『ペルソナ4』第19話「It's School Festival Day! Time to Have Fun!(文化祭です!楽しむ時間です!)」の感想

 恒例のテレビアニメ『ペルソナ4』を観ての感想文、今回は第19話「It's School Festival Day! Time to Have Fun!(文化祭です!楽しむ時間です!)」の感想を書きたい。前回の感動ムードはどこへやら(一部残っていたけど)、合コンあり女装あり水着審査ありの混沌とした素晴らしきギャグパート回、とくと堪能すべし。



 今後のストーリーの根幹に関わる大きなネタバレは避けていますが、少しのネタバレも観たくない方は、閲覧にご注意下さい。


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『ペルソナ4』第18話「Anniversary to Become a Family(家族になれた記念日)」の感想
 はこちらから。


【原作ゲームを含む関連記事】

 主人公・鳴上悠(なるかみ ゆう CV:浪川大輔)がいつものように訪れたベルベットルーム。だがいつもと様子が違う。なぜかそこには誰もいなかった。いつも流れる落ち着いた音楽も無く、そこにあったのは堂島遼太郎(どうじま りょうたろう CV:石塚運昇)と菜々子(ななこ CV:神田朱未)の写真、その両者のアルカナである正義と法王のタロットカード、そしてマーガレット(CV:大原さやか)の置き手紙だけであった。この場の主(あるじ)のイゴール(CV:田の中勇)と助手のマーガレットは、何と出張中だという。



 いつもなら言葉で悠の新規アルカナの獲得を評価してくれるマーガレットの今回のねぎらいはこれだけかと、やや肩すかしを喰った気分だが、悠の意識の狭間にあるこの世界から、彼らは一体どこに出張したというのだろうか? ずいぶんお手軽な意識の狭間である。



 物語は10月26日の水曜日に遡る。八十神学校では文化祭を迎え、各クラスはそこで演目に何をするのかを協議していた。悠たちのクラスは投票の結果、圧倒的多数の票を得て「合コン喫茶」をすることとなった。

 決定事項に、慌てる里中千枝(さとなか ちえ CV:堀江由衣)。誰がこんなアイデアを出したのか怒りながら周りを見渡す。その犯人は割とすぐに見つかった。頭を抱えて、この提案が失敗だったと認めるお祭り男・花村陽介(はなむら ようすけ CV:森久保祥太郎)。「合コン喫茶」を提案したのはやはりコイツだった。

 と同時に言い訳がましく「合コン喫茶」に賛成票を投じた理由を説明する天城雪子(あまぎ ゆきこ CV:小清水亜美)。さらに修学旅行でみんなと演じた王様ゲームの余韻が忘れられず、同じく賛成票を投じたと言う悠。それだけでなく、千枝を除くクラスのほとんどが同じ様なノリで「合コン喫茶」に票を投じたようだ。2年生メンバーの常識人は悠と雪子だと思っていたけど、そうではなく千枝だったというのが今回明らかになった真実だ。

 そんな悩める千枝ちゃんと雪子に笑いかける陽介。彼は2人に許可を得ることも無く、文化祭の一大イベント「ミス八高コンテスト」にエントリーさせていたのだ。そのポスターを見て事情に気付いた千枝、陽介を得意のカンフーキックで蹴り飛ばす。

 無断で勝手なことをした陽介を屋上で糾弾する千枝。同時に勝手にエントリーされた1年生の久慈川りせ(くじかわ りせ CV:釘宮理恵)、白鐘直斗(しろがね なおと CV:朴璐美)も一緒だ。学園のマドンナ(雪子)元アイドル(りせ)探偵王子(直斗と、八十神高校でも美人揃いのこのメンバーをエントリーさせない手は無いと弁明する陽介。

 千枝は自分だけが取り柄を言われなかったことに逆切れして、またも陽介を蹴り飛ばす。そんな喧騒を横目に、りせは悠次第と言わんばかりに、参加して欲しいかどうかを尋ねる。悠はそれを受け、30分に渡ってミスコンの意義について熱弁する(早回しで、本当に30分熱く語る)。結論は


 悠 「つまり、いいから出ろ!」


 ということだ。30分の長きに渡って悠にそこまで言われて、多少引き気味の女子陣。ただ断る事は出来なくなってしまう。何だかんだ言っても、女子陣は悠の望みを断れないようだ。

