『イナズマイレブンGO』第35話「衝撃の采配!キーパー交代!!」の感想 【青山ベンチニート脱出記念回】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGO』第35話「衝撃の采配!キーパー交代!!」を観ての感想を書く。タイトルでモロバレなんだけど、キーパーが交代することになる。果たして新キーパーとは……? 現守護神の三国太一(CV:佐藤健輔)より頼りになるのだろうか? ……頼りになるんだろうなぁ、きっと。



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、

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 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 ホーリーロード準々決勝、雷門中学は幻影学園との一戦を迎えていた。幻影学園のキャプテン・真帆路正(CV:堀江一眞)と幼馴染みの因縁を持つ雷門のDF、天城大地(CV:奈良徹)は、現在のサッカー界の方針を巡っても対立することとなる。


 試合は真帆路の活躍により2点を先取した幻影学園に対し、後半早々の頭脳プレーで1点を返し、雷門が追い上げるという展開。意気上がる雷門はさらに攻め上がろうとするが、キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)からパスを受けた浜野海士(CV:金野潤)が、真帆路の反則ギリギリの強引なスライディングタックルを受け、脚を痛めてしまう。真帆路のそのプレーに彼の歪んだ決意を見出した天城は、その考えを改めさせるべく、戦うことを誓う。

 感情を露わにして天城に突っかかる真帆路。その「笑わないストライカー」の二つ名を持つ真帆路の変化に、雷門の監督・鬼道有人(CV:吉野裕行)も気が付く。鬼道はもしかしたら天城と真帆路が幼馴染みだということも事前に知っていたのかもしれない。以前選手の詳細なデータを分析していた鬼道のことだ。天城と、敵チームのキャプテンが同じ小学校出身だという事ぐらいは容易に調査できただろう。

 また真帆路と天城の過去の確執を知る1年生の影山輝(CV:藤村歩)も、天城を心配そうな表情で見守る。真帆路と天城の共通の幼馴染みである幻影学園の女子生徒、香坂幸恵(CV:ゆりん)も、2人が元の関係に戻れることを切望しつつ、観客席から試合を見つめていた。


 試合は雷門のスローインで再開される。松風天馬(CV:寺崎裕香)のスローインを受けた神童だったが、珍しく簡単にボールをちびっこ選手の小鳩宏夫(CV:加藤奈々絵)に奪われる。1年生(Wikipedia調べ)の小鳩、前回は浜野からボールを奪い、今度は神童から奪うという活躍ぶり。3年生でなおかつキャプテンの真帆路を、またも呼び捨てにしつつパスを出す。



 パスを受け突進する真帆路。その姿を見つめ、昔を思い返す天城。子どもの頃、イジメられていた自分を助けてくれた真帆路は、強い相手であっても屈せずに挑みかかる心強い親友だった。サッカー界を支配するフィフスセクターの影に怯(おび)え、なりふり構わず浜野に対するラフプレーをしてのけた現在の真帆路とはおおよそ結びつかない姿であった。

 前進する真帆路に対し、先ほどラフプレーをされた浜野が意地のマークに付く。だが痛められた脚は、痛み止めスプレーぐらいではごまかせない深刻なレベルの怪我であった。追いすがる途上で、脚の痛みが浜野を襲い、座り込んでしまう。



 浜野の邪魔が無くなり、フリーとなった真帆路はその能力を発揮するタイミングを得た。彼の背中からオーラが生じる。これは化身発動の兆候だ!



