『イナズマイレブンGO』第36話「運命の再会」の感想 【夕香ちゃんのいまどき女子高生姿にびっくり】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGO』第36話「運命の再会」を観ての感想を書く。聖帝の正体が完全に明らかになるという重要な回。彼にはなんと妹がいたという、驚愕の事実も明かされる……って無理やり話を盛り上げるようなことを言うまでも無いか。誰もが予測していた通りの正体です。



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


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 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 画面に映し出されているのは、雷門中学も戦った「サイクロンスタジアム」での試合だ。雷門が苦しめられた竜巻というギミック(仕掛け)をモノともせずに相手チームを圧倒するチーム、それが次の準決勝戦での雷門の対戦相手、新雲学園だった。

 このビデオは相手チームの能力の高さを実感させるとともに、敵チームも雷門と同様、このホーリーロードの無茶なギミック満載の会場で戦っているということを視聴者に教えてくれる。

 新雲学園はパーフェクトな選手が揃っているという前評判で、そのことを冷静にチームメイトに説明するキャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)の声も、やや緊張感がこもっている。

 ちゅーかー、結局新雲学園もフィフスセクターの息が掛かっているんでしょ? と神童に尋ねるムードメーカーの浜野海士(CV:金野潤)。予想されたことだが、やはり新雲学園もフィフスセクターの手先のチームだった。その高い能力で、雷門の目指す革命に立ちはだかる高い壁となりそうだ。

 むしろ準決勝、決勝という大事な機会にフィフスセクターの息が掛かっていないチームが雷門以外に残っているという方が意外なのだ。その辺の事情を踏まえ、分かり切ったことと、いつものシニカルな口調で語る倉間典人(CV:高垣彩陽)。


 倉間「行く道を行くしかないんだよ!」


 カッコ良く決めた倉間だったが、その直後、不穏な空気を察する。部室の一角で何かがキラキラ輝いているのだ。そちらを見やると、倉間を尊敬のまなざしで見つめるピュアな3人の1年生がいた。



 右から松風天馬(CV:寺崎裕香)、西園信助(CV:戸松遥)、影山輝(CV:藤村歩)の、あまりにもピュアな3人組。寸借詐欺(すんしゃくさぎ)にすぐ騙されそうな純真無垢さだ。ここで皮肉屋の剣城京介(CV:大原崇)と狩屋マサキ(CV:泰勇気)もキラキラしてたら歴史に残る面白さだったのだが。


 ピュアな3人は、倉間の意見に賛同していた。特に「行く道を行くしかない」という言葉に感銘を受けたらしく、キラキラが止まらない。神童もその雰囲気に嬉しそうに、練習メニューを変え、対新雲学園にシフトすることを宣言……しようとした。

 そこに走り込んで来る一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)。もはや定番となった、情報収集役としてパシってきた彼ら、何やら情報を仕入れて来たらしい。青山は前回公式戦出場を果たして活躍したのに、相変わらずパシらされている。

 フィフスセクターがついに実力行使を始めたと告げる一乃と青山。



  オープニング



 雷門のサッカー革命に共鳴して、フィフスセクターに反旗を翻した学校が幾つかあることは雷門メンバーも把握していた。現にホーリーロード本戦と表裏一体の聖帝選挙では現聖帝のイシドシュウジ(CV:野島裕史)からレジスタンスのリーダー・響木正剛(CV:有本欽隆)に票を鞍替えした学校があったことを示唆していた。

 その動き自体はむしろ望ましいことだ。雷門の、本当のサッカーの味方が増えているということなのだから。マネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)や山菜茜(CV:ゆりん)、部外者ながら実質マネージャーの瀬戸水鳥(CV:美名)の3人も嬉しそうだ。

 だが一乃と青山が伝えたい情報はそこからだった。フィフスセクターは雷門に共鳴し始めた学校をつぶし始めたというのだ。その報に驚きの声を上げる車田剛一(CV:野島裕史)。

