映画『バイオハザード4 アフターライフ』を観たので、『バイオハザード5』の感想

 コメント欄で漫研さんから貴重な意見を頂いたので、早速やってみる。言われたまんまの内容だけど、ご容赦頂きたい。

 このブログを始める少し前、映画『バイオハザード4 アフターライフ』を観に行った。所謂フル3D映画という事で、物凄い迫力で観る側に迫って来る映像はなかなか楽しかった。余談だけど3D映画が普及し出して、登場人物がこっち(観客側)にモノを投げる表現がやたら増えている気がする。本作の場合、主にナイフや斧等、当たると死ぬ系だったりするので鑑賞中何度ものけぞる。

 別の人にそれぞれ別の日程で誘われて2回観たのだが、不満点は3Dメガネの存在かな。当方は映画を見る時はメガネ着用なので、3Dメガネを通常のメガネの上から、つまり二重にかけないといけない。それが重いわゴテゴテしてるわで、最初は戸惑った。2度目の鑑賞時も、やはり最初の違和感は相当で、映画に没入して行く過程で直に慣れてくるのだが、この辺は今後何とかして欲しいと思う。3Dメガネ無しのスクリーンなんてものも、そのうち普及して欲しいものだ。


 で、今回は『バイオハザード5』の感想の再録。映画とゲームは別展開でストーリーが進行しているので、一見この組み合わせはいつもの強引過ぎる時事ネタ組み合わせのようだが、そうではない。作中出てくるクリーチャーが『バイオ5』に出ている「マジニ」(人型)や「アジュレ」(犬型)という種だったり、ラスボスのウェスカーがゲーム中見せた超人的動作をしたりと、ゲーム内容をオマージュした表現が多くある。映画のラストシーンに出てくる人物も、『バイオ5』の設定を活かしつつ、想像力を喚起し次回作への余韻を残す(誰かはナイショ)。おそらくはゲームファンに対するサービスなのだろう。処刑マジニと登場人物の闘いは、音楽も相まってメチャカッコ良い。『バイオ5』のファンは、映画の方も必見だと思う。ずっとゲーム『バイオ』の主役を張っていながら映画には未登場のあの男も、ようやく映画に出てくる!




 シリーズ第1作の『バイオハザード』の感想文は、こちら。
 シリーズ1.5作目的存在の『バイオハザード・ディレクターズカット』の感想文は、こちら。
 シリーズ2作目の『バイオハザード2』の感想文は、こちら。
 シリーズ3作目の『バイオハザード3』の感想文は、こちら。


甘茶さん の「バイオハザード5」 (プレイステーション3)
バイオファンなら、迷わず買い
 新型機の映像のすごさを堪能出来るゲームだと思います。「過去10年のバイオ・サーガの一つの集大成的な展開」というのは気になる要素ですね。

甘茶
バイオファンなら、迷わず買い(2009.09.25)
 9月3日、ようやくゲーム機として適正な価格に思われる値段になった新型PS3を購入した。ブルーレイも十分に魅力的だが、今のところこのゲームを遊ぶためだけに購入したと言って良い。今回の感想は、恐怖ゲームの代表の正統後継作たる『バイオハザード5』の感想だ。現行最新ハードの能力も相まって、あまりにも奥が深い本作のクリアに思っていた以上に時間を要し、感想執筆が予定より大幅に遅れた事を正直に告白しておきたい。恐怖ゲームの感想を投稿するにはもう涼しくなりすぎて、残暑という言い訳すらうそ寒い。

 バイオハザードの元凶企業「アンブレラ」は歴代主人公たちの活躍により滅びたかに見えた。だがそれは表層的な問題であり、むしろ器であったアンブレラの箍(たが)が外れた事で統制、管理されていた機密が外部に漏れ出し、世界でゲリラによる“バイオテロ”が起こり得る状況を招く結果となってしまった(この辺、ソ連イラク崩壊による現実世界の核、生物兵器問題ともリンクしたシビアな世界観を感じる)。対バイオテロ組織BSAAを結成した中心メンバーの一人「クリス・レッドフィールド」は新たなテロを阻止すべく、アフリカの大地に降り立つ。そこで彼は、今回の作戦に同行する新たなパートナー「シェバ・アローマ」に出会う。

 本作主人公はあの、原点であり原典、無印『バイオハザード』のプレイヤーキャラだったクリス。全ての始まりであったあの洋館事件から10年後の設定ということで、クリスも35歳。精悍さの中に人生の上積みを加味した、いわゆる円熟味を増した表情になった(PS3の容赦ない描画能力の凄さもあるが)。百万言の言葉よりも雄弁に「苦労したんだろうな〜」とプレイヤーに感じさせる重みのある横顔が印象的だ。パートナーのシェバは、まるで全てを対照的にしたかの様に、若く小柄で健康的なアフリカ系美女だ。日本風に表現するなら凸凹コンビとでも言えそうな感じだが、作戦遂行に於いて、お互いが最高に心強いパートナーである事を実感することになって行く(特にクリス)。

