『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第1話「サッカーが消えた!?」の感想 【新章スタート!】

 新展開のアニメ感想文。今回は『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第1話「サッカーが消えた!?」を観ての感想を書く。あまりに新しすぎ、あまりに斬新なストーリー展開に、みんなの頭は着いて来れているだろうか? 私は無理だったが、ジワジワと追いついて行きたいと思う。ただつまらないという訳ではなく、新キャラの見どころあり、旧キャラの出番ありで、ストーリー自体は面白かったと思う。「化身アームド」という新概念は個人的には大問題の失笑シーンに思うのだが、これも慣れの問題かもしれない。化身も最初は違和感ありありだったしね。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前作のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第47話「これが雷門サッカー部だ!」の感想 【第1期最終回!】
 をご覧ください。一応ストーリーは繋がっています。


 それ以外の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 で、一覧表示されます。

 サッカーを取り戻す戦いは終わった。

 ホーリーロードの死闘から3ヶ月。沖縄の小学校のグラウンドで、小学生たちに混じってサッカーをする松風天馬(CV:寺崎裕香)の姿があった。その指導を受け、生き生きとサッカーに興じる子供たちの笑顔を見て、天馬の顔もほころぶ。ホーリーロードの覇者である雷門中学のユニフォームは今や少年少女たちの憧れの的だ。特にキャプテンとして雷門を勝利に導いた天馬の人気は絶大なものがあった。子供にはよくあることだが、前触れもなく感極(かんきわ)まった子供たちに取り囲まれてしまう。



 みんな天馬が大好きで独り占めしたいのだろう。モテモテの天馬くん。


 その天馬に助け舟を出す教師らしき指導の女性。女先生に順番に指導してもらうよう言われ、素直に列を作る子供たちが無邪気で可愛い。

 天馬がこの場にいてサッカー指導しているのには訳(わけ)があった。少年サッカー界が自由なサッカーを取り戻したのち、旧聖帝イシドシュウジこと豪炎寺修也(CV:野島裕史)が設立した「サッカー教育プログラム」の一環で、天馬は指導者として全国を回っていたのだ。もしかしたら他の雷門の選手たちも同じように全国を回っているのかもしれない。

 休息を取る天馬に話しかける女教師。天馬の指導のもと、ぐんぐん上達した子供たちの成長を喜び、何よりも楽しそうに生き生きとプレーするその姿を喜んでいた。それも天馬の指導あってのことと、女教師は天馬に感謝する。



 泣きぼくろがチャームポイントの健康的美女教師・花林先生(CV:不明)。


 天馬はそれを照れながら否定し、子供たちが熱くなれているのはサッカーの力であることを示す。そして豪炎寺の意思を受け継ぎ、さらに次代にその精神を送る媒体となることを心に誓う。かつて自分にサッカーの素晴らしさを教えてくれた、豪炎寺のためにも。



   オープニング




 新オープニング。テーマ曲も映像も一新されたが、旧雷門メンバーの写真が燃え尽き、さらに今の仲間たちの姿がボロボロと崩壊していくというショッキングな内容に。今後の物語の展開を示唆(しさ)しているのだろうか!? オープニングラストにあるように、サッカーの灯火(ともしび)でひとりずつ仲間を取り戻していくという展開になるのかな?


 サッカー指導の日々が終わり、久しぶりに雷門中に帰ってきた天馬。学業はどうなっていたんだろうね? 雰囲気的に正規の長期休暇(春休みとか、夏休みとか)ではなかったようだし、特別休暇だったのかな?

 久々に仲間たちと出会える喜びに打ち震え、勇んで第2グラウンドに向かう天馬だったが、その目に映るグラウンドは彼の見知ったものではなかった。サッカーグラウンドだったはずの第2グラウンドは野球部が当たり前のように使用しており、サッカー部員の姿は全く見つけることができない。いつの間に仕様が変わってしまったのだろう?

 違和感を抱きつつも、サッカー棟がある方角に向かう天馬。しばらく留守にしていた彼にとって、少しばかりの違和感よりまずは旧友との再会を重視したいという心理が働いていたのだろう。もしかしたら、この後の不吉な展開を無意識に頭から払拭(ふっしょく)したかったのかもしれない。


 そんな天馬の状態を知ってか知らずか、音楽室ではピアノを演奏する神童拓人(CV:斎賀みつき)の姿があった。


 そしてサッカー棟、いつもの屋内サッカー場でいるであろう仲間たちに、おどけて帰還の挨拶(あいさつ)をする天馬だったが、そこはバスケ部やバレー部などが混在して使用するという、これもかつて見たことのない光景が広がっていた。

 不審に思った天馬は、端(はた)で休息していたバスケ部の選手らしき男たちに、サッカー部のみんながどこにいるかを問う。だが聞かれた側の男たちは困惑の顔色を浮かべる。お互い、何か前提の違う会話をしているかのようにちぐはぐで噛み合わない。

 そうこうしている間に、バスケ部の練習が再開してしまい、彼らは天馬に何らヒントを与えることなく走り去ってしまう。一体学校に、そしてサッカー部に何が起こってしまったのだろうか?

 だが天馬はあくまでもみんなが意地悪をして自分にサッカー部のことを教えてくれないと思い込んでいた。そこに通りがかる神童。見知らぬ人ばかりに思えた学内で、ようやく見つけた知人、しかも信頼する神童の姿に喜び、天馬はそのもとに駆け寄る。

 だが神童の様子もおかしい。キャプテンと呼ばれることに違和感ありありの様子で、天馬のこと自体も知らない風だ。そしてサッカー部の話になるが、神童は驚愕のセリフを吐く。


 神童「この学校には、サッカー部なんて無いじゃないか」

 天馬「ええええ〜〜っ!!??」



 神童が自分を担(かつ)いでいると決め付け、コミカルになんちゃってツッコミを入れる愉快な天馬くん。だが神童の視線が冷たい……


 天馬は神童までがドッキリでも仕掛けているのではないかと突っ込むが、神童はあくまでも冷静で、天馬を担いでいるようには見えない。そして天馬の言葉に重ねるように、自らを「音楽部の神童拓人」であると告げる。

 ただその告白は、事態が全く理解できない天馬には冷酷な宣告でもあった。神童は天馬を、雷門中の現状を知らない=転校生と決め付け、サッカー部のある学校に転校するよう勧め、去ってしまう。


 何がなんだか分からないまま武道室の前を歩く天馬、そこにまた懐かしい顔、というか懐かしい髪型の先輩が通りすがる。三国太一(CV:佐藤健輔)だ。

 神童のつれない態度を訴えつつ、自分の不在の間にサッカー部に何かあったのかを問う天馬。だが三国も神童と同様、天馬に対して初対面のように接する。そして自分の在籍する相撲部に来いと勧誘し始める。三国先輩、その髪型で相撲部て……。


 異変はその他の選手たちにも共通していた。車田剛一(CV:野島裕史)はラグビー部で必殺技「ダッシュトレイン」を披露する(確かにこの技はラグビーの方が1兆倍ぐらい似合っている)。霧野蘭丸(CV:小林ゆう)と一乃七助(CV:折笠富美子)は図書館で読書に耽(ふけ)り、速水鶴正(CV:吉野裕行)と青山俊介(CV:高垣彩陽)は、テニスラケットのようなものを抱えて天馬の話を無情にスルーする。帰宅部らしい倉間典人(CV:高垣彩陽)と天城大地(CV:奈良徹)も、サッカーなど知らないとつれない返事。釣竿抱えた浜野海士(CV:金野潤)も、天馬の存在すら知らないという。








 天馬に冷淡な先輩たち。ここではそれぞれがサッカー部の無い中学生生活を送った場合、どんな部活動をしていたのかという「IF(イフ=もしもの世界)」が描かれ興味深い。車田のラグビー部と浜野の釣り部(同好会?)は割と納得。サッカーが無いと一乃と青山はつるまないんだね。それは蘭丸と神童、浜野と速水にも言えることだけど。速水は陸上部(彼の必殺技「ゼロヨン」が短距離のクラウチングスタートみたいだから)と予想していたけど、テニス部かな? ラクロス部? 実感からして天城は相撲部だドなぁ(天城語)。


 さらにその態度は先輩だけに限らなかった。同学年の狩屋マサキ(CV:泰勇気)と影山輝(CV:藤村歩)は何やら軽音楽部の楽器っぽいものを持っていたが、やはり天馬のことなど知らない風。その横では先輩の錦龍馬(CV:岩崎了)が柔道着でおにぎりを喰らっていた。錦に対しては、もう声をかけることすら諦める天馬。



 狩屋はサッカーするためにお日さま園から雷門にやって来たはずなんだけど……。輝の場合も叔父の悪事なんかがチャラになっている展開なのかな? だからこんなにちょいワルな表情になってしまったのかもしれない。問題児の狩屋とつるんでるし。


 事態の異変に心の整理が全く追いつかない天馬くん。そこにさらに懐かしい小さい後ろ姿が。肩にかけたカバンを地面にずって歩くその様は、天馬の親友の西園信助(CV:戸松遥)以外には、この世にあり得ない身長だ。



 信助の後ろ姿の図。カバンのずり方が「ど根性ガエル」のゴローのようだ。すでにこの段階でどの部活をやっているのかが丸分かりのネタバレ状態になっているのが笑える。


 喜び勇んで信助に語りかける天馬だったが、信助はこれも初対面の挨拶をしつつ、天馬を自分の所属する卓球部に勧誘し始める。信助、お前もか?

 そんな中、そこにさらにやってくるのが、天馬の幼なじみの空野葵(CV:北原沙弥香)だった。小さい頃からの彼女なら、もしかしたら天馬と共通の認識を持っているかもしれない。葵こそはサッカー部である自分を肯定してくれるに違いないと一人ごちる天馬だったが、その夢想を打ち砕くかのように、葵は「私たちは書道部」だと宣言する。



 葵の言葉にショックを受ける天馬。書道部をDisっている訳ではなく、ギャップに驚いているのだろう。多分……。ちゅーか、天馬と葵はこの「IF」の世界では書道部に入っていたのか?



 もはや何も分からず、何も信じられなくなった天馬は、夕暮れの河川敷で座り込んでいた。



 細かい描写だが、この場面でも河川敷にあったはずのサッカーグラウンドが無くなっている。ゴールも白線も。こういう部分は本当に芸が細かい。迂闊(うかつ)にあったりするとツッコまれそうだしね。


 サッカーをあっさりと忘れてしまった仲間たちの姿を見て、天馬は少なからずショックを受けていた。涙を浮かべ、サッカーが消えてしまった現状を嘆く天馬だったが、その後ろから何者かが声をかけてくる。

 サッカーの消去が不完全だとつぶやく不思議な姿の少年がそこにいた。少年は天馬の名を知っていた。そして彼は天馬からもサッカーの記憶を消去すると無表情に告げる。



 少年の名は「アルファ(CV:谷山紀章)」。彼の使命はサッカーの消去で、その記憶をまだ持っている唯一の存在である天馬を最後のターゲットとしてやって来たのだ。つまり、他の雷門の選手たちを始め、あらゆる人物たちから過去のサッカーとの出会いから始まる記憶を消去してきたのは、アルファ(及び彼の仲間)の仕業だったのだ。

 キング・オブ・KYと揶揄(やゆ)されるぐらい鈍い天馬くんでも(揶揄してるのは私だが)、そこまで仄(ほの)めかされれば流石(さすが)に事態の黒幕がコイツだということに気付く。敢然とアルファに向かって、みんなを元に戻すことを要求する。

 「サッカーを返せ!!」という天馬の心の叫びを、アルファは「NO」となぜか英語で断り、サッカーをあくまでも完全に消去することを告げる。そして何かコイン状のチップを取り出す。宙に投げ出されたそれは、ボール状にその形を変える。それを踏みつけ、何かを作動させつつ、アルファはそのボールを天馬に向かって蹴りつける。

 その勢いに押され、天馬は河川敷の階段から落下する。そこにアルファも向かってきて、2人の姿はボールを中心にして光に包まれ、どこかへと消えてしまう。後には天馬のカバンだけがその場に残され、この一連の現象が夢ではないということを告げていた。



 目を開いた天馬。その目には懐かしい南国の風景が飛び込んでくる。そこは天馬が幼少期を過ごした沖縄だった。風を感じ、潮の匂いを感じ、波の音を感じ、太陽の眩しさを感じた天馬は、それが現実であることを認識する。

 そして下に目を向けると、どこかで見た資材置き場、そして右手には、今まさにその場を通らんとする親子の姿が。その姿は、まさしく天馬の母と、幼少期の頃の天馬自身のものだった!

 そして資材置き場の木材には、挟まって動けなくなっているサスケ(CV:佐藤健輔)の姿が……。そう、あの、豪炎寺のサッカーボールで天馬とサスケが救われた、まさにあのシーンが目の前で繰り広げられている。これは一体……!?


 これが夢ではないことを理解した天馬。つまりこれは時空を飛び越え、自らの過去の姿を見ているということだ。事態を理解する必要はないと冷たく言い放つアルファ。天馬のサッカーを消去するということは、サッカーとの出会いを消去するということなのだろう。つまりそれは……。


 後ろでは、今まさにサスケと天馬の頭上から木材が倒れてきている場面が再現されていた。間一髪のところを豪炎寺のシュートで救われるのが、天馬のサッカーとの出会いだった訳だが、アルファはその豪炎寺のサッカーボールに自らのボールを蹴りつけ、ボールを弾いてしまう!


 歴史が変わってしまった。


 哀れ、天馬(とサスケ)は材木の下敷きとなってしまう。母の絶叫を聞きながら、天馬は顔色を失う。その間もアルファは何者かと冷静に連絡を取り合い、「インタラプトの補正完了」と謎の報告をする。



 そして次の瞬間、周囲の時間が止められる。驚く天馬に対し、アルファはこの事故で天馬は死んだ訳ではなく、全治一ヶ月の負傷で済んだことを告げる。だがそれは天馬とサッカーとの出会いの機会を奪ったことにも繋がる。命は失わなかったとしても、天馬にとっては命と同じぐらい大事なものを失ってしまうことになるのだ!

 自身を救ったイナズママークのボールに憧れ、サッカー選手になることを夢見て、憧れの雷門中学に入学するという歴史がこの瞬間、根っこから失われてしまったのだ。歴史が変わってしまったことにより、天馬の記憶からもサッカーに対する記憶が失われるはずであった。苦しみ始める天馬。

 自分に課せられた任務を完了したと報告するアルファ。だが、天馬のサッカーに対する情熱、愛情はそのアルファの冷徹な想像を超えていた。大好きなサッカーは、絶対に守ると気丈に言い放つ天馬に、さすがのアルファも驚きを隠しきれない。


 おそらく今までにない強い抵抗だったのだろう。そのさまを遠隔地から見ていた老人たち(前回も登場した円卓を囲む謎の集団)も驚く。その中のリーダー格の老人・トウドウ議長(CV:相沢まさき)は、このハプニングにも笑みを浮かべ、この事態の推移をしばらく静観することを欲する。

 アルファの命令実行における上部組織なのであろう、その老人の意向はすぐさまアルファにも伝えられる。「YES」とまた英語で答えたアルファは、また例の不思議なボールを使って、天馬を別の場所に誘(いざな)う。



 次に天馬が目を開けた場所、それは海辺に設けられたサッカーグラウンドだった。アルファは自らの仲間を10人召喚し、天馬に対してサッカーをすることを宣言する。そして彼らはサッカープレーヤーという次元の低いものではなく、時間に介入し、サッカーを消滅させる権利を持つ「ルートエージェント」と自らを紹介する。



 「ルートエージェント」11人集。サッカーを消滅させるなどと言いながら、ちょうど11人とイレブンを組んでサッカーをする気満々だ(笑)。右から3番目のキャラは女の子のようだが、人造人間18号にも見える。


 サッカーは消させないとばかりに、天馬は化身「魔人ペガサスアーク」を現出して対抗しようとするが、アルファは全く動じることなく、強烈なシュートを蹴りつける。受けて立つ天馬だったが、鎧袖一触(がいしゅういっしょく)で吹き飛ばされ、化身も消滅してしまう。

 立ち上がる天馬だったが、アルファを始めとするルートエージェントたちの猛攻が始まる。サッカーなどではなく、ボールを使った暴力の嵐だ。ひとしきり攻撃を加えた後、アルファはサッカーの恐ろしさを植え付けるための私刑(リンチ)だったことを天馬に告げ、暗にサッカーからの撤退を示唆する。

 サッカーは不必要だと天馬の口から言わせたいアルファ。とどめの一撃を加えようとしたその瞬間、何者かがアルファからボールを奪い取る。そして天馬の代わりに、キッパリと返答する。



 「サッカーは必要だ!」


 天馬を助けたその少年は、「フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)」と自ら名乗り、天馬と同じくサッカーを必要とする者だと語る。そしてアルファに向かって、勝負しようと提案する。フェイが指を鳴らすと、先ほどのアルファの時のように次々と仲間がその場に召喚されていく。フェイはアルファと同じ物理概念(おそらくは未来人)の世界から来ていることがここで示唆される。



 フェイの喚(よ)んだ仲間たち。ルートエージェントの方もそうだったが、こちらにも女性プレーヤーがいる(フェイの左。この胸は女性だろう。右の子も声を聞く限り女の子のように思える)。

【追記】
 夢なま子さんの情報から、この2人はともに女の子であることが判明しました。左の子が「スマイル(CV:折笠富美子)」右が「マント(CV:不明)」です。

【再追記】
 ミル☆さんの情報で、上記2名以外の彼らの名前が判明しました。わざわざこの画像に合わせた紹介で秀逸でしたのでそのまま使わせていただきます。
 ・ストロウ(スマイルの後ろにいる DF)
 ・マッチョス(GK)
 ・マント(MF)
 ・デブーン(右端にいるでかい人物 DF)
 ・スマイル(DF)
 ・チビット(デブーンの左にいる人物 MF)
 ・キモロ(GKの右にいる人物 FW)
 ・ウォーリー(右上にいる人物 DF)
 ・ドリル(右上から2番目の人物 MF)

 頭数を揃えたフェイの陣容を見て、アルファは勝負に同意する。相変わらずの無表情で。そして傍にあった海の家の店主の同意も得ず、勝手に実況役としてこの場に連れてきてしまう。渡されたマイクを介してブレインジャック(精神支配)されたと思われる店主、ノリノリで実況役を引き受ける。



 いいようにリソースとして消費される哀れな海の家の店主。あごひげとか、女房に尻に敷かれているところとか、『ダンボール戦機』に出ていた模型店店主と似ている。レベルファイブはこういう人が多いのかもしれない。


 アルファは、自チームを「プロトコル・オメガ」と名乗り、選手名簿と合わせ、実況の頭脳にもインプットする。そしてフェイに、チーム名を尋ねる。聞かれて困り出したフェイ。天馬を合わせ今結成されたチームでまだ名前が無いのだ。その「天」マークのあからさまなユニフォームの柄(がら)からして、最初から決まっていたような気もするが……。



 僕たちは、「テンマーズ」だ!


 あまりにダサいネーミングセンスに呆れる天馬。旧友の目つきの悪い誰かさんのことを思い出したかもしれない。天馬のチームであることを強調し、さらにキャプテンマークまで手渡すフェイ。天馬を助けるだけでなく、天馬をキャプテンとして敵と戦うと言い出すフェイのその真意は一体?


 とにかく体裁は整った。店主のホイッスルにより、試合が開始される(店主のオッサン、審判役も兼務なのか。酷使されてるぜ)。

 プロトコル・オメガのキックオフ。信じられないスピードでパスを回し始めた敵チームの姿に驚き焦る天馬。それにフェイが落ち着かせるかのように助言する。そして有言実行とばかりに決然と飛び出し、プロトコル・オメガの素早いパスをカットする。

 そしてそこからはテンマーズのターン。フェイがウサギのようなステップで敵選手を一気にかわし、あっという間にゴール前に差し掛かる。そしてシュート技「バウンサーラビット」を撃つ(シュートまでウサギ絡み)。大きくトリッキーにバウンドしながらゴールに迫るボールを、プロトコル・オメガのキーパーも必殺技「キーパーコマンド03」で迎え撃つ。




 お互いの必殺技の応酬を、ただ一人呆然と見つめる天馬。この両チームの能力は、天馬からすれば雲上(うんじょう)の対決かと思われるほど、レベルの高い次元の対決だったのだ。


 試合はその高レベルのチーム同士、ものすごく激しい攻防戦となる。そんな中、アルファが仕掛ける。ディフェンダーに守りを固めることを指示するフェイ。そういったケアは本来キャプテンの仕事のはずだが、ここまで天馬は完全に空気状態。

 アルファを取り囲んだ3人のDFは合体技「フラクタルハウス」を使うが、アルファには通用しない。あっさりとシュートを許してしまう。必殺シュート「シュートコマンド01」がゴールを襲うが、キーパーが深く息を吐き、必殺技「エクセレントブレスト」で見事に阻止する。





 お互いのエースが放ったシュートをそれぞれ阻止したという展開。アルファは無表情、無感動な口調ながら、フェイに対して「やるな」と賞賛の言葉をかける。


 テンマーズのボールをカットしたのは、またもアルファ。そろそろ全力を出すと仲間に告げるアルファ。今までは全力ではなかったというのか?

 宙に飛び上がったアルファは化身「天空の支配者・鳳凰」を出す。



 さらにもう一段階、「アームド!」と叫んだアルファ。すると化身が光の束となり、アルファの体中に纏(まと)わり始めた。鎧のように化身のオーラを纏ったアルファの突進が始まる。誰も止められないまま、そのシュートはキーパーをも吹き飛ばし、ゴールを奪い取ってしまう。



 問題のシーン。今回一番笑えるシーンなのかもしれない。


 先制点は、プロトコル・オメガが得る。化身を纏うというシステムが理解できない天馬に、フェイはその名称が「化身アームド」であり、それをすることで能力がはるかに強化されるということを説明する。


 その高い能力を見せつけたアルファ、そしてプロトコル・オメガは、1点取ったことで安心したのか、攻撃手段を得点を狙うということよりも、テンマーズの選手たちを痛めつける方針に転換する。まるで最初に天馬に対して行なっていた制裁行為を、テンマーズ全員に仕向けるかのように。

 さしものフェイも、疲れが来ていた。「デュプリ9人はきつい」と、謎の言葉を呟き、何かの時間を気にし始める。前半戦の終了のことかと思った天馬だったが、フェイの待っているものはそれだけではなかった。

 フェイの合図で空間に突如現れたのは、雷門のかつてのイナズマキャラバンを思わせるバスであった。違うのは、それが空を飛び、さらに空間から突然現れたこと。そして何よりも目を引くのが、それを運転(操縦?)しているのが、どう見ても単なるクマのぬいぐるみにしか見えないことであった。



 空飛ぶバスから手を振り、自分の名を呼ぶクマのぬいぐるみ(クラーク・ワンダバット CV:吉野裕行)の姿に激しく混乱する天馬。これまでの異常な展開には何とかついて来れていた強靭(きょうじん)な精神の彼も、ついに自分自身が見ているものを信じられず、夢であることを疑い始める。

 だがこのバス状の乗り物が、その後の彼らの命運を左右する存在になることは、おそらく間違いない。今までが超次元なんてまるで言えない超次元な展開を暗示しながら、物語は次回に持ち越される。



 次回に続く。



 エンディング



 いや、本当にこれまでの超次元サッカーなんて、今回の超次元に比べたらカスや(京極さん調)。冒頭も触れたが、化身を身に纏う「化身アームド」はハッキリ言って見た目がダサい。おちゃらけツッコミを入れる天馬くんや卓球ラケットを遠目の段階から持っている信助が今回の爆笑シーンだったんだけど、見ようによっては「化身アームド」が一番笑えるシーンだったとも言えるしなぁ。無印が『GO』になった時の化身のように、今回も徐々に慣れるしかないのかな。


 最後に出てきたクマもよく分からないが、今はいろいろ追求しても混乱するだけなのでそっとしておこう。天馬も混乱しているようだし、視聴者が混乱するのはむしろ当然だ。ただ一言、この新展開を1話目で結論づけるのは早いと言っておきたい。今回の試合シーンはスピード感があって、観ていて楽しかったしね。

 乗っていたバスという流れから、物語の雰囲気はイナズマキャラバンの再現になりそう。前作最終回でエイリア学園戦がやけに細かく描写されていると思ったけど、やはりそれはこの展開の伏線だったらしい。


 前作『イナGO』との絡み。とりあえずオープニングに現雷門メンバーが出ていたので希望が持てる。次回で新しいゴールキーパーをスカウトに向かうという流れになりそうだが、そのゴールキーパーがおなじみのあのシリーズ最強のゴールキーパーになりそうで、これは早くも三国さんの出番は無くなったという感じ。三国は相撲にその青春とやり切れない何かをぶつけて欲しい。あと葵以外のマネージャー、瀬戸水鳥(CV:美名)と山菜茜(CV:ゆりん)にもぜひ出番が欲しい。

 他のキャラたちもスカウトされるんだろうか? 今回出なかった剣城京介(CV:大原崇)はどういう形で物語に絡んでくるのかも注目。サッカーが無くなる展開では、剣城との出会い方も変わってくるんだろうね。兄の剣城優一(CV:前野智昭)も出るということだし、足を怪我しなかったという「IF」が描かれるのだろう。剣城が想像以上にお兄ちゃん子になっていたら、イメージが変わるだろうなぁ。


 時空を飛び越えるという超絶設定に身体と頭を徐々に慣らしながら、楽しく2期を観て行こうと思う。皆さんもこのカオスを楽しんでください。



  次回「時を越えた天馬!」に続く。



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