 困った風情の直斗に、ぎこちなく出場を促し始める完二。彼にとっては想い人の直斗が出場してくれれば、改めて自分が女性好き=ノーマルである証になると考えたのだ(直斗の方はそんな事情は全く分かっていなかったのだが)。声を荒げつつも、直斗に出場して欲しい旨を伝える。

 最終的には4人の美女たちは陽介の邪(よこしま)な思惑通り、ミスコン参加をしぶしぶながらも承諾した(悠に対して積極的なりせだけは参加に前向きだったが)。


 放課後の部活、サッカー部の練習に参加する悠と一条康(いちじょう こう CV:小野大輔)。2人はバスケ部だが、文化祭の準備で人数が足りないサッカー部の助っ人に狩り出されたのだ。いつもは部員数不足でサッカー部の長瀬大輔(ながせ だいすけ CV:杉田智和)に助けてもらっている立場だけに、日頃の恩返しの意味もあるのだろう。

 パスを受けた悠がシュートするが、そのボールはゴールを逸れて、ゴールポスト傍にいたと思しき女子生徒に命中してしまう。保健室にその女子生徒を連れて行った悠。

 大したことは無いと、非難めいた言葉も言わずに立ち去ろうとするその女子生徒、だが少し進んだだけでつまづいて転んでしまう。頭に傷を一つ増やしてしまった女子生徒。彼女は大きな荷物を提げていた。



 放っておけない悠は、彼女の目的地の河川敷までその荷物を持って行ってあげた。彼女、松永綾音(まつなが あやね CV:遠藤智佳)の荷物は大きな管楽器、トロンボーンだった。立ち去ろうとしない悠の前で演奏することを拒む綾音だったが、押し切られて吹き始める。だがそれはどう贔屓目に聴いてみても、上手いとは言えないしろものだった。

 改めて自らのことを話す綾音。彼女は吹奏楽部の1年生で、文化祭までにちゃんと自分のパートを吹けるように、ここで毎日練習しているという。トロンボーン奏者が2人しかいない中、レギュラーの上級生が怪我で文化祭に間に合わないとのことで、急きょ彼女にお鉢が回って来たらしい。

 自分がヘタで、こういうことでもないと出番は無かったと自嘲気味に語る綾音。だが彼女は誰にも負けないぐらい音楽が好きで、自分の演奏で誰かを支えたいという夢を語る。

 その夢を悠に褒められ、照れ隠しにさらなる練習にと立ち上がる綾音。暗に悠の帰宅を促したつもりだった。だが悠は相変わらずその場を立ち去らない。不審に思う綾音に向けて、悠は言う。


 悠 「上手い演奏を聴けたら、帰る」


 それはヘタな自分の演奏ではしばらくは帰らないという意味だ。その語感ににちょっぴりの意地悪さと、そして大きな優しさを感じた綾音は困ったような、嬉しいような表情を浮かべて笑う。


 2日後の10月28日(金)。ミスコンの前座に開かれる女装コンテストに、完二、陽介、悠の3人がいつの間にかエントリーされていた。こういうことをする奴はただ一人しかいない。教室で千枝に食ってかかる陽介に対し、ミスコンでの復讐を果たしたことを悪びれずに語る千枝。やっぱり千枝の仕業だったようだ。

 雪子がノリノリで綺麗に化粧してあげると言う。【そういう気が本来ありそう疑惑】の渦中の完二が「綺麗になれる」と言うフレーズを聞き逃すはずが無い。明らかに完二は乗り気だ。男らしく女装コンテストに参加することを表明する完二。

 完二は頼りにならないと、同じく勝手にエントリーされた被害者の悠に助けを求める陽介。だが、なぜか悠も乗り気だった(こっちは意味が分からない)。外堀を埋められた感のある陽介は、これもしぶしぶながら参加を表明せざるを得なくなってしまう。


 2階踊り場で、女装に関してりせにプロデュースを依頼する悠。悠の本気度を感じる。そこに階下のミスコンのポスター前で男子生徒が元アイドルのりせが出場することに興奮する声が聞こえて来る。



 ポスターの主役もりせだ。一人だけ人外の様相の人物がエントリーしているが、これは林間学校編で毒入りカレーを平気で平らげた大谷花子(おおたに はなこ CV:阿川りょう)さん。その外見も内臓も規格外だ。


 アイドルを辞めたはずの自分が、またその感覚で騒がれることを嫌がるりせ。アイドルの「りせちー」は彼女にとっては過去のものにしたいらしい。りせを励まし、買い出しに向かう男らしい悠(だが買いに行くのは自らの女装用品だったりする)

