『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第6話「壮絶!プロトコル・オメガ2.0!!」の感想 【本当のお払い箱キタ━(゚∀゚)━!】

 6月最初の更新。暑い季節がやって来た。気候の暑さに負けないよう、ブログ更新も頑張っていきたい(停滞気味だが)。


 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第6話「壮絶!プロトコル・オメガ2.0!!」を観ての感想を書く。これまでの強敵・アルファ(CV:谷山紀章)に変わって敵チームを率いるベータ(CV:伊瀬茉莉也)はさらなる強敵だった! サッカーの運命や如何に……?

 今回もおそらく加筆修正しまくると思います。また今回に限らず感想文は毎回書き足しや書き直しをしていますので、しばらく時間を置いて再度読んでもらえると非常にありがたいです。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第5話「驚愕!サッカー禁止令!!」の感想 【アルファちゃんお払い箱。そしてベータちゃんこんにちは!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

 で、一覧表示されます。

 サッカー禁止令が施行された現代、その原因は一ヶ月前の日米親善試合での日本代表チームの卑劣な反則に起因するものだった。その経緯(けいい)が松風天馬(CV:寺崎裕香)たちの知る歴史と違っていることから、その真相にサッカーを敵視して未来から干渉を続ける組織「エルドラド」の介入を確信した雷門中選手たちは、その歴史改変を阻止すべく、タイムジャンプでその地、その時に向かう。

 そこで出会った一見たおやかな可愛らしい少女・ベータが率いる「プロトコル・オメガ2.0」と出会い、チーム雷門は彼らとの戦いに臨む。だがプロトコル・オメガ2.0は反則バリバリのラフプレーを続発させ、雷門を肉体的に攻撃する。天馬はベータの化身アームドに対抗するため、自らも持つその能力を発動させようとするのだが、なぜか成功しない。以前は出来たというのに、どうして!?

 天馬は化身アームド出来なくなってしまった理由を考えるが、その理由はどうしても思いつかない。あてどもなくボールを追う天馬だったが、化身アームドが無ければプロトコル・オメガ2.0に勝利することは困難が予想される。どうすればこの状況を打破できるのであろうか?



   オープニング(感動共有!)



 試合展開は日本代表に扮(ふん)したプロトコル・オメガ2.0が9−0と圧倒的にリードする展開。対抗する雷門はこの試合中はアメリカ代表という立場だったが、相変わらずのサッカーバカ(相変わらず褒め言葉)の錦龍馬(CV:岩崎了)はこんがらがってしまって頭を悩ませる。

 ドリブルで前進するベータの前に立ちはだかる背番号17番の倉間典人(CV:高垣彩陽)だったが、ベータの強烈なシュートを腹に受けてしまう。ストライカーの背番号11をフェイ・ルーン(CV:木村亜希子)に奪われたとはいえ、女の子にやられてしまうとは情けない(ドラクエの王様風)。まぁこの「一見か弱い女の子」は猫の皮10枚ほどかぶった、とんだ食わせ物なんだけどね。



 イナクロで倉間が一番輝いていた瞬間。


 跳ね返ったボールはオルカ(CV:不明)が押さえ、さらに前進する。味方がやられ、この男が黙っている訳がない。全身筋肉のワイルド野郎・車田剛一(CV:野島裕史)が彼の超強い必殺技「ダッシュトレイン」で挑みかかるが、オルカは特に必殺技を駆使することもなく、基礎能力だけであっさりと蹴散らしてしまう。



 イナクロで車田が一番輝いた瞬間。


 オルカは同じくディフェンスに向かった霧野蘭丸(CV:小林ゆう)を軽いトラップで翻弄(ほんろう)し、再びベータにパスする。錦を、そして天城大地(CV:奈良徹)を簡単にかわして進むベータに対し、負けられない気持ちを持って天馬が立ちはだかる。

 そして諦めず、またも化身「魔神ペガサスアーク」を発動させ、そしてアームドの掛け声。だが見守るベータの前で、またもそのアームドは不発に終わってしまう(この間、何度も化身出しまくりでTPが無くなると思うのだが、天馬は大丈夫だったのだろうか?)。

 どうしても成功しないことに業を煮やした天馬は、仕方なく通常の化身でベータを止めにかかる。だが前任のアルファにすら打ち破られた化身では止めることなど敵(かな)わなかった。ベータのシュート一発で吹き飛ばされてしまう。天馬など無かったかのようにゴールに突き進むベータのシュート、キーパーの三国太一(CV:佐藤健輔)が再度、新必殺技の「無頼ハンド」で迎撃する。今度は化身アームドシュートではないし、しかも天馬がぶつかってくれた分、勢いも落ちているはず。三国にも止める可能性があるはず!!

