『イナズマイレブンGO』第38話「解き放たれる太陽の化身!」の感想 【信助の化身も解禁されたよ】

 2月最初のブログ更新。

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGO』第38話「解き放たれる太陽の化身!」を観ての感想を書く。サッカーをプレーすることが出来なくなったはずの親友が敵として目の前に現れる。松風天馬(CV:寺崎裕香)の心境やいかに。



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、

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 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 ついに準決勝の日が訪れる。会場へ向かう列車を待つプラットフォームで、今さらのようにここまで来た事を自覚しておののき出す速水鶴正(CV:吉野裕行)。そういうことに対してはあまり感情を見せない倉間典人(CV:高垣彩陽)が、その態度を突き放す。速水の動揺を鎮めるように話し出すキャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)。

 速水に、そしてチームの全員に革命成就のため檄を飛ばす神童を見て、泣き虫だった頃の過去と比較してすっかりキャプテンの自覚が備わったことを、顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)と監督の鬼道有人(CV:吉野裕行)の兄妹2人は親目線で感心する。

 革命の思いを前監督の円堂守(CV:竹内順子)にも届けたいと心境を語る天馬と西園信助(CV:戸松遥)、マネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)の3人。

 そこにいつものように、対戦校の選手たちが向かいのプラットフォームにやって来る。初めて生で見る、新雲学園の選手たちの姿に身を引き締める天馬。



 個人技、組織力など全てにおいてパーフェクトの対戦相手・新雲学園。監督は何と女性。それもかなりの美女だ。学校の状態からして、残念ながらフィフスセクターの手先のようだが。


 強敵の特性を神童が解説するが、春奈はさらにその中には10年に一人という凄い天才の選手がいるという。誰がその逸材なのかを値踏みする狩屋マサキ(CV:泰勇気)。ハッキリしたことは春奈にも分からないらしい。ただ候補として、得点王のごっついとんがった顔の根淵海友(ねぶち うみとも)、同じくFWの真住火朗志(まずみ ひろし)、そしてGKであり、今大会最少失点のキーパー、佐田土佐丸(さた とさまる)の3人のうちの誰かではないかと語る。

 いずれ劣らぬ猛者ぞろいだが、神童は新雲学園の選手たちを見据え、どんな選手がいようと、自分たちの理想のために精いっぱい戦うだけだと力強く宣言する。キャプテンのその言葉に、負けないほどの力強さで応える雷門イレブン。



  オープニング



 いつも向かい合わせで嫌な思いをする列車での移動シーンを省き、場面はいきなり準決勝の舞台「デザートスタジアム」に移る。余談だが、Desert(デザート)=砂漠の意味。さらにちなみに料理のデザートのスペルは「Dessert」。



 その名の通り、ピッチの地面は全て砂地であり、一見プレーはしにくそうに見える。それを確認する浜野海士(CV:金野潤)。だが動いてみての感触は土のグラウンドと変わりないということをジャンプして確認する速水。プレー自体にはこの砂地は影響なさそうだ。だがチーム1の心配症の霧野蘭丸(CV:小林ゆう)は、これまで通りどんな仕掛けがあるのか分からないと警戒する。神童もその言葉に同意する。

 そんな中、フィールドへ向かう選手が一人いた。エースの証である11番を付けたその選手、ユニフォームは新雲学園のものだった。先ほどのプラットフォームでの対面では姿が無かったその選手、一体何者なのだろうか。

 その選手はピッチの確認に熱心な雷門の選手を横目に、仲間である新雲学園の選手たちと合流する。その会話、そしてその選手の名を聞いた天馬は、引き込まれるようにそちらを見やる。「太陽」。確かにその選手はそう呼ばれた。その名前は天馬にとって特別な意味を持つ名前であった。



 振り向いたその顔は、やはり天馬の良く知る、雨宮太陽(CV:江口拓也)のものであった。太陽が敵である新雲学園の選手であったことにも驚くが、前回病院で久遠冬花(CV:戸松遥)から聞かされていた衝撃の事実と照らし合わせ、今ここにサッカープレーヤーの姿でピッチに立っている太陽の姿は、天馬には信じ難いものがあった。太陽は幼い頃からの持病で、激しい運動はご法度(はっと)のはずなのだ。その太陽が、敵としてサッカーをしようとしている。

