『ペルソナ4』第6話「I'll beat you, and beat you good(絞めんぞ!キュッと絞めんぞ!!)」の感想

 恒例のテレビアニメ『ペルソナ4』を観ての感想文、今回は第6話「I'll beat you, and beat you good(絞めんぞ!キュッと絞めんぞ!!)」の感想を書きたい。『イナズマイレブンGO』の感想文と同じようにやっていては死んでしまうと言いつつ、いつの間にやら同じような感想文を書いているという……。結局こういう書き方が自分の性(しょう)に一番合っているのかも知れない。この書き方は本当に死ぬほど大変なんだけど、これも芸の無さから来る宿命と受け止めて行きたい。

 ちなみにこちらを読んでいる年齢層は『イナズマイレブンGO』よりは上だと思うので、文章校正上の制約は少なめにしている。やや難しい文体だったり性的表現もやや甘めだったり。フリガナも少なめ。



 今後のストーリーの根幹に関わる大きなネタバレは避けていますが、少しのネタバレも観たくない方は、閲覧にご注意下さい。


 はこちらから。


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 いつものベルベットルームのつもりが、今回は勝手が違った。主(あるじ)であるイゴール(CV:田の中勇)がその場にいない。主の代理に挨拶の言葉を厳粛に、かつ嬉々として述べるマーガレット(CV:大原さやか)。これは実は1度目のハプニング。

 楽しげに代役を果たした後、マーガレットはいつもの仕事に戻る。前回彼女が予告した月と剛毅の2つのアルカナとの絆を見事に結ぶことに成功した悠。それら絆の行く末に思いを致しながら、またこの場で再会することを望むマーガレット。


 「(次に会う時も)主がいない方がいいのかしら?」


 主たるイゴールの目が無いからか、いつもと違う妖艶な笑みを浮かべ親しげに語るマーガレット。主人公・鳴上悠(なるかみ ゆう CV:浪川大輔)の因果意識下の彼方に存する彼女とも、いずれは絆を結ぶということが可能なのかもしれない。思わせぶりな笑顔を残し、マーガレットは悠の意識の下から去っていく。



  オープニング



 八十神高校では一つの伝説が話題となっていた。たった一人で暴走族100人を相手に大立ち回りを演じ、全員を病院送りにして壊滅したとも、その族の首領となったとも言われる男が、今年入学した1年生の中にいるという。そのあまりの武勇伝に、テレビ局まで取材に訪れるという噂まであった。


 件の男の噂を悪し様に語っていた男子生徒の前に一人の男が通りがかる。それこそがその伝説の男であった。180cmを優に超える巨躯(きょく)に額の傷、そして髑髏の描かれたTシャツに首から下がった銃弾のネックレスと、威圧感がそのまま息をして歩いているような印象を受けるその男を見て、男子生徒も慌ててその場を立ち去る。

 その態度に嘆息し、自らも立ち去ろうとするが、その外見とはおおよそ似合わない落し物をする。可愛いウサギのストラップ状の人形を拾い、大男に声をかける悠。大男はひどく狼狽し、人形を奪うようにして去っていく。見られてはいけないものを見られたというその態度。


 5月の連休を目前に控える堂島家。菜々子(ななこ CV:神田朱未)と2人で夕食を取る悠のもとに、叔父の遼太郎(りょうたろう CV:石塚運昇)から電話がかかり、菜々子から取り継がれる。連休に菜々子と悠に約束していた休暇が仕事の都合で無理になったという。悠はともかく、父と過ごす休日を楽しみにしていた菜々子には酷な話だ。電話の取り次ぎの時に父から聞かされていたのだろう、電話が終わった時には菜々子はすでに自室に引き揚げていた。


 翌日の憲法記念日、晴れ渡った天気で出かけるには最適の日。クラスメイトの里中千枝(さとなか ちえ CV:堀江由衣)が遊びの誘いにやって来る。


 
 父との約束が駄目になって寂しくテレビを観ている菜々子を放っておいて遊びに出かけるほど情け知らずの冷血人間ではない悠としては、断るより他は無い。しかし千枝は悠の後ろで様子を窺う菜々子を目ざとく見つけ、粋な計らいを見せる。菜々子ごと誘うことにしたのだ。

 知らない人ばかりの集まりに加わることに逡巡する人見知りの菜々子に、悠からも一緒に遊びに行こうと援護射撃。千枝の笑顔に菜々子も緊張をほぐされ、共に出かけることとなった。


