『バイオハザード2』 発売を待つ側がゾンビになりそうなぐらい待望した続編の感想文

 今回はゲーム感想文、最近上げている『バイオハザード』シリーズの第2弾『バイオハザード2』の感想文を紹介する。『バイオハザード・ディレクターズカット』の感想のエントリーでも書いたけど、本作は続編の発売をファンから熱望されていた作品で、待っている側が渇望のあまり、ゾンビ状態になってしまっていた程(本当)。

 前作から大幅にスケールアップした物語の展開、街全体に広がる恐怖のゾンビ世界がとても面白く、その設定がジョージ・A・ロメロの映画「ゾンビ」そのもので、夢中でプレイした記憶がある。登場人物も新規のキャラクターで、新鮮なイメージもあった。前作のキャラの妹をストーリーキャラとして出すなど、ある程度関連性を持たせたのも良かった。

 今回はかなりネタバレの浜村淳状態の感想文なので、知りたくない方はご注意を。なお感想文中の「夏のホラーゲーム祭りうんぬん」の下りはもう無視して下さい。



 前作の無印『バイオハザード』の感想文は、こちら。
 1.5作目の『バイオハザード・ディレクターズカット』の感想文は、こちら。
 シリーズ3作目の『バイオハザード3』の感想文は、こちら。
 シリーズ7作目のPS3版『バイオハザード5』の感想文は、こちら。


甘茶さん の「バイオハザード2」 (プレイステーション)
バイオシリーズの結末はまだまだ先が見えない
 初作の出来と評判に満足することなく新たなシステムを取り入れたチャレンジ精神をまず評価したいですよね。その後、キャラが帰ってくるところも心憎い演出で、なるほど、シリーズでファンが付く意味がよくわかりました。

甘茶
バイオシリーズの結末はまだまだ先が見えない(2009.08.05)
 戦慄の恐怖、再び。今度は街全体がゾンビの巣だ!!

 着任早々、自らの歓迎会もブッチして大遅刻した新人警官「レオン・S・ケネディ」と、兄の消息を追って地獄の街「ラクーンシティ」にやって来た前作主人公(「クリス・レッドフィールド」)の妹、「クレア・レッドフィールド」の男女2人が本作の主人公だ。前作と比較して、男キャラが体力に優れ、女キャラが鍵開けの技術を持つという共通点があるが、男キャラ難易度アップのキモであった持ち物制限の差が今回は無く、両者ともにデフォで8つ持ち物が持てるようになっている。展開も大きな差は無いので、今回はお好みでキャラ選択する方法で良い。前作の「ジル・バレンタイン」と同様に鍵開けのキーピックを常時携帯し、また武器アイテムを、グレネードガンと各種弾という形でまとめやすいクレアが、若干ではあるがプレイしやすいか。

 今回も夏のホラーゲーム祭り向けの投稿、『バイオハザード2』の感想だ。いつもの如く今回も感想文執筆前にリプレイしているのだが、プレイングに自信があったので、ニューゲームでリプレイすることにした(つまり、周回プレイに因る強化の無い初期装備。甘く見過ぎて、それまでのプレイで一度も喰らったことの無い中ボスの即死攻撃を受けて死んだ時は、セーブして無かった分、目の前が真っ暗になったが……)。あと今回はいつもより若干ネタバレの多い感想文となっている。強敵などのドッキリ要素は敢えて描写を避けたが、ストーリー内容や、今後のバイオシリーズの展開などを詳しく知りたくない向きの方はご注意を。

 当時のプレイステーションとしては、かなり高レベルのオープニングムービー。それが終わると、いきなり街中に放り出されるプレイヤー。周りはゾンビだらけだ。まさに映画「ゾンビ」のロメロ的世界観。全体的に難易度を前作から落としたと言われる本作であるが、この冒頭部だけは結構厳しい。最初の目的地である警察署までの道中、闘わずに逃げるのが良策であることを気付かせる為なのかと思わせるぐらい大量のゾンビがプレイヤーの眼前に立ちはだかる。こちらの貧弱な装備では太刀打ち出来そうにないというこの軽い絶望感は、前作をプレイした経験者をも恐怖心に駆り立てる、良いアイデアだったと思う。

 まぁ前作を100回クリアして本作も50回クリアして、バイオプレイに慣れ過ぎている当方は、アイテムすら拾わずに「ブラッド・ゾンビ」を出現させて楽しい着替えを慣行させるのであるが……(余談だが、前作では見た目のみの楽しさであったキャラの“着替え”が、本作ではハンドガンの射撃速度が向上するなど、プレイング上でも有利な点があるので、狙う価値はある。さらに余談だが、前作で主人公ともども助かったはずの臆病者、ブラッドが何故ゾンビと化しているのかは、次作『バイオハザード3』で明らかになる)。


 本作から登場した新しいゾンビが「胴体分離型這いずりゾンビ」。前作でも普通に這いずって来るゾンビや、死んだふりして近付くと足に噛みついてくるタイプのゾンビが居たが、本作では攻撃した衝撃でブチッと胴体が分離して、上半身だけになってもこちらに向かって来るタイプのゾンビが居るのだ。これはゾンビの不死性を強調させているとともに、新たな恐怖感をプレイヤーに与える演出となっていて、遭遇すると相当に不気味だ。

 這いずっている分動きは遅くて逃げるのは容易なのに、うめき声と、地面を這いずるリアルな音が後ろから聞こえてくるからだと思うが、通常のゾンビに追われるよりも怖かったりする。本作で一番の視覚的恐怖はこの、上半身だけで這いずるゾンビだと当方は思う。あと女性ゾンビも本作が初。普通の街での出来事なのだから、女性が居るのも当然と言えば当然のリアリティー。さすがに子供ゾンビは倫理上、没になったらしいけど、それはやむを得ない措置だろう(銃撃して倒すというのは、やはり倫理的にNGだと思う)。