  オープニング





 真帆路の化身「幻影のダラマンガラス」。幻影学園の彼の化身らしい名前だ。ただ男っぽい真帆路の化身とは思えないほど色っぽい女性型の化身。目を髪の毛で隠したその姿、『キングオブファイターズ』のシェルミーか、「ワンピース」インぺルダウン編で出て来たサディちゃんみたいな外見。


 やはり真帆路は化身使いだった。彼の実力、フィフスセクターへの忠誠心を思えばあり得る話である。その化身に対抗するべく、錦龍馬(CV:岩崎了)が立ちはだかり、化身には化身とばかりに彼の化身「戦国武神ムサシ」で対抗する。

 だが真帆路は慌てず騒がず、化身技「ダンシングゴースト」で「ムサシ」を絡め取り、「ムサシ」を霧消させて前進を再開する。



 化身技「ダンシングゴースト」。化身のドリブル技といったところだろうか。


 錦が突破された中、次に真帆路に挑むのは天城だった。構わず化身を使ってシュートを放つ真帆路。ノーマルとはいえ、化身のシュートだ。天城の「ビバ!万里の長城」では全く歯が立たずに突破されてしまう。

 3人目の壁として真帆路に挑むのは、狩屋マサキ(CV:泰勇気)だ。必殺技「ハンターズネット」でシュートを防ごうとするが、あえなく撃沈。

 最終防衛ラインである、三国の元にボールは飛んでくる。彼の必殺技「フェンス・オブ・ガイア」で最後の抵抗を試みる。何と、「フェンス・オブ・ガイア」は真帆路の化身シュートを見事に止めて見せる。天城、狩屋、三国の3人がかりでシュートの力を減じて止めたというのが真相だろう。真帆路もカッコつけて化身使うより、今まで通り防御をすり抜ける「マボロシショット」を打った方が決まっていた可能性が高いのに。

 三国の阻止したボールは車田剛一(CV:野島裕史)がサイドラインに押し出し、雷門はひとまず危機を脱する。天城と狩屋に感謝する三国。自分一人では止められなかったことを良く分かっている。


 シュートを阻止された真帆路は悔し紛れに嘯(うそぶ)くが、天城は気圧(けお)されながらも一歩も退(ひ)かない。

 一連のプレーが一旦デッドとなり、試合が中断される。脚を痛めた浜野はそのまま立ち上がる事が出来ない。ここで無念のリタイアとなる。

 それを受けた鬼道は、ベンチの青山俊介(CV:高垣彩陽)に出場を告げる。ついに、とうとう、やっとこさ、ベンチを温め続け、半ばベンチの座敷わらしと化していた青山に公式戦出場の機会が訪れた。その親友の出場機会を心から祝福する座敷わらし仲間の一乃七助(CV:折笠富美子)。



 悔し紛れに青山(中)の頸動脈(けいどうみゃく)を絞めんばかりに祝福する一乃(左)。右はお声が掛からず、不満顔の座敷わらし。


 青山と一乃が盛り上がっている中、同じくベンチの輝は会場ギミックであるバンパーのからくりを見破る自信があるというのに出場機会が与えられないことに不満であった。それを知ってか知らずか、鬼道は輝にも出場の機会を与える。代わりに交代させられるのは、浜野の親友設定・輝と同じポジション・咬ませシュートしか持っていない・中の人が青山と重なる・高垣彩陽さん、今回は少年時代の真帆路の声もやってて出過ぎ……といった悪条件が累積警告となってしまった倉間典人(CV:高垣彩陽)だった。



 浜野を抱える倉間と瀬戸水鳥(CV:美名)。浜野を気づかい、その強がりを諌めるために浜野の腕を痛めつけるスケバンの水鳥。彼女なりの配慮だが、脚だけでなく腕まで痛めた浜野の復帰が遅れそう。


 浜野はともかく、とばっちりで交代させられることになった倉間だったが、交代で入る青山と輝を信頼し、エールを送ってピッチに送りだす。いつの間にやら仲間に対する信頼感を強めていた倉間。彼も大人になったものだ。

 入って来た青山にこのフィールドの特性を教える神童。青山もベンチでじっくりと観て来ていただけに、飲みこみも早い。


 新布陣となった雷門。試合が再開される。車田がプレーを切ったところからの再会なので、当然ボールは幻影学園ボールとなる。またも真帆路がドリブルで攻め上がって来る。だがその前に立つ神童。ついに両校のキャプテン対決かと思わせるが、真帆路は勝負を避け会場ギミックを使ったパスを出す。だがバンパーの跳ね返りを読んでいた青山が、早速ボールをインターセプトする。