 大いに混乱する天馬。太陽の出現に沸く新雲学園の様子を見て、一目で只者ではないと見抜いたのだろう、蘭丸が春奈に太陽のプレーヤーとしての情報を尋ねる。名前は覚えているものの、ここまで出場機会の無かった選手として春奈はノーマークだったらしい。雨宮という名字にどこかで聞いたような気がする神童。手持ちのPCで精査する春奈。3人とも、突如現れた敵の新戦力に警戒心を抱く。


 両校の試合前の練習が行われる中も、天馬の関心事は太陽の病状だった。太陽の相手をしていた佐田の蹴ったボールが大きくそれ、天馬の元に飛んで来る。受けようとする天馬の前にすごいスピードで現れ、ボールを渡さない太陽。

 天馬の傍にやって来た太陽。彼は天馬と話がしたかったのかもしれない。おそらくは佐田の蹴った段階から天馬に近づくための作為だったのだろう。今までと変わらない元気な声、そして笑顔で天馬に語りかける太陽。一方の天馬は太陽の病気が気になって余裕などない。冬花から聞いたことを太陽に告げると、太陽はあっさりと自分の病気がサッカーには耐えられないものであることを認める。

 だがサッカーが好きだという思いは、その病魔でも止められないことを明かす。幼い頃から病気と付き合いながらもボールを蹴り続け、それこそが彼の生きがいとなっていた。だが、病状が悪化してサッカーを禁じられてしまう。病床の上で太陽が観たもの、それが雷門のサッカー、そして天馬のプレーだった(太陽が観ていたテレビ画面で確認したところ、対帝国学園戦の試合)。それを観た太陽のサッカーへの思いは、もはや誰にも止められはしないものとなっていた。例え病気がこれ以上悪化し、命が脅かされるとしても、だ。

 その雷門に勝って優勝する、そのために病気にも勝ってみせると宣言する太陽。そこまで自分との戦いを重視してくれている太陽の思いを受け、一瞬言葉に詰まる天馬。だが彼にもサッカーに革命を起こすという大事な使命がある。負ける訳にはいかないのだ。お互いの譲れないものを賭けて戦うことになると察した太陽は、嬉しそうな笑みを浮かべる。

 先発メンバーが発表されたが、前回あれほどまでにキーパーとしての特訓を行った信助は、残念ながらキーパーとして出場することは叶わなかった。信助も自分がまだまだ正GKの三国太一(CV:佐藤健輔)には及ばないことを自覚しているので、残念がる葵の態度にも謙虚だ。まぁそもそも出られない一乃七助(CV:折笠富美子)や青山俊介(CV:高垣彩陽)と比較して、フィールドプレーヤーとして出られるのだから、腐ることは無いよな。





 試合直前の両チームの布陣。雷門の座敷わらしーズはまたも揃ってベンチウォーマーに。あと速水がこのところずっとベンチの常連となっていて残念。浜野は幻影学園戦で痛めた脚の影響も無さそうで良かった。スケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)に痛めつけられた腕も大丈夫そう。一方の新雲学園は3−4−3の超攻撃的布陣。10番の得点王・根淵は「イカ娘」のような髪形の人間離れした異形の姿だが、おそらく三又矛(トライデント)が髪形のモチーフになっているのだろう。彼に限らず、今回の相手はギリシャ神話がモチーフになっている選手が目立つ。太陽はその名の通り太陽神アポロンがモチーフで、良く見ると髪形も太陽のようだし。新雲学園はいろいろと、かつての世宇子中学にダブる。だがそれにしても4番の髪形は訳が分からない。シムシティの道路みたいだ。


 そして驚くべきことに、新雲学園は1年生であり、この試合がホーリーロード初出場という太陽がキャプテンマークを付ける。精神的にもチームの支柱であることを言外に主張するかのようなこの選手起用を見るにつけ、太陽が陣取るこの布陣こそ、新雲学園の真の姿なのだと想起させる。雷門の選手陣も、太陽のキャプテン起用には驚く。