 つぶすと聞くと物理的に鉄球とかで校舎をつぶす姿が思い浮かぶが、正確には廃校されたという。雷門がフィフスセクターに逆らい始めた時、廃校もあり得るとガクブル状態だったことがあったが、その心配は本当に起こり得た話で、杞憂(きゆう)でも何でもなかったのだ。フィフスセクターとはそれほどの権力を持っているという事実を改めて思い知る雷門一同。視聴者的にも、暗闇で笑ってるだけで何もしないイシドさんの態度に半ば安心していたからこの展開は驚いた。

 すでに地区予選で敗れた3校が廃校処分となったという。そしてつぶされた学校の選手には、雷門に逆恨みしている選手もいると語る青山。そういった選手が出て来ることもやむを得ないと同情心でつぶやく霧野蘭丸(CV:小林ゆう)。

 だがその事実は天馬の胸に突き刺さる。自分たちのよかれと思って始めた行為が自分の力の及ばないところで迷惑を掛けてしまっているという事実が、天馬の心を責め苛(さいな)む。雷門内で革命(かぜ)を起こした時でも、今は亡き南沢篤志(CV:梶裕貴)や倉間に恨まれた時があったが、その時以上の非情な展開に、天馬は苦しむ。


 天馬の思いと裏腹に、廃校処分という強硬策に怒り心頭の他の雷門メンバー。雷門に共鳴してくれた月山国光中学や、白恋中学も廃校の危機にあるはずだ。こんな状況を許してはならないと、一斉にこれまで以上にフィフスセクター打倒という使命に燃える。

 この状況は、逆にフィフスセクターの側も追い込まれていると仮説を立てる蘭丸。それを受けて、天城大地(CV:奈良徹)もこの行為が結果的にフィフスセクターの首を絞めていると喝破する。車田も、もうこの問題は雷門サッカー部だけの話では無く、中学校存続という政治問題になっているとして負けられない戦いであることをメンバーに鼓舞する。

 熱血派の錦龍馬(CV:岩崎了)が感化され、威勢良くやる気を見せる。シニカルで一時はフィフスセクターに逆らうことを諦めていた倉間や作中ナンバーワンの弱気メガネの速水鶴正(CV:吉野裕行)ですら乗り気になる。

 だがそんな中、ただ一人乗れていない人物がいた。この革命の風を始めに起こしてみせた天馬だった。そのいきさつからして、天馬が中心になるのは当然と言わんばかりの浜野の励ましの言葉が、今の天馬には逆に負担に感じられる。周りが盛り上がる中、天馬のその心境に最初に気付いた目ざとい剣城。天馬が元気を出さないことに不思議がる葵。

 同様に天馬の異変に気付いている感のある神童。みんなを鼓舞しながら、天馬にも声を掛ける。もっと強い風を起こそうと語りかけて来る神童、そして期待に満ちた目で自分を見つめて来るメンバーたち。

 しかし天馬は他校を廃校にさせてしまったという責任を感じ、どうしても元気を出せない。振り絞ってようやく言葉に出来たのは、自分たちが戦うことで、廃校になる学校がまた出てくるのではないかという後ろ向きの疑問だった。

 自分が引き起こしてしまったことで、多くの中学生が路頭に迷うという大問題に至ったという思いが捨てきれない天馬は、初めてフィフスセクターに対して恐怖を感じていた。みんなと同じ思いになれないことを詫び、部室を飛び出してしまう。

 慌てて後を追おうとする信助と葵、そして輝だったが、それを制する剣城。今はそっとしておくのが一番いいと諭す。剣城も元はフィフスセクターの配下のシードだった存在で、フィフスセクターとは因縁深い立場だ。その後フィフスセクターを裏切った彼は、立場こそ違えど、今の天馬の悩みと近い感覚を持っているのかもしれない。