 買い物の帰り道、通りがかった河原で悠たちは、ヘタなトロンボーンの音色を聞く。そこでは綾音が一所懸命にトロンボーンの演奏の練習をしていた。思わず心の中で彼女を応援する悠。


 翌10月29日(土)。いよいよ文化祭初日の開幕だ。屋台や喫茶店をするクラスは盛況だ。だが悠たちのクラスは、閑古鳥が鳴いていた。



 「ご、合コン、やってまぁ〜……す」


 天城越えとまで称されるほど男子生徒人気の高い雪子が呼び込みしているのだから、少なくとも男は満員にならないとおかしいと思うんだけど……? 客が訪れないことに落ち込む陽介だったが、それを横目に悠はどこかで使う気なのだろうか、王様ゲームのくじ引きを作ることに夢中だ。だが完成後、それは使わないとあっさり千枝に釘を刺されてしまう。

 あまりの閑古鳥っぷりに、陽介はサクラ作戦を思いつく。自分たちが客のフリをして盛り上がれば、それにつられて本当の客も来るだろうという浅薄な作戦だ。そこにやって来る長瀬。女性に全く興味を示さないことで定評のある彼のことだ。合コンにつられてやって来た訳ではないだろう。

 だがそのチャンスを逃さない陽介は、偶数で合コン出来る条件が整ったと喜ぶ。しかし偶数とはいえ男4女2の偶数だ。誰かが女性役に回らなければならない。……と思っているうちに、すでに当たり前の様な顔をして女性側にスタンバッている悠。



 陽介「スタンバイ、早!!」


 長瀬はこの期に及んでも何が始まろうとしているのかよく分かっていないようだが、とにかく部外者の彼と完二を交えての合コン(サクラ)が開始される。

 だが始まってみても何を話せばよいのやら分からない。完二提案の趣味を問われ、シャドウの話に言及してしまう雪子や、(ペルソナを)チェンジしたり合体したりという、色々とエロい方面で誤解を招きそうな発言をする悠。テレビの中の世界の話は、特別捜査隊的に部外者の長瀬がいるところではご法度だ。ツッコミ役の陽介が忙しい展開が続く。

 次は女性側の質問。好きな女性のタイプを問う千枝と雪子だったが、陽介の発言はまともに取り合わず適当に流す。次に完二の語るタイプは「ミステリアス」で「強いように見えて弱い」という、明らかに誰かのことを話しているとしか思えないセリフ。

 明らかに盛り下がる場の雰囲気に帰ろうとする長瀬だったが、陽介が必死で引き留める。助け船を出す雪子に便乗した陽介は、この中で彼氏にするなら誰かを女性陣に問う。ストレートな質問ににわかには返答できない女性陣にあって、ただ一人答える気満々の表情の悠。その目はじっと陽介を見つめていた……。

 すわペルソナでボーイズラブか!? と思われた展開だが、その雰囲気に堪えられなくなった陽介が慌ててその場をごまかす。



 悠 「ウブなのね……」(女性口調で)
 陽介「やめろ〜っ!!!」


 飲み物で頭を冷やそうとする陽介だったが、ドリンクは千枝が買い忘れていた(合コン喫茶だというのに)。代わりにと千枝は出前を頼んでいたのだが、この作品でやって来る出前と言えば、アレである。

 中華料理店・愛家の出前ガール・中村あいか(CV:悠木碧)の持って来た6人前のラーメンの前で途方に暮れる一同。もはやその場は合コンでは無い別の何かという雰囲気の中、ラーメンを食べる普通の昼食シーンと相成る。



 ここでCMアイキャッチ。寛容さが今回は「女子力」となっている点に注目。合コンでずっと女子役を演じ続けた後遺症だろうか。


 文化祭は局地的にはそのような悲惨な展開もあったが、全体的には滞りなく進行していた。体育館では一条が演劇部の助っ人としてハムレット役を演じる。それを見物していた悠は、サッカー部での部活時に一条がなぜ「ハム」と呼ばれたかを知るのだった。



 ちなみにこの左の女性は、演劇部の小沢結実(おざわ ゆみ)さん。吹奏楽部の綾音と太陽コミュを分け合う。文化部系コミュは以前も書いた通り、どちらかとしかコミュを築けないので今回は脇役。