 そこに追い討ちをかけるように、情報を収集していた春奈がベンチで驚愕の声を上げる。新雲学園にいるという、10年に一人の天才とは、まさに太陽を指し示しているということが判明したのだ。どよめく雷門、そして天馬の胸の内を知ってか知らずか、余裕の表情で屈伸運動をする太陽。その目はこの会場のVIP席にいる、ある男に向けられていた。

 VIPルームではこの試合を見つめる4人の姿があった。聖帝・イシドシュウジ(CV:野島裕史)は宇都宮虎丸(CV:釘宮理恵)に命じて医療班を準備させていた。太陽の病状を考えてのことだろう。そのイシドの左には白いスーツの紳士・千宮路大悟(CV:川島得愛)と、その千宮路に良く似た人物が立っていた。



 【追記】白雪姫子さんと春香さんからの情報で、千宮路大悟の隣の男性は息子の千宮路大和という名前だそうです。おそらくはサッカープレーヤーだろう。親子揃って、敵として雷門の前に立ちはだかることになるのか?


 傲岸不遜(ごうがんふそん)な態度で、最高権力者であるイシドに対応する千宮路。虎丸が無礼者を見るように目を向けるが、一顧だにしない。彼が語るには、イシドを聖帝にしたのは自分だというのだ。それが真実だとすれば、その尊大な態度も理解できなくもない。フィフスセクターにおける本当の権力者は、実はこの男だったのだ。


 観客席には、前回信助を指導してその潜在能力を引き出した月山国光の南沢篤志(CV:梶裕貴)と兵頭司(CV:三戸耕三)の2人の姿があった(本当の意味での友情出演)。雷門の勝利を見るために駆けつけたのだろう。



 中央左が兵頭、右が南沢。完全に余談だが、兵頭をツイッター上で見かけたのでフォローしたのだけど、何故か無視され続けている。私がこのブログであまりにオッサン呼ばわりしまくったせいだろうか?


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 それら外野が見守る中、ついに試合が開始される。雷門のキックオフ。倉間の前に真住が立ち塞がるが、倉間は抜き去る気満々で臨む。だがそこにこの会場のギミック(仕掛け)が牙をむく。フィールドの砂が突然横に流れ出したのだ。



 足を取られるどころの話では無い。身体ごと、ボールごとラインの外に流しだされてしまう倉間。これがデザートスタジアムのギミック、「流砂」だ! どうでもいいけど、「サイクロンスタジアム」の時も会場のギミックの最初の犠牲者は倉間だったよね。会場ギミックに対しても咬ませ役を果たす倉間が健気だ。

 労せずしてボールを確保した新雲学園。スローインから、早くも最大マークの対象、太陽にボールが渡る。太陽はボールを持った瞬間から、病気だとは思えないものすごい瞬発力で神童を抜き去る。あの実力者の神童が、構える間もなく抜かれてしまう様を見ても、太陽の実力の程が窺える。



 太陽の実力を認めつつ、行かせる訳にはいかないと前を塞ぐ天馬。向かい合った2人の胸に、あの初対面の病院でサッカー遊びに興じた楽しかった思い出が去来する。天馬と試合で戦う事が夢だった太陽は感無量の表情を浮かべる。だがそこにまたも流砂が巻き起こる。ボールごと流され始める太陽、そして天馬。

 太陽はそのギミックをさっき初めて知りながら、その対処法もすでに思い描いていた。大きくボールを蹴り出す太陽。誰もいないところに蹴り出されたボールは流砂に乗って太陽の走り込むちょうどその地点にボールを運ぶ。極めて優れた状況判断能力、クレバーなプレーを見せる太陽。

 太陽の突進を止めようとする狩屋。だが太陽は素晴らしいスピードで狩屋に何もさせないまま抜き去る。そして蘭丸、天城大地(CV:奈良徹)といった雷門が誇るDF陣を物ともせずに突き進む。そしてゴール前、キーパーと1対1の場面を自ら演出する。

 太陽の背中からオーラが湧き起こる。これは化身発動の前兆だ。




 やはり太陽は化身使いだった。化身「太陽神アポロ」を現出させた太陽は、シュート体勢に入る。三国も必殺技「フェンス・オブ。ガイア」で迎え撃つが、この技もすでに化身の前にはザルと化している。残念ながら、ハラハラしてこのシーンを観ていたちびっこは皆無だろう。



