【訃報】 アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏死去

 今聞いたニュースだが、アップルの創業者のスティーブ・ジョブズ氏が死去したという。まだ56歳という若さだった。



 アップルトップページのスティーブ・ジョブズ
http://www.apple.com/jp/


  • ロイターより引用

UPDATE6: 米アップルのジョブズ前CEOが死去、類まれな才能で業界を革新
2011年 10月 6日 14:29 JST

 [サンフランシスコ 5日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)は5日、スティーブ・ジョブズ取締役会会長がこの日死去したと発表した。56歳だった。

 病気療養中だったジョブズ氏は今年8月に、最高経営責任者(CEO)の職をティム・クック氏に委譲していた。

  

 アップルの取締役会はジョブズ氏の死去について声明を発表し、「スティーブの才能、熱意、エネルギーは、すべての人々の生活を豊かにし、改善するための数限りないイノベーションの源泉となってきた。スティーブのおかけで、世界は計り知れないほど豊かになった」述べ、ジョブズ氏の功績を称えた。

 さらに「彼の最大の愛は奥さんと家族に向けられている。われわれの心は、彼らや、ジョブズ氏の類まれな才能に魅せられたすべての人々とともにある」と述べた。

 
(中略)
 

 ジョブズ氏死去のニュースを受け、さまざまな著名人から追悼の言葉が寄せられている。マイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)のビル・ゲイツ共同創設者は、「ジョブズ氏と一緒に働くことができて非常に光栄だった。スティーブのような多大な影響力を持った人は世界でもまれだ。とても寂しくなる」と述べた。

 オバマ米大統領も声明を発表し、「スティーブは米国最高のイノベーターの1人だった。勇気があり、人と違う考えができた。大胆な人物で、自分が世界を変えられると信じることができた。そして、それを成し遂げる才能があった」と表明。

 「世界はビジョンのある1人の人物を失った。世界中の多くの人がスティーブの発明した機器で彼の死を知ったという事実ほど、スティーブの成功を如実に物語るものはないのではないか」と述べた。

 
(中略)


 アップルはホームページにジョブズ氏の白黒写真を全面に掲げ、追悼の意を表している。

引用ここまで



 私が最初にインターネットに接続して使用したPCはアップルのiMACだった。ジョブズ氏死去という突然の訃報は、今はマックを使用していない元マックユーザーの私としても驚きと感慨なしには聞けない話で、残念でショックなニュースであった。


 「Apple」という社名は当時ライバルの「ATARI」よりも電話帳で前に来るように付けた名前だったという(アルファベット順で)。確証のない俗説だが、これを聞いた時はジョブズ氏の性格的にありそうな話だと思った記憶がある。他にも共にアップル社を立ち上げたスティーブ・ウォズニアック氏との確執(報酬ピンハネ事件)など、若き日のジョブズ氏のやり方には笑い話に糊塗された批判も多かった。創業者でありながらも一度はアップル社を追放されてしまうのも、その強烈な資質から来る傲慢性ゆえだったと思う。


 復帰後のジョブズ氏はiMAC以降、「i」で始まるヒット作を続々と発表し続け、アップルを経営危機から見事に立ち直らせる。iPODiPHONEなど、まさにアップル復活の立役者であり、その後のコンピュータのタイプを決定づけた感のあるiPADなどは、ジョブズ氏の先見性をまざまざと見せつけるものだった。その能力の高さは言うまでもないが、それ以上に欠かせなかったのは周囲との協調を重んじ、若き日の失敗を繰り返さなかったことだろう。自信と表裏一体だった傲慢性を押し包み、人間的に円熟味を増したジョブズ氏にはもはや弱点は無くなっていた。

 ウィンドウズのマイクロソフトインテル連合軍に押される苦境時からは考えられない脅威の巻き返しには驚かされるし、それもジョブズ氏だからこそ成し得た業だと思う。現在のアップルは時価総額で米石油会社エクソンモービルを抜き世界一の企業にまでなっているという。


 ジョブズ氏は8月に病気でアップルのCEOから退くことを決めていて、そんなに体調が悪いのかと思っていたのだが、その決定からわずか2カ月後、今回の訃報を聞くこととなる。まさかこれほど早く逝くとは思ってはいなかった。すでに第一線を退いていたものの、ジョブズ氏という象徴的な人物を失ったことは、コンピュータ産業界全体に精神的なダメージを与える可能性があるだろう。


 新商品の説明時、黒いタートルネックジーンズ姿のジョブズ氏が説明する姿がアップル社の定番となり、イメージとなっていた。創業者の社長が新商品発表の場に出てくるという姿は、普通は出しゃばりのように思われて見苦しいものだが、ジョブズ氏にはそのような印象は全く感じられなかった。ラフな姿で柔らかな口調で語るその姿はイヤミの無い、それでいて先進的で個性的で親しみやすい、アップルという会社そのものを体現するものだった。同じことを他の人がやってもあれほど見事にはハマりそうにない。アップル社はその頭脳を失ったと同時に最高の販促タレントをも失ったと言えるのかも知れない。どうあれジョブズ氏のあの姿がもう二度と見られなくなるというのは、非常に寂しい気がする。




 彼が世に排出し続けたアップル製品の写真でかたどられたジョブズ氏の像。


 偉大な人物の逝去に、哀悼の意を表します。



【注釈】
 今日の記事、最初はTVアニメ『ペルソナ4』が今夜放映開始されるという記事にするつもりでしたが、ジョブズ氏死去のニュースを知り、差し替えました。『ペルソナ4』の方は日を改めて書きたいと思います。



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