『イナズマイレブンGO』第44話「天まで届け!みんなのサッカー!!」の感想 【いつもより速浜多めでお送りします】

 恒例のアニメ感想文。今回は『イナズマイレブンGO』第44話「天まで届け!みんなのサッカー!!」を観ての感想を書く。本当にこれが最後の戦い。圧倒的な敵戦力に対し、雷門中は果たして勝利することが出来るのだろうか?


 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第43話「壮絶!最後の聖戦!!」の感想 【壮絶な化身合戦!】
 をご覧ください。今回の前半部。必見です。


 それ以外の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 で、一覧表示されます。


 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 フィフスセクターとの最終決戦、雷門中の新キャプテン・松風天馬(CV:寺崎裕香)は全員が化身使いという恐るべき敵チーム「ドラゴンリンク」との戦いにおいて、化身には化身をぶつけるという作戦を仲間に敢行させる。だがその戦略には無理があり、仲間たちをいたずらに傷つけ、疲弊(ひへい)させてしまう。キャプテンとしての自信を失い、フィールドに崩れ落ちる天馬に、会場にやって来た前キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)が大声で呼びかける。

 神童の姿を見て、天馬は恥ずかしそうに顔を伏せる。彼から預かったこのチームを台無しにしてしまったこと、信頼を裏切る結果に終わってしまったことを恥じたのだろう。だがこの試合はまだ終わってはいない。神童はかつて病室で天馬を勇気づけた「お前なら出来る」という言葉を再び贈る。

 そして、サッカーが好きだというお前の気持ちが武器だと天馬の胸を指差す。この辺、2人はフィールドと観客席という離れた場所なのに、面と向かって会話しているように描かれていた。神童の言葉や励ましは天馬の脳内での勝手な解釈かも知れないが、そんな無粋なことを言ってはいけない。とにかく天馬が絶対の信頼を置く神童からの激励は、天馬の心に勇気を与えた。


 天馬「(サッカーが好きという)気持ち……」



  オープニング



 そして、もう一人の天馬の絶対の指導者・円堂守(CV:竹内順子)が声をかける。試合は雷門サイドがタイムを取った形になっていた。負傷し、疲弊した選手たちを手当てするマネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)、山菜茜(CV:ゆりん)たち。休息をとり、なおも苦しそうな仲間たちの姿を示し、「これがお前のやりたかったサッカーなのか?」と円堂は詰問する。

 そう問われ、天馬は自らの理想とする雷門イレブンの姿を想起する。



 そこにはみんなの希望に溢れる笑顔が満ちていた。仲間を苦しめて敵に挑むサッカーの愚(ぐ)に気付かされた天馬は、ハッとなって円堂を見やる。円堂はずいぶん回り道しながらも雷門魂の真理に思いが至った弟子に、いつもの人ったらしの笑顔を持って応える。

 天馬はチームメイトに頭を下げ、これまでの作戦のミスを詫びる。本当のサッカーを取り戻すには、自分たちが求めるその「本当のサッカー」をいつも通りプレーしなければならなかったことを伝える。

 「いつも通り」という言葉を皮肉っぽく繰り返す倉間典人(CV:高垣彩陽)。前回天馬を庇(かば)って負傷交代した彼が、またツンデレのツンの部分で天馬に皮肉を言うかとヒヤヒヤさせられたが、さにあらず。天馬の言葉をキャプテンの言葉として賛同し、仲間たちにも同意を呼び掛けたのだ。

 全員に異論は無い。霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が、車田剛一(CV:野島裕史)が、そして前回負傷退場していた三国太一(CV:佐藤健輔)が次々と天馬に賛同のエールを贈る。天馬の革命への気持ちに触発されたという彼らの言葉を聞き、天馬は改めて胸を押さえる。気持ちでみんなを引っ張るという、キャプテンとしての最大の使命に思いが至る天馬を、神童も優しい視線で見つめていた。

 天馬の心に今、揺らぐことのない自信と崇高な使命に挑むという決心が芽生えた。その天馬に呼応するかのように、フィールドの雰囲気が一変する。穏やかながらも、誰にも止められない一陣の風が吹く。革命という名の風が……。



