『ペルソナ4』第1話「You're myself, I'm yourself」の感想

 今週からテレビアニメ『ペルソナ4』が放映されている(MBS系列は毎週木曜日25時30分)。深夜帯なので、年若い学生さんにはキツイ時間編成だと思う。

http://www.p4a.jp/


 拙ブログでは何度か取り上げている話題だが、これは本当に心待ちにしていた楽しみなアニメで、歓喜に打ち震えながら第1話を観た。

 『ペルソナ4』の原作はPS2RPGなのだが、ゲームの発売日は2008年7月10日で、3年以上前の話である。なぜ今になってのアニメ化なのかは携帯ゲーム機、PS Vitaで発売される『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』とのタイアップ的なものだと思われるが、ゲームから3年の時を経てアニメ化するというスタッフの決定は勇気ある英断だと思う。

 またゲーム作中の設定が2011年ということで、今年放映することに意義があったと言える訳だ。


 で、当然の如く感想文を書きたい訳なのだが、感想を書くにあたり、すでにやっている『イナズマイレブンGO』の感想のように細かく書いて行くやり方は無理だと思った。さすがにあのタイプの感想文を週に2回書くとなると余裕で死ねるので、残念ながら涙を飲んで諦めることとする(しかも『イナズマイレブンGO』は水曜日、『ペルソナ4』は木曜日と連続しているしな)。

 そこで一番負担の重い描写部分を極力省き、登場人物紹介を中心に書いて行きたい。これなら無理なく感想文を描けそうなので。今回ウソはほとんど書いていません。書かれていることは、ウソっぽく書かれている部分も含めてほぼ本当のことです(こういうお断りを入れて感想文を書くのも何なのだが)。



【原作ゲームを含む関連記事】

 冒頭に流れるベルベットルームの音楽、ファンにとってはもうこれだけで感涙モノの心に染みいる音楽だ。さらにベルベットルームの主人「イゴール」の声を聞いて当方は驚いた。ゲームの時と同じく、田の中勇さんだったのだ。昨年初頭、惜しまれつつ鬼籍に入(い)られた田の中さんの声を、テレビで再び聞けるとは……。おそらくゲームからの取り込みなのだろう。原作(ゲーム)ファンとしては他の声は想像できなかったので、嬉しい配慮だ。



 ベルベットルームの主・イゴール(CV:田の中勇)。ものすごい外見だが敵ではない。むしろ味方。鬼太郎の目玉おやじを始め、田の中さんはこういう異形のキャラを演じさせたら右に出る者はいなかった。改めてご冥福をお祈りします。



 イゴールの助手・マーガレット(CV:大原さやか)。いわくありげな雰囲気の美女。唯一の弱点はまれに言葉を噛むことと、その後のごまかし方が下手なこと。アニメでもぜひその辺は再現して欲しい。声優の大原さやかさんは『イナズマイレブンGO』の登場人物・剣城京介役の大原崇さんの実の姉。


 夢から目覚めた主人公が乗る電車を追いつつ、オープニング。ゲームと同じテーマ曲だが、『ペルソナ4』にはこれしかないと言える。黄色と目黒将司氏(音楽担当)。それが『ペルソナ4』の第一印象なのだ。



 ゲーム版オープニング。歌詞の英語を和訳してくれている。歌詞がどんな意味か知りたい方はご視聴を。ゲーム版もカッコ良い、名曲。




 主人公・鳴上悠(なるかみ ゆう CV:浪川大輔)。ゲームでは名前は任意で付けられたが、アニメではこれがオフィシャル。高校2年生。両親の仕事の都合で田舎の親戚宅に1年間預けられるという『ぼくのなつやすみ』的立場。中の人は『ダンボール戦機』のカズ役の浪川大輔さん。「ヘタリア」のイタリア役など、ヘタレたキャラの声に定評がある。でも今回は主役。ゲームでは戦闘中のダメージ声ぐらいでほぼ無口だったけど、アニメではバリバリ喋る(……と思いきや、アニメでも割と無口で、それほどでも無かった)。あらゆる種類のペルソナを降ろせる、「ワイルド」という特殊な素質を持っている。

【注釈】
 原作ゲームでは主人公の持つことになるペルソナはタロットカードの大アルカナのいずれかに属する。主人公が触れ合う人たちとの絆を深めれば、そのアルカナの能力をより引き出せるようになる(ゲーム中では「コミュを築く」と表現する)。要するに、他の登場人物と仲良くなれば主人公のペルソナがより強くなるということだ。アニメではその辺がどう描かれるのか今のところ謎だが、一応各人物が影響を及ぼすアルカナを以後に付記しておく。




