『イナズマイレブンGO』第42話「出現、最強の敵!ドラゴンリンク!!」の感想 【真の敵現わる!】

 3月始めのブログ更新は、やはりこのネタ。『イナズマイレブンGO』の感想です。急いで上げた分、ミスが多かったものの一応書きなおしました。初期稿と比較して600文字ぐらいは書き直し、書き足しをしています。金曜日には上げたいと思っている感想なのですが、慌てて上げるのも考えものかも。早く作業出来ればいいんですけどねぇ……。



 では本番、恒例のアニメ感想文。今回は『イナズマイレブンGO』第42話「出現、最強の敵!ドラゴンリンク!!」を観ての感想を書く。決勝戦の相手、聖堂山中学と互角の戦いを繰り広げる雷門中学。だがその展開に恐るべき敵がその姿をあらわにし、待ったをかける。雷門の真の敵、果たしてその正体とは……!?



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第41話「決戦!アマノミカドスタジアム!!」の感想 【ついにホーリーロード決勝戦!】
 をご覧ください。この戦いの前段の感想です。


 それ以外の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 で、一覧表示されます。


 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 ホーリーロード決勝戦、聖帝イシドシュウジ(CV:野島裕史)に率いられた聖堂山中学と戦う雷門中学。自由なサッカーの頂点を極めた雷門と、管理されたサッカーを至上とする聖堂山中の戦いは、雷門が新キャプテン・松風天馬(CV:寺崎裕香)の奇策を成功させ、同点に追いついた。互いの戦力はこの試合展開通り、まさに五分と五分。果たしてどちらが勝利して、今後の少年サッカー界をその理想で席巻して行くこととなるのだろうか?



  オープニング



 剣城京介(CV:大原崇)の同点ゴールに雷門のベンチも湧きかえる。だが前キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)命の山菜茜(CV:ゆりん)だけは少し残念そうに神童の不在を嘆く。

 その件(くだん)の神童は、手術後も入院する病院の病床の上でテレビ中継されるこの試合に見いっていた。互角の試合を演ずる仲間たちの奮闘ぶり、そして自らの代わりを務める天馬の働きを見て、神童はこれなら勝てると、心強く思う。


 試合展開こそ互角だが、風は追いついた側に吹くものだ。雷門の選手たちは同点に追いついたことで、気持ちの面では聖堂山中を凌駕(りょうが)し始めていた。それというのも、神童不在で不安だったチームの核を、天馬という新たなファクターが埋めて存在感を示したことが大きい。霧野蘭丸(CV:小林ゆう)は天馬を激励し、さらなるキャプテンシーに期待をかける。


 試合は失点した聖堂山中のキックオフで再開されようとしていた。この場の流れを感じていた雷門監督の円堂守(CV:竹内順子)は旧友がどう対処するのか見定めようと、聖堂山中ベンチを見やる。だがイシドは微動だにせず、円堂の気持ちに気付いたそぶりを見せない。ただ横にいた宇都宮虎丸(CV:釘宮理恵)が円堂の視線に気付いて会釈的に笑顔を浮かべる。



 この少年みたいな22歳が虎丸だと、円堂は果たして気付いているのだろうか? まぁ全然変わってない訳で、見たら1秒で気付くか。


 試合が再開される。キャプテンの黒裂真命(CV:加藤奈々絵)を除いては防御重視だったこれまでの態勢を解き、一転攻勢に出始める聖堂山中。パスを機敏に回し、錦龍馬(CV:岩崎了)を回避する。そしてパスを受けたエンジェルみたいな髪形の日向理恩は、前を塞ぐ天馬を必殺技「ラウンドスパーク」で撃退し、前進を続ける。



 そして狩屋マサキ(CV:泰勇気)には無理をせずパスで繋ぐ日向。パスは聖堂山中のエースストライカー、黒裂に渡る。車田剛一(CV:野島裕史)のスライディングタックルを軽くかわした黒裂は、ついにその秘められた力、化身を解き放つ。