 外に飛び出した天馬の前に、今部室に訪れようとしていた監督の鬼道有人(CV:吉野裕行)と顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)が通りがかる。春奈に呼び止められた天馬だったが、訳も話さず走り去ってしまう。素直さがウリだった天馬の意外な態度に驚く春奈。


 一方、雷門中学の理事長室。久々に登場の理事長・金山郷造(CV:小室正幸)と校長の冬海卓(CV:四宮豪)。ついに廃校処分という事態が起こり、戦々恐々としているのは学園経営者の彼らも同様、いや、より深刻な状態だ。何せ、失職して失業の危機なのだから。だが周辺校に災禍が訪れてはいるものの、雷門自体には廃校の指令はまだ来ていない。その理由は彼らにも分からない状態だ。

 フィフスセクターの命令に従って来た彼らだったが、皮肉なことに、彼らの意に反してフィフスセクターと闘う雷門サッカー部のおかげで転入希望者が激増し、学園としては繁栄の一途を遂げていた。フィフスセクターの意図も分からないままに、彼らはこの流れに取り残されている感があった。それを実感し、しみじみと自らの境遇を語る金山。憎たらしい悪役だった彼らも、サッカー界の流れに翻弄される犠牲者と言えるのかもしれない。


 一方、部室を飛び出した天馬は学校をも飛び出し、駆けていた。その悩みは天馬の思考を支配し、あてども無い逃走劇を演出していた。

 駅前を疾駆する天馬を見かけ、視線をそちらに移したいまどきの高校生の女性。その姿は、かつてこの物語を彩った誰かの面影を残していた。



 再び雷門サッカー部室。天馬の去った部室では、鬼道が今回の廃校処分という事態を部員たちから聞かされていた。それで天馬の異変に納得が行く春奈。だがだからと言って天馬がそのことに責任を感じる必要はないとも、同時に語る。

 天馬という原動力を失い、不安になる速水。やはりキングオブ・弱気は健在だ。動揺する部員たちを鎮めるため、鬼道は戦いの意義を語る。そして自由なサッカーの象徴、シンボルである雷門を叩き潰すということがフィフスセクターの狙いであることも。やはりこの戦いは負ける訳にはいかないのだ。ホーリーロードのポスターを見つめ、意思を堅固にする神童。


 あてども無く走り続けた天馬の行きついた先は、河川敷にあるサッカーグラウンドだった。かつて自分たちを導いてくれた円堂守(CV:竹内順子)前監督が、最初に雷門のメンバーを招集した思い出の場だ。

 円堂との思い出に浸(ひた)りながらも、今の気持ちではサッカーが出来ないと思い悩む天馬。天馬はいま傍(そば)にいない円堂に教えを請(こ)う。

 そんな天馬に後ろから声が掛かる。見知らぬ女性から声を掛けられ、戸惑う天馬。その女性は駅前で天馬を見かけた、あのいまどき女子高生だった。彼女は初対面にも関わらず、天馬のことを知っていた。



 夕香と名乗ったその女性は、天馬に会って欲しい人がいると笑顔で告げる。理由は告げないが、大事なことだと言う。待っていて欲しいと言われ、その場で待つ風天馬

 グラウンドを見降ろせる駅コンコースでは、天馬を気づかってか、剣城が見つめていた。葵たちには放っておけと言っていたのに、ツンデレなのか剣城?