 悠の叔父・堂島遼太郎(どうじま りょうたろう CV:石塚運昇)。職業は刑事。名字の違いから、母方の親戚だと分かる。実際、悠の母の弟という設定。見た目通りの渋いオッサン。妻とは交通事故による死別。主人公に影響を及ぼすアルカナはハイエロファント(法皇)。「すごいエロ」という意味では無い。「JOJO」でいうところの花京院典明



 堂島遼太郎の娘・菜々子(どうじま ななこ CV:神田朱未)。悠のいとこにあたる。小学1年生。ジュネス(後述)大好き。健気でかわいい女の子。弱点もジュネス。本作は他の女性キャラが総じてガサツで殺人的に料理が下手という裏設定があるため、彼女が真のヒロインとの呼び声も高い。好物はプリンだが、悠に奪われてしまうことも。可哀そうな菜々子。その仕返しという訳ではないだろうが、道端に生えている草を冷蔵庫に仕込んで悠に食べさせるという腹黒な面も(本当です)。主人公に影響を及ぼすアルカナはジャッジメント(審判)。「JOJO」でいうところのカメオ(JOJO好きな当方でも思い出せない。おそらくぽっと出のヤラレキャラ)。ジャスティス(正義)。「JOJO」でいうところのエンヤ婆(これは敵ながら結構重要キャラ)。

【↑ 訂正】
 柊さんのご指摘通り、菜々子のアルカナはジャスティス(正義)でした。訂正してお詫びします。ジャッジメント(審判)は別に出てくるアルカナでした。



 八十稲羽商店街の街並みや堂島家がゲームそのままの装いでちょっと感動。立ち寄ったガソリンスタンドのお兄ちゃん(美形)がやたら目立っている。


 ベルベットルーム、ガソリンスタンドでのめまい、その夜の奇妙な夢など、この辺も原作に準拠。個人的には、日付が変わる時の演出もゲームそのままだったのが嬉しかった。




 同級生・里中千枝(さとなか ちえ CV:堀江由衣)。声優さんの知名度からしてもヒロイン的存在かと思いきや、同ポジションのキャラがあと3人ほど出てくるという恐ろしいまでのハーレム設定。かなり自由な校風を思わせる緑ジャージ。性格はさっぱりした男前で、同性から憧れられるタイプ。3度の飯より肉が好き。おやつのガムまで肉味。このゲテ趣味がまさかあんなところで役に立つとは……(アニメでは捨て設定になりそうだが)。特技は自己流カンフー。ボスキャラ以外を即死させる彼女の援護技「ど〜ん!」は必見(アニメでも再現してね)。主人公に影響を及ぼすアルカナはチャリオット(戦車)。「JOJO」でいうところのポルナレフ


 イヤミな担任教師モロキン(諸岡金四郎 CV:龍谷修武)に辟易しながらも訪れる帰宅時間。その街、稲羽市はなんてことない田舎街だったが、雨の日には霧が深く陰鬱な雰囲気も感じられる。そして、まるで悠のこの街への到来を待ち構えるかのように奇妙な事件が発生する。死体が屋根の上のアンテナに引っ掛けられた状態で発見されるという猟奇的な殺人事件が起こったのだ。




 同級生・花村陽介(はなむら ようすけ CV:森久保祥太郎)。二枚目の悠に対して三枚目のお笑い要員(深い裏設定あり)。下半身関連に受難の相がある。父はジュネスという大型商業施設の店長で、悠より半年前に引っ越してきた。ジュネス出店が地元商店街が寂れた原因として付近住民から疎まれている。悠とは元都会人の転校生同士、拳で語りあうほどに気が合うようになる。趣味はベッドの下のエロ本漁り。主人公に影響を及ぼすアルカナはマジシャン(魔術師)。「JOJO」でいうところのアヴドゥル。


 「マヨナカテレビ」の噂を聞きつける悠。雨の夜、午前0時にテレビを観ると砂嵐の中に自分の運命の人が映るという、他愛もない噂話なのだが、これが実は不可解な殺人事件を解く糸口となろうとは。