 基本的に本作は『バイオハザード4』(以下『4』)のシステムを受け継いでいる。背景を含め全てが主人公の向きに合わせて描写を変える、TPS(三人称)視点タイプ。銃器が自動照準で無い事も同様。いずれ『4』の感想執筆時にも語るつもりでいるが、このシステムはバイオシリーズの一つの大きな転換点だった。ゲーム性が増し、銃でバンバン敵を倒す爽快感はいや増したが「暗がりから正体不明の何かがやって来る」的な、ゾンビ映画のような恐怖は損なわれている。いわば面白さのベクトルが(製作側の明確な意図があるにせよ)『4』以前のそれとはズレて来ているのである。これには是非があるものだと思うが、個人的にはこの方向性もありかと思っている。キャラクターや物語性に感情移入するプレイングの当方にとっては、これもまたバイオ・サーガの一部な訳で……。欲を言えば、ゾンビに脅かされるタイプの古き良き『バイオ』もまたプレイしてみたいのだけど、ね(カプコンのゲームで言うと『デメント』の様にただ逃げ回るのもまた求めているのと違うんだよね。そう考えると旧バイオは、当方的にはものすごく出来が良いものであったと言えそう)。

 本編の難易度は、おそらく過去作中最高だと思われる。とにかく良く死ぬのだ。操作キャラだけでなくパートナーキャラが力尽きてもゲームオーバーになるし、『4』から導入されたムービー中のワンタッチ・アクションは初回プレイでは慌ててしまう事がほぼ前堤となっている(失敗すると即死、が多い)。それでも必要以上にストレスが溜まらない様に採用されたであろう、チェックポイントシステムとオートセーブ機能がプレイヤーの気持ちを切らせない。これらのおかげで、すぐさま直近の場面からのコンティニュープレイが可能で、徒労感を感じる事を最低限に抑えている。またインクリボンどころかタイプライターなしで、いつでもどこでもセーブできるのは何より便利である(セーブ回数に制限のある事により喚起される緊張感は失われてしまっているが)。ゲームとしての本作の出来の良さは、言葉を尽くして主張したい。物凄く面白い。プレイ中はこの世界観に没入すること請け合いである。『4』をプレイされて面白いと感じた向きには確実に受けるであろう。本編でのやり込みプレイはもちろん、クリア後の様々な特典、ミニゲームなど全てを遊び尽くすのは相当大変に思われる。特筆したいのは、それらを苦に感じさせない凄さだ。

 ストーリー的に本作は、『4』及び『バイオハザード・アンブレラクロニクルズ』を踏襲した内容だ。登場人物の心の機微、行動する動機など全てを理解するには前作をプレイするのが望ましいが、ストーリーに重きを置かないなら、気にする程の事もない。本作はそれ程までに単体として完成された作品となっている。重大なネタばれになるので言えないが(非常に言いたい衝動に駆られるが(笑))、過去10年のバイオ・サーガの一つの集大成的な展開を見せる。クリスとともに歩んだ10年が走馬灯のように脳裏に流れた、というのは流石にウソだが、感慨はとても深い物語となっている。はっきり言う。バイオファンなら、迷わず買いだ。


 「恐怖ゲームの感想を投稿するにはもう涼しくなりすぎて、残暑という言い訳すらうそ寒い。」って言い訳は、この感想文を9月下旬に【ゲームクエスト】編集部宛に送ったから。ホラーゲームの感想文は夏に送るという当方のポリシーからすると、言い訳しないとならなかったという訳。別のホラーゲーム投稿の折はそれでも「残暑」を言い訳にまだまだホラーゲームのシーズンである事をアピールしていたが、流石にここでは諦めている。

 現在は追加要素が加わった『バイオハザード5 オルタナティブ エディション』が発売されていて、この感想文自体は役割的に古いものになっている感は否めない。『オルタナティブ エディション』の方もプレイする機会があれば、感想を書きたいと思う。




 映画冒頭の東京渋谷シーン(バイオ映画の舞台に日本が出てくるのは、それだけで興奮モノ)、最初の女性感染者役、何処かで見たと思っていたけど、何と中島美嘉だったんだ(ただ残念ながら、この動画にはそのシーンは無い)。今回調べてみてびっくり。パンフレットにも載ってなかったし。


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