ネット時代の漫画家に思う 【『嘘喰い』作者ツイッター事件とか雁屋哲とかG=ヒコロウとか】

 Twitterでブチ切れる醜態を晒す漫画家さんが居たそうで、残念。漫画家は、作品以外では出来るだけ目立たない様にするのが良いというか、そうするべきなのに……。読者に要らぬ予断を与える行為は厳に慎んだ方が良い。

 個人的には今回騒ぎになった『嘘喰い』って漫画も作者さんも知らないのが救いではある。ああいうの見せられては、いくら作品が好きでも、今後も読者で居られそうにないから。ファンの人はさぞ残念だろうに。気にしない人もいるとは思うけど、一連のあのつぶやきでファンは減りこそすれ、「カッコ良い、今度この人の漫画読んでみよう!」という人は皆無だろう(一時的に騒ぎの後遺症を覗く人が幾らか出るだろうけど、そういう人たちはファンというよりアンチな訳で。当方も一遍立ち読みしたいぐらいの興味は持ったけど、面白くても読み続けないだろうな〜)。

 作品の世界観が、作家や漫画家にとっては何よりの財産。ネットの時代、ファンとクリエイター間の垣根が信じられないぐらい低くなってしまった今こそ、作家や漫画家は自戒すべきなのだと思う。安易に財産を損ねてしまう行為はあまりにも愚かな行為と言えるのではないか。漫画家さんや作家さんがどうしてもTwitterやりたいんだったら、一方的につぶやいて受け答えは一切しないとか、匿名で一般人として参加するとかぐらいにして欲しい。間違ってもネット上で煽りに対応出来ずにつまらない自尊心を爆発させて、多数のファンを失望させないでね。


 ……広義の意味でネットリテラシー的に上記に繋がる漫画の話と思うので告白するが、かく言う当方、80巻を越えるまでサヨクプロパガンダ漫画『美味しんぼ』を買い続けていたという重い十字架を背負っている(笑)。

 今見返すと20巻辺りからおかしい描写はあったんだけど、日教組教育真っ盛りの時代、幼少期だった当方はころっと騙されていた。ただ不思議なのは、欺瞞に気付いた後も暫く購入し続けていたという事。ホントに不思議なんだけど、単行本の購入って惰性で続けるところが多分にある気がするし。惰性って怖いわ。今なら雁屋哲の妄言も嘘だと気付く事が出来るんだけど。こっちはネットの情報のおかげで欺瞞がバレたケースだけど、この人は嘘がバレた後も、どんどん日本軍の殺害人数を肥大化させていて、まるで中国人の主張する「白髪三千丈」の典型の様で、誰も耳を傾けてくれなくなったオオカミ老年の愚痴には哀れみすら感じる。


 最近購入して面白かったのが、G=ヒコロウ先生著の『×××(チョメチョメ)のゴアちゃん』。読み慣れないまま、何も考えずに読み出すと全く訳が分からない内容だが、ゴチャゴチャ描かれたいろいろ目に付くモノを、理解出来ないなりに考え考え一読した上で、一転何も考えずに二度読みすると、なんだか説明出来ないノリで面白くなってくるから不思議。

 普通は一回目は何も考えずに読んで、二回目で熟読するという読み方のが良さそうなんだけど、この人の漫画は特殊な気がする。一回目で「ヒコロウ漫画」という一般漫画と違う文法を意識するという感じかな?

 当方、この人の単行本は全部持っていて、ある程度は読み慣れているつもりだけど、それでも一読目はノリについて行くので精一杯。これまでの作品も読み手をいたずらに不安に陥れ、発狂寸前まで追い込む様な展開の漫画ばかりなのだけど、今回は途中で横長のコマ割りの漫画が無理矢理縦に掲載されていたりして(いわゆるけど、何の説明も弁解も無く、そのまま載せてる)、今まで以上に読者に厳しい作りになっている。

 超珍しい事に真面目に描かれたイラストもあるが、むしろそれも嘘臭いカオス感が……。でもおススメ(笑)。何度も言うけど、初めて読むときは辛いタイプの漫画なんだけど、我慢して読んでハマると面白くて仕方が無くなるという不思議な魅力の漫画家さん。知る人ぞ知るタイプの寡作な漫画家さん故に、数年前にネットで作者死亡説が流れたのだが、そんな事も笑ってネタにする人(実話)で当方的に非常に好感度高し。ネット時代の漫画家は、かくあるべし。



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