『イナズマイレブンGO』第41話「決戦!アマノミカドスタジアム!!」の感想 【ついにホーリーロード決勝戦!】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGO』第41話「決戦!アマノミカドスタジアム!!」を観ての感想を書く。キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)が戦線を離脱し、新たにキャプテンとなった松風天馬(CV:寺崎裕香)が率いる新生雷門中学が、ついに決勝戦に挑む。彼らの目指す少年サッカー界の革命まで、あと一歩だ。



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、

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 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 神童に励まされ、キャプテンを続ける自覚を持った天馬。帰宅直前にユニフォーム姿のままの剣城京介(CV:大原崇)に声を掛けられる。

 「ファイアートルネードDD(ダブルドライブ)」という合体技を次の決勝戦までにマスターすることが決勝戦で雷門が勝利するカギであり、その特訓に協力するよう天馬に要請する剣城。「ファイアートルネード」が豪炎寺修也(CV:野島裕史)の必殺技であり、なぜその技を剣城が会得(えとく)しようとしているのかなど、天馬には聞きたいことは色々あったのだが、剣城の真剣でまっすぐな視線を受け、何も聞かずにその要請を受ける。


 剣城「みんなには秘密で、特訓するぞ」


 なんで? みんなに知られてもいいじゃん。むしろみんなに協力してもらう方がいい気がするのだけど。シュートに至るまでの連携もあるし、キーパーがいた方がより実戦的なシュート練習にもなるし。ただなぜか、それに関しても何も聞かずにスルーしてあっさりとOKする天馬くん。いきなり披露してみんなを驚かせようという、お茶目心だろうか? (ああ、豪炎寺の技だから、円堂サイドに知られるとまずいという思いがあるのかも。あるいは聖帝寺さんに口止めされているとか)


 もう日も暮れているのだが、河原のサッカーグラウンドに移動し、2人で新必殺技の特訓を開始する天馬と剣城。だがこの技は難しいらしく、サッカーセンス抜群の2人をもってしてもその会得は容易ではないらしい。



 しかし才能という言葉は「出来る」ということだけをもって評されるものではない。「出来るまで諦めない」ということも才能の一部なのだ。決勝戦で勝利するには、何としてもこの技が必要だとする剣城の気迫と、それに応えようとする天馬の気迫。2人は何度失敗しても、繰り返し挑戦することを止めない。

 そこに通りがかる一台の高級車。2人の必死の特訓を見つめるその姿は、フィフスセクターの真の黒幕と思(おぼ)しき男・千宮路大悟(CV:川島得愛)のものであった。聖帝イシドシュウジ(CV:野島裕史)こと豪炎寺修也が2人に授けたであろうこの技の特訓を見て、千宮路は何を思うのだろうか?




  オープニング



 翌日、決勝戦を控え、雷門サッカー部の練習も実戦形式の本格的なものになっていた。キーパーが正GKの三国太一(CV:佐藤健輔)だけでなく、控えGKの西園信助(CV:戸松遥)が誕生したことが大きい。両ゴールにキーパーがいることで、紅白戦も可能となる。……逆に考えたら、今までは紅白戦すら出来なかったんだよねぇ。

 天馬から錦龍馬(CV:岩崎了)にパスが渡り、さらに影山輝(CV:藤村歩)にボールが通る。輝は代名詞となった「うっぎいい〜っ!!」という掛け声とともに、強烈なシュートを放つ。

 ノーマルのシュートだったが、信助は止めることが出来ず、シュートが豪快にゴールネットを揺らす。輝のシュートが素晴らしかったのは事実だが、天馬を起点とした連携がその土台にあったことは確かだ。天馬はキャプテンとして、司令塔として機能し始めた自らの能力に手応えを感じ始めていた。


 夕暮れが訪れ、熱の入った練習が終了する。選手一同は汗をぬぐい、ひと仕事を終えた風情で寛(くつろ)いでいたが、天馬と剣城には、まだしなければならない秘密の特訓が控えていた。その2人の様子を、剣城がイシドに呼び出された時から気にかけている監督の円堂守(CV:竹内順子)がじっと見守る。