 やはり三国はゴールを割られ、先制点は新雲学園が挙げる。肩で息をする太陽の姿をモニター越しに観ているイシドは、太陽が化身を使ってシュート出来るのは、後一度だと喝破する。


 フィールドでは、自らの必殺技が全く通用しなかった太陽の化身のパワーに三国が舌を巻いていた。自分一人では止められないことを今の一撃で見切った三国は、DFの皆の力が必要だと、集まった信助たちDF陣に告げる。それを確認した攻撃の側の担当者、神童も点差がまだ1点だということを攻撃陣に告げて鼓舞する。


 1点を奪われた雷門のキックオフで試合再開。だがギミックの流砂が雷門の前に立ちはだかる。さらに太陽の力を信用してか、新雲学園は太陽一人を敵陣に残して防御に余念が無い。ボールを回して活路を見出(みいだ)すが、浜野からのボールを根淵がカット、前線の太陽にすかさずボールを送るカウンター攻撃を見せる。……またもピンチの起点となる浜ちゃん。


 浜野「いっけね〜」


 太陽にボールが渡った瞬間、DF陣に的確な指示を出す三国。3人がかりで太陽をマークし、進撃を阻む。太陽はそれも想定内で、横を走り抜ける2人にパスを送ることを次の予定にしていたが、それに対しても三国は残った信助に指示を送る。その甲斐あって、敵のシュート方向が一点に絞れ、三国は敵のシュートを止めることに成功する。

 キーパーは状況を瞬時に判断し、DFに指示を出すという司令塔的役割も担う。そのことを三国を見ながら学ぶ、次代の正GKの信助。その様を見て、サッカーには2人の司令塔がいることをベンチで春奈に説く鬼道。攻撃を指揮するゲームメーカー(現雷門では神童)、守備を統率し、チーム全体を見渡すポジションとしてのキーパー(三国)。これはかつての雷門での、自らと円堂のことを想起しながら語っていることはおそらく間違いないだろう。キーパーはフィールド上の監督でもある。余談だが、リアルサッカーでもキーパーにキャプテンが多いのは、実はこういうことからなのだ。

 だが雷門、守備はともかく攻撃の糸口は未だ見えなかった。流砂というギミック、そして組織で守る新雲学園のディフェンスにてこずっていた。イタリア帰りのエリートの錦龍馬(CV:岩崎了)ですら状況の打開策が見出(みいだ)せない。

 砂に足を取られて苦戦する攻撃陣を見て、信助が打開策を思いつく。天馬にパスを要求する信助。いつの間に身に付けたのか謎の必殺技「スカイウォーク」で地面の状況を気にせずにボールをコントロールして前進する。



 見事に流砂を乗り越えた信助は、神童にボールを送る。受けた神童は、即座に必殺シュート「フォルテシモ」を放つが、敵GKは今大会最少失点の鉄壁、佐田だ。こんな初期シュートでは通用しないと思うのだが……。



 化身「鉄壁のギガドーン」で迎え撃つ佐田。これはよく見ると兵頭の化身「巨神ギガンテス」の色違いだ。ただこちらの方が鋼鉄の様な色合いで、さらに堅そうなイメージ。


 やはりあっさりと受け止められてしまう、神童のシュート。佐田は即座に太陽にボールをパスする。受けた太陽、またも素晴らしいステップで蘭丸をかわし、化身「太陽神アポロ」を発動させる。




 そして容赦なく化身必殺技「サンシャインフォース」を雷門ゴール目がけて撃ち放つ。先ほどの三国を見ると、これを止めるのはかなり絶望的だ。そこで少しでもシュートの威力を弱めようと、DF陣が頑張る。狩屋の「ハンターズネット」と天城の「アトランティスウォール」の2つの必殺技が「サンシャインフォース」に被せられる。ただ「アトランティスウォール」は間に合わず、シュートの勢いに2人は吹き飛ばされてしまう。残されたのは、もはや期待できなくなってしまった三国さんの「フェンス・オブ・ガイア」のみ。ただ今回は狩屋の「ハンターズネット」で勢いを殺されている分、もしかしたら……。