 その心地良い風を肌で感じ、葵は嬉しそうに上空を見上げる。



 だがスコアボードには、2−4の数字が。革命の風を成就(じょうじゅ)させるには、限られた残り試合時間内で、あの難攻不落の最強の化身キーパー・千宮路大和(CV:早志勇紀)の牙城を最低でも3度崩す必要がある。

 聖堂山サイドのベンチでは、フィフスセクターの創始者であり、かつドラゴンリンクの指導者でもある監督の千宮路大悟(CV:川島得愛)が、そのチームの出自を語っていた。自らに反旗を翻した聖帝・イシドシュウジ(CV:野島裕史)に問わず語りに告げるその言葉。ドラゴンリンクの選手たちは、才能がありながらも(主に経済的理由から)サッカーをする機会が与えられなかった子供たちを起用し、教育を施したという。それは同じ様にサッカーが出来なかった自らの苦(にが)い体験をもとに、フィフスセクターの管理によって最強のチームを作り上げることによって自らの正当性を示したい千宮路の悲願とも言うべき存在なのだ。

 自らの思惑の象徴が今、自由なサッカーである雷門を粉砕し、少年サッカー界の頂点に立たんとしている状態に興奮を隠しきれない千宮路。そして傍(かたわ)らに座り、無言でその姿を見つめるイシド。


 試合は雷門のキックオフで再開されようとしていた。ドラゴンリンクのキャプテンにして千宮路の息子でもある千宮路大和は、絶対の自信でゴールマウスを守る。だが仲間との絆を再確認し、自分たちのサッカーを通すことを決心した天馬に諦めの表情は無い。本当のサッカーで管理サッカーに勝利すると、強く声を上げる。

 そしてキックオフ。ドリブルで仕掛ける剣城京介(CV:大原崇)を2体の化身が軽く跳ね飛ばす。だが飛ばされながらも剣城はスライディングパスで敵にボールを渡さない。パスを受けた天馬が前進するが、またも2体の化身に阻まれる。



 しかしすぐさま立ち直り、やはりボールを敵に奪われない。今度はまた別の2体が天馬の前に立ちはだかる。その後も化身のフルコースと言わんばかりの大盤振る舞いで天馬は阻まれ続ける。だが何度跳ね返されても天馬のアタックは続けられた。



 しかし化身の圧力はやはり圧倒的で、ついにボールを奪われてしまう。クイーンの選手が一気に前線にボールをフィードする。雷門ゴール前、ペナルティエリア内で対応しようとする車田と蘭丸だったが、敵の御戸翔(みと しょう)がジャンプ力で一頭地(いっとうち)を抜く。そのままシュートされてしまうピンチを救ったのは、キーパー西園信助(CV:戸松遥)の機を見るに敏な飛び出しだった。ジャンプ力では誰にも負けない信助の脅威のパンチングで難を逃れた雷門。信助も渾身の体力を込めてのパンチングだったようで、地面には転がりながら落下する。やはりタイムを取ったからといって体力が完全に回復した訳ではないようだ。おそらく信助には化身を出す体力は残っていないと思われる。シュートされると止める術がないと考えると、ここでドラゴンリンクにシュートされていれば失点を喫していた可能性が高い。さすがに3点差となると、今の雷門の力では絶望感が漂っていただろう。信助の身体を張ったこの防御は、それ自体が雷門の最終防衛線なのだ。

 信助は入学式の日以来、天馬のサッカーに魅せられていた自分の心境に素直に、キャプテンとなった天馬と共にサッカーが出来る喜びを感じていた。この頑張りもその気持ちが引き出したものだろう。

 信助が弾いたボールを拾ったのはユカイな髪形の後藤結界(ごとう ゆかい)。なおもピンチが続くと思われたその場面で後藤からボールを奪ったのは、なんと浜野海士(CV:金野潤)だった。これまでの「ピンチの起点」の汚名を返上するかのような活躍を見せる(汚名を着せたのは私だが、本当に「ピンチの起点」だったんだから仕方がない)



