未だに好きでたまらない『ペルソナ4』の感想 (Recovery Version)

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 APEC初日だけど、あの首相では中国やロシア相手に面白い事は出来ないだろうから、静観。日記に書きたい事でも起これば良いのにね。

 尖閣ビデオを流出させた海保の保安官もそうだけど、こちらも一介のお役所職員の仕事ぶりがなんだか評価されているらしい。


 官公庁オークションに出品されたファミコンソフトの解説が秀逸

 たった一行で、ゲームのオモシロ解説が出来るというのは実に羨ましい能力だ。お役所仕事って、世間一般とずれているところが笑いどころなんだけど、幾つかは狙って書いてるよね(笑)。個人的には忍者じゃじゃ丸くん(カエルに乗れる)」が朴訥(ぼくとつ)で笑った。


 さて今回は、当方が大好きなメガテンシリーズの中から、『ペルソナ4』の感想文。長文感想だが、これでもまだ語りたい事を全て語り尽くした訳では無く、珍しく同タイトルでもう一度感想文を【ゲームクエスト】宛に送っている。それだけお気に入りだったという訳だが、短文でゲームの魅力を語る能力は欠けていると言わざるを得ないのが辛い。


 メガテン繋がりの
 『デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団』の感想文は、こちら


甘茶さん の「ペルソナ4」 (プレイステーション2)
何もかもが楽しい

 ここまでやりこんだ甘茶さんにまず敬服です。「ペルソナ」シリーズはキャラ、システム、ストーリーとすべてがハイレベルの名作だと思います。「女神転生」シリーズから培ったノウハウがさらに進化したのでしょう。ぜひ「3」にもチャレンジして感想を送ってくださいね。

甘茶
何もかもが楽しい(2009.05.26)

 初っぱなから余談で恐縮だが、当方がこれまで使用して来たテレビが20年の寿命を閉じて、天に召された。新しいテレビを購入するまでの間、ゲームから離れることになったのだが、再開後の最初のゲームが、2011年(地デジの開始年)を舞台にした本作なのには、何か因縁めいたものを感じてしまう……。さらに本作のキーワード、【マヨナカテレビ】という、テレビの中という特殊な世界観がそんな気分に追い討ちを掛ける。古いテレビが描かれた本作オープニング・ムービーが、個人的経緯(いきさつ)も相まって、何とも印象的なのだ。

 ペルソナシリーズ最新作の本作を、当方は月間賞の報酬として頂いた。プレイしての感想なのだが、「何故もっと早く本作をプレイしなかったのか……」との悔恨ばかりが序盤から浮かび来る。それほどまでに、本作は何もかもが楽しい。

 当方、実はペルソナシリーズは第一作(最近、PSP版で復刻された名作)から現役でプレイしている自称ヘビーユーザーであるのだが、“学園モノ+明るい雰囲気=新しいペルソナ”という公式に説明の付かぬ軽い反発を覚え、名作の誉れ高い『ペルソナ3』(以後『3』)を未プレイでいた(正確には、未だ未プレイ)。今あえて説明付けるとすれば、初代からのファンとしての「原理主義的矜持」とでも言おうか、ありていに言えば「こんなの、当方の知ってるペルソナじゃ無え!」というレベルの反発であった。で、その『3』の正当な後継作であるところの本作をプレイしてみて、先程の後悔に繋がるのである……。

 いや、正直言ってときめきメモリアル』チックな学園生活が、まさかこれ程ペルソナの世界観にマッチして、しかも面白いとは思ってもみなかった。主人公は両親の仕事の都合上、1年間という期限で田舎の親戚の元に預けられ(なんだか、『ぼくのなつやすみ2』と被る設定だが)、そこで主人公を待ち受けたかのように巻き起こる連続殺人事件に対し、自分に眠っていた能力、【ペルソナ】能力を駆使して仲間を助け、また同じく能力に目覚めた仲間と共に謎に満ちた怪事件を解決していく。ゲーム性の根幹部分に関しては、これまでのシリーズと大差無いのだが、ペルソナ能力にプラスの干渉力を持ち得る、【コミュ】の概念を取り入れた点で『3』以前と以後は、明確に違うものとなっている。ペルソナは当人の心に潜むものという本来設定を矛盾無く活かしつつ、これ程までに愉快にプレイヤーのやる気を向上せしめる手段を用意した開発陣には脱帽する。人と人との関わり合いが、心の成長に影響を及ぼすという設定は首肯せずにはいられない。このシステムのおかげで(?)、プレイヤーはクラブ活動やアルバイト、日々の日常生活での行動にも楽しみや喜び、達成感を抱く事が出来る様になっている。この、いち高校生としての側面を描いたシステムが、実に秀逸なのだ。学園生活も、修学旅行あり、林間学校あり、文化祭ありと多彩で、青春時代の体験という面でも楽しめる。また本作の田舎という設定も悪くない。濃密な人間関係にうんざりするのが田舎人の感覚であろうが、【コミュ】というシステムの関係上、その辺は暗黙上プラスの了解が為されている訳だし、都会生活がデフォルトである主人公(及び過半のプレイヤー)としては、むしろそういった密な人間関係をこそ望んでいる面もあると思える。少なくとも当方は、好意的イメージを持った設定である。