 一方、帝国学園地下に陣取るレジスタンスのメンバーは、今後の善後策を練っていた。敵であるフィフスセクターの財務状況を調査していた基山ヒロト(CV:水島大宙)と緑川リュウジ(CV:小平有希)が、その内容をレジスタンスのリーダー、響木正剛(CV:有本欽隆)に報告する。



 八角形卓に居並ぶレジスタンスの面々。開いている2つの席は、鬼道有人(CV:吉野裕行)と佐久間次郎(CV:田野めぐみ)のものだろう。鬼道は雷門のコーチをしているが、佐久間は一体どうしているのだろう? 私は前作キャラでは佐久間が好きなので、また舞台に登場して欲しい。


 睨んでいた通りフィフスセクターが財務状況で不正を働いていることを掴んだヒロトと緑川。そして彼らはさらに秘密とされているファイルの存在も確認していた。「ドラゴンリンク」と称されるコードネームがそれら極秘ファイルに共通したものであるところまで、2人の調査によって明らかとなる。


 試合前日の雷門サッカー部の練習シーン。今日も天馬から錦へのパスがキレイに通る。ますます自信を深める天馬。錦の能力を活かす術(すべ)は、すでに身体で掴んでいる感じだ。

 さらに敵である一乃七助(CV:折笠富美子)がドリブルで攻め上がって来るのを認めた天馬は、すかさず味方ディフェンスに指示を出す。それに応え、素早くチェックに回った狩屋マサキ(CV:泰勇気)と霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が挟み込むようにしてボールを奪う。前回の雷門セカンドチームとの戦いでは簡単に突破を許した当の相手の一乃を好きにプレーさせなかった。状況判断と、適切な指示という司令塔としての役割を、天馬は見事に果たす。

 そして指示通りに動いた狩屋を褒める。対天馬くんツンデレ要員002番の狩屋(001番は剣城、003番の倉間は完全にデレたので、脱退)は照れてそっぽを向くが、こうして選手を褒め、モチベーションを高めるのもキャプテンの重要な仕事だ。本人も知らず知らずのうちに、それらキャプテンシーを発揮し始める天馬。「地位が人を作る」という言葉があるが、今の天馬にはまさにそれが当て嵌まる。

 さらにかつては天敵だった倉間典人(CV:高垣彩陽)にロングパスを送り、計算通りに得点を挙げるアシストを果たす天馬。自分のコントロールでチームがまとまるのを感じ、天馬は次の戦いへの自信をますます深める。

 マネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)は天馬の頑張りもさることながら、周りの選手たちが未熟なキャプテンの天馬を盛り上げていることにも気付いていた。だが周囲にそう思わせるのもキャプテンの資質でもある。優れたリーダーとは「自分が何とかしてあげなくては」と相手に思わせる何かを持っているものなのだ。

 その形でまとまるチームの状態をベンチで見守り、スケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)と山菜茜(CV:ゆりん)も満足そうだ。茜は当初は神童以外は眼中にないキャラだったが、今ではすっかりまともなサッカー部マネージャーに成長した……



 ……と思いきや、やっぱり自慢のカメラで選手たちを撮りまくり、心象風景「花」を咲き散らかせて悦に入る茜。対象が神童のみではなくなっただけで、やっぱり変わっていないと呆れ顔の水鳥と苦笑する葵。


 そして試合前日の最後の練習が終了する。円堂が大一番に臨む選手全員を前に、心構えを説く。世界の舞台を経験した彼の言葉は、単純ではあったが含蓄あるものとして選手たちの心に響く。

 その言葉で奮い立った天馬は、この日は自分の方から剣城を特訓に誘う。勝利のカギという、合体必殺技は未だ完成してはいなかった。天馬のがむしゃらな決意を聞かされ、いつもはニヒルな剣城も笑顔で返す。表現こそ違えど、技完成に賭ける思いは2人とも共通しているのだ。


 舞台を河川敷に移し、秘密の特訓を続ける2人。どうでもいいけど、ここは三国や円堂が買い物で通りがかる極めて彼らの生活圏の場所であって、秘密で特訓するにはあまり向いている場所だとは言いがたい気がするんだけど……? 今のところ、千宮路以外に目撃されていないのが奇跡的だ。