 ポジティブでありながらも飽きっぽく、熱した瞬間から冷め始める性格の浜野だったが、その彼を本気にさせたのはやはり天馬の存在だった。前向きになった浜野に幸(さち)あれ……と思った瞬間、やはり後藤のタックルを受けてしまう。だが今回の浜野は違った。倒されながらもアクロバティックにボールをコントロールし、信頼の置ける親友にパスを回す。

 受けた速水鶴正(CV:吉野裕行)も、ネガティブな自分を巻き込んでここまで連れて来られてしまった天馬との思い出をやや迷惑そうに、且(か)つとても嬉しそうに振り返る。



 浜野と速水。正反対の性格だと思っていたけど、それらを深部にまで突き詰めて行けば最終的には似た者同士だったのかもしれない。彼らの冷めたサッカー熱を沸騰させたもの、それはやはり天馬の気持ち、だった。


 速水は化身のアタックを受け、ボールを失ってしまう。ゴール前、伍代慎吾(ごだい しんご)が振り向いた先には雷門が誇るDF4人衆が前を塞いでいた。天馬のサッカーを楽しみ、天馬と同じ舞台で戦えることを心から感謝する車田、蘭丸、天城大地(CV:奈良徹)、そして狩屋マサキ(CV:泰勇気)。人間不信の狩屋ですら、天馬には心を許してしまうと思わせる器量があったらしい。それこそキャプテンの条件の一つ、カリスマ性だと思うんだけどね。

 本当のサッカーを楽しむ彼らの表情を見て、一瞬自分のしていることに疑問を感じた伍代。だがそれを振り払い、彼は強烈なシュートを放つ。フィフスセクターに拾われなければ、彼はサッカーをすることが出来なかったのだ。彼には彼なりの、守るべきサッカーがあった。

 そのシュートを車田が身体を張って阻止する。圧力に押され、飛ばされる車田を狩屋、蘭丸、天城が後ろから懸命に支える。



 地面に深く轍(わだち)を残しながらも、4人がかりでシュートを止めた! その熱いプレーをした4人のうち、車田と天城2人とは3年間ずっと共にプレーして来ていた同期の三国は、ベンチでそのプレーを見つめながら自分たちにサッカーへの思いを取り戻させてくれた天馬に感謝する。

 4人が一斉にボールを持って攻め上がる雷門。イシドの横で試合を見つめる宇都宮虎丸(CV:釘宮理恵)は、雷門の選手が全員天馬になったかのような錯覚を起こす。それは見ている他の人間も同じ印象を抱いていた。雷門ベンチでも、天馬が11人いると思わずつぶやく葵萩尾望都先生の名作漫画「11人いる!」を思い出した人は私の仲間です)

 全員が天馬の気持ちに同調し、それがプレーの姿に重なってそのような錯覚を見ている側に起こさせるのだろう。観客席で見守る神童もその展開を望んでいた。その目の前で次々とパスを繋いで前進する雷門の選手たち。



 郷石閃真(ごういし せんま・左・「番人の塔ルーク」)と護巻徹郎(ごまき てつろう・右・「魔女クィーンレディア」)。


 しかしドラゴンリンクの最終ラインは防御力の高い「魔女クィーンレディア」と「番人の塔ルーク」を擁する2人。己の能力に対する絶対の自信から来る不敵な笑みを浮かべ、攻め上がって来る錦龍馬(CV:岩崎了)と影山輝(CV:藤村歩)を待ちうける。そして想定通り、2人を化身パワーで吹き飛ばす。

 しかしそれは2人の作戦だった。宙に飛ばされながらも錦は輝をさらに上空に送り、輝ははるか上空から必殺シュート「エクステンドゾーン」を放つ。



 「エクステンドゾーン」は化身2体を吹き飛ばす。だが勢いはそれによって失われてしまう。千宮路大和は余裕の表情でそのボールに対処しようとするが、輝の必殺技はシュートでは無く、この2人に道を開くためのものであった。ゴール前に駆け込む天馬と剣城。