 体育館を去ろうとする2人の男子生徒の会話を聞く悠。今年の吹奏楽部のトロンボーンの音が酷いということは、すでに一般生徒の間でも嘲笑と共に話題となっていた。音楽が好きで、誰かの支えになりたいと語っていた綾音のことが気になった悠は、音楽室に向かう。

 音楽室では、自らの至らなさを吹奏楽部の部長に詫びる綾音の姿があった。そこに入って来る男子生徒。彼はレギュラーでトロンボーンを演奏するもう一人の部員だった。骨折していたが、回復が文化祭に間に合ったとして部に復帰しようとやって来たのだ。だがその復帰は、当然ながら綾音の役割を押しのけてのこととなる。

 他の吹奏楽部の部員たちも復帰を歓迎し、その男子生徒に入ってもらおうと公然と口に出し始める。大事な文化祭でヘタな綾音に足を引っ張られたくないというのは一面の真理だが、その態度はあまりにも綾音に対する思いやりが無い仕打ちだ。

 綾音も復帰した先輩に役を譲ると告げる。部に迷惑をかけたくないという考えもあったが、それ以上にここで上手な先輩に譲らずに自分が演奏することなど出来ようはずも無い。同調圧力に屈したと見るべきだろう。だがずっと頑張って練習して来た綾音が、自らこの決定を進んでする訳が無い。

 それを慮った悠は、黙っていることが出来なかった。


 悠 「(綾音に)やらせてやってくれないか」


 突然の部外者の闖入に驚く吹奏楽部の一同。だが詳細を語る間もなく、悠は綾音に手を引かれてその場から連れ出される。

 誰もいない渡り廊下で、悠は改めて綾音に、これで本当に良かったのかを問う。これでいいと答える綾音だったが、その答えと裏腹に涙が溢れて止まらない。彼女は自分のやって来た努力が無に帰したことを、やはり悔しく悲しく思っていたのだ。

 涙が止まらない綾音にハンカチを手渡す悠。綾音は泣きながらも、さっき自分を庇ってくれた悠に感謝する。誰かを自分の音楽で支えるという彼女の夢、それに近付けると思って頑張って来たというのに、その夢はこの文化祭という舞台では叶わなかった。だがその間の頑張りによって、自分がどれだけ音楽が好きだったのかにも気付けたと語る。

 そしてそれだからこそ悔しい、悠の気遣いが嬉しいと続ける。彼女の涙は挫折による悔しさと、嬉しさの入り混じったものだったのだ。



 その意味を知り、綾音の意思がまだ挫けてはいないことを確認した悠は、チャンスはまた来ると綾音を励ます。そして綾音を文化祭の本来の場へと誘う。今日は文化祭というお祭りの日、楽しまない手は無い。

 綾音をエスコートしていろんな模擬店を回る悠。お化け屋敷を出る頃には、すっかり元気を取り戻した綾音。だがそこに意外な障害が現れる。エビ・ジョンイルちゃんこと、海老原あい(えびはら あい CV:伊藤かな恵)だ。悠が女の子連れなのを見て、何股かけているのかとのっけから厳しいセリフを吐く。

 強引に悠をどこかに連れて行くあい。綾音とはそこで別れることとなったが、元気を取り戻した今の綾音なら、もう大丈夫だろう。



 あいに連れて来られたところは、なんとなく誰が経営者なのか予想が付きそうな名称の占いの店舗。長鼻って、ベルベットルームのあの男しか思いつかない。そして「マギー」は「マーガレット」という名前の女性に使われる愛称。しかし彼らは高校の文化祭に出店する許可をどうやって得たのだろうか?


 中からは、聞き覚えのある声であいを挑発する女性の声が。ベルベットルームで見た出張先というのは、どうやらここだったようだ。挑発に乗せられ怒ったあいは、姿の見えない女性店主に悠の女性関係を占うよう強要する。


 女性店主「お客様の女関係は……」
 悠 「(喰い気味に)そっとしておけ!!」



 翌10月30日(日)。文化祭2日目。

 いよいよ文化祭のメインイベント、ミスコンが行われる日だ。だがその前に前座の女装コンテストが待っている。我らの男性陣が参戦するこのイベント、果たしてどうなるのだろうか?



