで見守る監督の鬼道、そしてすっかり存在価値を失ったクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)、このチームのマネージャーとなった瀬戸水鳥(CV:美名)の3名。ワンダバは何故このチーム? 中の人が鬼道とかぶるから避けるべきなのに……。もしかしたら11番目の時空最強イレブンのオーラがこの試合で獲得できるとか……?(ひょっとして、「そういうと思ったぜ」の彼?)


 さらにミキシトランス出来るフェイと黄名子には、状況を見て独自の判断でその行動を取るよう事前に指示されていた。

 迎え撃つチーム・ザンはガロが何やら不穏な打ち合わせをザナークと交わしていた。ザナークは不本意ながら、序盤はガロたちの行動に付き合うと返答する。

 剣城からパスを受けた錦はザナークと再会後最初の激突をするべく、ドリブルで切れ上がる。だがザナークは棒立ちで錦の突進を見送ってしまう。その対応には錦ばかりでなく、観戦していた天馬たちも驚く。

 ザナークの変調に意表を突かれながらも前進する錦。だが後衛の選手も錦の突進を止めようとしなかった。これはチーム・ザンが意図的にこういう作戦を取っているとしか思えない。

 何にせよ、これはチャンスである。剣城が錦にパスを要求する。

 パスを受け前進する剣城をこの試合の鍵だとみなしていたのは鬼道だった。これまで戦った中でも最強のチームと思われる相手に点を取る、その役割をエースである剣城をキャプテンに起用することで果たそうというのが鬼道の戦略だった。

 そしてそれを剣城も自覚していた。彼は自らに課せられた点を取るという役割を果たすべく、ゴール前に迫る。決めるとばかりにシュートしたボールは、何と敵キーパー、ファダム(CV:奈良徹)に片手で受け止められてしまう。



 必殺技ではなかったものの、ミキシマックス状態で放たれたシュートを片手で意図もあっさりと止めてしまうファダムは恐るべき能力を秘めていると思われる。まぁ見た目がすでにチルドレンと名乗ってはいけないぐらいオッサンだしな。


 これでザナークを始めとする他のメンバーが錦、剣城の前進を止めなかった理由も分かる。キーパーに絶対の自信を持つから、途中で止める必要がないということなのだ。それにしてもその過大なまでの自信は戦慄すべきものだった。

 ファダムは掴んだそのままの手でボールを前線に投げる。相変わらずプレーしようとしない敵の前でまんまと胸トラップでボールを取ったフェイは、再び剣城にボールを預ける。



 剣城は今度こその思いを込めて、ミキシマックス必殺技の「菊一文字」を放つ。だが、ファダムは何の技も使用することなくボールをキャッチしてしまう。変わったことといえば、両手で掴んだという点がせめてもの変化であっただろうか。

 またもやる気のない前線にボールを送るファダム。それを掠(かす)め取ったダーナは、今度は自分が前線に持ち込もうと図る。



 パッツン前髪と白い肌が京人形みたいで可愛いダーナ。雷門のユニフォームを着るルートエージェントの姿もレアだ。彼女もプロトコル・オメガ3.0の時に洗脳されるなど、ザナークとは因縁があるよね。


 ウォード(CV:大原崇)にパスしろという剣城の指示を無視して攻め上がるダーナ。チームワークが比較的上手く行っていたはずのこのチームですらいざという時はこういう風に齟齬(そご)を来たしてしまう、急造チームの弱点だ。

 本来の仲間のウォードにすらパスすることを拒否したダーナがパスを送った相手は、なぜか青山だった(笑)。青山に対して自分にパスを送るように要請する剣城。以前いじめられた経験のある剣城に、青山が逆らえるはずもないよねぇ。


 控え室では剣城が積極的にチームメンバーに指示を与える姿を、天馬たち雷門の仲間が驚きをもって見つめていた。


 青山からボールを受け取った剣城は、今度は化身「剣聖ランスロット」を召喚し、アームドしてシュートする。化身アームドならどうだという剣城の意地のシュートだった。だがしかし……




 化身「深淵のアギラウス」を降ろすファダム。


 化身必殺技「ギガバイトスクリュー」


  ようやく本気だとばかりに召喚した化身による必殺技「ギガバイトスクリュー」で、剣城の渾身のシュートも難なく止めてしまう。自らのすべてのシュートが止められてしまったことに剣城は激しく気落ちしてしまい、化身アームドも解けてしまう。


空野葵(CV:北原沙弥香)「ミキシマックスも化身アームドも通用しないなんてっ!!」


 ミキシマックスに化身アームドと、体力を著しく消耗するシュートを連発して剣城の息が上がる。肩で息をしながらも自分が決めなければならないという強い使命感に突き動かされる剣城を見て、ガロは面白い獲物を得たとばかりに邪悪に笑う。

 ファダムもそれに加担するかの様に、何とシュートした剣城に直接ボールを返してくる。わけも分からないまま前進する剣城に、ついにチーム・ザンの本分であるラフプレーが襲いかかる!

