『ペルソナ4』第8話「We've lost something important again(俺たちはまた大事な何かを失った……)」の感想

 遅くなってしまったが、恒例のテレビアニメ『ペルソナ4』を観ての感想文、今回は第8話「We've lost something important again(俺たちはまた大事な何かを失った……)」の感想を書きたい。

 もし感想を待っていて下さった方がいればお詫びしたい。と同時に、待っていて下さってありがとうとお礼を言いたい。今回は面白い上に書きたいことが一杯あって、却ってなかなか手を付けられない回だった。


 今後のストーリーの根幹に関わる大きなネタバレは避けていますが、少しのネタバレも観たくない方は、閲覧にご注意下さい。


  • 前回の

『ペルソナ4』第7話「Suspicious Tropical Paradise(あ・や・し・い 熱帯天国)」の感想
 はこちらから。


【原作ゲームを含む関連記事】

 主人公・鳴上悠(なるかみ ゆう CV:浪川大輔)が夢の中で訪れる意識下の空間、ベルベットルームにはまたも主(あるじ)であるイゴール(CV:田の中勇)の姿が無かった。2度目のハプニングを前回同様、妖艶な笑みを浮かべて喜ぶマーガレット(CV:大原さやか)。

 そして彼女の仕事、悠の新たな力を説明する。前回のきっついホモホモワールドの世界から後輩の巽完二(たつみ かんじ CV:関智一)を救出した悠は、新たな力・皇帝のアルカナを得た。悠の底知れないワイルドの能力に興味を抱いたマーガレットは、誘うような目つきでこうつぶやく。


 「貴方のこと、もっと知りたくなってしまったみたい❤」


 新展開が訪れそうではあるが、健全な高校生の悠にこの夢はまずい。



  オープニング



 6月13日(月)。あいにくの蒸し暑い曇天模様の空の下ながら、そんなことは気にせず好物の「緑のたぬき」を美味しそうに啜(すす)る里中千枝(さとなか ちえ CV:堀江由衣)。校舎屋上に集った連続殺人事件特別捜査隊の一行は、めいめいおやつにカップ麺を食す。

 天城雪子(あまぎ ゆきこ CV:小清水亜美)と千枝との華やかなガールズトークを見つめる花村陽介(はなむら ようすけ CV:森久保祥太郎)と悠。2人は校内でも五指に入る美女たちの夏服に見とれる。


 陽介「やっぱ、いいよな〜♪」

 悠 「ああ、いいな!(即答)」


 陽介のその目線や物言いを「やらしい」「キモい」と非難する女子陣だったが、なぜかその批判の矛先は悠には向けられない理不尽さ。ガッカリ王子と本物の王子様に対する女子陣の仕分けのシビアさが窺える。


 梅雨時は雨の日が増え、マヨナカテレビの発生確率も跳ね上がる。彼ら特別捜査隊としてはチェックが欠かせない状態の日が増えることとなる。そんな中でも、今週末だけは晴れて欲しいと言う陽介。

 その理由を問う悠に、週末には学校行事の林間学校があることを告げる。テレビの中の世界に入るにはテレビが無いと無理だが、キャンプ先にテレビがあるとは思えない、持参する訳にもいかない、そもそもジュネスのテレビ以外ではどこに繋がるか分からない、という訳で、学校行事に縛られる学生としては、林間学校中に事件が起こっては困るのだ。



 高校生活における楽しい一大イベントを前に、陽介もなぜかドヤ顔。旅先で大事な何かを失うことになるとも知らずに……。



 6月16日(木)、林間学校前日。飯盒炊爨(はんごうすいさん)の食材を求めジュネスにやって来た一行。女性陣と悠との相談でカレーに決まる。同じ要求をしながらウザがられる陽介が哀れだ。

 転校組の悠と陽介は八十神高校の林間学校は初めてだった。買い物の合間に、昨年の経験者の千枝からその活動形態や醍醐味を教わる。夜はテントで寝るという話を聞き、俄然張り切る陽介だったが、当然ながら男女別の編成だ。