 まずは、エントリーナンバー1番、完二。あの暴走族を一人で滅ぼしたという伝説を持つ男が、その硬派で強面のイメージを台無しにした瞬間。マリリン・モンローを意識したデザインであろうか? ものすごい不評と共に湧きあがるブーイング。雪子は本気で美しくしてあげたつもりだろうか? それともやはりモチーフの問題で、どうしようもなかったのだろうか? マリリン・モンロー・ノー・リターン。



 次はエントリーナンバー2番の陽介。ジュネスのガッカリ王子だが、ここでも実は期待していた隠れ陽介ファンの後輩女子たちをガッカリさせてしまう出来だったようだ。何より本人のやる気が無い。この女装コンテスト、陽介以外は凄いやる気揃いなのだが。



 続いてエントリーナンバー3番、主人公の悠。前日に綾音ちゃんを慰めた男らしさをフイにした女装子ぶり。だが意外と似合っていて、本人のやる気満々のテンションも相まって、評価は高い。特に千枝、雪子、りせはその美しさに顔を赤らめるほど(「主人公基本何をやってもモテ設定」のせいとも言う)。男子生徒にも一人、悠の女装を見て顔を赤らめる怪しい隠れホモがいたけど(笑)。


 予定ではこの3人だったはずだが、何とここで飛び入りゲストが登場したという。誰なんだ、こんな恥さらしのグダグダイベントに飛び入り参加する様な物好きは?



 それは、何とクマ(CV:山口勝平)だった!! ペルソナ「アリス」のコスプレに身を包み、メチャクチャ可愛いコケティッシュな様相で舞台に現れたクマ。男女を問わず、会場の全員のハートをぶち抜いた。「アレなら行ける!」という男子生徒の掛け声、うるさい。


 もはや結果は明らかだった。女装コンテストの優勝は、最後に現れて全てをかっさらって行った、クマが獲得する。クマはメイクしてくれた直斗に感謝する。直斗にこんな才能があったなんて……探偵として、時には変装することもあるからなのかもしれない。

 優勝者のクマには、賞品として本編であるミスコンの審査委員長の座が与えられる。クマの優勝を喜んでいた千枝たち。……だったが、審査委員長に収まったクマがその特権を利用して水着審査をすると爆弾発言をする。困惑し、怒り出す千枝と雪子だったが、なぜか同じくエントリーしている悠たちのクラスの担任女教師の柏木典子(かしわぎ のりこ CV:生天目仁美)だけは、チャンス到来と野望に燃えていた。


 そして午後、本番のミスコンの時間。舞台袖で客の入りを確かめるりせ。自分がコンテストに出場するのだから、街中の男がやって来てもおかしくないと思っていたのに、八十神高の生徒しかいないことを不審に思う。何だかんだ言っても、やはりアイドルだった頃の虚栄心が捨てきれないのだ。

 客の入りの謎はすぐに解けた。男子生徒の会話から、この日近くに現役アイドルが映画のロケで来ているという。そのアイドル「かなみん」はりせの後輩で、しかもその映画のヒロインは当初はりせが配役されていたものだった。芸能界を引退したりせの代役でヒロインに収まった後輩が、今では自分よりも人気者として扱われる現実を見て、りせの心は複雑に揺れ動く。


 そしていよいよ本番のミス八高コンテストは始まる。



 エントリーナンバー1番は千枝。好きな食べ物はプディングと可愛らしいウソ模範解答をするが、陽介の「嘘つけ、肉だろ!?」の野次が飛び、あっさりとカマトト作戦は失敗に終わる。ミスコンには否定的だった千枝だが、やはり少しでも可愛く見られたいというのは女の本能なのだろうか?

 続いてエントリーナンバー2番は雪子。もともと男子生徒には高い人気の彼女は、料理が下手、笑いのツボが変という2大欠点以外は完璧超人。着やせするその豊満なボディの披露に、悠も思わず手を合わせて何かに祈りを捧げるほど。



 そしてエントリーナンバー3番はコンテスト大本命の元アイドル、りせ。後輩アイドルに自らのステイタスを奪われてしまったことに気落ちしていたりせだったが、舞台上から見る生徒たちの歓声を聞いて、元気を取り戻す。ファンから元気を貰うというのは、こういう時の表現なのかもしれない。



 「ヤッホー!りせちーだよ〜!!」


 そして完二お待ちかねの直斗の番。……だったが、なぜか直斗は現れない。舞台袖で恥ずかしそうに逡巡する直斗を見て、完二の何かが発動する。



 この日一番色っぽかったシーン。本来の直斗のキャラに無いこの態度が可愛い。完二ならずとも何かが発動した人は多かったはず。


 直斗は結局舞台に上がることが出来ず、無念の棄権となってしまった。だが、直斗なりに頑張ったとその勇気を褒める完二。これで鼻血さえ出ていなければ、決まっていたであろうに。