 剣城は横の位置を占める天馬を見やり、そして心の中で感謝の言葉を贈る。彼がフィフスセクターのくびきを脱して兄との関係を修復できたのも、そして今、自由なサッカーのために戦うことが出来るのも、全て天馬のおかげであることを彼は感謝してもしきれないほどの感慨を持って臨んでいた。そしてこの技を共に試みることが出来るのも、天馬だからであることを剣城は認めていた。

 そしてその思いを明らかにするため、剣城は初めて天馬のことを他人行儀では無い呼び方で呼ぶ。


 剣城「天馬!!」


 自分を名で呼んだ剣城に一瞬嬉しそうな表情になる天馬。阿吽(あうん)の呼吸で、2人はまだ中空にあるボールに向かって飛び出す。さっきの余裕の表情を捨て、千宮路大和も彼の持てる最強の能力・化身「賢王キングバーン」を召喚して身構える。





 炎を纏(まと)いながら合体シュート「ファイアトルネードDD(ダブルドライブ)」を放つ天馬と剣城。練習では一度も成功しなかったぶっつけ本番のシュートだ。千宮路大和もこれまで雷門のシュートを阻止し続けてきた化身技「キングファイア」で挑む。炎と炎の激突だ!!

 だが異変を感じる千宮路大和。これまでと違い、シュートのパワーに押され始める。それもそのはずだ。天馬と剣城のシュートには、雷門イレブン全員の思いがこもっていたからだ。




 シュートは化身を突き破り、豪快にゴールネットを揺らす。ついに「賢王キングバーン」の牙城を崩すことに成功したのだ。これで得点は3−4。雷門が1点差に迫る。その殊勲のシュートは、かつての伝説のストライカー・豪炎寺修也(CV:野島裕史)が一度だけ使用したという、門外不出の幻の技だった。その出自を思い、すぐに誰が彼らにこの技を伝授したのか思いが至った千宮路は、横にいたイシドを睨みつける。

 雷門ベンチでは、そのシュートが豪炎寺由来のものであると当然ながら気付いていた、かつてのチームメイトの円堂と鬼道有人(CV:吉野裕行)。2人の説明を聞き、ようやくゴールした喜びに顔をほころばせ始めるマネージャーたち。入学式の段階で敵対していた経緯を考えると、天馬と剣城の関係に見られる隔世の感にスケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)も大喜びだ。得点を挙げたというのみならず、天馬と剣城が協力して獲得した得点というところがより嬉しかったのだろう。2人に生まれた友情も、サッカーの力なのだ。



 ゴールを決めて喜ぶ雷門イレブン。チームメイト同様、ゴールの余韻に浸りながらも2人仲良く倒れてしまう浜野と速水。



 聖堂山ベンチでは、千宮路がイシド、いや豪炎寺に対してこの件に関しての釈明を求めていた。悪びれることなく天馬と剣城に技を教えたことを認める豪炎寺に対し、彼の意図がフィフスセクターへの協力では無く、本来のサッカーを取り戻そうとしての接近だったことを千宮路は責める。それに対し、豪炎寺はかつての仲間、円堂を見やりながら己の信念を語る。



 豪炎寺にとってサッカーは恩人であり、サッカーによって救われた他の仲間のためにもサッカーを取り戻すことが彼にとっての最重要の目的となった。そのためには千宮路に対する表向きの恭順(きょうじゅん)の姿勢も必要悪であったのだ。

 サッカーの一流選手の立場をも捨て、全てを投げ打ってこの欺(あざむ)きを貫(つらぬ)いて来た豪炎寺に対し、千宮路にもフィフスセクターの管理サッカーが彼の全てでもあるのだ。お互いに譲れないものを賭け、両者の間に激しい火花が散る。