 ガッカリするガッカリ王子だったが、昨年は千枝たちが近くの河原で水遊びしたという話を聞き、また張り切りだす陽介。何かを思いつき、勝手知ったるジュネスの店内をどこかに走り去ってしまう。


 しばらくして紙袋を提げて帰って来る陽介。買い物に夢中の女性陣に待ちぼうけを食っていた悠と合流する。老舗旅館・天城屋の娘である雪子に食材は任せておけば安心だろうと言う陽介。結論から言うと、ここで女性陣を勝手に行動させたのは彼らに大いなる禍根を残すこととなる。



 帰宅する悠を、今日も可愛いいとこの菜々子(ななこ CV:神田朱未)が迎える。何気に菜々子も夏服になっている。ジュネス大好きの菜々子は、ジュネスの買い物袋を見ただけでご機嫌になり、テーマ曲を歌い出す。この無邪気さがたまらん。

 林間学校で明日は帰れないことを、申し訳なさそうに告げる悠。連続殺人事件の捜査に掛かりきりで忙しい父の堂島遼太郎(どうじま りょうたろう CV:石塚運昇)も帰りが遅くなるはずで、明日の夜は菜々子は一人ぼっちの夕食を送ることになる。

 悠を安心させるために、一人でも平気だと答える菜々子。この健気さがたまらん。

 そんな菜々子を元気づけようと、悠は渾身の芸を披露する。




 誰もがやったことのある単純なタネの輪ゴムの手品だったが、とても無邪気に喜ぶ菜々子。嬉しそうに、不思議そうにもう一回やって欲しいと悠におねだりする。この素直さがたまらん。

 明日に来るであろう寂しさを紛らわせながら、悠と菜々子の楽しい夜は更けていく。



 6月17日(金)。林間学校1日目。悲劇が特別捜査隊の一行を襲う。というか、陽介を襲う。



 千枝と雪子の作ったカレーを食べたとたん、謎の言葉を残して陽介は息絶えた。事情が分からないながらも、その原因が紫色の煙を上げるカレーにあることは明らかだった。だが確認のためなのか何なのか、悠にもカレーを食すことを強く望む女子陣。

 期待感を胸に見つめて来る女子陣を前にして後に引けなくなった悠。前回の段階で、勇気パラメーターが「怖いものなし」になったはずなのに、匙を持つ手が震える。


 そして、新たな悲劇が……!!



 危うく蘇生した男性陣(雪子のペルソナが蘇生魔法「リカーム」を覚えるのはレベル26。レベルは足りていたのだろうか?)。辛いとか甘いとかいうカレーにありがちな感想では無く、クサいとしか表現できない毒物の摂取を強要されたことに怒り心頭に達する陽介。

 それにしても、千枝はともかく雪子までこれほどまでに料理が下手だったとは。旅館の次期女将というのに……というか、天城屋の将来が心配される。彼女たちが愛情を込めるために使った食材に関する知識、決め方が、聞いてみるとこれまた恐るべきものであった。


 千枝「薄力粉と強力粉、どっち?」

 雪子「強い方がいいよ、男の子いるし」(超絶雪子理論)


 誤まった知識にさらにうろ覚えの知識、それに独自の嗜好で勝手に食材を変えてしまう彼女たちの料理は、カレーの概念が根本から根腐れを起こすほどに間違っていた。



 「コーヒー嫌いだから、コーヒー牛乳入れよう」


 「魚介も入れよう。イイ出汁(だし)でるよ」


 カレーにコーヒーや魚介という知識は間違いではないけれど、それに当たってコーヒー牛乳と生ナマコを使用するのは犯罪だ。

 その場のノリで購入したコーヒー牛乳と生ナマコ入りカレーに絶望した陽介。女子陣は反省するが、彼らのまともな昼食はもはや望むべくもない。

 しかしその毒カレーに興味を抱く人物が現れた。体型からして大食を連想させる、大谷花子(おおたに はなこ CV:阿川りょう)さんだった。産廃並みに毒カレーの処理に困っていた一同は、一も二も無くそれを大谷に与える。美味しそうにそれを食する大谷、恐るべき食への探究心だった。