 やっぱ、無理だよね? 分かってたんだよ。


 豪快なシュートが決まり、これで0−2。雷門のビハインドは2点となってしまった。先ほどより疲労した様子で大きく息を吐く太陽。得点を挙げてはいても、太陽の側の負担も大きくなっていた。彼の活躍は彼自身を弱らせる、諸刃の剣でもある。

 太陽の苦しそうな様子を見て、心配になる天馬。敵であり、しかもリードを許している状況だというのに、本当に友達思いな彼らしい。またモニターで観ていたイシドも、太陽の限界を感じ取っていた。太陽のこれ以上のプレーは命に差し障(さわ)りがある。


 一方、頑張りの甲斐無く個人の能力で2点を奪われてしまった三国。認めたくはないが、越えられない才能の壁がある。この世界における壁とは、化身を使えるかどうかというものだ。太陽のシュートを止められるのは、同じく化身の能力に目覚めたものでしか不可能であることを、三国は見抜いていた。

 三国のその決意を受けた鬼道は、選手交代を告げる。三国の代わりのキーパーに信助を起用する。


 驚きつつもキーパーのユニフォームに身を包み、ゴール前に陣取る信助。化身を使えるキーパーは、雷門にはただ一人、信助しかいない。信助の守備位置には、ベンチで満を持していた筋肉野郎・車田剛一(CV:野島裕史)が入る。信助の不安な点、DFをまとめるに当たってのフォローを引き受けると、ベンチに下がる三国に告げて安心させる車田。

 三国という尊敬する先輩ですら止められない敵のシュート(今のところ太陽だけだが)を、自分なんかが止められるのかと不安になる信助。だが三国が自らの意思でこのポジションを自分に任せた訳で、それはそれだけで自信を持っていい証でもあるのだ。信助のこの考えを肯定するかのように、ベンチから信助に頷(うなず)き返す三国。


 試合は2たび失点した雷門のキックオフで再開される。またも流砂に進撃を阻まれた倉間から、根淵がギミックを上手く逆用してボールを奪い取る。そしてそのパスの先は、またも太陽。抜群の能力を味方からも信頼されている証明だ。

 今度こそ止めて見せると太陽に挑みかかる天馬。再び、お互いの負けられない意地と意地がぶつかり合う。激しくボールを奪い合う両者。苦しそうな息使いでボールをキープする太陽に、病院で楽しくボール越しに会話した時との違和感を抱く天馬。今の太陽はあの時の楽しそうだった彼とは全く違う!

 その天馬の思いが一瞬の隙となる。太陽は天馬をかわして前進を再開する。天馬の心理的な要因から来る変調に、その時気付いたのは意外なことに、剣城京介(CV:大原崇)ただ一人だった。

 太陽はもはや誰にも止められない。無人の荒野を行くように雷門のDF陣を物ともせずに前進する。そしてキーパーを除いてはただ一人となった守備の狩屋を前にする。そこで突然、太陽は横にパスを出す。普通に進めば狩屋も抜き去る技量はあったはずなのに……。天馬はそのらしくないパスが、太陽の病気の悪化から来る行為であったことに気付く。大量の汗を流し、苦しそうに呼吸する太陽の姿に目を奪われる天馬。

 太陽のパスを受けたのは根淵だった。太陽では無いとはいえ安心できない。この試合では全得点を太陽に譲っているとはいえ、根淵は今大会の得点王なのだ。ものすごいシュートを持っているのは間違いない。

 根淵のシュートが来る。意外なことにノーマルシュート。化身を出して止めようとする信助だったが、何故か不発に終わる。おそらく使えるようになってから日が浅く、まだ思うように使いこなせる状況では無いのだろう。

 いずれにしても危機である。ベンチの三国が、パンチングで逃れるよう指示を出す。その言葉に動かされ、何とか失点を防ぐ信助。弾かれた根淵は、今度こそはとその秘められた能力を発揮する。



 根淵の化身「海帝ネプチューン」。よく見るとかつての海王学園のキャプテンの化身「海王ポセイドン」の色違い。ギリシャ神話のポセイドンはローマ神話ではネプチューンだから、同じでもまぁ仕方が無いが……。