 グラウンドで待つ天馬の元に、ある男がやってくる。それは、少年サッカーに携(たずさ)わる人間からすれば誰もが驚く人物であった。



 「あなたは、……歌舞伎町NO.1ホスト!?(ウソ)」


 それは少年サッカーを管理するフィフスセクターの聖帝・イシドその人であった。親しげに語りかけてくるイシドに、天馬は警戒心を露わに自分に何の用かと問いかける。イシドは雷門を変え、少年サッカー界に革命を起こそうとしている天馬に話すことがあるらしい。

 管理されたサッカーというシステムを築いた張本人である聖帝イシドに逆に質問する天馬。何故こんなことをするのか、と。サッカーは楽しいものであるはずで、勝敗まで管理するフィフスセクターのやり方は納得が行かないということを切々と語りかける。

 イシドはその質問を途中で遮(さえぎ)り、結果論を語り始める。フィフスセクターに逆らった学校が廃校処分という憂き目に遭ったことに言及し、その事態を招いたのは天馬の行動だと厳しい口調で言ってのける。天馬の行為が、楽しいサッカーをやりたいという選手たちからサッカーを奪っているというのだ。

 これは実際に強権を発動している側の人間が言うのは詭弁なのだが、責任を感じていた天馬にとっては痛いセリフとなって心に突き刺さる。動揺する天馬に畳み掛けるイシド。サッカーは管理されるべきものなのだと、天馬自身も気付いているはずだと。

 動揺しつつもその言を否定しようとする天馬。だがそこに女性の悲鳴が轟(とどろ)く。イシドとの会話を中断し、そちらを見やる天馬。見ると階段上で自転車に乗ったひったくりが、女性のかばんを奪おうとしていた。持っていたボールを置いてそちらに駆けつける天馬。

 ひったくり犯と揉みあう天馬。かばんは奪い返せたものの、邪魔をされて怒り狂うひったくり犯から暴行を受けそうになる。だが……




 イシドが放ったサッカーボールがひったくり犯を撃ち倒し、天馬はその身を守られる。目の前で弾むボールと、そして着地するイシドの姿を見て、天馬は既視感(デジャビュ)に襲われる。かつて建設資材が倒れて来た時、同じ様にサッカーボールで自分を救ってくれたあの謎のフードの人物の姿が、今のイシドに重なったのだ。




 警察が駆けつけ、ひったくり犯は慌てて逃げ出す。かばんを守ってもらえた女性も天馬に感謝するが、天馬は今明らかになった運命の人物との再会に驚愕するあまり、その言葉がほとんど耳に入って来ない。


 再びイシドの元に歩み寄る天馬。彼にはどうしても確認しておかなければならないことがあったのだ。幼い頃の自分を救ってくれた人物が、今では敵組織のリーダーであるという運命の皮肉を呪いつつ、イシドに確認を求める天馬。自分を助けてくれたサッカーボールに描かれたイナズマ模様から、それが校章である雷門中学に入ってサッカーすることが天馬の生きがいとなり、これまでの人生そのものであったのだ。

 サッカーを愛する人のはずのその人物が、なぜサッカーを管理するのかと問い糺(ただ)す天馬に、イシドは命の恩人であることは否定も肯定もしない。その後の言葉づかいから、彼が天馬の命の恩人であることは明らかだ。ただ管理サッカーを維持する理由を問う天馬の質問には一切答えないまま、答えが知りたければホーリーロードを勝ち上がることだとだけ告げる。そして後を振り返ることも無く、立ち去って行くイシド。一見冷たいその態度だったが、その裏には天馬に勝ち上がって来て欲しいというイシドの願いがあるようにも思われた。


 駐車場では、イシドを兄と呼ぶさっきの女子高生・豪炎寺夕香(CV:城雅子)が待っていた。



 天馬の前では見せなかった、彼や雷門の革命への思いを語るイシド。天馬ならこの逆境と戦い、勝ち抜くことが出来ると語る彼は、雷門の勝利を願っているようにしか見えない。その態度はフィフスセクターの聖帝という立場からはおおいに矛盾している。おそらく彼も、かつての鬼道と同じ様に、内部から何か働きかけようと画策しているのではないかと思われる。

 夕香が言うには、対立校を廃校処分にしたのもイシド自身の考えが反映されたものではないという。フィフスセクターには聖帝の意思に諮(はか)ること無く、勝手に行動できる勢力があるらしい。その人物はもしかしたら、聖帝以上の権力を握る、真の黒幕なのかもしれない。夕香が語る「あの人」とは、一体誰なのか?(伏線はあったけどね)