 そんな頃、林間学校に設置された救護テントでは、保健委員たちが一人の生徒について噂し合っていた。それは姉である小西早紀(こにし さき CV:なかせひな)を殺害され、同じ保健委員でありながらいろいろな作業が免除されていた小西尚紀(こにし なおき CV:代永翼)のことだった。

 本人がすぐ隣にいるというのに無神経な発言をする保健委員たち。それでいて何か仕事を割り振って欲しいという尚紀の要求には気を遣って何もさせようとしない。尚紀にとっては姉のことで要らぬ同情を受けることは何よりも苦痛だった。

 腫れ物に触るような態度で尚紀を敬遠する他の保健委員を見て、尚紀はますます姉を失った悲しみの方向に心を閉じて行く。



 小西尚紀。1年生。小西酒店の息子で、連続殺人事件第2の被害者、小西早紀の弟。姉弟だけあって顔立ちが良く似ている。大型店舗であるジュネスの進出によりさびれる一方の商店街の住人として、また姉である早紀に慣れ慣れしく付きまとっていたとして、ジュネス店長の息子である陽介に対して憎悪に近い感情を抱いている。商店街仲間の完二とは実は昔よく遊んでいた。主人公に影響を及ぼすアルカナはハングドマン(刑死者)。「JOJO」でいうところのJ・ガイル(両手とも右手の男)。



 救護テントに一人残されて落ち込む尚紀のもとに、毒カレーに胃をやられた陽介と悠が病人として訪れた。尚紀を知る陽介は、彼から向けられる厳しい視線に気まずそうに顔を背ける。

 胃薬を渡す際、尚紀は悠に自らの名を告げる。名字とその良く似た外貌から、陽介の想い人だった早紀の関係者であることを一瞬で気付く悠。陽介のみならず、尚紀は悠にまで憎しみの怨差(えんさ)をぶつけて来る。


 尚紀と別れた後に場所を替え、陽介が尚紀のことを悠に説明する。事件の後は一人でいることが多くなったという尚紀。そこに現れた完二。なにやら木の陰から2人を呼びつける。


 昼食が台無しになった千枝と雪子は、なんと中華料理店・愛家の出前を取っていた。いくらどこにでも出前することが信条の愛家とはいえ、どうやって店舗からここまで料理を調達したのだろうか?



 愛家の出前娘・中村あいか(なかむら あいか CV:悠木碧)は確かに高校のクラスメイトだから、いてもおかしくないけどねぇ……。夕食も頼むことになりそうという千枝に対し、お得意様を相手に「毎度〜」と返答する口調が可愛い。


 完二に連れられてそこにやって来る悠と陽介。愛家の出前のおかげで、飢えをしのげた一行。林間学校という場におおよそ完二は相応しくないが、進級のためにやって来たと語る。完二の恐怖の暴力伝説自体は未だに校内に残っている訳で、彼を恐れないのはこの特別捜査隊のメンバーぐらいだ。


 1年生の完二に、同学年の尚紀について何か知っていることは無いかと質問する悠。完二は近所に住む幼馴染みとして、尚紀のことはよく知っていた。だが最近は疎遠でクラスも違うということで、残念ながら重要な話は聞くことが出来なかった。


 陽介から役立たず扱いされて、カチンと来た完二は行動に移る。何と腕ずくで尚紀を一同のもとに連れて来たのだ。話しにくそうな陽介たちだったが、単刀直入に切り込むキングオブKYの悠。


 悠 「クラスで浮いているのか?」


 直球どストレートな質問にあたふたする周囲だが、なんとその真正面からの物言いが逆に尚紀の感情の琴線に触れた。姉の件で周囲からは気遣われてばかりいた彼にとって、そのようなことを忘れさせてくれるストレートなまでの物言いは、むしろ心地よかったのだ。


 心情をとつとつと語り始める尚紀。被害者の家族として気を遣われ、被害者の家族としてこうあるべきという周囲からの押し付けがましい視線に疲れてしまっている現状を明かす。