 本来のRPGのステータス以外に、本作の主人公は「勇気」「根気」「知識」「伝達力」「寛容さ」の5つのステータスを持ち、これらは主に現実世界での主人公の行動力に関わって来る。例えば、ちょっと不良っ気のある女子と授業を抜けてデートしようと思っても、それを実行出来るだけの「勇気」が無いと不可能なのである。…… どこかで勇気を磨いて来なければ、彼女との【コミュ】は築けないままなのだ。他にも様々な面で、このステータスを要求される機会は訪れるが、全体的に見回して、無理の無い展開でクリア出来るものになっているので、ストレスが溜まる事も無い(一部には明らかに2周目を前提にしたものもあるが、その場合にも諦めがつき易い構成になっている)。少しの修錬でクリア出来る展開は、小さな達成感を感じさせてプレイヤーのやる気をますます喚起させるものになっている。面白くって仕方が無い。

 【コミュ】を彩るキャラクターたちも、どれも実に魅力的だ。連続殺人事件の謎に挑む仲間たち、学校での友人、アルバイト先で巡り合う人たち、そして主人公を受け入れてくれ、家族の関係を築くことになる叔父とその娘。大なり小なり主人公に関わる中で、主人公の心に影響を及ぼし、ペルソナ能力も向上していく。豪華で実力派揃いの声優陣もキャラに合っていて、好感が持てる。またストーリーの進行上、戦闘中は主要キャラが全員メガネをかける事になるので、メガネくん、メガネっ娘好きの人にはその面でもお勧めだ。

 シリーズお馴染みの、タロットカードのアルカナに見立てられたペルソナが、同じくそれぞれの【コミュ】によって強化されて行くシステムは楽しいし、【コミュ】ランクがMAXに達する事で合体条件が満たされる、各アルカナ最強のペルソナの存在がモチベーションの鼻先にニンジンをぶら下げる。やり込み派としては到底無視出来ないのは勿論、普通に遊ぶレベルのプレイでも戦闘が有利になるという点で無視は出来ない、本作プレイヤーならば万人が経験し、楽しみ、頭を悩ませるという良く出来たシステムだ。ひとつひとつの【コミュ】のドラマ性、人間模様も見応えがあり、プレイ中飽きる事無く世界観に浸れる点も素晴らしい。

 RPG戦闘部分も爽快感あふれる、楽しいものになっている。初代『ペルソナ』からプレイしている人には分かって貰えると思うが、一種の詰将棋を解くかの如くの凶悪な難易度は本作では見受けられない。この敵にはこの手段でないと全滅、ペルソナ合体ではこの順序で、このスキルを残しておかないとここで嵌まる……といった、一つ間違えると取り返しの付かない事になるといったような敷居の高過ぎた理不尽感が消えた事は、個人的に望ましく思う。

 シャドウと称される敵は、大抵何かしらの弱点が存在して、味方のペルソナ能力でそこを突くとクリティカル扱いとなり、もう一度同キャラによる攻撃が可能となる。ただ、その“弱点攻撃有利設定”は敵にも平等に与えられており、例えば味方キャラの「里中千枝」は火炎攻撃が苦手なキャラなのだが、火炎スキル持ちの敵は嫌らしく千枝を集中的に攻撃して来たりするので気が抜けない。上手な戦い方として、要は如何に先手を取って戦うかに重点が置かれる訳だが、フィールド上に見えている敵の背後から戦闘に持ち込むと先制攻撃扱いになるなど、その辺も思考が凝らされている。既出作よりもシビアさが無くなったとは言え、主人公死亡=ゲームオーバーの設定は依然硬派な難ゲーという印象を抱くし、エンターテインメント面での進化は明白で、やはりRPGとしても面白く進化しているという実感だ。

 本作で感じた不満というか、当方が体験している『ペルソナ2罪・罰』からの視点での見劣りという点を一点述べさせて貰うとすれば、ペルソナに限らず、これまでのメガテンシリーズに於いてはまさにキモとも言えた【悪魔会話】システムが無くなった事。……なのではあるが、敵の概念が、それまでの悪魔から人間の心から湧き出でた抑圧=シャドウという風に変化した訳であるから、その変遷も致し方無し、と納得はしている。その分、【コミュ】システムで人と人との関係をクローズアップしている訳だし、ね。