 一方、試合再開前のフィールド。先ほど倒れた浜野と速水が体力的に限界に来ていることを見てとった円堂は、一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)の2人に交代を告げる。ついに、ついに……44話目にして、最終決戦にして初めて一乃に公式戦の出場機会が訪れた。頭にニンジンが刺さってる方の解説役と揶揄(やゆ)されてきた彼に、ついにお鉢(はち)が回って来た(揶揄してるのは私だが)。ベンチの座敷わらしとして一生を終え、都市伝説となりかけていた彼に、ついに出番が回って来た(しつこい?)。



 疲労困憊(ひろうこんぱい)の体(てい)で帰って来る浜野と速水。崩れるように倒れこむ両者を葵と水鳥が抱き止める。後を託された一乃と青山も、ギリギリになってまで戦い抜いた仲間たちのその姿に燃えない訳がない。


 試合が再開される。化身を発動させて前進する伍代を必殺技「ハンターズネット」で絡め取る狩屋。化身パワーを必殺技で押し止めた。



 ボールを奪った狩屋は天馬にパスを送る。その前を化身で塞ぐ聖城将護(せいじょう しょうご CV:小平有希)。だが天馬は「そよかぜステップ」で聖城を後方に吹き飛ばす。「そよかぜステップ」は確かに無敵技だが、発動した化身に打ち勝ってしまうのはこれが初めてだ。

 そしてパスは一乃に送られる。一乃は青山と息を合わせ、「番人の塔ルーク」を発動させる郷石に対し、合体技「ブリタニアクロス」を放って撃退する。




 ツイッター情報によると、ゲームでは一乃青山は「ブリタニアクロス」を覚えないらしい。どこで彼らがこの技を使えるようになったのかは不明。ここまで目立てなかった一乃に対するご褒美かな? なんにせよ、個人的にはこの2人で必殺技を出すという予言がようやく実現して良かった。


 普通の必殺技に化身が相次いで敗れるという事態に驚く千宮路大和。一乃からパスを受けた錦は、一瞬の居合い必殺シュート「伝来宝刀」を抜く。化身「賢王キングバーン」で迎え撃つ千宮路大和だったが、これまでの仲間のように、ただの必殺技に化身が押され、あっさりとゴールを割ってしまう。

 4−4。試合はついに雷門が同点に追いつく。ベンチで茫然自失の千宮路。化身がただの必殺技に敗れるという展開がどうしても理解できない。



 錦のシュートで追いつき、喜ぶ雷門イレブン。だがなぜかそこには交代したはずの浜野と速水の元気な姿が……(笑)。代わりに一乃と青山の姿が無い。一乃と青山も直前で活躍したのに、無かったことに? 作画のミスだと思うのだけど、面白いので突っ込んでおく。


 自身の化身まであっさりと敗れ、動揺する千宮路大和。激しくゴールポストを叩き、悔しさを露わにする。だが試合の流れは完全に雷門の方に流れていた。フィールドを縦横無尽に駆ける雷門イレブン。天馬からのラストパスを受けた剣城が、とどめとばかりにいつの間にか進化していた必殺シュート「デスドロップG3」を放つ。



 フィフスセクターの誇り、そして父の名に掛けて、この逆転のシュートを阻まねばならない千宮路大和。化身「賢王キングバーン」を発動させる。

 しかしゴール前、剣城のシュートに合わせて猛スピードで走り込む天馬の姿が!



 剣城のシュートにチェインして、これまたいつの間にやら進化した必殺シュート「真マッハウインド」を放つ天馬。天馬と剣城の本当のサッカーへの思いを込めたシュートチェインは、千宮路大和の最後のプライドを化身ごと粉砕する!