 そんな尚紀に愛家の出前で届いた肉丼を勧める悠。打ち解けて話すには美味しいものを食べながらという悠の粋な計らいだったが、実はそれは完二のおかわり分だった。フレーム外から抗議する完二だったが、女性陣に「空気を読め」とばかりに止められて、その抗議は無かったことに。


 食後、悠に対してさっきの非礼を詫びる尚紀。自分を被害者の家族という形で遇しなかった久しぶりの人に出会えて、尚紀も嬉しそうだ。またの再会を約して、尚紀は去っていく。心なしか今までよりも元気な足取りで。

 その様を見て、連続殺人事件の犯人に対する怒りを再認識し、必ず事件解決をと誓い合う特別捜査隊の一同。連続殺人事件は被害者だけでなく、その遺族にまで様々な苦しみを与え続けているのだ。



 ここでCMアイキャッチ。知識と寛容さが上がっている。毒カレーから「アレは食べてはいけないモノ」という知識を得て、無礼な態度だった尚紀を許し、肉丼を与えたことで寛容さを増したということらしい。あの肉丼は完二のなんだけどね……。本当に上がったのは完二の寛容さだったはず。



 林間学校のメイン、奉仕活動としてゴミ拾いをしながら事件を振り返り、犯人を特定する推理を行う特別捜査隊。4番目の被害者として男性の完二が対象となったことで、被害者=女性という仮説は崩れた。

 最初の犠牲者、山野アナウンサーの愛人と噂されていた生田目(なまため)という男が市会議員秘書を辞してこの稲葉市に戻ってきていた。今は運送業を始めているという情報が浮上したが、彼には完全なアリバイがあり、事件とは関係が無さそうだった。


 有力な情報がなかなか出てこない。そんな中、雪子が思いついたある「気付き」を語る。事件に巻き込まれる前、被害者は全員、何らかの形でテレビに出演していたというのだ。

 生田目と不倫疑惑のあった山野アナはワイドショーに、そして山野アナの死体の第一発見者の小西早紀はニュースのインタビューに、そして自分自身(雪子)も旅館特集のテレビ番組に出演し、完二も暴走族を壊滅させた伝説の高校生としてテレビに特集されていた。

 全員が行方不明前にテレビで報道されたという、今度こそ因果関係がありそうな共通点に思いが至った。その仮説に立てば、次に犯人に狙われるのは、テレビで取り上げられた人物ということになる。犯人の目的は未だ不明だが、テレビに注目するという捜査の足掛かりは出来たと言えそうだ。

 推理に夢中になり、奉仕活動をおろそかにして担任の諸岡金四郎(モロキン CV:龍谷修武)にこっぴどく怒られるというオマケ付きではあったが。



 そして良い子も悪い子もお待ちかねの、夜の林間学校。



 悠のテントには異様な緊張感が漲(みなぎ)っていた。眠れない状態が続く。悠と陽介の間に収まり、川の字を形成しているのは、なぜか下級生の完二だった。前回、テレビの中で見たガチムチな完二の心の影を思い返し、いろいろ男としての危機意識を抱く陽介と悠。意を決して、完二にその辺の真相を聞き出そうとする。


 悠 「俺たち今、貞操の危機?」

 完二「そそそ、そんなんじゃねぇっ!!!」


 あたかも図星を突かれたかのように激しく動揺する完二。完全否定の言葉を聞いたというのに、聞く前より恐ろしくなる悠と陽介。女より男好き、ヘテロよりホモという疑惑を、心を許す先輩方に持たれて傷ついた完二。


 完二「先輩、俺のこと受け入れてくれたんじゃ?」

 悠 「夜はパスで(キッパリと即答)」


 誰も信じてくれないことに絶望した完二は、性的な意味で健全な男であることを証明するために女子のテントに突撃することを宣言する。陽介は停学になることを心配して止めるが、悠は強い言葉で後押しする。


