『イナズマイレブンGOギャラクシー』第14話「強襲!レジスタンスジャパン!!」の感想 【梶裕貴と野島裕史祭り】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGOギャラクシー』第14話「強襲!レジスタンスジャパン!!」を観ての感想を書く。かつての雷門のライバルたちがイナズマジャパンをつぶすために一同に結集するというワクワク展開。それを率いる監督まで懐かしの人物という豪華設定だ(ヒント:CVは梶裕貴)。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOギャラクシー』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOギャラクシー』第13話「勝利への解法」の感想 【真名部と皆帆が覚醒する!】
 をご覧ください。

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 少年サッカー世界大会「フットボールフロンティアインターナショナル(通称FFIV2)」アジア予選準決勝に挑む松風天馬(CV:寺崎裕香)率いる【イナズマジャパン】は強敵タイ代表【マッハタイガー】を破り、ついにアジア予選決勝戦へと進出する。

 マッハタイガーに勝利した瞬間、勝利の歓喜に沸くイナズマジャパンの姿を、観客席から見つめる一人の男がいた。それは次期イナズマジャパンに選出されることが確実視されていた至高のストライカー、白竜(CV:福山潤)であった。



 物語は帝国学園グラウンドに移行する。雷門中の永遠のライバル校であり、フィフスセクターが少年サッカーの世界を管理していた時代にはそれに抗(こう)する【レジスタンス】の本拠地が置かれた場……イナズマを彩(いろど)る物語の中でも因縁深き場所である。



 その場に集結し、揃いの赤のユニフォームに身を包んだサッカー選手たちを前に、彼らを束(たば)ねる監督として名乗りを上げるのは、不動明王(CV:梶裕貴)だった。彼は集めた選手たちに、イナズマジャパンと対戦してもらうと告げる。


 「なぜ俺たちが!?」という南沢篤志(CV:梶裕貴)に対し、不動はこの謎の対決が現イナズマジャパン監督である黒岩流星(CV:佐々木誠二)から要請があったことを示唆する。どうでもいいけど、進撃の巨人』の主役の梶裕貴が一人会話するのってすごい豪華だな。


 黒岩は不動に対し、イナズマジャパンと戦ってもらいたいと確かに要請していた。不動はそれを「鍛えてやって欲しい」という意味に受け取るが、黒岩の真意はそうではなかった。


黒岩「鍛えるなど生ぬるい……つぶせ!」


 その言葉に意表を突かれた不動は思わず黒岩を「影山さん」と本名で読んでその真意を問いただす。だが黒岩はそれには答えず、駄目になってしまっても構わないからイナズマジャパンを叩きつぶせと厳命する。


 不動は黒岩なりの深謀遠慮(しんぼうえんりょ)があると見たのだろう。結局はその役どころを引き受ける。そしてその話を聞かされた白竜たちも互いの顔を見合わせて、深くうなづく。



白竜「やりましょう、不動監督!!」


 白竜は自信たっぷりにそう言明する。それは確実視されていた日本代表の選に漏れた鬱憤(うっぷん)をこの戦いでもって晴らし、真の実力者が誰であるかを満天下に示したいという白竜たちの矜持(きょうじ)の表れなのだろうか?



   オープニング



 そんな陰謀が自分たちの監督を込みで張り巡らされているとはついぞ知らぬイナズマジャパンのメンバーは、アジア地区予選決勝戦に向けて今日もグラウンドで汗を流す。

 上がったボールに駆け込む天馬をスピードで抜き去るのは瞬木隼人(CV:石川界人)であった。そして天馬を尻目に驚異的なジャンプ力でそのボールを抑えてしまう。

 「また取られた」と自身のプレーの精度を悔やむ天馬の言葉を見ても、これは偶然ではなく何度も繰り返されている最近の両者の力関係なのだろう。総合力ではともかく、ことスピードとジャンプ力という個人技に関しては瞬木はすでに天馬を凌駕(りょうが)するほどの実力者に成長していた。

 瞬木は力の使い方が分かってきたと語り、スピードを利してボールを奪うというチーム内でのその役どころも理解して天馬にそれを語りかける。天馬は心身ともに意外なほどに成長した瞬木の言葉に喜び、決勝戦をともに勝ち抜こうと肩を叩く。だがしかし……


瞬木『これで良いんだよね……キャプテンが求めるチームメイトって』

 天馬が目の前から去った途端、そのブラックな本性をあからさまにする瞬木。サッカー技術も向上し、表面的にはチームに馴染んだように見えている瞬木だが、秘められた過去を持つ選手揃いのチームにあって一番心の闇が深いのはやはり瞬木のようだ。