 田舎街の稲羽市において、近場で遊びに行くにはジュネスしか選択肢は無い。フードコートでジュネス店長の息子、花村陽介(はなむら ようすけ CV:森久保祥太郎)の給仕の下、稲羽市名物のステーキを見て大喜びの菜々子。天城雪子(あまぎ ゆきこ CV:小清水亜美)の言うところによると、あまり良い肉では無いらしいが……。

 せっかくの連休にお出かけ先がジュネスでは、菜々子が不憫だと思う陽介と、それを復唱する雪子。しかし菜々子はジュネスがおそらくこの世で5本の指に入るほど好きなジュネスフリーク。当初はお弁当を持ってここに来る予定だったほどなので、心配には及ばない。


 菜々子「ジュネス大好き!」



 ジュネステーマ曲をご機嫌で歌う菜々子。可愛すぎる。



 「ジュネス大好き」と菜々子に言われ、浮かれるジュネスの息子。


 お弁当を作る役が悠だと菜々子に聞かされて、感心する一同。頑張る悠を「おにいちゃん」と持ち上げる千枝の言葉を聞き、菜々子は悠をその言葉で意識する。

 どう見ても料理の得意では無さそうなガサツな千枝は陽介と口論となり、旅館の娘で料理も嗜(たしな)んでいそうな雪子まで巻き込み、弁当勝負に臨むことになる。菜々子のお母さんより美味しいモノが作れるかどうかを菜々子に審査してもらおうと提言する陽介。だが……

 母親が事故で亡くなったことを淡々と語る菜々子。謝る陽介に、菜々子は父と、そして悠……おにいちゃんがいることで寂しくは無いことを告げる。



 「おにいちゃん」という時の、ほんの少しの逡巡と照れた表情が可愛すぎる菜々子。


 健気な菜々子に感動する一同。いつでも一緒に遊ぼうと、新しい「おにいちゃん」「おねえちゃん」になることを誓う。いとこの「妹」と仲間たちが良好な関係を築いたことに、悠も心から安堵する。


 2日後の子どもの日。菜々子を前にして堂島はバツが悪そうだ。約束を破ってしまったという負い目を感じて言葉がなかなか出てこない堂島。謝る父に、「おにいちゃんが遊んでくれた」と笑顔で語る菜々子。悠の気づかいに、堂島は救われた気分だろう。


 ご機嫌伺いもあったであろう、子どもの日のプレゼントを受け取り喜ぶ菜々子。ヘンテコなカモノハシのシャツを無邪気に喜ぶ。

 堂島のファッションセンスの無さは致命的であった。悠にもあったプレゼントは、奇抜なデザインの水着だった。


 悠「ハイカラですね……」


 本気なのか皮肉なのかは分からないが、本気だとしたら悠のセンスもどうかと思う。夕食はいつも通りの出来あいのお弁当だったが、自らをおにいちゃんと呼び慕ってくれる菜々子と叔父との3人で、久しぶりに暖かい団らんのひとときを送る悠。


 翌日。迫る中間テストの勉強会と称し、ジュネスのフードコートに集合する悠たち。連続殺人事件に話が及ぶと、勉強しないで寝ていた陽介が起き上がり、持論の推理を開陳し始めた。事件の被害者は生存した雪子を含め3人とも女性だった点や、第1の被害者の山野アナウンサー(CV:甲斐田裕子)と関係があったという点を挙げる。


 決定打とはなり得ないが、筋は通った推理であった。事件の鍵はやはりこれまでの事件の犯行予告と呼べる「マヨナカテレビ」に注視するしかないということを確認し、陽介は勉強せずに帰ってしまう。呆れ顔の千枝。


 さらに3日後、とうとう2年生最初の中間テストが開始される。当たり前だが、陽介の出来は散々で、最終日には席にすら存在しなかったほど(陽介曰く、受けても受けなくても点数は変わらないらしい)。陽介よりは勉強していたはずの千枝も頭を抱えて出来んボーイだったようだが。



 その晩、テレビから流れて来る不良学生の声に反応する堂島。補導歴があるのだろう、堂島はその男の名を知っていた。そして悠も、その男の姿に見覚えがあった。外見に似合わぬ可愛い人形を持っていた、あの男の姿がテレビには映し出されていた(目線は入っていたが一目瞭然)。