 さて置き意気込む2人だが、技は成功しない。繰り返すが、サッカーの天才2人がこれだけ真剣に何度も試みていながら成功しないというそのこと自体が、この技の難度が如何に高いかの証明になっている。

 手こずりながらも、この技が完成しなければ勝利はないとばかりに檄を飛ばす剣城。いつも冷静でクールな剣城が感情を露わにするのを目の当たりにして、天馬もどうしてもその意気に応えたくなる。その後も何度も何度も、特訓は繰り返される。

 すっかり日も落ちて辺りが暗くなってきた頃、ついに精根尽き果ててピッチに横たわってしまう天馬。どうしても成功しないことを愚痴(ぐち)る天馬を見て、剣城も休憩を取ることを告げる。上手く行かずに煮詰まってしまった場合、身体だけでなく、頭も休めることが良い気分転換になる。

 火照(ほて)った体を夜風でクールダウンさせながらベンチに腰掛ける2人。天馬は何気なく、この必殺技のパートナーになぜ自分を選んだのかを剣城に問いかける。場を保つための、本当に何気なくの質問だったと思うのだが、それに対する剣城の表情は予想できないほど真剣そのものであった。



 剣城「お前が、俺にサッカーへの道を示してくれた」


 ただその一言。だがその一言に込められた思いは想像がつく。フィフスセクターのシードとしてサッカーを憎悪までしていた剣城が、兄の優一(CV:前野智昭)と和解して本当のサッカーを取り戻すきっかけを作ってくれたのは天馬だった。その彼に感謝の念を抱いていた剣城は、兄弟で憧れた豪炎寺の技を使うに当たって、天馬をパートナーに選びたかったのではないだろうか? また同時にサッカー選手としての天馬の素質にも敬意を払い、自分とこの技が出来るのは天馬しかいないとも思ったのだろう。

 それらはツンデレ要員001番の剣城からは一言も説明が無かったが、天馬には伝わっていたようだ。笑顔を浮かべてその言を受け止める天馬。休憩が終われば、互いを認め合う両者はまた技を実現させるために立ち上がるのだろう。


 そんな折、剣城の携帯が鳴る。電話に出た剣城はその知らせを聞き驚愕する。それは病院からの連絡だった。剣城の兄・優一の容体に何かあったのだろうか?

 急いで病院に駆けつける剣城と天馬。いつものリハビリ室で兄の姿を認め、駆け寄る剣城。こんな時間に呼び出されたことで悪い予感に襲われた剣城だったが、兄の口からそれとは正反対の朗報を聞かされる。

 優一は、脚の手術を受けられることになったと笑顔で語る。匿名の篤志家(とくしか)が、優一の治療費を集めて寄付してくれたと介添えのトレーナーが説明する。フィフスセクターの財力でないと治せないほどの高額の手術費用を、一体誰が用立ててくれたのだろう? 同じく入院している雨宮太陽(CV:江口拓也)のケースを考えれば、なんとなく予想は付くが。

 自分の不注意のせいで兄が歩けなくなったことをずっと気に病んでいた剣城は、これ以上ない朗報に瞳を潤(うる)ませる。そんな剣城に感謝し、そして勇気づけるためだろうか、もう一度フィールドに立ってサッカー出来る身体になることを誓う優一。



 そして決勝戦は、この兄への贖罪意識(しょくざいいしき)からも逃れ、自分のためにプレーすることを言い聞かせる。剣城は兄だけに見せる素直な笑顔で、その言葉を受け入れる。

 それを見守っていた天馬も嬉しそうだ。その兄弟愛に感化されたのか、それとも単に病院に来たついでだったのか、天馬は神童を見舞う。



 剣城兄弟の朗報を、我がことのように嬉しそうに話す天馬を見て、それが天馬の良いところだと諭す神童。自分でも気づいていない長所を指摘され、きょとんとする天馬。

 明日の決勝戦を前にチームの状況を聞き、自分だけがその舞台に参加できないことを悔やむ神童だったが、天馬がその言葉を打ち消す。

 一緒に戦って来た神童の思いは、自分たちの胸の中にあると告げる天馬。神童の身体はその場にいなくとも、神童の思いはフィールドに持って行ってくれるという後輩の粋な心遣いに、神童も笑顔で後顧(こうこ)の憂(うれ)いなく全てを託すのだった。