 信じがたいものを見たかのように、目を見開いてその逆転の場面を見た千宮路。彼にも本当のサッカーの持つ神髄が伝わったのだろうか? 何かを悟ったその表情はやがて穏やかな笑顔になっていく。

 そして雷門逆転の瞬間を待っていたかのように、試合終了の笛が鳴り響く。試合は5−4と、雷門が奇跡的な逆転勝利を収める。信助と手を取り合った天馬、勝利を改めてスコアボードを仰ぎ見ることで確認し、剣城を見る。そして円堂を見る。2人から頷(うなづ)き返され、天馬はようやく成し遂げた大偉業を実感する。そして今度こそ誰はばかることなく、勝利の雄たけびを上げた! 喜色に染まる雷門ベンチ。観客席で雷門勝利を祈って来た関係者も喜びに染まる。

 観客席で試合を見つめていた神童の元に駆け寄る天馬。神童から授かったキャプテンマークを握りしめ、涙を浮かべて、雷門に入って、みんなとサッカー出来たことが本当に良かったと告げる。



 それを受け久々に泣き虫の血が騒いだのか、それとも感化されたのか、神童も涙を流して後輩の成し遂げた偉業を喜ぶ。2人は神童の怪我が癒(い)え次第、また一緒にサッカーすることを、その場で誓い合ったのだった。



 そして表彰式。

 受け取ったトロフィーを高々と掲げ、天馬は本当のサッカーを取り戻した喜びを爆発させる。優勝よりも、トロフィーよりも、何よりもそれが天馬の望みだったのだ。



 そしてトロフィーにキャプテンマークを付け、あなたもここに居るとばかりに観客席の神童に見せる天馬。神童も笑顔でその計らいを受ける。そしてサッカーが喜んでいるはずだと信助と語る天馬だったが、それを茶化す倉間。サッカーを人間のように表現する天馬のそのフレーズだけは、最後まで倉間のお好みには合わなかったらしい。



 その先輩の意地悪なツンの部分に満たされない心の隙間を補充するかの如く、剣城に同調を求め、無理やりデレを強要する天馬。そして嫌がる剣城。


 そして三国の合図で、自分たちをここまで導いてくれた殊勲のキャプテンの胴上げを敢行する雷門イレブン。拒(こば)む天馬がまた笑えるのだけど、神童がキャプテンのままだったとしてもこういうギャグっぽい流れになっていたのだろうか? 見てみたかった気もする。



 楽しげに喜びを爆発させる雷門イレブンの姿を見つめながら、豪炎寺は千宮路に問う。彼らの表情を見て千宮路は忘れていたものを思い出す。勝利を掴むために必死で戦い、そして勝ちえた時に浮かぶ表情。それは管理されたサッカーでは絶対に生み出せないものなのだということを。そしてプレーする機会を平等に与える代わりに、何よりも素晴らしいその表情を奪うことに繋がっていたことに気付く。

 己の過(あやま)ちに気付き、悔い改めた千宮路。わだかまりを解き、豪炎寺と和解した彼の態度を見てもその後に起こることはもはや予定調和だろう。聖帝選挙の結果、イシドを破って新たに聖帝の座に就任した響木正剛(CV:有本欽隆)は、就任演説を行う。



 親父は悔い改めたのに、まだ悔しそうな千宮路息子。


 サッカーは平等なものなどでは無いことを演説する響木。だがそのシビアな現実を受け止め、熱い思いをぶつけ合い、努力したものが勝利する。それこそ本当のサッカーであるとし、聖帝就任後の最初の仕事として、その場でフィフスセクターの解散を命じる。サッカーを愛する者全てが、自由にサッカーをすることが出来る時代が、ようやく取り戻された瞬間であった。

 感慨深くその演説を聞いていた豪炎寺と虎丸の横に円堂がやって来る。そして本当のサッカーを取り戻すことに貢献してくれたことに感謝の言葉を述べる。豪炎寺がフィフスセクターの横暴で学校が潰されたりしないよう尽力していたことや、基金の設立にも力を尽くしていたことがここで明らかになる。誰よりも早く革命の動きを起こしていた豪炎寺を、円堂は冗談めかして称える。


 円堂「いつもは遅いクセに!」


 彼らが少年時代にたびたび訪れていたサッカー界の危機には、いつも決まって遅れて現れていた豪炎寺に対する皮肉だった。円堂からの「また一緒にサッカーやろうぜ!」との申し出を、快く受ける豪炎寺。この2人の友情は、やはりこうでなくてはならない。