 さらに3日後。その日は前日から続く雨だった。雨の日の深夜12時には「マヨナカテレビ」に次の犠牲者の姿が映る。悠が見つめる砂嵐。そこに映ったのは、あの不良学生・巽完二(たつみ かんじ CV:関智一)の姿であった。



 ここでCMアイキャッチ。寛容さが伸びているのは、「おにいちゃん記念日」を迎えた菜々子絡みであろうか? ジュネスのあのシーンで菜々子ともコミュを築けたはずなので、次回からは正義(ジャスティス)のペルソナも使用可能になりそう。


 そして翌日、「マヨナカテレビ」を観た悠たちはまたもジュネスのフードコートに集合していた。ここが彼らの特別捜査本部となる訳だ。

 巽完二の姿は全員が確認していた。被害者は山野アナに関わりのある女性ばかりという推理がハズれ、陽介は意外な印象を抱く。伝説の問題児の名は、陽介たちも知っていたのだが、雪子は別の側面から完二のことを知っていた。完二の家は染物屋を営んでいて、旅館経営の雪子宅とはお土産関係の繋がりで知らぬ仲では無かったのだ。


 とにかく次の被害者は完二になる可能性が高い。という訳で完二の実家である染物店・巽屋に向かう4人。しかしそこには意外なことに、先客がいた。帽子を目深に被った少年(CV:朴璐美)が完二の母(CV:逢川亮子)から何かを聴く素振りを見せていた。入れ替わりに出て行く時、その少年は曰くありげに悠を睨む。



 完二の母とのやり取りは、顔馴染みの雪子が務める。その合間に店内に陳列されたスカーフに見覚えがあることに気付く悠。テレビの中、首を吊るかの如く輪にされた形で山野アナウンサーの心象風景に存在していたスカーフ。完二の母の言うには、そのスカーフはやはり山野アナのオーダーメイド品だった。事件は意外な形で繋がった。やはり次の被害者は完二なのだろうか……?

 巽屋を辞した4人は、そこで件の完二が先程の帽子の少年と会話しているのを目撃する。暴力野郎で恐れられる完二に見つかると何をされるか分からない。一人の下級生に怯え、物陰に隠れる4人。

 自分に興味があるという少年の言葉に、何故かドギマギする完二。男が相手だというのに、顔を赤らめてしまう。



 明日の放課後の再会を約して、少年は去っていく。そして次の瞬間、郵便ポストの影から一部始終を見ていた悠たちに気付き、怒り出す完二。その剣幕に押され逃げ出す悠たち。近くの神社に逃げ込んで難を逃れる。

 4人は完二と巽屋の両方を張り込んでみることにする。連絡を密にするため、雪子に携帯の番号交換を求める陽介。捜査のためと言いつつも、美人の雪子にそれを望むことが陽介の主たる狙いだったらしい。陽介にはかつて天城越えに挑んだ過去もあったしね。でもそこはやはり天然の雪子、陽介の言葉など聞こえてはいなかった。天城越えはまたも失敗に終わる。


 翌日。帽子の少年との約束の時間が迫る中、何故か鏡に向かっておめかしする完二。口笛など吹きつつ、愛しい相手に会いに行くとしか思えない体(てい)だ。会う相手は同性だというのに。自分でも何をやっているのか分からなくなる完二。



 完二を張り込む、丸見えの4人組。


 昨日の帽子の少年が現れ、2人は連れ立って何処かへ向かう。陽介の提案により、陽介と千枝が完二班、悠と雪子が巽屋班と、張り込む対象を決定する。

 巽屋横の神社で張り込みを開始する悠と雪子。緊張する雪子にリラックスするようアドバイスする悠。だが雪子の緊張は、犯人を待つことによるものではなく、同年代の男性と2人きりで会話するということについてのものだった。悠と付き合うことが楽しいと言って、顔を赤らめる雪子がとても可愛い。




 そして朴念仁の悠が雪子の気持ちを分かっていない調子なのがまた良い。


 陽介との時には目もくれなかった携帯の番号交換に、悠相手だと一転、顔を赤らめて応じる雪子。


 その頃の完二班。ほんの数mの距離を、携帯で連絡を取り合う陽介と千枝。トランシーバー調の喋り方で、どう見ても尾行ごっこを楽しんでいる様子だ。お腹が空いたと、馴染みの中華料理店・愛家に肉丼2人前の出前を頼む千枝。全く緊張感の無い尾行劇だ。