 さらに青山の見せ場は続く。立ち塞(ふさ)がる敵選手を、なんと神童の十八番(おはこ)の必殺技「プレストターン」で抜き去る。



 これまで出場機会に恵まれなかった鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような青山の大活躍だ。自分の必殺技を見事に使いこなされ、神童も苦笑混じりに青山のプレーを称える。青山は常日頃、相棒の一乃と共に遅くまで練習に打ち込んでいたのだ。青山は一乃の思いもそのプレーに表出しながら、敵陣に攻め上がる。

 青山は神童にパスを送る。それを受けた神童も青山と一乃の努力を理解していた。その努力を無駄にしないために、神童はさらにそのモチベーションを高める。神童は右サイドを上がっていた輝にパスを出す。それを受けた輝は、敵陣のフリッパーの前でシュート体勢に入る。

 幻影学園のキーパー、虚木実美(うつろぎ さねみ)はフリッパーがシュートの妨げになることを知っているので、余裕の表情。耳の穴をかっぽじるという絵に描いたような余裕を見せるが、その態度はバンパーがあるから大丈夫と油断した前回の教訓を何一つ生かしていなかった。

 その油断を突く輝。彼の初披露の必殺シュート「エクステンドゾーン」が牙をむく。フリッパーの反応をはるかに超える速度で放たれたシュートは、一直線に幻影学園ゴールに迫る。虚木は慌てて必殺技「かげつかみ」で迎え撃つが、輝の威力あるシュートは虚木を弾き飛ばしてゴールネットを揺らす。



 これで2−2と、雷門が同点に追いついた。心を許す後輩が必殺技でゴールを奪ったことに、天城も歓喜の声を上げて輝を称える。一方の幻影学園ベンチ。2失点を喫するという控えキーパーの失態に、変なヒゲの監督・宝水院忠則(ほうすいいん ただのり)もついに正GKのおっとろしい顔の男、箱野随一(はこの ずいいち)をピッチに送りだす。

 キーパーを代えて来たことに警戒を強める雷門ベンチ。速水鶴正(CV:吉野裕行)や西園信助(CV:戸松遥)が不安そうな言葉をつぶやく。小心ぽい彼らは、箱野の怖い顔だけで圧倒されている感があるが。


 改めて試合再開。失点した幻影学園のキックオフ。さっきから雷門にボールを奪われっ放しの幻影学園のピンチの起点・「幻影学園の浜ちゃん」と言える6番・札野霧正(ふだの きりまさ)に追いすがる天馬は、その前にあるバンパーの飛び出し口を見つめて何やら閃(ひらめ)く。

 バンパーが飛び出した瞬間、敵選手を追い抜き、バンパー目がけて体当たりをする天馬。そしてそのバネ仕掛けを逆用して、勢いをつけてボールを奪い取る。会場のギミックを始めて雷門側が有利に使用したプレーだった。

 そしてゴール正面の神童にパス。神童はフリッパーにも邪魔されない好位置でパスを受け、シュートチャンスを自覚する。だが箱野も伊達に交代で入ったキーパーでは無い。背中からオーラを出し、その秘められた能力、化身を解き放つ。



 箱野の化身「勝負士ダイスマン」。さいころ(ダイス)を持ち、ルーレットの様な肩といういでたち。よく見ると名前にもさいころとルーレットが組み込まれている。


 神童もこの好機を逃すまいと化身「奏者マエストロ」を発動させ、さらにこれまで成功率100%の化身シュート「ハーモニクス」を放つ。



 いつもならこれで逆転だが、箱野はやはりごっつい顔だけあって、その能力も凄かった。



 こちらも化身技「ラッキーダイス」を放つ。転がった6つのさいころの目が全部「6」を示し、閃光が走ったかと思うと、ボールは箱野の手に収まっていた。神童のシュートは止められてしまったのだ。自信満々の表情を浮かべる箱野の前で、悔しさに歯噛みする神童。