 そこに剣城が兄妹の話に割って入る。場を変え、鉄塔の前で改めて剣城と面談するイシド。剣城は先ほどのひったくり犯を倒したイシドのシュートを見て気付いたことを、かつての首領に遠慮なく問う。天馬はそれを見てかつての自分の救い主を見出したのだが、剣城は幼い頃にそのプレーを憧れて兄弟でマネをした、ある人物を見出したのだ。


 剣城「あなたは豪炎寺修也だ」


 円堂とも親友のはずの豪炎寺が一体どうしてフィフスセクターの聖帝という立場に収まっているのか? 剣城にはその理由が分かったらしい。そしてそのことをどうして天馬に話さないのかと質問を重ねる剣城。話してくれれば、天馬はもう悩まずに済むかもしれないという剣城の配慮だった。

 だが、まだその時ではないと語るイシドこと、豪炎寺修也。ここで明かせば、今まで築いて来たことが駄目になってしまいかねないという。剣城もその言葉の裏にあることに思いが至ったらしく、豪炎寺の意見に同意する。そして、剣城は願いを聞き入れて欲しいと豪炎寺に望む。果たしてその願いとは?


 夕刻になってようやく帰宅した天馬。アパートの前では親戚の木野秋(CV:折笠富美子)以外にも、意外な人物が天馬の帰宅を待っていた。それは天馬の様子を心配していた、神童であった。

 天馬の部屋に招かれる神童。天馬の部屋には初めて入室したことになる。天馬の愛犬・サスケ(CV:佐藤健輔)の頭を撫でてあげる優しいキャプテン。



 飾られていたイナズマの絵が描かれたサッカーボールを見やり、それを手に取る神童。そのボールがイシドシュウジのボールであることを、悲しそうに告げる天馬。そこにお茶菓子を持って秋が入って来る。


 場面は放課後の雷門中学。練習を終えた信助に話があるという三国太一(CV:佐藤健輔)。幻影学園戦で信助をキーパーに推した三国は、本格的に信助をキーパーにコンバートしたいと言う。

 自分の能力に自信を持ち切れない信助は当惑顔だった。何よりキーパーとしては身長が足りていないと自嘲する。確かにキーパーは身長があって、手足も長い方が有利だ。ゴールをカバーする物理的な面ももちろん、PKの時やゴール前の混戦の時など、その大きな身体で相手選手を圧倒する役割を考えてもデカい方が有利なのは間違いない。



 だが信助の消極性を一緒にいた葵が咎(とが)める。三国もいきなりの話なので即答は求めず、考えておいて欲しいと信助に告げる。葵や輝の言葉を受け、自分にキーパーが務まるのかどうかを自問する信助。


 場面は天馬の部屋に。お茶菓子を前に、神童にここまでのいきさつを説明する天馬。まずは天馬の今日一日の苦労を労(ねぎら)う神童。キャプテンとしての優しさに満ちている。自分の命を救ってくれた男が、実は打倒すべきフィフスセクターの聖帝であったと気付いた時の天馬のショックを、改めて説明することで共有しようとする神童。

 そして天馬の感じる負担を軽減するために、それが巡り巡って今、サッカー界を救う風になっていると笑顔で語る。イシドが天馬の命を救い、その天馬が今少年サッカー界を救う役割を演じている。


 神童「あの時と逆だな(笑)」


 かつて少年サッカーの行く末に絶望し、サッカー部を退部すると決めた神童を説得したのは、他ならぬ天馬だった。神童の部屋に押し掛けて来た天馬の思い出を語りながら、今度は神童が天馬の部屋を訪れて天馬を元気づけようと言葉を紡(つむ)ぐ。

