温泉には良い季節なので『シンプル1500シリーズ Vol.101 The 銭湯』の感想

 ひっそりとリンク集に漫研さんの【漫画読書日記】を追加。書きかけの部分もあるが、相当の充実ぶりで、ホラー漫画の紹介は特に読み応えがあり、その手の漫画がお好きな方にはお勧め。最近発売されている漫画もあり、購入し忘れを気付かせてくれる有り難い漫画ブログになっていたり。ご興味のある方は是非どうぞ。

 昨日は寒かった。世間的には冬並みの寒さだったようだが、皆様に於かれては例年より早い季節の変わり目、風邪などひかれないように十分注意されたい。

 当方は自宅近くのスーパー銭湯スーパー銭湯タイプの温泉によく行くのだが、昨日はまさにその「湯に浸かる」という行為を満喫できる気候だったので、車で30分程の温泉【畷の里温泉】に行って来た。熱いお湯に入って、源泉のぬるい湯に浸かるのが最高に気持ち良い。また行こう。

 という訳で今回は『シンプル1500シリーズ Vol.101 The 銭湯』の感想文。シンプルシリーズ故にかなり出来る事は限られていたのだが、面白くてシンプルな分、繰り返しプレイも苦にならないと言う意味ではシンプルシリーズの概念にマッチした、同種の廉価ゲーム中ではとても良く出来たゲームだったのだなと改めて思う。

甘茶さん の「シンプル1500シリーズ Vol.101 The 銭湯」 (プレイステーション)
想像していたよりもずっと面白かった
 甘茶さんは隠れた名作とされる経営シミュレーション「The銭湯」の感想です。銭湯経営というのは素晴らしい着眼点ですよね。でものぞきはダメ。ゼッタイ

甘茶
想像していたよりもずっと面白かった(2008.09.18)
 パソコン黎明期のレトロゲーム『レストラン経営ゲーム』をプレイして以来、経営シミュレーションゲームに目の無い当方。ここゲームクエストさんでの高い評判を鑑みて、プレイする事にしてみた。いや、想像していたよりもずっと面白かった。

 プレイヤーは、当初の持ち合わせの予算で(値はそれぞれの銭湯タイプの難易度に準じる)設備投資したり、体力に気を遣いながら(低下するとダウンして回復まで休業に追い込まれる)風呂の清掃や建物の補修、宣伝を打って客を呼び込むなどの所謂営業努力に励み、一年間資産をマイナスにする事無く経営を続けなければならない。プレイ早々は要領が分からず、序盤で破産してゲームオーバーになる事も度々。ただ、何度かプレイして勝手が分かって来ると、不思議なくらい上手く進行出来る様になる。この序盤を乗り切るにあたっての「取っ付きが難しいが、コツを掴むとスイスイ進む」という絶妙のバランスの取り方は素晴らしい。プレイヤーが、嫌気がさしてコントローラーを投げ出す一、二歩手前で要領を掴ませる巧みなバランスが、ジャンルは違うがかつての名作SLGネクタリス』を彷彿とさせる。

 また、経営状態が特定の条件を迎えた時に現れる数々の常連客たちが、序中盤から終盤まで、このゲームをだらけさせる事無く楽しませてくれる。基本的に彼ら、彼女らは経営に追い風となり得るキャラなので、意見、意向には素直に従うのが吉。可愛いタイプの女の子の客の場合、エンディングにまで関わって来るのでより細心の配慮が欠かせない。「風呂は清潔に」とか「シャワーを付けて欲しい」とか「壁の絵は富士山にしろ」とかいった彼ら常連客の言い分を第一に経営して行けば、グッドエンドは約束されたも同然だ。

 ただ常連客には癖のあるタイプも何人かいて、彼らはまともな経営をしていても、まず常連にはなってくれない。特定のパラメーターを極端に下げると(例:店の知名度が低いと「佐藤貞子」という、ホラー映画のあのキャラみたいな客が常連になる。なって欲しく無いという気もするが……)、プレイヤーの前に現れたり、いきなり常連客になったりする。こういった「パラメーター上げ」タイプのゲームは、万遍なくバランス良く上げて行く当方のプレイスタイルに合わず、こういった変化球はプレイしていてややストレスが溜まった。様々な常連客を見つけ出すという喜びで報われるのであるが。

 シンプルシリーズにしてはやり込み要素の多い本作だが、せっかく苦労して難しいエンディングに到達しても、データとして残せないのは残念だった。40人を超える常連客リストはデータとして残せるので頑張り甲斐があるのだが。同じく銭湯経営ゲームの『オイラは番台(18禁)』の様に壁に穴を開けて女湯を覗く事も出来ない(そんな仕様、ソニー・チェックを通る訳が無いが)。シンプルシリーズに何でもかんでも求めるのはお門違いというのは承知しているが、この辺の環境設定が良ければ更に高得点を付けたくなるという意味合いでの意見であって、総体的にこのゲームは良く出来ている。一回当たりのプレイ時間も短いし、ちょっと一手間という軽い気持ちでプレイ出来るのが実に優れている。佐藤元先生のキャラクター・デザインもとても可愛らしく、好印象だ。値段も定価で1500円とシンプルらしい低価格で、総じて老若男女に受け入れられる、肩の凝らない良質ゲームだと思う。短いプレイ時間も相まって、携帯ゲームでのリメイクなどを求めたい。


 「ここゲームクエストさんでの高い評判」=【ゲームクエスト】掲載時は、当方のこの感想が3本目で、一人目のエルメス(漢字だったが申し訳ない事に失念)さん、二人目の漫研さんが共にこのゲームを高評価されていた。当方も高く評価した訳だが、文中あるようにクリアデータを残せないのが不満。佐藤元の描くキャラはとても可愛らしく、エンド後にキャラ紹介の要素込みのデータベースはあるのだが、エンディング集とか、経営の最終成績などのデータが残せればなお良かったと思われる。やり込み甲斐も上がろうというものだ。

 あとお風呂という題材から調子に乗って、エロゲの話に言及しているのは勇み足過ぎ。これでよく「ソニー・チェック」ならぬ「毎日新聞チェック」が入らなかったモノだ。編集さんもこちらの意図を汲んでくれた上で紹介文を書いてくれた感があって、投稿者としては大変感謝しているのだが、読まれる方の中には慣れ合い的なモノを感じて不快に思われた人もいたかも知れず、反省。

 なお、本作は「ゲームアーカイブス」にて300円でプレイが可能。興味を持たれた方は、是非プレイしてみて欲しい。面白いよ。Amazonにも、一本だけ残っているみたい。ゲームソフトとして入手されたい向きは、お早めにどうぞ。


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