 箱野はごつい身体に似つかわしい豪快なキックで一気に前線にボールを送る。落下地点に最初に身体を寄せたのは天馬だったが、巧妙にバックスピンを効かせた箱野の放ったボールは真帆路がキープする。勝ち越しを奪うべく、雷門ゴールに迫る真帆路。彼は今一度、敵わない相手がいることを天城に教えるため、あえて天城をターゲットに前進する。

 そして彼の代名詞となっている必殺シュート「マボロシショット」を撃つ。「ビバ!万里の長城」で迎え撃つ天城。これは1点目、2点目のシーンの、三たびの再現であった。

 そして2度のシーンと同様、天城の長城では「マボロシショット」を止めることが出来ない。三国も1失点目の時の再現は御免と「フェンス・オブ・ガイア」でゴール前に牙城を築くが、やはり「マボロシショット」はすり抜けてしまう。

 相変わらずゴールネットだけはすり抜けない律義さで雷門ゴールに吸い込まれる「マボロシショット」。真帆路のシュートが決まり、試合は再度、幻影学園がリードする展開となる。真帆路のゴールはこの試合、一人で3得点のハットトリックという栄誉に授かる。だが相変わらずにこりともしない真帆路。

 どうにも止める事が出来ず、悔しがる三国。真帆路がハットトリックと言うことは、裏返せば彼一人に3点を奪われているキーパー三国の不名誉でもあるのだ。

 そして真帆路に自分の気持ちをぶつけることで和解への道を探る天城にとっても深刻だった。いくら挑んでも、真帆路はその「マボロシショット」と同様に天城の思いをすり抜けてしまう。この必殺シュートを止めない限り、真帆路を改心させることも難しいだろう。だがその糸口が、天城には掴めない。

 座り込む天城に、勝ち誇る言葉でさらに追い打ちを掛ける真帆路。真帆路に打ち勝つという自信がどんどん失われて行く。そんな弱気な天城に活を入れる大きな声が響く。輝だった。


 輝「勝ちましょう! この試合!」


 諦めないで欲しいという輝の励ましに、天城は大いに勇気づけられる。気力を再び振り絞り、輝に対して大きくうなづく天城。その目の光は、まだ失われてはいなかった。そしてその2人に感化されたか、天馬と神童も力強く勝利を誓い合う。


 試合展開をフィフスセクター本部のモニターで見つめる聖帝・イシドシュウジ(CV:野島裕史)。


 攻撃は真帆路の無敵の「マボロシショット」、防御は箱野の化身「勝負士ダイスマン」と攻守に隙がない幻影学園の現布陣。だが雷門は諦めない。苦しい展開ながら、果敢に攻め上がる。ドリブルで真帆路を抜き去った天馬は神童にパス。神童から輝にボールは渡る。雷門の1点目の再現の様な展開。だが箱野は輝のシュートの特性を知っている。DF陣に防御に向かうよう指示を出す。慌てたのか輝は力の無いボールを前に蹴り出す。フリッパーに引っかかるのは間違いない。安堵する箱野。

 だが実はそれが輝の狙いだった。

 それは自らを囮(おとり)にしてDF(と箱野の注意)を引き付け、フリッパーの跳ね返りまでも計算に入れた輝の頭脳プレーだった。跳ね返りをキープしたのは錦。錦は箱野の用意が整わない隙に、居合抜きのような鋭さで一気に必殺シュート「伝来宝刀」を撃ち込む。



 化身を発動させる隙すらないままにゴールを割ってしまう箱野。新必殺技で同点となる得点を奪い、大見えを切るようにゴールを誇る錦。

 盤石のキーパー、箱野を擁しながらさらに失点を重ねたことに、幻影学園ベンチは監督を含め、顔面蒼白だ。

 同点に意気上がる雷門サイド、その機会に三国はかねてより考案していた大胆な構想を今こそ開陳(かいちん)するべきという考えに至る。ベンチの鬼道に声を掛ける三国。鬼道も2つ返事でその意を汲むところを見ると、鬼道と三国の2人の相談でずっと暖められていた秘策であるらしい。