 子供の頃から2人を尊敬する虎丸が、革命を成し遂げ、この瞬間が訪れたことを心から喜び声をかけてくる。だが革命を成し遂げたのは俺たちではないと駄目出しする2人。革命を成し遂げた主役として、豪炎寺は雷門イレブンを指し示す。


 観客の歓呼に応える雷門イレブン。その中で、天馬は剣城に語りかける。化身も必殺技も、サッカーに対する思いが結晶したものであると語る。そして自分たちの勝利は、その気持ちが相手よりも強かったからではないかと分析する。いつもはシニカルな剣城も、天馬のその意見には賛同する。


 サッカーが自分たちの戦いぶりを見ていてくれたかと天を仰ぐ天馬(またサッカーを擬人的に表現している)。その気持ちに応えるかのように、一陣の風が天馬の部屋に飾ってあったイナズママークのサッカーボールを床に落とした。天馬の命を救い、天馬がサッカーという素晴らしいものと出会うきっかけをくれた、あのサッカーボールを……。



 次回に続く!



  エンディング



 全てが終わり、千宮路さんが日和(ひよ)って終了という大団円。前回の展開で感動したという意見を多く見かけたのだけど、やっぱり本当に感動するのは今回でしょ。全ての苦労が報われた今回は、泣けたよね。

 余談だが、優勝が決まって喜ぶシーンや胴上げのシーンで、必ず天城が後ろに描かれると一緒に観ていた友人が指摘していた。まぁこんな縦にも横にもデカい奴が前面に回ると、他のメンバーが隠れてしまうもんね。役柄的に可哀そうだと思うが、前に出たかったら身体の一部が透明になるぐらいしか手は無いかもしれない。人間離れに拍車が掛かるけどな。


 さて、今回はみなさんお気付きだと思いますが、天馬たち雷門の選手は一切化身を使わずに戦ったんだよね。化身を使わなくても、或いは化身が使えなくとも化身使いと互角に戦えるという、この世界観に新しい視点を与える上で画期的な内容だったと思う。

 つまり、化身の無いキャラもこれから活躍する余地があると思わせる内容だった訳だ。だというのに、2期では全然違う内容になって、雷門メンバーも色々切り捨てがあるという噂がちらほらと伝わって来ている。個人的には新しい情報は自発的には集めない方針なんだけど、ツイッターを始めたり、コメントをいただける機会もあってコロコロを購入したりして、知らず事情が伝わって来るようになると、そういう断片の話が残念でならなかったりする。

 無印『イナズマイレブン』を観ていた人たちもこういう気分だったのかなぁと思いつつ(私も最後の方は観てたけど)、2期の『イナズマイレブンGO』が面白い内容になってくれることを望みたい。私は浜野が好きなので、何とか2期も出演させて欲しいなぁ。というか、現状の雷門のメンバーが最高だと思っている。出来れば選手たちのリストラと思える現象は勘弁して欲しい。はてなダイアリーという場を借りて、レベルファイブ方面に訴えて見る。


 次回予告では天馬と葵の幼い頃の姿があった。2人が幼馴染みとして知り合うきっかけが描かれるのだろうか? 今期と2期との橋渡し的内容になりそうだ。2期に出て来るキャラの伏線なども張られる可能性がある。


 あと、これは『イナズマイレブンGO』と直接の関わりのない話なんだけど、どうしても触れておきたい話題なので紹介する。水曜日7時から8時まではレベルファイブアニメ枠なので、後番組の『ダンボール戦機W』の方も見ているのだが、そこで懐かしくも麗しい、こんな人物が登場するという予告があったのだ!



 これは間違いなく、人気投票で2回1位になったイナズマイレブン世界で最高人気のキャラ、五条さんでFA!?



 もう何度目の流用か忘れたが、参照で人気投票1位になった五条さんの非公式壁紙。



 ……と思っていたら、日野社長もツイッターでお認めになったらしい。


 次回は『ダンボール戦機W』の方からも目が離せないぞ!! 『ダンボール戦機W』で人気投票しないかなぁ?(笑)コイツが絶対1位になるはずなんだけど。



 次回「未来(あした)へのパス」に続く。



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