 やっぱり持ってた黒裂の化身「炎魔ガザード」。どこからどう見ても炎系の化身。イフリートぽい。



 黒裂は化身のシュート「爆熱ストーム」を放つ。監督であるイシド=豪炎寺の必殺技を彷彿(ほうふつ)とさせるシュートだ。まずい、化身シュートなど髪形以外は凡人のキーパー・三国太一(CV:佐藤健輔)が止められるはずがない。少しでもその威力を軽減させようと、狩屋が涙ぐましい努力で必殺技「ハンターズネット」の網を張る。予定調和的に破られてしまうネットだったが、これで威力は弱まったはず……。



 やっぱ駄目でした! 三国の決死の必殺技「フェンス・オブ・ガイア」の牙城をも突き破り、黒裂のシュートは雷門ゴールに突き刺さる。失点して同点に追い付かれた直後のこの反撃、さすがは優勝候補ナンバーワンの聖堂山中だけのことはある。

 黒裂のゴールに沸く聖堂山中のメンバー。雷門サイドは対照的に空野葵(CV:北原沙弥香)ら女子マネージャー陣が悲しそうな表情。だが円堂は些(いささ)かも気落ちすることなく、聖堂山中の選手たちが如何に強靭に鍛え上げられているかを見抜き、豪炎寺の指導者としての能力にも感嘆する。コーチの鬼道有人(CV:吉野裕行)もそれに同意する。かつての豪炎寺を知る両者は、聖堂山中の動きを見ただけで豪炎寺自身までをも理解出来ていた。まるで指導者同士の立場で、サッカーを介して会話するかのように。


 黒裂「これが、聖堂山のサッカーだ」


 自陣に戻り際に天馬に対して語りかける黒裂。自信に満ちたその物言いだったが、正々堂々としたそのプレー自体はこれまでのフィフスセクターの支配下にあった学校とはイメージが違っていた。

 その様子に、フィフスセクターの影の支配者である千宮路大悟(CV:川島得愛)が気付かないはずは無かった。側近たちが試合展開に満足する中、フィフスセクターの意思に忠実でないプレーをし始めた聖堂山中の選手たちに不満を抱く千宮路。確かにモニターに映し出される聖堂山中の選手たちの表情は生き生きしていて、管理サッカーを強制させられているという風には見えない。

 千宮路はそれでも余裕の態度で、いざという時は彼の秘策「ドラゴンリンク」の使用に踏み切ることを決意していた。その表情にはむしろ、そうなることを願ってさえいるような邪悪な笑みが浮かんでいた。



 その千宮路の切り札「ドラゴンリンク」とは如何(いか)なるものなのか? レジスタンスとしてフィフスセクターの内情を調査していた緑川リュウジ(CV:小平有希)はついにその正体を突き止めた。彼は少年時代からの公私に渡る同志、基山ヒロト(CV:水島大宙)にその正体について語る。だがその発覚は決勝戦が開始されている今、明らかになったとしてもやや手遅れ感が否めない。



 一方、その試合会場では再び1点のビハインドを追うこととなった雷門が攻勢に転じていた。キャプテンの天馬を軸に攻め上がる雷門の選手たち。失点しても士気の落ちないその表情を受け、天馬も安心感を強める。弱気にさえならなければ、彼らの団結をもってすれば勝てない相手ではないからだ。

 その天馬の前に立ちはだかる6番の天瀬玲亜。天馬は得意の「そよかぜステップ」で乗り切ろうと考えるが、天瀬の行動の方が早かった。空気のボールを蹴りつける必殺技「エアーバレット」を天馬に撃ち込み天馬を弾き飛ばしてまんまとボールを奪い取ってしまう。



 必殺技「エアーバレット」。ものすごく反則っぽい技なんだけど、身体が触れていないから反則じゃないんだろうなぁ……。


 黒裂以外も必殺技を駆使し始め、その高いポテンシャルを見せ始めた聖堂山中の選手たち。その能力の高さに、ベンチの解説役の座敷わらし、一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)も動揺の色を浮かべながら唸(うな)る。

 そしてボールはまたも黒裂に。他の選手もすごいが、この試合で全得点を一人で奪っている黒裂が、雷門にとってはやはり最大の脅威だ。ここが見せ場とばかりに、ここまでいいとこ無しの浜野海士(CV:金野潤)が挑みかかる。個人的に浜野のファンの私は期待したが、やはり浜ちゃんは浜ちゃん、股下を抜かれる屈辱のパスを許してしまう。成す術なしの浜ちゃん。だがそれでこそ僕らの浜ちゃん。