 製作サイドが本作で一番やりたかったことは、ダブル主人公というキャスト上プレイヤーが意識する「一方で物語を進行させた時、もう一方は果たしてどういう行動を取っていたのか」という部分の表出、いわゆる「ザッピングシステム」と呼ばれる部分であったと思われる。当方の印象として、その試みはかなり成功していたと思う。それぞれのシナリオ(以後、便宜上「表」と、それに対応する「裏」と表記させて頂く)はプレイしていて楽しかったし、ストーリー全体にも一定の説得力を持たせていた。例示すると「レオン表」サブマシンガンや持ち物数が増えるサイドパックを取ると、「クレア裏」ではそれらは入手出来なくなるし、「クレア表」で移動用ロープウェイに乗って先に進めば、「レオン裏」では一度装置を起動して、ロープウェイを呼び戻さなければならなかったり……。ラスト直前のシーン、「表」シナリオでようやくたどり着いた先に、選ばなかったキャラが当り前の様な顔をして先着しているのは正直噴飯ものであったのだが、「裏」シナリオをプレイしてみて、「ああ、相方も相応の苦労をしてたんだな……」と気付かせる。これはなかなか秀逸なアイデアだと思う。

 当方、初回プレイ時はクレアを選択したのだが、恥ずかしながらラストシーンでレオンが肩に包帯を巻いていることに気付かなかった。「レオン裏」シナリオをプレイ中にそのイベントがあり、後日また「クレア表」をプレイした時にようやく気付き、「おおっ!!」と感嘆した次第。面白い試みのシステムだっただけに、以後のシリーズで無くなったことは少々残念に思える(『バイオハザード0』にて、擬似的なシステムは見受けられるが)。

 ザッピングシステムは単純に何度も繰り返しプレイする上でのモチベーションにもなり得ていた。取る行動によって展開が変わるのは面白かったし、難易度を自発的に調整する事にも繋がっていた(「表」でマシンガンもサイドパックも置いて行き、「裏」のキャラに両方持たせたり)。このシステムは主人公が複数の場合はありだと思う。


 本作主人公、クレアは次々作『バイオハザード:コードベロニカ』にて、レオンはさらに先の『バイオハザード4』にて、それぞれプレイヤーキャラとして我々の前に帰って来ることになる。レオンの方は、「本作で流した涙を返せ!」的な展開になっているのが残念やら嬉しいやら……。レオン編登場のサブキャラ「エイダ・ウォン」は大好きなキャラだから、当方的にはやはり嬉しいかな。本作裏編ラスト前にロケットランチャーを投げて援護してくれる謎の人物は本作では謎のままなのだが、『バイオハザード4』をプレイしてみると「やはり彼女だったんだな」という事がそれとなく示唆されている。クレア編に登場したサブキャラ、いたいけな少女「シェリー・バーキン」の消息は『バイオハザード3』で断片的に語られるものの、エイダと比して物足りなさを感じる。いつかその辺の部分も補完される時が来るのであろうか。


 感想を書くに当たり、シナリオを1つ(「クレア表」)だけプレイしようと思って始めたものの、楽しさの余り全てやり通してしまったのは計算外だった(しかも一度ゲームオーバーになっているので、実際のプレイ時間はさらに長い)。今プレイしても、それだけ本作が面白かったのだということを言い訳にしておこう。バイオシリーズの結末はまだまだ先が見えないが、今後もこれまで通り、プレイヤーを心から楽しませて(=怖がらせて)欲しいものだ。


 感想文中に触れているが、本作に登場したキャラたちは、続編でとても重要な役割を演じる事になる。特に大活躍するのが、レオン編のサブキャラだったエイダ。『バイオハザード4』では大活躍で、ゲームキューブ版では“ADA The Spy(エイダ・ザ・スパイ)”というサブストーリー的ミニゲームをプレイできる。PS2版とWii版ではさらにプレイヤーキャラとして、表で『4』の主人公のレオンが闘っていた時、エイダは何をしていたのかを描いた外伝“the another order(ジ・アナザー・オーダー)”をプレイできる。この辺、本作のザッピングシステムと近い感覚がある。

 『バイオハザード4』はまだ感想文を書いていないのだが、書くのが楽しみでもある。エイダがカッコ良くて、好きだから。




 オープニングを、あのジョン・カビラが実況(笑)。ちなみに解説は北澤豪。サッカー(ゲーム?)での彼らのべしゃりをシーン、シーンにウマいこと合成していて、面白い。3分47秒辺りのやり取りは笑えます。なんでお前らが挨拶しあってるのさ? ジョン・カビラの「いいんです」実況を抜きにしても、本作のオープニングムービーが観れますので、興味がおありでしたらどうぞ。



 上の続き。最初に「インターナショナルカップ勝戦の模様を存分にご覧いただきませんと正直に言ってる。ムービーが終わった直後、いきなりゾンビだらけの街中の図。感想文中にも触れたが、ここが冒頭の大変なシーン。目指す先は警察署だ。ジョン・カビラの実況と北澤の解説が相変わらずハマってて恐怖が伝わり難いかもしれないが。0分37秒からの銃器店舗主人とのやり取りのシーンはやっぱり笑う。1分48秒、そこは焦るところだよ!



 さらに続き。ハーゲンダッツは“Hang in there!”(あきらめるな!)の空耳かな?(1分42秒辺り) セーブシーンはおかしい。(3分15秒辺り)



 さらに続き。残念ながらちょっと飛んでる。



 さらにさらに続き。これで終わりらしいです。



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