 ……というささやかな願いも虚しく、シュートは雷門ゴールに突き刺さる。三国さんの能力ではベータのノーマルシュートですら触れると死ぬレベルだな。

 そのあまりもの強さに、雷門ベンチも凍りつく。これまでの彼らの技が、能力が、作戦が、すべて通用しないのだ。監督の円堂守(CV:竹内順子)も敵の能力の高さに声もない。


 そしてそこで前半戦終了の笛が鳴る。攻撃を受け、三国、車田、倉間の3名は負傷してしまい、後半戦出場は不可能となる。円堂は努めて冷静な口調で、三国に代えて西園信助(CV:戸松遥)をキーパーに、そして速水鶴正(CV:吉野裕行)と狩屋マサキ(CV:泰勇気)、影山輝(CV:藤村歩)の3名を代替要員としてピッチに送り出す旨を告げる。

 フェイは、化身アームド出来ずに落ち込んでいる天馬に、彼なりの推測から判断した見解を伝える。それによると、パラレルワールドの共鳴現象が影響しているという。前回は歴史の改変が起こったばかりで、それによって複数の天馬がパラレル的に多元世界に存在し、その分たくさんの共鳴現象が起こって、それによって天馬もパワーアップしたのだ。だから苦労することもなく容易に化身アームドを使うことが出来たという訳だ。だが時間が経ち、雷門サッカー部に対する共鳴の振幅が収まって来ている現在では、別世界の天馬の数も絞り込まれ、その分共鳴現象で享受(きょうじゅ)するパワーも減少しているということになる。皮肉なことに、インタラプト修正という歴史問題を解決するにつれ、天馬が受けるパワーも減少してしまうということらしい。



 フェイの説明が、やはりよく分かっていない天性のサッカーバカの天馬くん(褒めてますよ)。1回聞いただけでこの理屈が理解できた人は、なかなか優秀だと思う。【SF5級】ぐらいもらえそう?


 共鳴現象が期待できない今、天馬は化身アームドを使うことが不可能ということだ。使うためには自身の力を高め、共鳴現象に頼ることなく、自力でその能力を獲得するしかない。だがこの試合には到底間に合いそうにない。

 使えない力を当てにせず、今できること、つまり化身の力で戦い抜くしかないと天馬を諌める前キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)。同じく化身使いの錦、剣城京介(CV:大原崇)、そして信助もその意見に同意する。


 そして後半戦がスタートする。これまでの試合展開は10−0。あの歴史改変後の点差になってしまっている。天城たちの観たこの試合の今後の展開は、日本代表が反則行為を繰り返し、試合は中断、没収試合となってしまうことになるはずだ。

 雷門のキックオフだが、それを意に介することなくエルドラドの議長・トウドウヘイキチ(CV:相沢まさき)はベータに指令を出す。


 ベータ「イエス、マスター♡」


 ベータも前任者のアルファ同様、英語でトウドウに返答する。英語で応答はプロトコル・オメガのルールなのかもしれない。とにかく新たな命令直下、プロトコル・オメガ2.0の動きが、これまでより一層凶悪なものに変わる。



 

 グラサンのドリム(CV:不明)が輝に強烈な肘打ちチャージを仕掛ける(もちろん反則)。これに呼応し、前半は反則をまったく無視していた審判が一発レッドカードを出す。その審判に向け、ボールを蹴り付けるという暴挙に出るオルカ(当然ながら永久出場停止クラスの大反則)。

 審判の静止も聞かず、無法地帯と化すフィールド。ボールは怯(おび)える速水のもとに転がってくるが、弱気な彼は暴走したプロトコル・オメガ2.0にとっては格好のイジメ対象となる。新種のデブ・ウォードの強引なスライディングタックルを受け、コマのようにクルクルと飛ばされてしまう(ボールでなく速水の脚に行ってるので、反則)。


 だがこれこそがエルドラド、そしてプロトコル・オメガ2.0にとっては狙い通りの展開なのだ。これで試合が中止され、プロトコル・オメガ2.0扮する日本代表が悪い野蛮なチームであるというイメージを観衆、そして国民に持たせ、サッカー禁止令を発動させるのが彼らの最終的な目的だからだ。