 浜野のカバーは自分がとばかりに蘭丸が、ディフェンス技「ザ・ミスト」でボールを奪回する。この技は霧を全く気にしない単細胞の力押しタイプ以外には通用するようだ(対・白恋中学戦の石岩次郎にだけは効かなかった)

 反転攻勢、蘭丸は錦にパスを送る。錦は敵選手のスライディングをかわしつつ前方を確認する。前には雷門の誇る2大ストライカー(当たりハズレあり)、剣城と倉間典人(CV:高垣彩陽)がいた。

 錦はハズレのストライカー、倉間にパスを送る。倉間は分をわきまえているのか、ジャンピングボレーで即座に剣城にパスを回す。それを受けた剣城、1点目の再現とばかりに聖堂山中ゴールを目指す。そこに聖堂山中の大柄なDFが2人、剣城の行く手を阻む。「エレファントプレス」でもして来そうなデカい敵に、剣城は慌てず騒がず、右にパスを流す。そこにはノーマークで待つ錦の姿が。

 錦は誰からも邪魔される心配無く、彼の化身「戦国武神ムサシ」を発動させ、化身シュート「武神連斬」を放つ。




 倉間、剣城を相手に使った【これしか無いんかい技】の「シュートブレイク」で対抗するバンダナキーパー、征木帝矢。だが化身シュートを一般人が止めることが出来ないのは、三国さんに限った話では無かった。



 キーパーの足をへし折る勢いで豪快にゴールネットを揺らす錦のシュート。これで得点は2−2となり、またも雷門が同点に追いつく展開となる。またも喜びに沸く雷門サイド。1失点目は余裕だった黒裂も、さすがにやや呆然といった表情を浮かべる。

 そこで前半戦終了の笛が鳴る。稀(まれ)に見る好勝負の行方は、後半戦に持ち越されることとなった。そしてそれは取りも直さず、少年サッカー界の運命をも後半戦に持ち越したということと同義でもあった。

 ベンチに戻る天馬に話しかける黒裂。自分たちに敗北は無いと無表情に語る黒裂に対し、天馬は自分たちも絶対に負けないと表情豊かに返す。好対照な両チームのキャプテンの表情だったが、共に相手を好敵手と認めていることだけは疑いない。

 黒裂の語る聖堂山側の意思の表明に彼らの誇りをかけた思いを感じ、天馬も雷門の名に恥じぬ戦いをしなければならないと、決意を新たにする。


 一方、この試合を見守り続けてきた千宮路は、イシドの態度からその離反の思いを悟り、ついに自らがこの戦いに乗り出す意思を固めた。彼の切り札「ドラゴンリンク」が今、招集される。


 ハーフタイム、雷門の控室。天馬の初のキャプテンぶりを感心して、葵とスケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)が褒める。だが元気なく空(から)返事する天馬を見ていぶかる3人娘。神童の代わりがちゃんと務まっているかを気に病む天馬だったが、それは杞憂だと3人娘に励まされる。

 それを補完するかのように、三国が後ろから肩を叩いて天馬を激励する。そしてさらにその思いを後押しするように天城大地(CV:奈良徹)や車田といった3年生が声をかけて来る。前半戦はベンチで見守っていた影山輝(CV:藤村歩)や西園信助(CV:戸松遥)、座敷わらしたちも天馬を励ます。

 キャプテンの重責を感じる天馬だったが、対戦相手の聖堂山中が素晴らしいチームで、そのチームと戦えることに喜びを感じていると語る。それを受けて僕もフィールドで戦いたいと語る信助。一見微笑ましいシーンだが、それは信助の「三国、ワシとキーパー代われや」というアピールなのだろうか? 確かに敵の化身シュートを考えると、信助の方がゴールが安定しそうだが……。

 敵を称賛する天馬にダメ出しする狩屋。だが聖堂山中のプレーは雷門の誰が見ても称賛に値するものであった。フィフスセクターの聖帝が率いるチームとは思えないと語る輝の言葉を聞き、ただ一人イシドの真意を知る剣城は表情を曇らせる。