 巨漢のルード(CV:不明)のショルダーチャージを受け、たじろいだ剣城の背後から3人の選手が飛びかかる。






 どこからどう見ても立派な大反則。ルードのショルダーチャージもファウルだが、こいつらの行為は一発レッドカード級の反則だ。審判の矢嶋は仕事しろ。


 激しいラフプレーによって剣城はフィールドに打ち伏せられてしまう。錦が心配して駆け寄るが、剣城の傷は深いようだ。観戦する神童がチーム・ザンの卑劣なプレーに怒る。



 敵のエースを痛めつけるという上々の成果に喜ぶ乱暴者のガロ。だがザナークはこのチーム方針には納得していない様子だ。彼は正々堂々、力と力の激突による決着を望んでいるのだから分からないでもないが……。


 VIP席で試合を見ていたSARUもガロたちのこのやり方には不満そうだ。超能力を使わないという最低限の節度を守っている限り、SARUに意義を唱えるつもりはなさそうであるが。



 剣城は足を痛めていた。さっきのラフプレー、全員が背中に攻撃していたのに何で足を痛めているのか謎なのだが、倒れた時に痛めたのかもしれない。

 とにかく青黒く腫(は)れ上がる剣城の足を見て、もうプレー続行が不可能であるのは間違いないと誰もが思った。フェイは交代の選手を求めてベンチを見やるが、このチーム分けが全チーム11人カツカツであったことに今更ながら気付く。プロトコル・オメガやパーフェクト・カスケイドのメンバー、まだまだ余っていたんだから選抜しとけば良かったのにねぇ。

 だが仮に控えのメンバーが居たとしても剣城は交代する気などさらさら無かった。彼はキャプテンなのだ。その責任感が今の彼を支えていた。



「俺はまだやれる!!」


 剣城の真剣な目を見て、その覚悟を一瞬のうちに悟った錦は止めることをせず、共に戦うことを誓って励ましとする。



「よし、一緒に戦うぜよ、剣城!!」


 負傷してもそのままプレーを続行する剣城の行為に驚く実況の矢嶋。ていうか審判もオメーだろ。さっきのラフプレー、せめてイエローカードは取りなされ。

 剣城は気力で立ち上がるが、その負傷では立っているのがやっとの状況だ。とてもまともなプレーを望むべくもない。ガロはその状況をさらに喜ぶが、ザナークはそんなチームに対する忍耐が限界を迎えつつあった。


ザナーク「……気に入らねぇ!!」


 得点自体はまだ0−0だが、試合展開はすでに圧倒的に不利に傾いてしまっていた。エースストライカーを事実上失ってしまったチーム01は、この試合に勝つことが出来るのだろうか?



 次回に続く



  エンディング




 ついに始まった最終決戦、ラグナロク。最初はやはり剣城と錦のチームだった。対戦相手にザナークがいる点が波乱を呼びそうな組み合わせに思える。ヴァンフェニーとガルシャアは今のところ顔見せのような印象だ。


 次回はフェイが何らかの形で目醒めるという展開になるようだ。どうも彼の放ったシュートはオウンゴールっぽかったし、やはり彼はセカンドステージチルドレンの一員だった可能性が高い。ただ「覚める」ではなく「醒める」となっている点に注目すると、その精神はこれまでは意識下に収められ、SARUと出会ったことで覚醒したという見立てが正しいような気がする。剣城が負傷したというのに、さらにフェイが敵に寝返ってしまうという展開は辛すぎるのだが……。黄名子の気持ちも心配ではある。



 気分を変えて明るい話題。今回のエンディングが懐かしの「青春おでん」になっていた。無印イナズマイレブンの頃はマネージャー4人娘が歌っていたこの歌、今回は3マネ+黄名子という形で再現。とても可愛くて良い雰囲気だった。



 買い物に行かされるのは比較的しっかりもので重いものも持てる体力のあるメンバー。「私買い出しする人」



 それを料理するのは女性的で繊細な心を持ったメンバー。「私作る人」



 味付けして運ぶ人たち。ここは誰でも出来そうな仕事。



 そして最後にガサツで何も出来なさそうなメンバー。「私食べる人」



 締めは可愛く、青春おでん。



  次回「フェイの目醒め」に続く。



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