 それを許してはならない! 天馬と剣城がウォードに挑みかかるが、体重差もあって一蹴されてしまう。



 その後もいいようにプロトコル・オメガ2.0に痛めつけられる雷門イレブン。まともな試合でなく、暴力を込みにして向かってくるのだからいくら技術力があろうとどうしようもない。サッカーを愛する円堂は、このあまりに非道なプレーを見て怒りを募らせる。だが試合を止めることは出来ない。止めてしまうと、結局はプロトコル・オメガ2.0の思い通りとなってしまい、本当の歴史に戻すことが不可能となってしまうからだ。可愛い教え子たちがなすすべなく痛めつけられるのを座視しなければならない円堂の心は激しく乱れる。

 黙って見ていられないのはベンチの控え選手たちも同じだった。一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)、浜野海士(CV:金野潤)の3人が出場を円堂に直訴(じきそ)する。

 円堂はその心意気に打たれ、ベンチ入りしている最後の3選手を交代に送り出す(交代退場は後半戦前に交代した速水、狩屋、輝の3名)。

 理不尽な試合は継続する。だが反則上等で挑みかかってくるプロトコル・オメガ2.0をかわして正々堂々と戦い抜くことなど不可能であった。交代で入ったばかりの青山、一乃がまず潰される。




 一乃(下)を蹴っているのは旧メンバーであるエイナム(CV:野島裕史)。プロトコル・オメガ2.0で心から悪い奴はベータと一緒に加わった新規3人だけだと思っていたんだけどなぁ……。



 こぼれ球を押さえに行った浜野も、さっきから悪いオルカちゃんに痛めつけられる。


 交代で入った選手たちが、一瞬にして起き上がれないほどのダメージを受けてしまい、ピッチに横たわる。ベータは任務に忠実な部下の動きを見て満足そうにほくそ笑む。

 もはや交代要員もいない。……と思いきや、フェイがここで彼の化身、デュプリを召喚することで人員不足を補填(ほてん)する。



 左からマント(CV:高垣彩陽)、フェイ、スマイル(CV:折笠富美子)、デブーン(CV:不明)。ポジション的に仕方ないとはいえ、こんな修羅な戦いに女の子2人を呼び出すとは、フェイもひどい。あと親善試合とはいえ、こんなにメンバーチェンジ出来ないはずだけど。まぁもうこの試合は普通のものではなくなっている訳ではあるが、フェイの指パッチンで突然フィールドに現れた彼らを観客と実況の角馬王将(CV:稲田徹)はどう思ったのだろうか?


 フェイがオルカからボールを奪う。反転攻勢かと思われたが、デュプリ3体を召喚しているフェイの負担を見透かし、ドリムとウォードが左右を囲む。そして前方にはベータの姿が。

 フェイの存在はエルドラド側も抑えていない、つまり正体不明の存在だという。その正体を探るべく、ベータたちは取り囲んだままフェイを尋問する。


 フェイ「僕はフェイ! フェイ・ルーン!!」


 フェイは驚異的な跳躍力でベータを飛び越え、サッカーを守りたいだけだと宣言しながら前進を再開する。ドリムたちは慌てて追うが、ベータだけはフェイのそのムキになった態度を憎からず思い、思わず感想を口にする。


 ベータ「うふふ、かーわいい〜♡」


 フェイと並走するのは天馬だ。フェイからパスを受けた天馬はサッカーを失ってはならないと、またも化身「魔神ペガサスアーク」を出してシュート体勢に入るが、そこまで静観して腕組みしていたベータが行動を開始する。秘められた邪悪な笑みを浮かべて。



 天馬は化身だけでは力不足を認識しているのだろうか、化身シュート技の「ジャスティスウィング」を放つ。これも初披露の技だ。



 化身シュート技「ジャスティスウィング」。風属性の天馬らしい新必殺技がようやくお目見えしたという印象。


 待ち受けるキーパーのザノウ(CV:岩崎了)だったが、その前に走り込んでくる選手が、胸トラップで簡単にその化身シュートを止めてみせた。それはやはりフィールド上で最強のプレーヤー、ベータだった。あまりにあっさりと新必殺技を止められ、天馬たち雷門イレブンは顔色なしだ。




 一方のベータは余裕すぎててへぺろして天馬の全力をおちょくる。彼我(ひが)の実力差は圧倒的だと思わされる場面。


 そして突如、その可愛らしい口調を刺々(とげとげ)しいものに変え、ベータは最後の大攻勢に出ることを宣言する。ここからのシーンのベータはちびっこが見たらトラウマになるほどの恐ろしさだった。