 そこに新情報を持って、マネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)がやって来る。決勝戦でイナズマジャパンと対戦する相手が決まったというのだ。決勝の相手はUAE代表を降(くだ)したウズベキスタン代表【ストームウルフ】だ。

 とはいえイナズマジャパンメンバーたちは最後に立ちはだかる壁のことよりあと一つ勝てばアジア地区予選を抜け、いよいよ世界が舞台になるということに思いが行く。野咲さくら(CV:遠藤綾)が感じ入り、皆帆和人(CV:代永翼)はやれば出来るんだと語り、真名部陣一郎(CV:野島裕史)もまさかここまで出来るとはと感慨深げに感じ入る。素人集団の中でもスポーツ初心者の君らがそう言うとものすごく説得力あるな。

 九坂隆二(CV:岡林史泰)は決勝戦を勝ちたいと素直な思いを吐露するが、それに同意する意外な人物の意外な力強さに一同は驚く。


好葉「うん……、そうだね!」

 囁(ささや)くような口調ながら森村好葉(CV:悠木碧)が前向きの言葉を吐き、一同は唖然(あぜん)として顔を見合わせる。これまで前向きになれなかった好葉が戦って勝つという戦闘的な態度を取るなど想像もつかなかったのであろう。だがこれはこのチームでの戦いを経て好葉自身も変わってきているという証(あかし)でもある。


 メンバー全員の思いはこの2人の言葉に収斂(しゅうれん)していた。



 決勝戦を戦う相手が決まるというこれ以上ないモチベーションアップの報に、彼らの練習にも一層気合いが入る。キーパーの井吹宗正(CV:鈴木達央)には剣城京介(CV:大原崇)の鋭いシュートが怒涛(どとう)のように打ち付けられる。

 必死にセーブする井吹のプレーに対し、神童拓人(CV:斎賀みつき)は一言も感想を述べずにさらなるプレーを要求する。井吹もボロボロになりながらも何も言わずに次のプレーの準備に移行する。お互いが意地の張り合いのような様相に、鉄角真(CV:泰勇気)はどうして神童がこれほどまでに井吹に厳しいのかを剣城に問う。

 だが剣城は他人の心配をしている暇はないときつい口調で鉄角を諭す。この言い方からして剣城は神童の気持ちが分かっていると思われるが……単に神童が井吹にムカついてるからでしょ? 違うの?



 練習後、ミーティングルームで決勝戦の相手、ストームウルフを分析する真名部と皆帆。



 さすがに決勝戦に出てくるほどの相手だけあって、ストームウルフは攻守に隙がないようだ。イナギャラになって良かったと思えるのは、こうやって敵チームを綿密に分析する選手が2人も存在するという点。近代サッカーはやはり情報分析が大事だからね。この大会自体に潜む秘密の謎解きもあって、製作側もこういうキャラを用意しないといけなかったんだろうけど。


 ディフェンスの特徴を分析するうち、皆帆があることに気付く。ストームウルフは昨年までは冷静な戦いぶりが目立っていたのだが、今年は司令塔の選手も含めてテンションが高すぎるというのだ。またもまるでチームの選手がそっくり人が変わってしまったかのようなチームを前に、真名部は呆れたようにひとりごちる。


真名部「この大会、そんな例ばかりですねぇ」


 そこに珍しく瞬木がやって来る。ストームウルフの分析をする2人に一緒に見るかと尋ねられた瞬木はそれをあっさりと断る。



 「調べるのは君たちの仕事」と、やや嘲(あざけ)ったような口調と表情で語る瞬木に、真名部と皆帆もさすがに不快感を隠せない。真名部が不満を口にすると……



 一転して低姿勢のこの表情。小悪魔だ、小悪魔がいるぞ。だけどこの可愛い態度も他人を信じられない瞬木がその人生で獲得していった処世術(しょせいじゅつ)と考えると複雑な気になってくる。


 瞬木はこれまたあっさりと謝罪して去っていく。何しに来たんだ? その笑顔に秘められた裏の表情を見通すかのように、皆帆が鋭い視線でその後ろ姿を見つめる。



 住居棟に向かう道を行く瞬木を呼び止め、皆帆は彼を「面白い」と表現する。その理由として皆帆は以前に瞬木から向けられた闇の声を回想する。そう、あの時の瞬木の言葉を皆帆は聞き逃してはいなかったのだ。