 また、これはペルソナシリーズのみならず、アトラスのゲーム全てに当て嵌まる賛辞なのだが、BGM、音楽が実に素晴らしい。本作で特に当方が好きな曲として挙げたいのは、ペルソナ合体の折に訪れる施設「ベルベットルーム」に流れる曲で、歴代ペルソナシリーズでのベルベットルーム・サウンドの伝統に則(のっと)り荘厳で恭(うやうや)しく、それでいて新規ある曲調で、何時間聴いていても飽きない。他の曲も軒並み気に入った当方は、プレイ中に早速サウンドトラックを購入し、この稿を執筆中もずっとバックに流していた。軽快な音楽にわくわくして、プレイ時の興奮が頻繁に脳裏をよぎり、実に楽しい作業になった事を告白する。本作自体は恐縮にも賞品として頂いた訳であるが、冒頭のテレビ、攻略本と合わせ、定額給付金景気対策の為に、惜しみなく世間様に還元した事を合わせてここに宣言しておきたい。

 さて、一周目を終わらせてこの感想文を書かせて頂いている訳だが、どうもエンディングは複数ある様だ。攻略本は未見だが、どう考えてもそうとしか思えない、ちょっと不本意な終わり方だった訳だ(少し悲しい……)。一周目での全【コミュ】MAXも到底達成出来なかった。恋愛対象になり得る女性キャラを全員恋人にするという、「人としてどうなの?」と問われ、「いや、最強ペルソナの為に仕方無くなんだ。ホントはこんな事したくないんだ!(ウソ)」と真顔で言い訳するという鬼畜プレイもまだ出来ていない。やり込み派(自称)としては忸怩たるものがある。だが、これはこれで自分の道程だ。あっさり受け容れて、全てを補完すべく二周目に突入する次第である。何故ならば、処女プレイの時よりも数倍わくわくしている自分を、今、感じているからだ。こういった感覚をもたらすゲームは稀有な存在だ。月間賞の賞品に本作を求めた自身の選択を褒めてあげたい。


 ああ、この頃に定額給付金って、あったよね。今の「子ども手当て」よりは良い政策だったんじゃないの。当方は貯金などせずに還元したしね。

 本文中でも触れているが、これは【ゲームクエスト】月間賞で頂いた賞品。確か『アストロノーカ』の時の賞品だったと思う。『ペルソナ3』の方は、この感想文を書いている時は無かったPSP版が新要素が追加された形で出ている。プレイするとすればそちらになろうかと思うのだが、当方、PSPを持っていないのでちょっと困っている。

 本作は大好きなゲームなので、今後も折を見てプレイしようと思う。また追加で感想を書くかも知れない。

【追記】
 本作のベルベットルームの主、「イゴール」役を演じられた田の中勇さんが今年初頭に亡くなられた事を思い出す。とても役柄に合っている声だっただけに残念。鬼太郎の目玉おやじは、この人以外に演じる事は不可能であろう。今年は余人を持って代えがたい声質の声優さんの訃報が多かった気がする(ケルナグール郷里大輔さんとか、コブラ野沢那智さんとか……)。慎んでご冥福をお祈りします。




 オープニング。日本語訳付きバージョン。当方の使っていたテレビは、流石にここまで古くはないけどね。「リング」の貞子といい、本作といい、「テレビの中に入る(出てくる)」という三次元空間的物理要素を考えるとやはり奥行きのあるブラウン管のテレビが似合っている。テレビ映像が2次元だとは頭では理解していても、やはり最近の薄型テレビでは、雰囲気が出ないよね。ジュネスの薄型テレビが影世界への入り口というツッコミ禁止。



 ゲーム中の雰囲気が伝わるプロモムービーを選んでみた。観ているだけでワクワクする。



 こっちはネタ。でも凄く出来が良くて感心したので紹介。一目見て思わず「え、いつこんなギャルゲー出たの!?  アトラス公認!?  女房を質に入れてでも買うよ!! 」と女房が居なくても中野和雄調に言ってしまう程、良い出来。タイトル(?)に「クマ」が落ちてくるところなんて、ホントに良く出来てる。「きしめん」の意味は、サビの歌い終わり「素直な気持ち抱き締め」が「素直な気持ちだ きしめん」と聴こえる事から、らしい(0分20秒辺り)。

 この「きしめん」に関しては、エントリーひとつ使って説明しています。宜しければご覧ください。


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