 そして試合当日。決勝戦を前に、天馬は沖縄で自分の命を救ってくれた恩人、イシドのことを思う。イシドは恩人ではあるが、今日は倒さねばならない敵の監督であり、フィフスセクターの聖帝なのだ。葛藤はあったが、やはり倒さねばならない相手だと心に期した天馬は、勝利を宣言して勇躍、決勝戦に臨む。荷物を忘れるなど、相変わらずな部分を見せつつも。

 緊張する天馬を見て、親戚である木野秋(CV:折笠富美子)は苦笑しつつも緊張をほぐそうと声をかける。そして天馬の応援に駆けつけると約束をして、天馬を大事な舞台に送り出す。



 決勝戦の舞台は、このホーリーロード大会会場中央に鎮座(ちんざ)する高い塔の上。そこに設けられたスタジアム「アマノミカドスタジアム」で行われる。



 準決勝ではいつの間にか帰っていた(としか思えない)月山国光中学の南沢篤志(右 CV:梶裕貴)と兵頭司(左 CV:三戸耕三)の2人。



 雷門セカンドチームの面々。



 狩屋の後見人・吉良瞳子(CV:北西純子)の姿も見える。



 天馬のアパート「木枯らし荘」の住人で結成されたチーム【秋空チャレンジャーズ】も応援に駆け付けた。元イナズマジャパンの木暮夕弥(CV:宮原永海)の姿も見える。



 そして、10年前の雷門マネージャー2人の再会。円堂夏未(左 CV:小林沙苗)と秋のこの再会、2人の間にものすごい火花が飛び散っているように見えたのは、気のせいだろうか?



 さて、設定を忘れてしまいそうだが、ホーリーロード本戦は、サッカーの試合を決めるだけでなく、次期聖帝を選ぶ選挙の側面も持ち合わせている。テレビで神童、太陽、優一が見つめる中、聖帝選挙の行方を解説する実況の角馬王将(CV:稲田徹)。

 反・イシド派の雷門が決勝まで勝ち上がったことにより、得票数は同数となっていた。つまりこの勝負に勝った側がそのまま聖帝選挙にも勝利するという、まさに天下分け目の決戦と呼べるものとなっていた!


 試合開始前の聖堂山中学の控室。同校の監督でもあるイシドが選手たちに訓示を述べていた。フィフスセクターの粋(すい)を結集して作り上げられたチームとしてのプライドを持って試合に臨むよう告げる。キャプテンの黒裂真命(くろさき まこと・CV:加藤奈々絵)は監督の意思に忠実に、任務を遂行することを誓う。

 そして選手たちを送り出した後、控室にはイシドと、イシドに仕えて来た宇都宮虎丸(CV:釘宮理恵)の2人が残される。雷門の強さを強調する虎丸。彼自身も元・雷門の選手だが、今はイシドに忠実に、雷門を敵とみなしている。虎丸が雷門に入学したのも、学校名で選んだというより、豪炎寺(現イシド)という尊敬するストライカーの背を追ってのことだった訳で。



 最強の管理サッカーと、最強の自由なサッカーが激突すること、これがイシドの望むところだったらしい。場を辞そうとする虎丸に向けて、これまで自分の意思に従ってくれたことを感謝し、声をかけるイシド。

 そして虎丸の去った後、彼から受けた「聖帝」という言葉を皮肉っぽく自嘲気味(じちょうぎみ)に繰り返した後、彼自身も試合会場に向けて歩を進める。



 一方、雷門の控室。準備する天馬にキャプテンの証、キャプテンマークを手渡す葵。緊張する天馬に、自分らしいサッカーをすれば良いと優しい笑顔で語りかける。そのおかげで、キャプテンだからと気負ったりせず、いつものプレーをすれば良いということを思い返した天馬。

 そして試合会場へと続く通路で、両校は出会(しゅっかい)する。お互いのトーナメントを勝ち上がってここまでやって来た、中学校最強の両チームが、ここで初めてまみえる。

 聖堂山中の黒裂は、雷門のこれまでのキャプテンが神童であったことは知っていただろう。倒れた神童の代わりにキャプテンマークを付ける天馬を見て声を掛けて来る。そして笑顔で手を差し出し、握手を求める。天馬も雷門のキャプテンとしてその礼儀を受ける。