 そこまでじっと天馬の様子を窺(うかが)っていた円堂が、天馬にキャプテンの極意を伝える。キャプテンの力が本当に必要になる時は、味方がピンチの時で、その時に仲間を支えることが出来るかどうか、そこにキャプテンとしての真価が問われると円堂は語る。偉大な指導者にして、雷門のキャプテンとしても大先輩に当たる円堂の言を聞き、天馬は頑張ることを心から誓う。


 片や、聖堂山中の控室。後半戦の戦い方について、かしこまってイシドの指示を待つ選手たちを見渡し、イシドは優しい表情で「お前たちに任せる」と言う。自由に戦えというイシドの言葉を聞いて驚く聖堂山中の選手たち。これは管理サッカーをモットーとするフィフスセクターのサッカーの対極にある言葉だ。むしろ今戦っている、打倒すべき対象の雷門のサッカーと同じことをやれと、聖帝は指示しているのだ。

 改めてその言葉の意味を問う黒裂に対し、自分たちの意思で戦い、そして勝利するよう告げるイシド。それを聞いて、やはり本音は自由なサッカーが望ましく思っていたであろう選手たちは、一様に表情を明るくする。そして力強くイシドに応え、自分たちの思い通りのサッカーで雷門を倒すことを誓う。

 コーチとして参戦していた砂木沼治(CV:疋田高志)もイシドの、そして聖堂山中の選手たちの意思を尊重した上で教え子たちを叱咤激励する。その言葉を受け、選手一同は一斉に控室を飛び出す。自分たちの意思に従ったサッカーで雷門を倒すために。

 だが選手たちを送り出したイシドと虎丸の前に、千宮路から呼び出しが掛かる。ただならぬ雰囲気を感じ、虎丸の表情に動揺の色が浮かぶ。


 試合会場「アマノミカドスタジアム」を一望できるVIP室で、千宮路はイシドを待っていた。彼がどうしてフィフスセクターのような組織を作ることとなったのか? それは彼が幼少時に経験した心の傷に因があった。貧しい生まれだった彼は、大好きなサッカーをしたいがためにサッカーボールを盗んだ。だが商店主に捕まり、その夢は儚(はかな)く散ることとなってしまった。



 幼い頃の千宮路。この後彼は捕まり、何と牢屋に入れられる。ボール一個で子供を牢屋に入れるとは、どこの国の話なんだよ? このシーンの背景から見ても日本では無さそうに見えたんだけど……。近未来の日本は少年法も無くなり、厳格化しているということか?(考え過ぎ)


 サッカーが好きだからといって全ての少年が平等にサッカーを始めることが出来ない……この現状に絶望した彼は、その思いを復讐に変え、この様な歪んだサッカー界を作ることとなった訳だ。理念的には一見整合性が取れた意見だが、さて……。


 そこまで自らの半生を回想した千宮路の元に、イシドと虎丸が連れられて来た。名称こそ聖帝だが、それは支配者の前に連行されてきた捕囚を思わせる姿であった。もはや隠すことなく、上からの物言いでイシドの監督ぶりを批判する千宮路。

 聖堂山が雷門と同点という展開、そして雷門が起こした反乱に後ろから手心を加えているのはイシド自身ではないかと千宮路は詰問(きつもん)する。聖堂山の選手に手を抜けと指示しているのではないかとの疑惑に、落ち着いた口調ながらも真っ向から反論するイシド。

 イシドは管理サッカーと自由なサッカーとの狭間で悩んでいた。どちらが正しいかを決するのがこの決勝戦だと位置づけた彼は、この試合に聖堂山が勝利する事があれば、今度こそ本当に千宮路の僕(しもべ)として、その理念の実現に協力することを誓う。

 だが千宮路はその言葉に納得しない。彼は影の実力者としての強権をここで発動する。イシドを聖堂山中の監督から解任し、自らが監督になり変わることを宣言する。その言葉には2つ返事で応じるイシド。きっと彼が聖堂山中の選手たちに教えた理念は、例え監督が変わったとしても揺るがないものだという信念があったのだろう。