 鬼道は、信助に対し、キーパーとしてピッチに向かうよう告げる。信助はこれまで一度もキーパーとして試合に出たことは無い。しかもその起用法に驚いたそぶりからして、おそらくは練習すら経験したことが無いはずだ。練習していれば、キーパーで起用される可能性も頭の片隅にあってもおかしく無いはずだから。

 その起用はピッチ上の選手たちにも寝耳に水の仰天の采配だった。天馬はよく考えずに親友の起用に喜ぶが、キャプテンの神童はかつて信助が見せていたゴール前での身体能力の高さと、それを受けての三国の後継者発言に思いが至っていた。ただその構想をいきなり実戦で使ってくるとは、さすがの神童にも想定外であった。だが今の神童は、その意外性を楽しむ余裕さえ持ち合わせていた。笑顔でその奇策を歓迎する神童。


 「信助、お前なら出来る!」


 まだ呆然とする信助に対し、三国がピッチ上から応援する。天馬からも促され、信助はようやく行動を開始する。キーパーのユニフォームを着用してゴール前のポジションに着く信助。信助の特注とも言える小さなユニフォームは、選手のデータを詳細に知る男・鬼道が用意したものだろう。選手個々のサイズまで知る男……鬼道。



 未だ自信を持てない信助に対し、天馬たちが元気づける。だがここで要らんこと言いの狩屋がまた余計なひと言を。「監督も思い切ったことするよなぁ」という発言は、思ってはいても信助の気持ちを慮(おもんぱか)って、みんな口に出せなかった言葉だ。平気で言えるところが狩屋らしいと言えるが、それにしても狩屋は信助のマインドクラッシャーだよなぁ。

 一旦は落ち込んだ信助だったが、車田や天城、霧野蘭丸(CV:小林ゆう)といった他のDF陣の先輩たちから暖かい言葉で勇気づけられ、元気を取り戻す信助。選手はピッチ上でだけは、おだてられ易い方が良い。


 信助のキーパー起用は幻影学園サイドにも驚かれていた。過去のデータを分析していたのだろう、信助がキーパー未経験であることを知っていた前衛の真帆路と不知火兄弟。雷門の戦略が読めない。


 この起用が大胆過ぎると思うのは、鬼道の妹の音無春奈(CV:佐々木日菜子)も同様だった。兄に質問するが、この起用こそが勝利へのカギであり、さらに未来へつながるものであることを告げる鬼道。3年生の三国はこのホーリーロード終了後に引退する。それゆえに次代のキーパーが雷門には必須というのは良く分かる。では「この試合必勝というもう一つの理由」は、一体どういうものなのだろうか?


 試合は失点した幻影学園のキックオフで再開。急造キーパーの雷門としては攻撃時間を増やしたいが、幻影学園は巧みなパス回しで雷門陣内を攻め上がる。ロングパスに反応した車田だったが、フリッパーのギミックに見事に引っかかってしまい、みすみす敵にボールを渡してしまう。

 そしてシュートする不知火幻一(しらぬい げんいち)。信助にとっての最初の正念場が訪れる。敢然とボールに立ち向かう信助。ヘディングでボールをゴール枠から弾き出す。自分がゴールを守れたことに喜ぶ信助。

 だがキャッチングで試合を止めた訳ではない。弾いたボールを再び拾った幻影学園は再度札野がシュートする。またも飛びついてヘディングで弾く信助。不知火影二(しらぬい えいじ)がそれを拾い、ギミックの一つ、加速体を使用して強烈なシュートを放つ。カバーに入った蘭丸も止められない。新米キーパーの信助に果たしてこれが止められるのか?