 根淵の化身を見せられ、今度こそこちらも化身を出そうとする信助だったが、やはり化身は発動せず。そこにまた三国からの熱いメッセージが送られる。


 三国「あの特訓を思い出せ!!」


 兵頭の指導の元、厳しい特訓の果てに獲得した化身の能力。その鍵は、集中することだったと思い返す信助。その間に根淵は化身シュート技「へヴィアクアランス」の準備を完了させていた。



 根淵役の声優さんの舌の巻き方が尋常じゃなく凄く、なんて言ってるのか聞き取れなかった必殺技「へヴィアクアランス」。直訳すると「水の重槍(じゅうそう)」


 雷門のゴールを守るのは、自分だと強く思う信助。その思いと集中力が彼の小さな身体に満ち、溢れ出す。その思いは信じられない大きさとなって、雷門のゴールを覆い尽くした。



 信助の化身「護星神タイタニアス」。腕が長く、ゴールを完全にカバーしている。往年の名キーパー、シジマールみたい。


 「護星神タイタニアス」の長い手が根淵のシュートを抱き込むと、そのボールは小さな信助の手にスッポリと収まっていた。化身同士の対決は、信助の「護星神タイタニアス」の圧勝に終わる。

 信助の見事な活躍を見届け、観客席の南沢、兵頭の2人にも笑顔が浮かぶ。彼らのサッカーへの思いも、信助はこの場で結晶させたのだ。相手のシュートを止めたことを今さらのように気付き、目をキラキラさせながら大喜びする信助。その思いは他の雷門メンバーの心にもすぐに伝染する。

 チームの意気が上がった今が攻め時だと判断した神童。メンバー全員に反撃開始を宣告する。フィールドのギミックの動作を見破った神童。砂が流れ出す直前の動きを見て次々とパスを渡す雷門の選手たち。そしてその動きを統率するのは、神童の「神のタクト」。

 一気呵成(いっきかせい)に攻め上がる雷門。神童がゴール前に持ち込み、キーパーと1対1の展開になる。今度はさっきのように省エネシュートを撃っている場合ではないことも神童は理解している。化身「奏者マエストロ」を発動させ、まだ1度しか止められていない(止められたのは対幻影学園戦)、化身シュート「ハーモニクス」を放つ。化身「鉄壁のギガドーン」を発動させ、「ギガンティックボム」で迎撃する佐田。







 神童の本当のサッカーを取り戻すという思いのこもったシュートは、佐田の化身を凌駕(りょうが)し、ついにその堅い扉をこじ開ける。雷門が1点を返し、得点差は1点差となった。雷門ベンチのマネージャー陣も大喜び。特に神童ラブの山菜茜(CV:ゆりん)は嬉しかったはずだ。

 1点を返され、雷門のその強さを改めて思う太陽。彼のサッカー再開熱に発端を与えたのが、まさにこの雷門のサッカー魂だったのだから、彼にとっても強い雷門が相手なのは本望だろう。太陽が戦いたかったのは、この強い雷門なのだ。

 殊勲のゴールを挙げた神童、仲間たちにもう1点取りに行くぞと檄を飛ばす。さらに意気が上がる雷門の選手たち。


 今度はこの試合で初めて、新雲学園のキックオフ。攻撃の起点はやはりこの男、太陽だ。素早いドリブルで天馬を抜き、蘭丸、狩屋も抜き去る。やはり個人の能力ではフィールドは太陽の独壇場だ。これで病気さえなければ……。

 胸を押さえる太陽。病魔がまたも彼を苦しめ始める。苦しみながらも、化身「太陽神アポロ」を発動させる太陽。イシドが言及していた化身発動の限界の回数をすでに越えている。対太陽としてキーパーに指名された信助は、当然の如く彼の化身「護星神タイタニアス」を召喚する。
 



 そして化身必殺技「サンシャインフォース」には化身技と、信助が出した技は、何と……!!