 陽介「(完二)鼻血拭けよ」


 年増と人外の部分は省略し、いよいよ結果発表。レベルの高いコンテストだけに男性票はバラけたが、女性票はある一人の候補に集中したという。その女性票がものを言い、栄冠はその場にいない、棄権したはずの直斗の頭上に輝く。

 千枝や雪子はサバサバした感じで笑い流すが、年増を押して出場して敗れた女教師の柏木は、同じくどこに優勝できる自信があったのか甚だ疑問の大谷と抱き合って悔し涙にむせぶ。

 そしてりせ。元アイドルで、ポスターでも本命視されていた彼女の心境は?


 イベントが終了し、文化祭も恙無く終了に向かう。各教室でも後片付けが進み、謳歌した祭りの後の寂しさが押し寄せて来る時間帯だ。屋上で携帯を見つめるりせを見つけた悠。りせの見ていたワンセグからは、後輩アイドル「かなみん」の人気ぶりを報道する番組が流れていた。

 りせは迷っていた。ミスコンに負けたこと。そして後輩がかつて自分が占めていた位置でちやほやされていること。そして何よりそれらを無視できない自分がいること。誰もいなくなった音楽室で、今日大舞台で吹けなかったトロンボーンを精いっぱいの努力で演奏する綾音の奏でる音色の響く中、りせの悔しさが綾音の受けたものと同質であることを見抜いた悠は優しくりせを励ます。

 りせにとっては、アイドルのりせちーも自分の一部なのだと改めて思い返す。そして彼女は一つの決意を持って、悠に向き合う。来年の春から、りせは芸能界に復帰することを宣言する。賛同する悠に、マネージャーとして雇ってあげると軽口を言うりせ。だがその言葉は、実は傍に居て欲しいという彼女の本音だったのかもしれない。一度は逃げた芸能界に復帰するに当たって、悠という信頼できる人物を、りせは欲していたのだろうと思う。



 屋上に2人っきりで良いムードを感じていたりせだったが、悠が得意の朴念仁っぷりを発揮してみんなのところに戻ろうと呼び掛ける。その空気の読めなさっぷリに辟易しながらも、そんな悠にりせは更に惹かれて行く……



  エンディング



 以下、次回!



 今回はまたもお笑いパートの文化祭編。これは1回で終わらせるのはもったいないと思っていたけど、文化祭の後の温泉イベントは次回に残したらしい。これは温泉、お泊りと今回とはまた一味違った面白い展開で、文化祭の後の余韻を引き受けるに充分なお話だ。温泉に入浴という、お兄さん方が喜びそうな展開もあるぜよ。

 それにしても綾音ちゃんは健気だったよねぇ。綾音ちゃんの泣くシーンでは、前回の感動が受け継がれていた。今回の展開を持って太陽コミュは綾音ちゃんで行くことになったようだ。今回で絆を結べたことは、エンディングの最後で太陽のタロットカードが見えていたので間違いないと思う。なお、今回のヘタなトロンボーンの演奏をしていたのは、本作の音楽監督の目黒大明神とのこと。これもエンディングで確認した。


 実はネタバレなのだが、この後はちょっとシリアスな展開が続くこととなる。アニメはおそらく原作ゲームにおけるベストエンディングに準拠した展開を放映することになると思う。

 お笑いパートは次回でしばらく見られなくなりそうなので(12月のクリスマスイベントが見れたらベストへの展開)、じっくりと楽しむことにしよう。2クールの放映とすると、残り5話から7話ほどしか残されていない。残された大事な1話1話を、気合いを入れて観たいと思う。


 最後に完全に余談。本作は放映中に毎回、ツイッターで呟くお題が出されるのだけど、私は毎回答えている。今回は光栄なことにスタッフの足立Pにリツイートして頂けた(今回のお題は「#P4Aファンの文化祭の思い出」)。ツイッターをやっている人は、そこらへんにも注目してみて欲しい。

  • アニメ「ペルソナ4」 -Persona4 the ANIMATION- 公式アカウントはこちら

  https://twitter.com/#!/P4_A



 次回「We'll all meet at the AMAGIYA Hotel(天城屋旅館で逢いましょう)」に続く。



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