 信助は開き直ったかのように躍動し、ぶっとびジャンプの要領でキックでそのシュートを防ぐ。だがやはりプレーは切れない。倒れたところに走り込む小鳩。絶体絶命のピンチを救ったのは、さっき皮肉な言動を信助にぶつけた狩屋だった。

 そしてクリア後、信助にキーパーは手を使っても良いんだよと、ものすごい的確なアドバイスをする。DF時代のクセで手を使わずにボールを処理していた信助は恥ずかしさから菱形になってごまかす(ウソ)。



 シニカルな狩屋はその様に呆れるが、セーブ自体はナイスだったと彼なりに褒める。天馬からも声を掛けられ、信助はキーパーとしてやっていけると手応えを感じて嬉しくなる。元気良く立ち上がり、失点を防ぐ壁になることを誓う。


 信助「僕が雷門のゴールを守るんだ!」


 今度は雷門が攻める番だ。ボールを受けた神童は「神のタクト」で青山に指示を出す。その指示に乗り、青山が敵陣を駆け抜ける。そして天馬を導き、さらに剣城京介(CV:大原崇)を動かす。オーケストラの指揮者の振るうタクトの如く、見事なハーモニーを響かせる神童の用兵の妙だ。



 ゴール前でボールを受けた剣城は、化身「剣聖ランスロット」を発現させ、一気に逆転を狙う。錦の時には間に合わなかった化身「勝負士ダイスマン」を、当然の如く呼び出して身構える箱野。神童の時以来の化身同士のぶつかり合いだ。

 剣城はこれも今のところ成功率100%の化身シュート「ロストエンジェル」を放つ。「ハーモニクス」を止めた必殺技「ラッキーダイス」で対抗する箱野。果たして、勝つのはどっちだ!?(カードゲームのCM風に)

 だが、今回は「6」のゾロ目にはならなかった。ラッキーは2度続かなかったのだ。「ランスロット」の剣は「ダイスマン」を真っ二つに切り裂き、ゴールへの道をこじ開けた。

 豪快なゴールが決まり、この試合で初めて雷門が逆転し、リードを奪う。以前はかわされた天馬が抱きついて剣城を祝福する。遠くで喜んでいる信助を見て、剣城は「新米のキーパーの頑張りに応えただけ」と照れ隠しにつぶやく。


 試合終了の時間が迫っていた。幻影学園の頼りはもはやこの男しかいない。真帆路にパスを回すゲームメーカーの札野。天馬のディフェンスをかいくぐり、真帆路は前進する。その前にはやはり天城が立ちはだかる。2人はボールを介しての激しい力比べになる。まるで互いの意地を、そのままボールにぶつけるかのように。



 そして思いのたけをぶつける天城。自分の代わりにイジメの対象となってしまった真帆路に対して、それでも自分を守ってくれたあの頃の真帆路に戻って欲しいと訴える。天城が真相を知っていることを聞き、驚く真帆路。「(幸恵から)聞いたのか?」と問う。

 力比べは天城の思いが勝利する。飛ばされる真帆路だったが、すぐさま立ち直り、ボールをキープする。そして無表情だった頃からは思いも付かない怒りの形相で再び天城に突進する。

 イジメと戦いたかったが、無理だったことを訴える真帆路。敵わない相手には屈するしかないという彼の思想、処世術はやはりその時に培(つちか)われたものだった。真帆路の思想を否定する天城に対し、これまでチームの全得点を挙げたあの脅威のシュート「マボロシショット」を撃ち込む。



 今の天城は真帆路が知る逃げ回っていた頃の臆病な天城では無かった。立ち向かう勇気を持った天城は、真帆路の思い、その象徴である絶対阻止不可能と言われた「マボロシショット」に立ち向かう。己の思いよ真帆路に届けとばかりに咆哮(ほうこう)した天城、これまで見たことの無い技を出す。




 天城の心が具現化したようなその壁「アトランティスウォール」は見事に「マボロシショット」を止めて見せた。一度も止められたことが無いシュートを止められ、呆然とする真帆路。

 その真帆路に、子供のように喜びを爆発させる天城。その無邪気な姿は、かつて子供だった頃、サッカー遊びの最中、真帆路のループシュートを防いだ天城の姿にダブって見えた。




 童心に戻った天城につられて、真帆路もモミアゲが長くなかった頃の気持ちを取り戻した。笑わなかったストライカーが、天城につられてついに笑った。「マボロシショット」を止めた天城の思いは、ついに真帆路の心に響いたのだ!


 そこで試合終了の笛が鳴る。試合は4−3と激しい点の取り合いの末、雷門が制した。勝利の立役者である天城を祝福する車田、蘭丸、輝。そしてもう一人の立役者、信助にはキーパーの先達(せんだつ)、三国が労(ねぎら)いの言葉をかける。

 雷門の勝利を喜ぶマネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)と山菜茜(CV:ゆりん)、そして水鳥の3人。その3人も勝利の立役者であると感謝の言葉をかける春奈。特にデジカメで会場ギミックの特性を解き明かす役割を果たした茜は一番の功労者だったと言える。



 ストーカーから功労者に格上げされた茜。照れ顔が可愛い。


 全員の力で勝ち取った勝利に、鬼道も満足そうに笑う。一方、敗れた幻影学園はフィフスセクターの制裁を恐れ、顔色なしの状態になっている。こうなったら雷門を応援してフィフスセクター打倒に協力する方がいいと思うんだけどね。監督とシード(正キーパー)は駄目だろうけど。


 最後の最後で理解し合えた真帆路と、試合後に会う天城。列車の駅階段に腰掛けて、昔話をとつとつと語り出す真帆路。自らの弱さを告白する。イジメの対象が自分に移ったことを天城に話さなかったのは、イジメに屈した自分を認めることが我慢ならず、認めたくなかった自分自身の弱さだったというのだ。


 真帆路「本当の臆病者は、俺だったんだ」


 天城は最初にイジメられていた時、真帆路がなぜ自分を助けてくれたのか、その理由を問う。真帆路は天城が自分の最初の友達だったからと笑顔で告げる。

 子どもの頃、サッカーに興じる少年の群れを外から眺めている少年がいた。幼き日の真帆路だった。仲間に入れて欲しがる真帆路だったが相手にしてもらえず、傷心のままその場を去ろうとする。そこに転がって来るサッカーボール。慌ててボールを拾う真帆路に声を掛け、一緒に遊ぼうと優しく誘いかけたのが、天城だった。真帆路はその恩をずっと忘れていなかったのだ。


 全ての葛藤が氷解して行く。2人に再び灯(とも)った友情を、涙を浮かべて喜ぶ幸恵。彼女がずっと大事にして来た思い出の写真の姿が、数年の時を経てようやく甦ったのだ。



 その頃、同じ駅の一角で携帯でどこかに連絡を取る天馬。電話相手は、病院で運命的な出会いをした少年、雨宮太陽(CV:江口拓也)だった。勝利の報告をする天馬に、受ける太陽も嬉しそうだ。次の試合も頑張ることを告げ、電話を切る天馬。いつの間に番号交換したんだよ? 病院の電話番号だったら聞かなくても分かるか。


 空を見つめる天馬。彼の心はもう次の試合、準決勝戦に向かっていた。



 次回に続く!



  エンディング



 幼馴染み編、終了。まさに望み通りの雨降って地固まる展開で嬉しかった。幸恵ちゃんが笑顔でこのパートの終焉を迎えるのが最高だと思っていたから。

 天城の新必殺技も飛び出し、また信助がGKにコンバートされるという面白そうな展開。ザル獄さん、もとい、三国さんの後継者は一刻も早く欲しいと、このブログでも何度か書いて来たから嬉しい展開でもある。

 でも今回イチオシイベントは、やはりサブタイトルにも使ったけど、青山が公式戦デビューしてベンチニートを卒業したことだろう。まだ留年の一乃が不憫(ふびん)だけど、早く試合に出してあげて欲しい。


 次回はまた日常パート。学園ドラマの展開に、まさかの天馬の恩人登場の巻。第1話で断片的に語られた、サッカーボールで天馬を救った人物と天馬が対面するという話。物語の大きな転換点となる可能性を秘めた回になりそうだ。



 次回「運命の再会」に続く。



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