 想像を絶するスピードで天馬を弾き飛ばし、猛然と前進するベータ。ただならぬ迫力に危機を感じた神童は守備を固めるよう指示を出す。この辺りは前キャプテンとして天馬の代わりに司令塔になる神童の面目躍如(めんもくやくじょ)と言えよう。

 ベータの前を塞(ふさ)ぐのは、フェイ。だが先ほどの返礼をするほど余裕なのだろう、今度はベータがフェイの頭上を飛び越え、いとも簡単に抜き去ってしまう。フェイはマントを二の矢として対抗させるが、デュプリレベルでは路傍(ろぼう)の石よりも容易(たやす)く蹴散らされてしまう。

 ならばと、天城が必殺技「アトランティスウォール」で障壁を築き、そして蘭丸が新必殺技「ディープミスト」で煙幕を張る。だがベータはまったく止まらない。まるで無人の野を行くような調子で雷門陣内を駆け抜ける。



 ベータ一人に防御網が千々(ちぢ)に破られ、残すのはゴール前で張り込んでいた剣城、神童、錦、そしてキーパーの信助の4人。彼らは化身の力で止めるつもりでいたのだ。神童が化身「奏者マエストロ」を、錦が化身「戦国武神ムサシ」を、剣城が化身「剣聖ランスロット」を、信助が化身「護星神タイタニアス」を召喚し、ベータに立ち向かう。



 ベータは慌てず騒がず、化身「虚空の女神アテナ」を呼び出し、そしてそれをアームドする。自らの最強の能力、化身アームドを完了したベータは、必殺シュート「シュートコマンド07」を雷門ゴールに、いや、神童たちに向けて撃ち込む。アルファの使用していた必殺シュート名が「シュートコマンド01」だっただけに、その数字のインフレ率が凄まじい。




 そのシュートは神童たちの努力をもあざ笑うかのように、化身を蹴散らし、ゴールネットをこれでもかと強烈に揺する。それはまさに、まさに雷門イレブンの反撃の意思をも粉砕してしまう、とどめの一撃だった。ただ11点目になってしまって、歴史的にやりすぎなのではという印象があったが……。


 そこに審判団がこの試合をノーコンテスト没収試合)にするために入って来る。11点目もノーカンになっていそうだね。せっかくベータちゃんの見せ場だったのに……。

 ものすごいブーイングが巻き起こる中、プロトコル・オメガ2.0の目的はこれ以上ないという形で実現してしまう。インタラプト修正を阻止するためにやって来た雷門を返り討ちにした上で目的を達したのだ。


 だがベータは勝って兜の緒を締める(かってかぶとのおをしめる)という戦略の要諦(ようてい)も自覚する才女だった。タイムジャンプを駆使する敵(雷門のこと)が相手ということは、このあと何度撃退したとしても懲(こ)りずに自分たちに挑戦してくる可能性がある。その憂(うれ)いを無くすため、彼女は例の不思議なボールのボタンを押す。マインドコントロールモードという言葉を発し、ボールは得体の知れない光を出し、雷門イレブンを覆い包む。

 そしてフェイに向き直り、危険人物として封印すると告げる。可愛い口調が、むしろ不気味だ。またボールを操作し(封印モード)、フェイを封印しに掛かる。紫の光がフェイを捉(とら)える。次の瞬間、フェイは強力な吸引力でボールの方に引っ張られる。捕まってしまえば最後だ。身動きひとつ取れない空間に封じられ、エルドラドの尋問を受ける捕囚(ほしゅう)と成り果ててしまう。

 フェイの危機を救おうと天馬は走り寄るが、これまで受けたダメージが大きく膝をついてしまう。もはやフェイの捕縛は誰にも止められない……




 ゴッドハンドV!!!


 フェイの窮地を救ったのは、円堂だった!