 最後まで正々堂々と戦おうと誓う黒裂の態度は大変紳士的で、どう見てもこれまでのフィフスセクターのしもべ達とは様子が違っていた。

 そして両チームの入場。試合開始直前のベンチで、円堂は最後の話の場を設ける。これで本当のサッカーを取り戻せるかどうかが決まるという大一番なのに、円堂の指示は「楽しんで来い!」というものだった。驚く選手一同に比して、鬼道と顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)は微苦笑を禁じ得ない。

 その言葉は、フットボールフロンティア世界大会決勝の対リトルギガント戦で、当時イナズマジャパンの監督だった久遠道也(CV:東地宏樹)が選手だった円堂や鬼道に対して出した指示だった。

 そしていたずらっぽく笑って、日本一の栄冠を掴めと、今度は円堂流の激励を込めて語りかける。力強く、その言葉に応える雷門イレブン。



 車田剛一(CV:野島裕史)が現キャプテンの天馬に対して、気合いを入れる号令役を要請する。驚き慌てる天馬。だが天馬はもはや1年生の下っ端部員では無いのだ。キャプテンの天馬が号令をかけるのは当たり前だと返す倉間。

 そう言われては実行するしかない。しぶしぶみんなの前に出た天馬は、拳を掲げて、檄を飛ばす準備をする。それを見て、チーム全員もいつでも掛け声を上げられるよう、身構える。



 天馬「(ウラ声で)絶対に優勝しましょおお〜!!」
 一同「ガク〜!!」


 緊張からか遠慮からか、しまらない号令にずっこける一同。倉間や蘭丸、三国までズッコケさせるとはなかなかのものだ。しかし、こういう時は敬語を使っていては駄目だ、後輩でも遠慮なくタメ口で檄を飛ばせ、と指導され、やり直す天馬。



 天馬「絶対優勝するぞぉっ!!!」
 一同「オオッ!!!」



 今度は決まった。そして、ついに決勝戦が開始される。




 恒例の、試合開始直前の両チームの布陣。神童が抜けた後に誰が入るのかが注目されたが、位置的には錦が入り、錦の位置には速水鶴正(CV:吉野裕行)が入る。鬼道が目立たなくなったおかげで、大人の事情的に速水にも出番が来たということだろうか? フォーメーションはいつものオーソドックスな4−4−2のスタイル。一方の聖堂山中、相手キャプテンの黒裂もやはり司令塔なのだろう、チームの中央にポジショニングしている。他はキーパーを除いて、あまり目立った印象の選手はいないようだ。敢えて言うなら3番が人間離れした姿で、変なキャラ目当ての私の目を引くが。フォーメーションは3−3−4と、常識外れに攻撃的な布陣。何か策があるのだろう。


 円堂とイシドの戦いを、まるで最高権力者の様にVIP室の椅子に座って見つめる千宮路。事実、フィフスセクターの本当の最高権力者は彼なのだろう。どちらが勝っても意に介さないかのように、余裕の表情の千宮路。彼にとって、イシドが敗れても問題はないのだろうか?


 優一の病院騒動でうやむやになっていたが、天馬と剣城の特訓はまだ完成されてはいなかった。ぶっつけ本番で出すしかないと期する天馬。剣城の目線を追って天馬は敵の布陣の異常性に気付く。聖堂山は1列目に4人を置く超攻撃的な布陣だったのだ。

 キャプテンを務めることによって、相手の布陣の特性を判別する能力にも長(た)けるようになった天馬は、聖堂山の2列目に大きなスペースが2つあることに瞬時に気付く。だが相手は百戦錬磨の最強チーム、本当の穴だったとしたら、気付いていない訳がないと思われるのだが……。


 そして試合開始の笛が鳴る。雷門ボールのキックオフ、剣城は一直線に天馬の見抜いていたスペースに走り込む。パスを出そうとする天馬だったが、常識外れの素早さで天馬を取り囲む黒裂ら、聖堂山の選手たち。