 そんな感じで騒いでいたら、誰だって尾行に気付くというものだ。案の定、完二に気付かれてしまう。男相手に顔を赤くした姿を見られてしまうという醜態を晒した昨日の件も思い出され、さらに千枝の余計な一言で狂乱する完二に追われることとなる。



 何故か巽屋班のもとに逃げて来る陽介と千枝。巻き込まれ、一緒になって追われる立場となる悠と雪子。



 「絞めんぞ!キュッと絞めんぞ!!」


 引っ込みがつかずに悠たち4人を追いかけ回す完二。そこに律義に千枝からの出前をお届けにやって来る愛家の看板娘・中村あいか(なかむら あいか CV:悠木碧)。



 岡持ち付きスーパーカブを駆って出前にやって来るあいか。一体どうやって街中を移動する依頼者を見つけ出すのか? それは謎に包まれているが、どこでも配達するのが彼女のモットーらしい。陽介ならずとも驚かされる。


 何だかんだあったが、何とか鬼の手から逃れることが出来た4人。命がけの鬼ごっこから逃れ、息も絶え絶えの悠たちだったが、千枝だけは元気に肉丼を頬張る。心象風景「花」を咲かせる彼女にとっては、肉こそが生きてる実感を味わう最適な嗜好品なのかもしれない。



 愛家の肉丼1杯、800円なり。千枝は2つとも食べるので、一食で1600円。千枝ちゃん可愛いけど、エンゲル係数は高そうだ。燃費が悪いと言うべきか。


 完二の凶暴なまでの強さを見て、あれなら誘拐されてテレビに入れられることも無いと放置を主張する陽介。食後のドンブリをどこに置けばよいのか悩む千枝。どこかずれている彼ら連続殺人事件特別捜査隊の、明日はどっちだ?



  エンディング



 今回のエピローグ。その日の12時、マヨナカテレビに見入る悠。そこで彼は、予期せざる驚愕の映像を目の当たりにして息を飲む!



 超兄貴を彷彿とさせる完二が、リビドー全開で映し出される。その様は「さぶ」か「薔薇族」か? はたまた「サムソン」か「アドン」かといったソドミィなホモホモワールドの光景。雪子の時以上にショッキングな映像に、冷静な悠も思わず一言……


 悠「無いわ……」




 今回は完二というより、菜々子デーと言うべき回だった。菜々子に「おにいちゃん」と呼ばれる記念日が、そのままコミュ結成の自動条件だったことを観ながら思い出した。完二編という本作で最もキッツい絵ヅラタイミングの直前で癒しとも言える菜々子コミュが築けるのも、バランス調整の一種と言えるだろうか?


 他にも雪子とのコミュが今回で解禁となった。細かいが、エンディングで女教皇(ハイプリーステス)のタロットの姿がちゃんと描かれていた。



 顔を赤くするなど、雪子が明確に悠に対して好意を示したのに対し、千枝が悠に対してどう思っているのかはまだ良く分からない印象。アニメ版では雪子が恋人になるのかな? 前回のエビちゃんこと海老原あい(えびはら あい CV:伊藤かな恵)がまた出て来るかどうか分からないし。エビちゃんは明らかに一条康(いちじょう こう CV:小野大輔)くん狙いだし、出演したとしても主人公の恋人にはなりそうにないよね。一条が千枝ちゃん狙いなのが展開を複雑にするんだけど。

 中村あいかがどんな役割をするのかもまだ不明。ゲームの狐のように、ダンジョンにまで出前を届けに来る回復役になったりしてね(料金もボッタクるの)。活躍シーンが楽しみなキャラではある。あと、マーガレットのコミュもどうやら再現されるっぽい。


 今回は悠と雪子、完二と帽子の少年と、たくさんのラブ米が実った(いや、完二は違うだろう)。次回は久々にテレビの中に突入! するお話。悠と陽介にとってはうかつに深入りすれば大事なものを失ってしまいかねない雰囲気で、救出に行きたくなくなること請け合いだ。

 犯人としては、今のところ完二に接触を持とうとした帽子の謎の美少年が怪しいと思えるような流れ。その辺は次回以降に注目だ。詳しくは言わないけど、実はオープニングに出ているんだよね、このキャラ。



 次回「Suspicious Tropical Paradise(あ・や・し・い 熱帯天国)」に続く。



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