 円堂はフェイの前に立って封印の光線を阻止し、全員に退避を命じる。歴史を変えないためにはここで勝利しないとならないが、プロトコル・オメガ2.0の力は今の雷門イレブンでは到底歯が立たないと判断した円堂は、勇気ある撤退を指示する。

 都合良く「お前、今までどこに居たんだ?」と一言どころか5兆言ぐらい問い詰めたいクロスワード・アルノ(CV:楠見尚己)博士が操縦するキャラバンが上空から降下して、一同の退路を作る。


 傷だらけの撤退だった。満身創痍(まんしんそうい)のメンバーは、ある者はよろめきながら、ある者は仲間の肩を借り、キャラバンに乗り込む。

 フェイまでも撤退するのを見かねて、オルカがベータに善後策を問う。それを聞いてむくれるベータを見ていると、この仲間関係はあまり上手くいっていないように見える。強気な女の子同士は、馬が合わないのかもしれない。

 そこにトウドウから新たな指令が入る。逃げて行くフェイに変えて円堂を封印せよという命令だ。了解するベータ。


 一方、キャラバンには円堂以外の避難が完了していた。最後に円堂もその場を去ろうとするが、封印光線の標的は円堂にスイッチしている。またベータがそれを逃すはずもない。



 天馬の悲痛な叫びも虚しく、円堂はボールの中に吸い込まれるようにその姿を消す。キャラバンから飛び降りて円堂救出に向かおうとする天馬を、クラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)が必死で押さえつける。



 天馬の行動を止めるワンダバ。確かに無謀で軽挙な救出行為だったが、ワンダバは天馬を気遣うというより、監督の円堂を厄介払いして自分がこのチームの監督に復帰したかったのかもしれないぞ。だとしたら見た目によらず腹黒い。


 天馬の円堂への想いを残したまま、キャラバンは時空間を越え、敵の魔手から逃れることに成功する。オルカがまた、逃げられたことをイヤミっぽくあてつけるが、ベータは命令通り円堂を捕まえたことで満足していた。


 キャラバン内では天馬が収まらない。円堂を失った怒りと悲しみを神童にぶつける。絶句する神童の代わりにワンダバが円堂に起こったであろうことを説明する。円堂は圧縮された次元の中に封印され、身動きすることすら出来ない情勢にあるだろうと聞かされ、天馬は暗澹(あんたん)たる気分に陥(おちい)る。


 夕暮れの鉄塔付近にワープアウトするキャラバン。最初に降り立った信助は、歴史を元に戻すことに失敗したことで落ち込んでいた。戦いは破れ、歴史は改変され、サッカー禁止令は存続、さらに精神的支柱の円堂まで敵の手に落ちてしまう……これ以上ない完敗だった。

 落ち込む天馬たちを叱咤(しった)する声が響く。新監督就任が確実となって浮かれる(?)ワンダバだった。いずれ反撃のチャンスはきっと来ると語るワンダバの言葉は、挫(くじ)けかけた天馬たちの心に勇気の炎を再燃させる。

 案の定、一番単純そうな錦が乗せられて最初に元気を取り戻す。そんな錦の態度に感じ入ったスケバン兼マネージャーの瀬戸水鳥(CV:美名)が肘打ちしつつ、錦を褒める。



 ムードメーカーの錦の明るさには、今後も救われる場面があることだろう。この2人もちょっといいムード。


 「奪われたものは取り返せばいい」と剣城も珍しく仲間を思っての発言。天馬もその言葉を受け、前向きになる。敗北の本当に恐ろしいところは心まで折れてしまうことだが、天馬たちはその危機から立ち直ろうとしていた。

 だが、そこでようやくキャラバンから降りてきた連中の様子がおかしい。一斉にサッカーをしたくないと言い出したのだ。速水はある意味また昔の悪い癖が出たかと思っていたのだが、あの何をするにも前向きな車田や、その他のメンバーまでもがすっかりやる気をなくし、家路に着いてしまう。浜野が観たいテレビというのは釣り番組だろうか?

 突然のメンバーの戦線離脱に戸惑う神童。一乃と青山は1回辞めてるのに、また辞めるつもりか? そして三国までもがはめていたグラブを外して去って行く。みんな、監督である円堂のことも心配することなく……。

 その現象の原因に気づいたのは、やはりワンダバだった。彼らからサッカーへの情熱を奪い取ってしまったものは、ベータが雷門イレブンに浴びせた光線・マインドコントロール波であったことを看破する。



 マインドコントロール波と聞かされてもよく分からない空野葵(左 CV:北原沙弥香)。一方、山菜茜(右 CV:ゆりん)はピンと来た様子。さすが【SF3級】だ。


 マインドコントロールの名の通り、あの光線には人の心を変えてしまう効果があったらしい。三国たちはサッカーへの情熱が冷めてしまっただけでは済まず、サッカーが嫌いになっているとアルノ博士は見立てる。

 かつてアルファが言ってたように、自分の得意とするサッカーでの実力差で打ちのめされた時の精神的ダメージは計り知れない。試合で徹底的に敗れ、サッカーを断念させるマインドコントロールが効きやすくなっていたに違いない。