 人間観察力に誰よりも優れる皆帆に闇の表情を見せてしまったことは瞬木にとっては誤算だったろう。瞬木の二面性に気付いた皆帆は、以後ずっと「そういう人物」として瞬木を興味の対象として見ていたのだ。


瞬木「……だったらどうするの?」


 瞬木はもはや隠すことなく黒い表情を浮かべ、皆帆にそう開き直る。その逆襲には皆帆も一瞬だけたじろぐ。弱みを見抜いたはずの対象が開き直るとは思ってもみなかったのかもしれない。

 だがより興味を抱いたかのように耳をピクピクさせるクセを見せ、皆帆は瞬木の正体がそれであると言う。とぼける瞬木。そこに皆帆を追って真名部がやって来る。

 瞬木はさっき見せた黒い表情などおクビにも出さずに爽(さわ)やかな笑顔で去っていく。その後ろ姿を見送りながら、皆帆は真名部に語りかけるような独り言をつぶやく。


皆帆「瞬木くんは底が知れないね……」


 皆帆は今後も警戒心と人間観察に及ぶ興味が入り混じった思いで瞬木を観察することを決める。



 その後もチーム練習は続く。瞬木と皆帆に芽生えたチーム事情などまったく把握していない我らが天馬キャプテンはベンチで葵提供のドリンクを飲みながら、完成されていくイナズマジャパンに手応えを感じていた。

 天馬が悩みつつもキャプテンとしてこのチームをまとめあげていくことを葵は以前から気が付いていた。悩んでいてもいつも最終的に答えを見つけて来た、そんな天馬を頼もしく見ていたと語る葵の言葉に天馬は照れる。ムードある音楽も流れ出し、イナGO開始からここまで全然進展していなかった天馬と葵の幼なじみフラグが今ここに!?



 ……と思いきや、それを邪魔するのはまたも瞬木だった。さきほどの【まなみな】といい今度の【天葵】といい、瞬木はワザとカップリングの邪魔をする邪魔しマンなのではないかと思わせる。コイツは腹黒いぜぇ〜!


 瞬木はさすがにリア充の邪魔をしてしまったことに罪悪感を感じて謝る。そして天馬のことを素晴らしいキャプテンになったと褒める葵の言葉に賛同する。

 葵だけでなく瞬木にまで褒められてくすぐったくなった天馬は練習に向かうとあわててその場を飛び出す。瞬木もそれに続いて飛び出すが、『キャプテンが求めるチームメイト』を演じることを計算に入れている瞬木が本気で天馬を賞賛しているとは思えない。

 葵はその2人の良い表情を見て、決勝戦も勝利することが出来るのではないかと希望を抱く。天馬はもちろん、葵も瞬木の本音には気付いてはいないのだが……。



 葵のその意気込みに水を差すのはもう一人のマネージャー、水川みのり(CV:高垣彩陽)だった。彼女は葵の意見を言外に否定してみせる。葵の見えている表情と彼女の見えている表情にはどうやら大きな差異があるらしい。他の選手に関しては葵の意見が正しいが、こと瞬木に関してはみのりの慧眼(けいがん)の方が真実を見通していると言える。



 練習時間も佳境に差し掛かったところで、グラウンドに現れたコーチの船木宏正(CV:金野潤)が皆を呼び寄せる。彼が言うには、明日は練習試合が行われるという。決勝戦を見据えての実戦形式の最終調整というわけだろうか。意外なタイミングでの練習試合、一体どこのチームと戦うというのか気になるのは当然だろう。だがその質問には船木ではなく、傍にいた黒岩が返答する。


黒岩「会えば分かる」


 これではゼロ回答なのだが、どうせ聞いても答えてくれなさそうなキャラなこともあって、天馬たちはそれ以上の質問を諦める。



 夜間のグラウンドでは、照明を点けてシュート練習に打ち込む鉄角の姿があった。疲れて汗を拭く彼のもとに、何者かがボールを蹴ってよこす。それは同じく夜間練習しようとこの場にやってきた剣城だった。

 自身が上達したことを感じていた鉄角はその質問を、年齢は下でもサッカーに関しては大先輩の剣城にぶつける。剣城は笑顔でそれを肯定する。鉄角はサッカーがだんだん楽しくなって来ていると笑みを浮かべ、剣城とパス交換のようにボールを返す。


鉄角「早くお前たちのレベルに行きたいよ」


 そして剣城からの不意打ち気味のパスをうまく胸トラップして、鉄角は久しぶりに拳を握りしめて笑う。



鉄角「意外に俺にはサッカー、合ってるのかも知れねