『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第33話「獣の谷の大決戦!」の感想 【フェイの母親は黄名子……やんね?】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第33話「獣の谷の大決戦!」を観ての感想を書く。今回は更新が遅れてごめんなさい。ノロウイルスに始まり、かつまた今週はやることが色々あってまとまった時間が取れなかったのです。また物語のものすごい驚きの展開に更新が遅れてしまったやんね(ヒントはこの口調)。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第32話「見たか!恐竜の王!!」の感想 【戦慄のパーフェクト・カスケイド!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 時空最強イレブンのオーラを手に入れるため、恐竜時代にやって来た松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は、エルドラド最強の刺客・パーフェクト・カスケイドの急襲(きゅうしゅう)を受ける。

 レイ・ルク(CV:河野裕)率いるパーフェクト・カスケイドは超人的な強さを誇り、雷門を圧倒。雷門は0−19という記録的大敗を喫する。完敗した精神状態にマインドコントロール波でダメを押そうとするレイ・ルク。そのピンチを救ったのは恐竜たちの暴走、そしてそれを後押ししたクロスワード・アルノ(CV:楠見尚己)博士であった。


 アルノ博士のグッジョブで何とかその場を逃れた一同。だがサッカー対決で完膚なきまで敗れ去った精神的ダメージは大きく、メンバーは意気消沈してしまう。



 早くも服従のポーズでパーフェクト・カスケイドに勝つことをあきらめてしまうミスターネガティブ、速水鶴正(CV:吉野裕行)。ただ今回は常時ネガティブな速水だけでなく、いつも前向きな他のメンバーもうなだれ、下を向いてしまうのだけど。



???「いーや、オラは燃えてきたぞぉ〜っ!!」


 だがそこで、その逆境をものともしない前向きな発言が飛び出す。それはこの恐竜世界で仲間になった野生児、トーブ(CV:ゆきじ)のものだった。彼は「あんな強い奴らを倒せれば、すげぇウホウホだと思うんだ」と、言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい自信にあふれた言葉を口走る。

 そしてトーブは天馬に向けて、もっともっと強くなってあいつらに勝つと力強く宣言し、いつもの感極まった時のウホウホダンスを踊り出す。その明るく前向きな態度は、大敗で本来のあきらめない雷門魂を忘れかけていたメンバーに元気と勇気を与える。


 新参のトーブに大事なことを教えられた感のある雷門、神童拓人(CV:斎賀みつき)もトーブの向上心に感じ入る。ここでパーフェクト・カスケイドに勝てなければサッカーが取り戻せないことを天馬は思い返す。さらにそれを受け、まだ見ぬ第7、第8の最強イレブンの能力も得られていないことをフェイ・ルーン(CV:木村亜希子)が告げる。

 その2つの力を得られれば、雷門の戦力はさらにパワーアップするはずだ。彼らにはまだまだ強くなるだけの「のびしろ」があった。速水を除く全メンバーが同意を表明する。そうなるとネガティブながら日和見主義(ひよりみしゅぎ)でもある速水も、渋々ながら賛同せざるを得ない。パーフェクト・カスケイドは怖いけど、サッカーが大好きなのは速水だって同じだから。

 全メンバーの意思統一が図れたことで、キャプテンの天馬は改めてパーフェクト・カスケイドに勝つための策、雷門伝統の一つ覚えを宣言する。


天馬「特訓だ!」


 特訓という言葉を聞き、トーブのやる気が激しく燃え上がる。彼は野生児らしく、拳を突き上げひときわ大きな声で咆吼(ほうこう)を上げる。それはパーフェクト・カスケイドに対する、雷門の反撃開始の狼煙(のろし)でもあった。



   オープニング



 天馬たちは前回とは別の拓(ひら)かれた広場に場所を移し、本格的に特訓の状態に入る。

 特訓時は暫定的(ざんていてき)に監督のポジションに就(つ)くクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)がパーフェクト・カスケイドの戦力を分析する。何と言ってもあの想像を絶するスピードに対抗する手段を獲得しなければ立ち向かうのは難しいだろう。

 その手段に悩んでいるとき、地平線から何かの群れがこっちに駆けてくる。それはものすごい速さで駆けてきて、一気に雷門メンバーを取り囲んでしまう!



 突然の事態に驚く一行。肉食恐竜に対する恐怖心が蘇(よみがえ)ってくる。そんな中、恐竜大好きの西園信助(CV:戸松遥)だけは目を輝かせて、その恐竜が憧れのトロオドンであることを力説し始める。



 コイツ……。


 感動する信助に、そんな場合じゃないと、瀬戸水鳥(CV:美名)がいつも通り的確にツッコミを入れる。

 だがトーブがトロオドンたちは自分の仲間であると落ち着いて語り、やって来た理由を尋ねる。そこにさらにトーブの父ちゃんのトーチャン(ケツァルコアトルス)が飛来し、トーブに何やら告げる。それを聞いてトーブの顔が喜びに染まる。

 トーブの通訳によると、彼らは天馬たちの特訓に協力すると言っているらしい。



 トロオドンが肉食であることを信助から聞かされた速水は気が気じゃない様子。ビビったら狙われると聞かされ、よりビビるところが彼らしいが。狩屋マサキ(CV:泰勇気)を盾にして自分だけは助かりたいという態度も彼らしい。怖がってるはやみんは可愛いけどね。


 恐竜にサッカーが出来るのか、という不安はあるが、いざサッカーボールを渡してみると、トロオドンたちは実に器用にサッカーボールを操り、パスプレーなどもお手の物だ。トーチャンガ言うには、彼らは前回の雷門の試合を観ていて、それでサッカーを覚えてしまったらしい。

 トロオドンの賢さに驚く一行だったが、恐竜博士の信助はトロオドンが体の大きさに対して脳が大きく、中生代で一番頭の良かった動物はトロオドンであるということを解説する。馴染んできた天馬たちはトロオドンの前に立ってそれを感心するが、速水はあろうことか女子の水鳥姐さんの後ろで未だに震えていた。

 しかし格好の特訓相手を得られたことは事実だ。天馬はメンバー全員に特訓開始を宣告する。



 実戦タイプの特訓が開始される。天馬が剣城京介(CV:大原崇)とフェイを従えてドリブルで前進する。フェイにパスを送った瞬間、トロオドンは的確に反応し、そのパスをカットする。野生動物特有の反応速度、そして読みが入った素晴らしいプレーだ。



 トロオドンに追われる雷門の選手たち。素早い敵からボールを奪われないための特訓だが、速水だけはジャイアンから逃げるのび太みたいになっとる。


 トロオドンのプレーの冴えはディフェンスだけではない。ボールを奪うや目覚しい速度のパスを出し、しかもそのパス回しもそつがない。

 見守るマネージャー陣では、空野葵(CV:北原沙弥香)が肉食恐竜を特訓相手に選んだことが危険なのではないかとワンダバに懸念(けねん)を伝える。ワンダバも同意ながら、これを乗り越えればあの最強の敵、パーフェクト・カスケイドに対峙(たいじ)するためのスピードと瞬発力が得られるはずだと返す。そして過酷な特訓に挑む天馬たちに「頑張れ!」と大声でエールを贈る。



 フィールドではフェイがミキシトランス・ティラノの能力を発揮してドリブル、トロオドンと向き合う。



 だがその能力がもう通用しないということを端的に教えるかのように、トロオドンは意図もあっさりとボールを奪取してみせた。ミキシマックスしていても1対1でボールが奪われてしまい、フェイは驚きとともに落ち込んでしまう。それを見つめていたビッグ(CV:不明)も心配そうに鳴き声を上げる。

 気落ちするフェイ。それをなぜか厳しい表情で見つめていたのは、いつもは明るいムードメーカーの菜花黄名子(CV:悠木碧)であった。意を決したように走り出した黄名子はフェイの失ったボールの奪還に向かう。

 ものすごい気迫を見せる黄名子は、何とその背中から黒いオーラを出現させる。それは化身が表出するときの前触れだ!



 化身使いとしての先達(せんだつ)に当たる天馬と神童はそれを見逃さない。黄名子が化身使いとして開眼しようとしていることに気付く。ボールを追う黄名子は、遅れてついてくるフェイの存在を意味ありげに見やる。


 なおもボールをキープするトロオドンだったが、そのパスを止めたのはトーブだった。トーブは大喜びでガッツポーズを見せて浮かれる。誰よりも早く恐竜からボールを奪ってみせたトーブが、初心者なのにみるみる上達していることには、影山輝(CV:藤村歩)など初心者の教育係も務めていた霧野蘭丸(CV:小林ゆう)も目を見張る。

 いくら運動神経が優秀でも、サッカーなど複雑な球技の会得には本来時間がかかるはずなのだ。狩屋ですらその速さには呆れたように声を上げてしまうほどだから、トーブのサッカーセンスは並外れているのだろう。

 そしてトーブの場合、速さだけではないことを神童が見抜く。


神童「トーブには迷いがないんだ!」


 そしてそれは神童に大いなる天啓を与える。トーブのプレーは自分たちにも当てはめて使えるということに……。神童はまたも天馬を差し置いて、キャプテン面(づら)して指示を出す。トーブのように迷わず、0コンマ1秒でも速く判断するようにとのその指示は、天馬たちに真剣さの度合いを増した形で受け入れられる。



 そしてそのイズム(主義)を取り入れた形でプレーを再開する。天馬たちのパスは鋭さを増して通り、トロオドンのパスをカットする動きもその切れ味を増す。

 これまでとは打って変わったようにトロオドンのプレーを圧倒し始める雷門。やはり神童の指示は適切だったようだ。仲間の見違えるようなプレーに気を良くしたトーブは自分もより良いところを見せようと張り切り、化身「太古の戦士ジャガウォック」を召喚し、トロオドンからボールを奪い取ってみせる。



 トーブの化身を使ってのプレーには、メンバーからも賞賛の声が出る。速水や狩屋としては、一気に抜かれてしまったような印象。彼らは化身出せないもんねぇ……。


 トーブの活躍は見ていた親友のビッグやトーチャンも大喜びだ。


 トロオドンもやられてばかりでは特訓相手としてふさわしくないと自覚するのだろうか? 今度は2匹がかりでトーブに向かってくる。トーブもやる気満々でそれを受けるが、やはり止められず吹き飛ばされてしまう。



 さすがに2匹同時はきついと思われたのだが、トーブはまったく怯(ひる)むことなく食い下がる。だがやはりまだまだ2体同時に対抗するだけの実力はなく、何度挑んでも跳ね返されてしまう。

 それでも立ち向かおうとするトーブだったが、蓄積したダメージは大きかったようでその場に倒れてしまう。これ以上の特訓はトーブには無理だと思われたが、トーチャンは続行を指示する。

 おそらく彼はかつてトーブに課した「親離れ」の儀式を今こそトーブに与えるために厳しく処しているのだろう。休ませてあげて欲しいというフェイの意見にも耳を貸さない。


 一瞬気を失っていたトーブは、自分を心配するビッグの鳴き声で目を覚ます。ビッグを育てて一人前にするということは、トーブが今は亡き友人のロックスターとの間にかわした約束だ。ビッグに情けないところは見せられないと、気力を振り絞って立ち上がるトーブ。



 ビッグを元気にするためにはなんだってするつもりのトーブは、守るべきものがいるという責任感に燃えて一声吼(ほ)える。トーチャンに守ってもらう立場から、ビッグを守る立場へ……。トーブは心境的には完全に独り立ちし、親離れも達成できたと思われるシーンだった。


 その目に力を取り戻し、トーブは再び困難に立ち向かう。厳しい表情のままながら、それを見るトーチャンの視線はどこか暖かい。

 そしてその親子愛をジッと見つめるのは、黄名子だった。彼女はこれまでにない真剣な表情を浮かべ、トーチャンの愛するがゆえの厳しい態度を見るのだった。


 トーブはまたも2対1の戦いに臨む。トーブの頑張りはフェイの心に強く感応する。


フェイ「僕も……負けてられない!!」


 そのフェイに強い口調で声を掛けたのは黄名子。フェイを含む全員が驚く中、黄名子は勇躍ボールに向かって走り出す。そして……



 ついに登場! 黄名子の化身「暁ノ巫女アマテラス」 前々回、寝る間も惜しんで頑張った、泥だらけの一人っきりの特訓がここで報われたのだろうか!?


 そしてその化身発動の勢いのまま、見事にボールを奪取する。黄名子の化身発現に、みんなが喜ぶ。トーブも得意のウホウホダンスでその功績を祝福する。ただひとり、フェイだけが複雑そうな表情を浮かべるのを除いては……。



 そしてその日も夜が更けた。夕食に果物や野菜を飲み物のように平らげるトーブを、みんなは微苦笑を浮かべて見つめる。サッカーの特訓という初めての行為に張り切って、きっとお腹も空(す)いたのだろう。



 食べ終わる頃には体型が変わってしまうほどに……。


 そしてたらふく食べたら、その場ですぐに寝てしまう。トーブのその野生児っぷりにはあっけにとられる天馬と信助だったが、温かく笑ってその夢への旅路を見送る。



 そしてみんなにも就寝の時が訪れる。

 皆が寝息を立てる頃、寝所にはフェイの姿がなかった。彼は滝の流れる静かな空間で膝を抱えて座っていた。そこに心配するような表情を浮かべて、ビッグがやって来る。



 昨日はロックスターを失ったことで泣いていたビッグを励ましたのはフェイだったが、今回は逆の形だった。ビッグが自分と同じく孤独な存在としてシンパシーを感じるからであろうか、フェイはビッグになら何でも話せる気持ちになっていた。

 昨日話したように、フェイは小さい頃に親に捨てられてしまったことを告げる。フェイはサッカーがあったから寂しくはなかったと言う。そして自分が前に進むと決めたように、ビッグも前に進んで欲しいと語る。

 そして月明かりが照らすその一人と一匹の姿をじっと見つめる影……。それはまたも思惑ありげな黄名子の姿であった……。




 翌日も特訓は続く。トーブはまたも目を見張るような進歩を遂げ、2体のトロオドンを抜き去ることに成功する。蘭丸曰く、まだ危なっかしいところもあるというが、この分だと雷門レギュラー陣もうかうかしてはいられないだろう。

 その進歩には、昨日厳しかったトーチャンも賛辞の言葉を送り、トーブはまたも喜びのダンスを踊る。雷門全体にトーブ効果と言える、明るさが波及していく……。



 その姿をモニターしていたのは、パーフェクト・カスケイドの監督・サカマキトグロウ(CV:石井康嗣)であった。彼は進化した雷門を見やりながらも余裕の表情で、その無駄な抵抗をあざ笑う。



 トーブに負けていられないとインスパイアされた感のあるフェイもトロオドンを抜きにかかるが、石塊(いしくれ)に足を取られて倒れそうになってしまう。駆けつけた天馬の助けを借り、倒れる体勢を利用してボレーシュートするフェイ。ボールは岩山に激突し、その壁面を鋭く穿(うが)つ。

 その偶然のプレーが思わぬ威力を発揮したことに驚く2人。もしかしたら、何度も伏線が張られていた天馬とフェイの合体必殺技はこれがベースとなるのかもしれない……!



???「目標を再補足……」


 そこに一度聞いたら忘れられない、嫌な機械的なボイスが響く。それはやはりあの男、レイ・ルクのものだった。レイ・ルクは青いスフィアデバイスを取り出し、ムーブモードで雷門を自らのテリトリーに連れ去る。


トーブ「またここか〜!!」


 そこは前回戦った渓谷にあるサッカーフィールド、「ロックスクエアスタジアム」だった。レイ・ルクは無表情なまま、雷門の殲滅(せんめつ)を実行に移すと宣告するが、錦龍馬(CV:岩崎了)は以前の自分たちとは違うと声を張り上げる。特訓して強くなったということは秘密にしておいたほうが良いのに、サッカーバカはこれだから困る……まぁ錦が言わなくてもサカマキにモニターされていたわけで、特訓のことはバレバレなのだが。サッカーバカの天馬キャプテンも「特訓の成果を見せるんだ!」と言わずもがなの檄を飛ばす。





 恒例の、試合開始直前の両チームの布陣。雷門は1−3−3−3と、前回と打って変わって特殊な攻撃的布陣。天馬だけでなく錦やフェイも前がかりで、点を取りに行くという積極的な形でもある。守備面では3番蘭丸がリベロ役となって守りの要となる。控えに回るのは前回同様、狩屋。

 一方のパーフェクト・カスケイドは前回と比してまったく変更なし。自信の表れというか、もうチームとして完成され尽くしているのだろう。面白味が無いと言えば、無い。


 ベンチではトーチャンの不在を確認して、ワンダバが笑みを浮かべる。今度こそ監督の座はいただくつもりでいたのだが、やはりそうは問屋が卸(おろ)さない。空から突如降り立ったトーチャンが、監督は俺と言わんばかりに高らかに吼える。悔し涙を流すワンダバには日頃は皮肉屋の狩屋もその言葉が鈍(にぶ)る。


 そしてワンダバいじめの次は順番通り、沖縄の海の家から焼きとうもろこしを鉄板に残したまま矢嶋陽介(CV:佐藤健輔)が姿を消す。もちろんレイ・ルクに拉致されたのだ。今度は状況の変化を驚く間もなく洗脳された矢嶋は、嫁の矢嶋成海(CV:佐々木日菜子)の嘆き節も知らぬまま、ノリノリで実況を開始する。



 矢嶋の言うように、この試合は雷門にとってはリベンジマッチなのだ。負けるわけにはいかないし、負ければ今度こそマインドコントロールモードによってサッカーへの意欲を奪い取られ、二度とサッカーが復活することはなくなってしまう。負けられない戦いを前に、天馬の表情も引き締まる。

 一方のパーフェクト・カスケイドには、その手の気負いや動揺などの一切が無い。淡々と任務遂行に向けて与えられた役目を果たそうと考えるレイ・ルクとその仲間たち。



 そして試合開始の笛が鳴る。パーフェクト・カスケイドボールで試合開始。前回見せた速攻を早速仕掛けてくる。11番グラ・フォム(CV:奈良徹)から8番ダイ・ロード(CV:不明)に送られたパスだが、それを天馬がカットする。

 特訓の成果が出た! 前回は一度も成功しなかったパスカットが早くも成功したのだ。だがルーズボールを支配したのはやはりパーフェクト・カスケイドだった。だが雨宮太陽(CV:江口拓也)がスライディングで挑みかかり、ドリブルを見事に阻止する。パスだけでなく個人技も阻止できるまでに雷門は進化していた。



 その後もボールを取りつ取られつの曲折はあれど、まったく歯が立たなかった前回と比べ、ほぼ互角の展開に持ち込むことに成功する。トロオドン相手の特訓はかなり有効だったようだ!

 そして神童の号令の元、ミキシマックスでその均衡状態を自チーム優位に傾けようとする雷門選手一同。いいアイデアなんだけど、どうして前回は信助以外はそうしなかったのだろう?



 ミキシトランス・信長!



 ミキシトランス・沖田!



 ミキシトランス・孔明



 ミキシトランス・坂本龍馬



 ミキシトランス・ジャンヌ!



 ミキシトランス・劉備



 これまでの時空最強イレブン1から6までの英雄たちの能力をその身に憑依(ひょうい)させて戦いに臨む雷門の選手たち。フェイも最強イレブンのオーラではないものの、ティラノとミキシマックスして決戦に備える。一度に7人もの選手が一斉にミキシマックスするというこれまでにない壮観は、雷門ベンチを大いに鼓舞する。


 だがレイ・ルクはやはり表情を変えない。変えないまま、その背後から赤紫色(せきししょく)の不気味なオーラを出して対抗する。それはみるみる姿を変えていき……



 人工化身プラズマシャドウ。……こ、この化身は一体!?


 その地獄よりの御使(みつか)いのような異様なオーラは初めて見る雷門サイドを混乱させる。



 ベンチの女の子たちも恐れてしまう……って、だからワンダバ、どさくさで葵ちゃんのどこ触ってるんだよ!!


 化身のようで、そうではないようで、その主人であるレイ・ルクと同様、プラズマシャドウのその様相が掴めない。天馬が混乱するその隙を突いてレイ・ルクがボールを奪い取ってしまう。そしてその場からシュート並みの威力のパスを放つ。

 そのボールの威力は速水はともかく、ミキシマックスした蘭丸ですら軽くはじき飛ばしてしまうほどだ。そして驚愕はまだ続く。そのパスを受けた選手がポツリと同じ名前をつぶやくと……



 な、何と、別の選手に背後にもプラズマシャドウの姿が! 選手はトーブを蹴散らして前進、そしてシュートを放つ。



 シュートは前回同様、ザルのような状態のミキ信助をはじき飛ばしてゴールネットを豪快に揺らす。特訓して強くなったはずの雷門だったが、パーフェクト・カスケイドにその実力の片鱗(へんりん)であるプラズマシャドウの能力を使われたとたん、またも圧倒的な力の差で先制点を奪われてしまう。

 今までの化身との違いを実感する天馬に、レイ・ルクはこれは化身ではなく、プラズマシャドウだと告げる。プラズマシャドウとは化身ではない何か、なのだろうか? その謎かけのような口ぶりが理解できない天馬くん。


 だが試合は続行だ。先制点を奪われてしまった雷門は果敢に攻めるが、またもプラズマシャドウを帯びたレイ・ルクが天馬からボールを奪い取る。そして同じくプラズマシャドウを帯びた別の選手たちがシュートを容赦なくゴールに突き刺していく。あっという間に4失点してしまう雷門。前回のように完敗してしまうのだろうか?

 やられっぱなしを怒るトーブは化身「太古の戦士ジャガウォック」を召喚し、前を行くパーフェクト・カスケイドの選手に必殺技「ハンティングランス」を向ける。



 投げた槍が見事に命中! 「ハンティングランス=狩りの槍」というだけあって、当たると痛そう。だけどこれってどう見てもクソド反則に見えたのは私だけ?



 ボールを(反則気味に)奪い取ったトーブは勇(いさ)んで攻め上がり、前線のミキシ剣城にボールをフィードする。雷門のチャンスなのだがレイ・ルクは極めて落ち着いた調子で、これまで防御の機会がなかったことを補填(ほてん)する目的でその攻撃を見逃す。つまりキーパーに守備する経験を積ませるために、わざと止めずに攻撃させるというのだ。

 それが聞こえたのか態度から察したのか、馬鹿にされた思いの剣城はプライドを傷つけられて怒りに燃える。ミキシマックス状態での最強シュート「菊一文字」のエフェクトをぶち抜く。しかし……




 「キーパーコマンド16(弧月十字衝)」で迎え撃つ敵キーパーのラウ・セム(CV:美名)。キーパーコマンドという名称が初期のルートエージェントのキーパー技を思い出して懐かしかったが、16とかもう2桁になってしまってる……。


 「キーパーコマンド16(孤月十字掌)」は剣城のシュートを跳ね返してしまう。あのカッコ良い技「菊一文字」がこんなに早く破られてしまうなんて……いささかショック。

 監督のサカマキからオプティカルファイバーなる作戦を実行に移すよう指示されたレイ・ルクは、見るからに奇抜なフォーメーションで攻め上がってくる。11人中8人が一体となって前進してくるのだ!



 パーフェクト・カスケイドの必殺タクティクス「オプティカルファイバー」 前者6人を有機的に組織、駆動させ、前方の防御網を強引に切り裂く。そして残された2人でゴール前にボールを持ち込むという強襲的なタクティクスだ。


 ゴール前に上がったレイ・ルクは表情を変えないままシュートする。信助はそれを止めることが出来ない!



 無情なまでの強さを印象付け、パーフェクト・カスケイドが追加点を挙げる。これで試合は0−5と、本当に前回の二の舞を演じてしまいかねない情勢になってしまう。

 ミキシマックス状態のフェイが前進するが、それをものともせずにパーフェクト・カスケイドの「オプティカルファイバー」が阻止する。自らの力が通用しないことに焦(あせ)り苛立(いらだ)つフェイ。そんなフェイの横を併走(へいそう)して、その空回りする思いを諌めるかのように声をかけるのは、黄名子だった。



黄名子「フェイのサッカーに賭ける思いはそんなものなの?」


 いつもと違い、標準語で語りかけてくる黄名子。真剣な眼差し。それはあたかも愛する子供を叱咤激励(しったげきれい)する厳しくも優しい母親のような雰囲気を感じさせた。


 その間もパーフェクト・カスケイドの猛攻は続く。今度こそ雷門を完璧に潰し、引導を渡すというサカマキの命令に忠実な機械のように従う彼らの攻撃は苛烈(かれつ)を極め、止むことを知らない。

 だがそれに立ち向かう黄名子。フェイの前を走って、自分がフェイの見本になろうとするかのように振舞う。


黄名子「ウチを見て!!」


 そしてやおら化身「暁ノ巫女アマテラス」を召喚、化身必殺技「光輪の矢」を引き絞り、自らがその光の矢になったように敵めがけて飛んでゆく。




 その狙いは圧倒的速度で動き回る「オプティカルファイバー」の中から寸分違(すんぶんたが)わずボールを持った選手を的中し、黄名子はボールを奪い取る。

 そしてなおもフェイに向かって、またも言い聞かせるような口調で、なぜ化身が出せないのかと問う。フェイはその回答に当たるものを持っていたが、何か(おそらく生い立ち上の)負い目があってそれを話そうとはしない。黄名子の真剣な眼差しから目を逸(そ)らしてしまう。


 そこに地響きを立てて何者かがフィールドに侵入してくる。一瞬、負けそうになってヤバいと判断したアルノ博士がまたもグッジョブをやらかしたと思ったのだが、さにあらず。それは前回と同じようでいて、全然違う要因からのものだった。



 前回と違って凶暴そうな恐竜ばかりがなだれ込む。


 恐竜たちは敵味方の区別なく、縦横無尽(じゅうおうむじん)にフィールド内を駆け回る。それはスフィアデバイスの洗脳光線で洗脳されてしまった恐竜たちの行動だった。「その時代にあるものを使えば歴史への影響は少ない」というルールをギリギリまで悪用するサカマキの考えだった。

 とてもサッカーなど出来る環境ではないのだが、パーフェクト・カスケイドの側も雷門と同様に恐竜の攻撃を受けていた。つまり条件は同じだと言うのだ。レイ・ルクはこの障壁でさえ、自分たちの経験値を上げるための機会だと割り切っていた。経験値経験値と、お前は重度のRPGプレイヤーか?

 だが言うだけのことはある。パーフェクト・カスケイドは恐竜の間隙(かんげき)を突いてプレーを続ける。そしてシュートを放つレイ・ルク。信助はトリケラトプスに襲われてキーパーの仕事どころではない。

 シュートがゴールに突き刺さり、これで0−7。前半で試合はかなり一方的なものとなってしまう。



 実況兼審判の矢嶋ですら襲われて命が危ういフィールド。矢嶋は生きて帰れるのかな? こんな状態でも実況を止めないその頑張りが涙を誘う。タダ働きなのにねぇ……゚(゚´Д`゚)゚


 試合をまともなものに戻すためにもまずは洗脳を解くことだと判断した天馬は、化身「魔神ペガサスアーク」を喚び、すかさずアームドする。そして渾身のシュートを恐竜めがけて撃ち下ろす。ロックスターの洗脳を解いた時のように、衝撃を与えて目覚めさせようとしたのだ。打ちどころが悪くて失神してくれたら、それはそれで邪魔者を排除できるわけだし。

 天馬のシュートを受けたトリケラトプスの目の濁(にご)りが消失する。効果があったらしい。それを皮切りに、剣城や太陽が次々と恐竜を目覚めさせる。何とかその場を沈静化させることに成功したのだが、そこまでに払った代償はあまりに大きかった。

 疲労困憊(ひろうこんぱい)の味方、そして何よりも7失点という大量のビハインドが彼我の差を絶望的なものとしていた。まだあきらめないとネバーギブアップ精神でもって、レイ・ルクを睨みつける天馬。それを醒めた目で見つめ返すレイ・ルク。

 かつてない最強の敵との戦いは、圧倒的に不利なまま後半戦にもつれ込むこととなった……




 次回に続く



  エンディング




 今回はこれまでにないシリアス回だった。

 驚愕の事実……というか、まだハッキリと描かれてはいなかったから何なんだけど、黄名子の真剣な表情、そしてそれがフェイに向けられていたということから、彼女がフェイの母親であるということはおそらく確実だと思われる。

 フェイと同じように未来から(それも自分の子供であるフェイと同じ年齢の姿で)やって来た理由はこれから明かされるのだと思うが、これはイナクロを見てきた中でも最大の驚き展開だと思う。

 ここでなぜこんな真相に迫るかのような伏線とネタバレをやったのかということだが、それはニンテンドー3DS版のゲーム版『イナクロ』が発売されたからだろう。ゲームをプレイすればアニメの展開の先まで知ってしまうことになる。その前にこの最大の驚きのネタは種明かししておこうというのがアニメ版スタッフと日野社長の考えだったのではないだろうか?

 フェイは両親に捨てられたと思い込んでいるが、だとしたら未来から母親がやって来るはずがない。きっと何かの行き違いでこういう境遇になっていて、しかも黄名子の方からはそれを明かせない理由があるのだろう。自分の姿を見てフェイを成長させようと一所懸命だった黄名子の表情は、これまでの可愛い黄名子とまったく別の魅力を感じさせた。私はこの回を見て、ますます黄名子が好きになった。



 さて本編の話だが、7点ものビハインドを雷門は覆(くつがえ)すことが出来るのだろうか? それは目覚めたフェイと、もう一つの最強イレブンの力が鍵を握ることとなるだろう。

 もう一つの対象は多分トーブ。次回予告ではトーブがミキシマックスする姿もあった。これは次回予告であったから書いてもネタバレじゃないよね? トーチャンとミキシマックスするようだぞ。



 次回では信助も新必殺技が出るようだ。ようやくザル状態を脱出できるようで何より。今のままでは劉備さんがヘタレに見えて仕方がないもんな。



 あとコメントをいただけるのはとても嬉しく、いつも楽しく読ませていただいています。ですが今回からはゲーム版『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』が発売された後ということで、ゲームを進めた人はかなりのネタバレをすでに知っていると思います。

 その辺はどこまでネタバレして良いのかということは私からは提示できませんが、みなさんの良識の範囲にお任せします。個人的にはあまり最終的な部分はバラさないで欲しいなぁというのが本音です(笑)。



  次回「さよならと吼える声」に続く。



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