 前に出せず困惑する天馬に、横から久しぶりの出場で張り切る速水が声をかける。右サイドの速水にボールを出す天馬は、すぐに前進するよう指示を出すが、聖堂山の選手の動きは想像以上で、速水がボールにタッチした時にはもう前方は完全に塞がれていた。

 速水は無理と判断し、大きくサイドチェンジ、左サイドの浜野海士(CV:金野潤)にパスを送る。だが浜野がボールを受けて前を向くと、すでに相手選手が揃っていた。

 そして一瞬の隙を突かれてボールを奪われる浜野。これで何回目だ? ここまで行くと、もはや浜野は本人自身も意識しない、無自覚なスパイと言われても仕方ないだろう。



 またもピンチの起点となる浜ちゃん。レギュラーにしてはあまりにもボールを奪われる回数が多い浜野。アニメスタッフの陰謀説を、この場を借りて私は世間に訴えたい(あすかあきお風に)。


 浜野からボールを奪ったザンギリ細目(正式名ではありません)は、チームの中枢である黒裂にパスを出す。その瞬間、剣城が敵の布陣の意味に気付く。このフォーメーションは、対雷門に特化したパス阻止のための布陣だったのだ。

 黒裂を止めなければならない。蘭丸が対応に向かう。黒裂の素早い切り返しにも見事に対応する蘭丸。だが黒裂は慌てず騒がず、ヒールを使って後方にノールックパスを出す。個人技で抜くことは最初から考えていなかったに違いない。

 それを受けて10番の選手が突進する。だが天城大地(CV:奈良徹)が技を使うこともなく、あっさりとボールを奪ってしまう。実力者揃いという聖堂山の戦前の噂はなんだったんだ? 円堂、盛り過ぎた?

 天城は前線の天馬にパスを送る。それを受けた天馬は、さらに前方でパスを待つ倉間にパスを送ろうとするが、先ほどまで攻撃に向かっていたはずの黒裂が信じられない素早さで前を塞ぐ。またも聖堂山のパス封じフォーメーションにハマってしまう雷門。

 パスを諦めた天馬は大きく中空にボールを蹴り上げ、個人技で抜こうとするが、すぐさま次の選手たちが前を塞ぐ。パスを出させないことで攻撃を防ぐという、ストライカー出身の豪炎寺=イシドらしい作戦だった。

 錦がボールをキープするが、やはり敵のフォーメーションを抜くことが出来そうにない。単身敵陣に切れ込んでいた速水が錦にパスを要求する。今回の速水は本当に張り切っている。

 だが黒裂のスピードは常軌を逸していた。速水に送ったパスに追いつき、インターセプトしてしまう。スピードもさることながら、速水の声から錦の目線を見て、その位置にパスすると未然に気付いていたとしか思えないコース取りだった。

 狩屋がスライディングで黒裂のボールを奪いに掛かる。抜群の身体能力でボールごと飛び上がって狩屋をかわし、ボレーでシュート体勢に入る黒裂だったが、今度は黒裂が狩屋の身体能力に驚く番だった。



 狩屋は倒れた状態のまま、身体のバネを活かして黒裂のボールに飛び付いたのだ。それは惜しくも黒裂のシュートに間に合わなかったが、そのプレーに焦って蹴ったそのシュートはコースを突くことが出来ず、三国がガッチリと押さえることに成功する。

 三国はすぐさま前線の天馬にボールを送る。黒裂が前線まで出て来ていた今、攻撃に転じるチャンスだ。だが、恐ろしいことに黒裂の能力はその予想を越えていた。天馬が受ける直前に、どこからともなく現れてまたもボールをインターセプトしてしまう。どこにワープゾーンがあるの? と言いたくなるぐらいのチートプレー(チート=ズル)だった。