 テレビCMにつられ、ジュネスの歌を熱唱する菜々子。日頃冷静な菜々子がここまで理性を失う洗脳音楽。
 「♪ エブリディ ヤングライフ ジュ・ネ・ス!」


 深夜0時、戯れに覗いたテレビに映る女性の姿。テレビは確かに消えていたはずなのに? そしてテレビの中に引きずり込まれそうになる。必死でこらえたが、反動で机に後頭部をしたたかに打ちつけ、不可思議な現象にしばし茫然となる悠。



 ステータス表。これもゲームのまんま。今のところ全パラメータが最低だ。バイトしたり勉強したりすることで、このパラメータは上がっていく。実はこれはCM時のアイキャッチなのだが、これもストーリー進行で上昇していくのだろうか? ちなみに寛容さ最大は「オカン級」。オカンのように細かいことに煩わされず、物事におおらかになるということだろう。



 テレビに入りかけたことを信じない級友たち。ジュネスの電化製品売り場の大型テレビに集まるが、わざとらしくも3人ともテレビの中に入り込んでしまう。



 悠たちがテレビの中で出会うぬいぐるみ状の不思議な生物・クマ(CV:山口勝平)。ぬいぐるみの中身は「ワンピース」のウソップ役や「Dororonえん魔くんメ〜ラめら」のえん魔くん役で有名な山口勝平。主人公に影響を及ぼすアルカナはスター(星)。「JOJO」でいうところの空条承太郎


 クマのくれたメガネを掛けると、それまで霧に包まれて見えなかったものが見えてくる。クマが異変を感じ取って逃げ出した後、不気味なクリーチャー、シャドウが3人の前に現れる。逃げまどう3人だが、ついには広場に追い詰められてしまう。



 シャドウ名「失言のアブルリー」。千枝は顔面を舐められて気絶。



 その時、危機に陥った悠の中にある力、ペルソナが目覚める。夢で何度も聞いていた、あのフレーズと共に……。


 「我(われ)は汝(なんじ)、汝(なんじ)は我(われ)」





 何やらどこぞの汎用ヒト型決戦兵器の様だが、ペルソナ名「イザナギ」。魔法を使う時のカットインも、ゲームそのままで感涙!


 目覚めたペルソナ能力で一瞬にして敵を屠る悠。驚く陽介を尻目に、その強大な力を持ったことを如何に思うのか、興奮に身ぶるいしながら不敵な笑みを浮かべる悠。




 以下、次回。



 本作の全てを知っている当方的に、メチャクチャネタバレしたい部分が多数あった初回。ホントにばらしてしまいたいんだけど、それは余りにもマナー違反なので涙を飲んで我慢する。ネタバレしない範囲で言及すると、この展開だと、原作の真のエンディングルートが描かれることになりそう。


 ちなみに今回のイザナギのアルカナはフール(愚者)。フールは特殊で、そのランクアップは特定個人のコミュでは獲得できない(ゲームでは物語進行に合わせて上昇して行くコミュ)。それからキャラクター登場の順番のせいで書けなかったけど、マーガレットもアルカナを持っている。彼女のアルカナはエンプレス(女帝)。余談だけど、タロットの知識があると本作はさらにちょっとだけ面白くなるよ。ただ、本作キャラをJOJOキャラに例えんでもいいかなとは思った。


 主人公の名前が決まっているのは当たり前なんだけど個人的には違和感。当方はメガテンシリーズでは主人公の名前は必ず【主人公(しゅじん こう)】と名付けていたもので。


 副題の「You're myself, I'm yourself」は日本語にすると「我は汝、汝は我」となる。ゲームでペルソナシリーズを経験して来た人にはおなじみのフレーズだけど、アニメで初見の人にどれだけ今回の内容が伝わっているのかは分からない。でも知っている立場から見れば、メチャクチャ面白かった。当方的には今年下半期のベストアニメと言える。

 アニメでハマった人には、ぜひゲームもプレイして欲しいと思う。よりハマること間違いないから。たくさんのゲームをやり込んで来た当方が、プレイした全てのゲームの中で5本の指に入るほどに面白いと思ったぐらいゲームとしても優れた出来だと思うので、お勧めしたい。


 次回も必ず観るつもりだけど、来週からは『イナズマイレブンGO』もあるので、今回以上に端折(はしょ)った感想になるかも知れない。検索で来られた方、良かったらまたぜひ観に来て下さい。



 次回「The Contractor's Key(契約者の鍵)」に続く。



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