 一方の女子たち。千枝と雪子たちも男子たちとは別の意味で眠れなかった。その原因は同部屋(同テント)の大谷のいびきだった。殺意に満ちた目で大谷を睨み、鼻と口を塞いで強制的にいびきを止めようとする雪子。親友の殺人行為を慌てて止める千枝。

 そこにテントの入り口を開けて何者かが侵入して来る。2度のビンタの音と首の骨の鳴る音を響かせた後、静かになる侵入者。


 完二の帰りを待っていた悠と陽介のテントを訪れたのはなんと、千枝と雪子だった。女子が男子のテントに来るなど、モロキンに見つかればタダでは済まない。彼女たちが言うには、完二がやって来て、いきなり気絶してしまったのでテントに帰れないという。ビンタの音と首の骨の鳴る音に関しては何も語らない2人。


 そこに心配していた、モロキンの巡廻がやって来る。慌てて明りを消し、毛布にくるまって隠れる4人。




 図らずも陽介・千枝ペアと悠・雪子ペアになってしまう。これがアニメスタッフの公式カップリングなのかな? まだヒロイン候補は何人か出て来るというのにねぇ。千枝ちゃんも含めて主人公のハーレム状態というゲームみたいな展開には、やっぱりならないかな?


 酔っぱらっているモロキンはテント内を厳密に確認することなく去っていく。命拾いした4人。改めて今晩の身の振り方を相談するが、今晩はやむを得ずテントを同じくして眠ることになった(もちろん男女は厳密に分けられた)。

 だがまぁ、寝られる訳も無く。


 完二は気絶したまま、寝ぼけた大谷に抱きしめられて朝を迎えることとなる。これでまた女が苦手になったらどうするの? と思ったが、何だか幸せそうだったり。気付いた時が地獄だと思うんだけど。



 6月18日(土)。林間学校2日目。現地解散の後、昨年千枝と雪子が遊んだという河原に行く特別捜査隊5人。悠が疲れ切った完二に昨晩は眠れたのかを聞くと、激しく動揺する。やはり大谷と添い寝したことがショックだったらしい。



 前回までにキャラ紹介できなかったので、ここで完二の紹介。巽完二。1年生。遅生まれなので、これでもまだ15歳。大柄で喧嘩最強だが、帽子の少年と出会ってから、何だか心が変なの。それ以来、愛読書は「さぶ」「薔薇族」などに偏る(これはウソ)。外見に似合わず小さく可愛いモノが好きで、趣味は編み物。ぬいぐるみや編みぐるみを作るのが得意。頭は悪いが性格は一本気で真面目。長幼の序をわきまえ、生物的には強いはずだが悠たちにも敬語で接する。母親思いで暴走族を壊滅させたのも騒音に悩む母のためだった。実家は商店街の染物屋・巽屋。左小鼻と両耳にはピアス。主人公に影響を及ぼすアルカナはエンペラー(皇帝)。「JOJO」でいうところのホル・ホース(J・ガイルと協力していた、どこか憎めない敵)。


 陽介はみんなで泳ぐことを提案するが、女子はその邪(よこしま)な魂胆に気付き、拒絶の意思を表す。だが陽介はひょうひょうと、毒カレー事件で女子に貸しを作っていたことを告げる。それを出されると弱い千枝と雪子。

 拒否の理由を水着が無いことに変更しようとするが、それも陽介の想定の範囲内であった。ジュネスの新作水着を2着、ちゃんと持参して来ていた。林間学校前日の買い出しの折、陽介が場を離れたのはこれを調達するためだったのだ。女子が水遊びを断る理由は、これで奪われた。


 着替えする女子が待ち遠しく、イライラして待つ陽介。一方、悠は子どもの日に叔父の遼太郎にもらった水着を完二に褒められてご機嫌になる。



 悠「ハイカラだろ?」  完二「ハイカラっすねぇ!」


 そこに着替えを終え、恥ずかしそうにやって来る千枝と雪子。



 ところで陽介はどうして2人のサイズを知っていたのだろう?