 だが千宮路のやろうとしていることは、イシドの予想を上回るものであった。聖堂山の選手も全て、彼の育てた、彼の思いのままに動く私兵と入れ替えるというのだ! 動揺するイシドだったが、もはや彼にはどうすることも出来ない。聖堂山は千宮路の意思の元、全く別の新たなチームに塗り替えられてしまうこととなる。


 その千宮路の意思に呼応するかのように、試合会場が激しく揺れ始め、その姿を変えて行く。高く、高く縦に伸び始めたアマノミカドスタジアム。何が起こったのか理解できない観客は動揺する。フィフスセクターの、そしてその支配者である千宮路の秘密を掴んだものの円堂と連絡が取れず、試合会場に直接向かうヒロトと緑川。その彼らにも、外部からアマノミカドスタジアムの異変が認められた。



 天高く伸び上がったアマノミカドスタジアム。これまでの会場のギミックに散々慣らされたので、もはやこの程度のギミックでは驚かなくなっている自分がいた。


 後半戦に備え、フィールドに繋がる通路に集っていた雷門の選手たちもこの突然の異変に戸惑っていた。しかし本当の驚きはその後、やってきた相手選手の姿を見た時だった。キャプテンマークを付けているのは黒裂ではなく、全く知らない男だった。そしてその男に率いられた選手たちも、全員が前半戦とは違う選手たちであった。

 実況解説の角馬王将(CV:稲田徹)の元に、一枚のメモが届く。それを見て驚愕する角馬。そこには監督、選手、メンバー全てを入れ替えるという驚くべきことが書かれていた。それを聞いて観客も驚きの表情。これは、どんな時でもルールを変更できるというフィフスセクターの持つ特権、少年サッカー法第5条に明記された行為だという。あまりにも無茶苦茶な強権に怒りの抗議の声を上げる水鳥。ルールブックをも支配するフィフスセクターの力の誇示だが、誰がどう見ても無法行為だ。逆に考えれば、フィフスセクターはそこまで追い詰められていると解釈することも出来るのだろうが。


 この場に現れない黒裂たち、本来の聖堂山中の選手たちを気遣う天馬。だがキャプテンマークを付けた男は尊大な口調でその質問を無視し、自分たちの素情を明かす。彼らのチーム名は「ドラゴンリンク」。まさにヒロトたちが掴んだ情報そのものが彼らの存在なのだ。全員がこれまで公式戦に未出場。キャプテン以外は全て同じ髪の色をした、正体不明の選手たちだった。



 後半戦開始前の聖堂山中イレブン。控えの選手も含め、全員が入れ替わっている。キーパーでキャプテンの千宮路大和(CV:早志勇紀)は、イシドに成り変わって監督に就いた千宮路の実の息子。フォーメーションは2−4−4という、これまでの敵の中でも最も攻撃的な布陣。


 後半戦も全力で戦おうと誓い合ったはずの黒裂たちのことを心配する天馬だったが、試合前に余計な考えを持っていてはならないと錦が諌める。それでなくとも、得体の知れないチームが相手だ。しかもかなり無理のある強権を使ってまで雷門にぶつけてきたチームだ。大和が自信満々に語った通り、フィフスセクターの最強のチームであることは想像に難くない。


 「ドラゴンリンク」……これこそが千宮路の理想とする管理サッカーの究極の姿らしい。笑う千宮路の横で、もはや名実共にお飾りの存在とされたイシド=豪炎寺の存在を認め、円堂と鬼道、そしてもう一人の旧知の仲の音無春奈(CV:佐々木日菜子)は心を痛める。

 円堂は豪炎寺の真意に気付いていた。豪炎寺は聖帝という存在に就き、フィフスセクターや千宮路の動きを探る役どころを演じていたという。豪炎寺自身も管理サッカーと自由なサッカーのどちらのサッカーが望ましいか迷っていたことを鬼道が語る。彼自身も一時はフィフスセクターの仲間のフリをして内部から探っていたことがあったから、気脈的に通じるものがあるのだろう。