 そしてドリブルで駆け上がる黒裂。聖帝のために勝利を至上命題とする黒裂は、今度こそ手加減なしの必殺シュート「バリスタショット」を撃つ。



 三国は必殺技を出す間もなく飛びつくが、先ほどのノーマルシュートとは訳が違う。飛びついた甲斐もなく、先制ゴールを許してしまう。


 大事な決勝戦の先制点は、やはり重みが違う。先制され、落ち込む雷門イレブンだったが、天馬だけは違うことを考えていた。彼は聖堂山の守備を破る策を思いついたのだ。


 再び雷門のボールで試合再開。キックオフ直後に、天馬の策が火を吹く。なんといきなり倉間に必殺シュート「サイドワインダー」を撃たせたのだ。

 さしもの黒裂も意表を突かれる。シュートは一直線に聖堂山ゴールに向かう。黒裂の指示を受けたキーパーのバンダナ君が必殺技「シュートブレイク」で立ち向かう。



 これまで欠かさず『イナズマイレブンGO』を観てきたよいこのみんななら予想が付いたと思うけど、「キング・オブ・咬ませ」の倉間のシュートはやはり失敗に終わる。ボールは敵キーパーの手に。

 だがここからが天馬の策第2段だった。決まらないこと前提で倉間に蹴らせていたことがここで明らかになる。後輩の天馬くんにまで咬ませ野郎に認定された倉間さん……。私が倉間なら泣くが。

 キーパーから出たパスを奪いに掛かる錦。敵と同様に、パスをさせて前線から圧力をかけてボールを奪い取ろうという作戦だ。錦はまんまとボールを奪い、駆け上がって来ていた天馬に落とす。

 黒裂はさっきまでの通り、天馬を三方から囲もうとするが、天馬には無敵の強さの必殺技「そよかぜステップ」がある。初期から複数回使って、未だに負けていない必殺技はこれと車田の「ダッシュトレイン」ぐらいではないだろうか。

 「そよかぜステップ」は本当に無敵だ。黒裂ですら後方に吹き飛ばし、天馬は前進を続ける。ただここで「そよかぜステップ」に頼るんだったら、これ以前もこの技で抜けられたのでは……? などと無粋なツッコミをしてはいけない。

 そしてゴール前に詰めていた剣城にパス。剣城は残り時間を考慮したか、余分な時間なしで必殺シュート「デスドロップ」の体勢に入る。先ほどと同様、「シュートブレイク」で迎え撃つ敵キーパー。だが倉間と一緒にしてはいけない。今度のシュートは雷門の本物のストライカーのシュートなのだ。




 豪快に敵の技を撃ち破り、同点のゴールを叩きこんだ剣城。これで試合は1−1の同点になった。喜び湧き上がる雷門ベンチ。黒裂は失点を喫したものの、まだ余裕ある笑顔を浮かべ、今の得点に絡んだ天馬と剣城を見つめる。

 提案した作戦が成功し、仲間たちも天馬のキャプテンシーを本格的に認め出した。好機を見てチームの士気を上昇させるのも、キャプテンの大事な仕事だ。天馬は拳を突き上げて、一気に逆転を狙うよう、イレブンを鼓舞する。




 次回に続く!



  エンディング



 いよいよ始まった決勝戦。舞台のアマノミカドスタジアムもさすがに今回は変なギミックもなく、普通のサッカーの試合が行われそうだ。ただちょっと普通すぎるというか、淡々と進行している様な気がする。聖堂山の選手も、黒裂を除けば大したことがない選手ばかりで、前回の円堂の言葉を信じて、「全員剣城並み」とか書いた自分が恥ずかしい。化身も出ていないしね。

 もしかしたら様子を見ているのかもしれないが、それよりも彼らは実は咬ませチームで、本命が出て来るんじゃないかと思えてならない。伏線ぽく出て来ていた千宮路の息子が聖堂山のリザーブの中にもいないし。彼らが今までのフィフスセクターの手先と違って紳士的過ぎるのも怪しい。こんなに悪くない敵では、撃破してもカタルシス解消にならないはずだ。


 何より次回の予告で、ヒロトたちが掴んだ情報「ドラゴンリンク」の名を冠する敵チームの姿が一瞬見えた。これが実は真の敵なんじゃないだろうか? 監督は千宮路でさ。未完成ながら今回引っ張りまくった「ファイアートルネードDD」もまだ使用していない。これも真の敵に向けて撃たれるのではないだろうか?


 ただホーリーロードの予選とか無視して、いきなり決勝戦の舞台に立つ資格があるのかという問題があるとは思うのだが。どう整合性を取るかも含め、次回を楽しみにしたい。物語の行く先を決める戦いでもある訳だし、ね。



 次回「出現、最強の敵!ドラゴンリンク!!」に続く。



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