 だがその条件なら天馬たちも同様だ。同じ光線を浴びたのに自分たちに効かなかった理由を剣城が問う。アルノ博士はその理由の説明を、化身に帰する。化身を御する心の強さがあったればこそ、光線を跳ね返したのではないかと推測する。つまり化身を持たない天馬たち以外の選手たちは光線の影響をモロに受けてしまい、戦線放棄ということになってしまったのだろう。

 その非人道的かつ卑劣なやり方に怒りを募らせる残されたメンバーたち。錦は元に戻す方法をアルノ博士に尋ねるが、それにはベータ率いるプロトコル・オメガ2.0を倒さなければならないと言う。メンバーが足りなくなってしまったというのにその目標値は本末転倒的なジレンマを感じるが、他に手段はなさそうだ。

 しかもその目標にはタイムリミットがあるという。変えられた歴史と同じく、固定されたサッカー嫌いのマインドコントロールが長引けば、元に戻すことができなくなるというのだ。

 アルノ博士はそこまで説明した後、またも他人事のように天馬たちを放置してどこかへと去って行ってしまう。天馬はプロトコル・オメガ2.0に打ち勝つことが出来るチームを作るしかないと心に期する。

 天馬たちが化身アームドさえ使えるようになれば、それも十分に可能だ。だがその方法が分からない。剣城の質問に対する天馬の回答は明解だった。タイムジャンプがあろうが歴史が変わろうが、出来ないことを出来るようにする手段はどんな時だって変わらない。



 天馬「それは、特訓だ!!」


 円堂が言いそうなセリフを、円堂の精神を受け継いだ天馬が円堂のような笑顔で宣言する。円堂なら、きっとこう言うと天馬は確信していた。そして剣城を含む全員がその言葉に納得する。

 天馬は夕暮れの空に向かって叫ぶ。それはプロトコル・オメガ2.0、そしてエルドラドに対する強烈な反撃の狼煙(のろし)となるのだろう。



 次回に続く



  エンディング



 雷門が負け、サッカー禁止令がとりあえず確定してしまった今回の流れ。

 アルファの時と違い、ベータはやはり強かった。テンマーズから通算して初の敗北を喫した天馬とフェイも、手ひどく一敗地に塗(まみ)れた。ラフプレーありきの敵の戦略だった上、0−9の場面からの参戦だった訳だけど、ベータの能力に全員がボコられてしまったのは否定のしようもない事実だ。

 しかも円堂も捕らえられてしまうという完敗で、仲間たちも戦線を離脱してしまうというおまけ付き。やはり化身使い以外の選手たちはお払い箱になる運命だったのね。雷門の選手たちには愛着があるから、何とかまた舞台に復帰して欲しいものだ。


 今回は共鳴現象を元に、天馬がいきなり化身アームドを使えるようになった理由がうまく説明されていた。これなら納得できる理由だと思うし、アルファが天馬たちに負けてしまったのもこれならやむを得ないだろう。そういう意味では、一番強い頃の天馬と戦うことになってしまったアルファは貧乏くじを引いたと言えそうな気がする。オープニングでは相変わらずアルファが出ているので、復帰する可能性はまだ残ってるとは思うんだけどね。



 オープニングで天馬と相対するアルファさん。今回から観始めた人には「コイツ誰?」になっているのではないだろうか?


 ともかくバージョンアップした敵に勝つには、やはり特訓ということで、次回は映画の設定とクロスする。映画の舞台となったゴッドエデンにて能力強化の特訓をするらしい。これは楽しみだよね。またシュウと白竜なんかが出てくるのかな? ミキシマックスもあるらしいけど、ちょっとだけネタバレすると、野谷さんと天馬がミックスするらしいぞ(ウソ)。



 野谷さん。こんな一発キャラ、出ない可能性のが高そうなんだけど。ただ、ネタでもいいのでこれとミックスした天馬が見たい。


【追記】
 完全に余談なのだが、深夜アニメ「夏色キセキ」の第8話と9話は声優の寺崎裕香さんも参加してて、超イナクロ回だった(しかも女性役)。もともとヒロイン4人を演じるスフィアのうち2人は高垣彩陽さんと戸松遥さんな訳で倉間と信助なんだけど、さらに天馬まで出ていて、完全にイナクロ回だった。面白かったので一言言っておきたかったの(一言では済まなかったが)。

  次回「ゴッドエデンの特訓!」に続く。



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