 その経緯を聞き、それでも不安そうな春奈を見て、円堂は革命の風は止むことは無いと太鼓判を押す。


 天馬は先ほどのドラゴンリンクとの出会い、そしてその後の意外な人物との再会に心を囚われていた。フィフスセクターは自分が作ったと天馬たちの前に姿を現した千宮路、それはかつて天馬がサッカー遊びに興じた時に出会った、白いスーツを着た紳士その人であった。あの時千宮路が天馬に語った「好きなサッカーが出来なくなった時を想像してみるがいい」という言葉は、千宮路自身の経験から来る言葉だったのだ。



 サッカーボールを盗んだことでサッカーをする未来が閉ざされた千宮路は、誰もが平等にサッカーをする機会を与えるためにフィフスセクターを作ったと語った。だが天馬はその誤謬(ごびゅう)に気付いていた。誰かに管理されるサッカーなど、本当のサッカーじゃないということに。


 そうした思いを胸に秘めた天馬。まさにその瞬間、後半戦開始の笛が鳴り響く。聖堂山、いや、ドラゴンリンクのキックオフで試合が開始されるが、FWの選手は攻めるでもなく、味方が誰もいない地点にボールを蹴る。ボールは雷門の蘭丸が押さえるが、これはもちろんミスキックなどではないだろう。せっかくの攻撃の権利であるボールを渡して、自陣を固め始めるドラゴンリンク。怪しさ満点だがせっかくのマイボール、攻めない手は無い。

 駆けだした浜野にパスを合わせる蘭丸。浜野は敵に不気味さを感じつつも錦にパス。錦が縦に切れ込んだところで、ついにドラゴンリンクの選手が動く。FWの選手が背中からオーラを発し、秘められた力、化身を発動させる。だが驚くべきことに、それは一人では無い、4人のFWが同時に発動させたのだ!



 以前も現れた量産型化身「精鋭兵ポーン」だ。だがそれが同時に4体も。


 一斉に4体もの化身が現出したシーンに度肝を抜かれる雷門の選手たち。テレビでその様を見ていた神童もあまりの事態に驚愕の色を隠せない。天馬の、そして雷門の前に今、最強最大の敵が立ちはだかる。




 次回に続く!



  エンディング



 ついにベールを脱ぎ、雷門に襲いかかる千宮路、そして彼の私兵「ドラゴンリンク」。他の選手たち、そして何よりキーパーの大和も化身を使うはずだろうから、まさに最強の敵だと言えそう。伏線を張っていた千宮路息子の大和が化身を使えなくて凡人でザルキーパーだったとしたら歴史に残る面白さだろうけど、レベルファイブ的にそんな笑いは取ろうとしないだろう。

 他の選手たちは前に予想した通り、チェスの駒がモチーフの化身を使うのかもしれない。ポーンとナイトは既出だから、ビショップとクイーン、キング辺りが出るのではないだろうか? ちなみにチェスの駒で最強の駒はキングでは無くクイーン。

 気になる点としては、本来の敵だった黒裂たち聖堂山の選手たちはどこに消えてしまったのかということ。見える場面でドラゴンリンクに排除された訳では無いので、どうしているのか気になっている。当初の予想ではイシドごと控室に閉じ込められるという筋を想像していたんだけど。

 まぁ黒裂は2期で仲間になるフラグが立ちまくりだったと思うのだけど、どうだろう? あと砂木沼というコーチ、前作でも出ていたキャラだそうで。あの悪人顔を見て、絶対コイツは千宮路側のスパイだと思っていたけど、それもハズレた。以前の根淵の時もそうだったけど、悪人面していても分からない。人はみかけによらないものだ。


 最後の敵は「これまでに敗れたシードの選手が集まって1つの敵チームになるのでは?」というこちらの予想はハズレていたらしい。序盤に出て来た、剣城も所属していた「黒の騎士団」という予想もあったんだけど、それもハズレ。どうなっちゃったんだ、「黒の騎士団」?


 次回は最終決戦に相応しいタイトルだが、「前編」とかいう表記が無いため、ひょっとしたら次回でこの戦いは終わるのかもしれない。最強最後の敵だけに、見せ場的にも数回は続くと思っているのだけど。剣城と天馬の合体技「ファイアートルネードDD(ダブルドライブ)」もまだ公開されていない訳だし、もうちょっと続くかな?



 次回「壮絶!最後の聖戦!!」に続く。



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