 悠 「2人とも、似合ってる」


 ジゴロぶりを発揮する悠に、口では悪態をつくが、顔を赤らめつつまんざらでも無い2人。しかし陽介の不用意な言葉で2人の怒りを買う。さらにその言葉に悠が同調してしまい……




 崖から蹴り落とされる悠と陽介。素の表情で落ちていく悠。


 さらに女性慣れしていない完二が2人の水着姿を見て鼻血を垂らしていることに気付いた潔癖症な雪子は、不可抗力にも関わらず、完二をも容赦なく崖から突き落とす。



 冷たい渓流に落とされた哀れな3人組に、更なる不幸が襲いかかる。昨晩の深酒が祟ったのか、モロキンが上流で激しく胃の内容物を嘔吐していたのだ! その事態に気付いた3人が叫び声を上げるが、時すでに遅し。



 崖から落とされた時ですら冷静だった悠も、この時は嫌悪の感情が顔に出ている。



 散々な想い出を最後に残し、帰宅の途に着く一行。酸っぱい臭いをさせながら、穢れてしまった身体を震わせる悠たち男子陣。


 陽介「俺たちはまた大事な何かを失った……」


 夕暮れが迫る林道、そこで一行の前を塞ぐように現れたのは大谷だった。頬を赤らめ、うるんだ瞳で完二を見つめるその姿は、いかにもこれから大事な何かを告白する姿に見えた。完二以外はものすごい速度で山中に消え(このシーン爆笑)、その場には昨夜抱き合って眠った2人が残された。

 すわ告白か!? ……と思わせておいて、大谷が告げたのは上から目線の交際お断りのセリフだった。いつの間にやら完二が振られる側になってしまうという大どんでん返し。


 大谷「昨日の夜のことは、忘れて」(キラキラさせながら)

 完二「なんじゃ、そら〜っ!?」


 崩れ落ちる完二の叫び声を残し、去っていく大谷。


 悠 「そっとしておこう……」


 そっとしておく一同。



  エンディング



 今回のエピローグ。いろいろな青春の思い出を胸に帰宅した悠。いつも通り、明るい笑顔で迎える菜々子が、悠の帰宅を待っていた。



  以下、次回!



 今回は本当にいろんな要素がぎゅーぎゅー詰めの内容だった。エピローグが数秒で終わってしまうぐらい。尚紀とのコミュは、原作ゲームとはちょっと違う形で進行したが、林間学校と同時に済ませてしまうならこういう形になるかな。尚紀の持つ悩みや諦観、そして姉の死から立ち直る過程はなかなかいい話なので、もう少し掘り下げが欲しかった気がするが、やはりスケジュール的に難しいのだろう。今後描かれることがあれば、もちろん大歓迎。

 刑死者にはマカミ、オルトロス、ヤツフサといった可愛い犬系のペルソナが揃っているので、結構重要なポジションなのだ(私的に)。



 尚紀のアルカナ、刑死者のカードを入手する悠。余談だが、刑死者の英名・ハングドマンは直訳すると「吊るされた男」。タロットカードには逆さ吊りにされて処刑された男の姿が描かれている。


 大谷さんは面白いキャラで、次は10月の文化祭にも絡んで来る。この時のエピソードも面白くて好き。いかにもコミュを築けそうな異形のキャラなんだけど、果たしてその辺はどうなるのか? ただ今回のオチは酷すぎ。原作に無い展開なんだけど、これは完二の女嫌いに拍車がかかるオチでしょ? すんげー面白かったけどさ。

 完二のおっとっとの話が無かったのは残念だったけど、愛家の出前をここでもって来るとは思ってもみなかった。面白い試みだと思うし、愛家の肉丼を食べて尚紀と主人公が打ち解けるという原作にある展開を用意するという粋な展開も嬉しかった。


 次回はいよいよ次の仲間が登場する。ヒロイン候補バリバリ本命がまた一人増えるよ(中の人的にも「ほっちゃん」や「あみっけ」に勝るとも劣らない大物声優)。悠のハーレム状態にもますますターボがかかるはずだ。



 次回「No one sees the real me(誰も本当の私を見てない)」に続く。



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