 あの懐かしの技名「マジン・ザ・ハンド」で太陽の渾身のシュートを止めて見せた信助。太陽の病気というハンデがあったとはいえ、この新登場同士の化身対決は、信助の勝利に終わる。膝をついて苦しそうな体勢になる太陽。だがその顔は、強い雷門と戦える喜びに満ちていた。その太陽を気遣う天馬。

 エースを封じたという空気は一気に雷門イレブンの心に蔓延(まんえん)する。と同時にエースを封じられたという思いが新雲学園の選手たちを支配する。場の雰囲気は完全に雷門のペースとなっていた。

 信助から錦に、そして神童にパスが渡る。化身発動のポーズを取る神童。先ほどの失点を意識する新雲学園サイドは神童を意識せざるを得ない。だが神童のポーズは本当にポーズ、芝居だった。化身を一瞬にして引っ込めた神童。ボールはそのまま通り過ぎ、もう一人の化身使いの元へ。



 ボールを受けた剣城は化身シュート「ロストエンジェル」を放つ。佐田も負けじと化身「鉄壁のギガドーン」を発動させ、「ギガンティックボム」で対抗するが、もはや場の流れとしてそのシュートは止まる情勢では無かった。



 佐田を弾き飛ばしてゴールした剣城。これで点数は2−2の同点となり、勝負は振り出しに戻された。2点のビハインドを追いつき、勢いに乗るのは雷門だ。だがここで今大会屈指の実力で勝ち上がって来た新雲学園もその神髄を発揮し、何とか守るという展開に持ち込む。

 これまではその病気のため、攻撃だけに専念していた太陽までもがディフェンスに回るという必死でひたむきなプレーで押せ押せムードの雷門に対抗する。太陽の状態がとっくに限界に来ていることを知る天馬は、それを気遣うあまり、プレーそのものがおろそかになっていた。それを冷静な目で見つめ続ける剣城。

 浜野からボールを奪う太陽。ちゅーか、また浜野か!?

 そしてまたも雷門陣営を駆け上がる太陽。しかし病魔は容赦なく太陽を襲う。苦しさにふらついたタイミングを神童に突かれ、ボールを奪い返されてしまう。力なく倒れ込む太陽に気を取られた天馬は、それでも神童のパスを受け、シュートチャンスを迎える。

 敵ゴール直前の絶好の位置で決定的場面を迎える天馬。執念でその天馬に向かって来る太陽の気配を背後に感じ、天馬の心に言葉で表せない迷いが生じる。



 その精神状態で撃たれたシュートは、ゴールバーをかすめてゴールラインを割ってしまう。天馬の決定的な場面でのシュートは外れてしまったのだ。絶好の逆転機を逃してしまう天馬。


 ここで前半戦が終了する。試合は2−2のまま、後半戦に持ち越されることとなる。

 ベンチに座り込む天馬。肉体的な疲労よりも、太陽の病状を心配するあまり、精神的な疲労が大きかったのだろう。その様子をじっと見つめる監督の鬼道。そこに、天馬の変調に早くから気付いていた剣城が詰め寄る。さっきのイージーゴールを外したことが、どうしても我慢ならなかったのだろう。


 剣城「松風、何故手を抜いた?」


 雷門で本気で戦っていないのは、天馬だけだと非難する剣城。太陽を気遣うあまり、無意識的にプレーが散漫になっていたのは事実。天馬に対して剣城は語気強く、「やる気が無いなら、フィールドから出ろ!」と告げる。



 味方からの意外な非難に、天馬は言葉を失ってしまう。



 次回に続く!



  エンディング



 ついに太陽との戦いが始まった。天馬は優しいから太陽の病気が気になって全力を出し切れない。ここで非情に徹する重要さを学ぶことになるのかな? 子供向けアニメでその展開は酷だが。

 もう1人の親友に目を向けると、こちらは明るい材料だらけの今回。信助は最強の化身を手に入れたのかもしれない。「マジン・ザ・ハンド」は円堂から直伝して欲しかった気もするが、ひょっとすると立向居勇気(CV:立花慎之介)から伝わっていたのかもしれない。立向居が教える段階では、信助が化身を出せるかどうかなどは分からなかったはずなんだけどね。ただこれで三国さんの存在意義は、ベンチで信助に指示するアドバイザー兼控えキーパーといったところだろうか?


 次回でおそらくこの戦いは終わると思うのだけど、気になるのは太陽の病状。後半戦もフルに戦えるのだろうか? 剣城に叱責された天馬は、勝利のために吹っ切ることが出切るのか? あとやっぱり敵の美女監督が気になるよね。試合が始まって全然出て来ないんだけどさ(笑)。



 次回「天馬VS太陽」に続く。



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