 神童の自嘲気味の軽口は、天馬の心を少しだけ軽くした。神童はイシドの真意を仮定として天馬に話す。答えを知りたければ、ホーリーロードを勝ち抜けという言葉にも、聖帝からのエールを感じると語る神童。廃校は天馬のせいだと断言したことも、天馬の負けん気を喚起する言葉に取れるという。

 天馬のおかげで雷門は変われたと神童は言う。天馬の起こした風は今では全国の少年サッカー界に及んでいる。その自覚が天馬にあることを確認した神童は、サッカーボールを持って、河川敷に天馬を誘う。


 神童「俺はお前とサッカーがやりたい。革命とか、関係なく」


 天馬とただボールを蹴ることだけがしたいと告げる神童だったが、天馬は申し訳なさそうに顔を背(そむ)ける。まだ心の整理が付かないのだろう。察した神童は、その気になったら来いと告げ、ひとりで河川敷に向かう。

 玄関先で、神童に天馬の様子を聞く秋。きっと立ち直ると確信したように返答する神童。


 部屋では天馬が膝を抱えてまだ悩んでいた。そこにサスケが思い出の雷門印のサッカーボールを鼻先で転がして来る。そのボールを見つめ、サスケを見やる天馬。




 あの時、このボールに命を救われたのは、幼いサスケも同様だった。あの時天馬の腕に収まっていたほど小さかったサスケも、今ではすっかり大きくなっていた。そのサスケが、自分を励ますようにあのボールをこちらに向けたのだ。サスケに手を舐められて笑い出す天馬。サッカーボールに戯(たわむ)れるサスケを見て、天馬の意識も吹っ切れる。


 夕陽の光が差し込む室内で、背番号8のユニフォームに身を包む天馬。



 河川敷のグラウンドで一人サッカーボールを蹴る神童の元に、息を切らせてやって来る少年。後ろを振り返ること無くその気配に気付き、笑顔でその少年、天馬の復帰を歓迎する神童。

 もう迷わないと誓う天馬。サッカーが大好きだという気持ちに勝るものなど、天馬の心には無いのだ。ホーリーロードを勝ち抜いて、聖帝の言う答えを確認しようと力強く答える神童。自分が大事にしているサッカーへの思いをイシドに見せることで、きっと未来は変わると信じる天馬。その吹っ切れた表情は、夕日に映え、キラキラと輝いていた。




 次回に続く!



  エンディング



 革命の言いだしっぺの天馬くんが苦悩する回。今さらそんなこと言われてもとは思ったが、南沢の離脱や倉間の勘気に触れた時にも責任を感じて落ち込んでいたことがあった訳で、物語的に齟齬は無い。

 車田が猛烈にフィフスセクターに対して怒りを募らせていたけど、中の人がその後冷静な声で聖帝イシド役も演じていたのが個人的には今回のツボ。聖帝寺さんも、真の悪では無く、本当の黒幕は後ろに控えているという伏線が張られている。やはり豪炎寺が悪に染まるはずはないと信じていたけど。


 次回は信助が本格的にキーパーとして練習に参加することになりそう。その特別コーチなのか、前作のあの人が出てきそう。



 この後ろ姿(右)は、あの立ち向かう勇気の人だよね?


 また月山国光に転校した南沢が出ていたことから、月山国光も廃校されてしまったのかもしれない。



 感涙する車田に抱きつかれ、いつものシニカルなイメージ台無しの南沢。このまま「ダッシュトレイン」に持ち込め、車田。


 南沢登場という展開から、ここで大胆予測しておくと、おそらく決勝の相手は雨宮太陽(CV:江口拓也)が率いる学校で、これまで雷門の敵として登場して廃校になった学校の逆恨み勢力が結集する展開になるのではないかと思う。天河原の隼総とか、月山国光のオッサンキーパーとか、敵として再登場するのではないだろうか?

 まぁその前に準決勝の新雲学園戦に勝たないといけないのだけど。



 次回「硝子細工の天才」に続く。



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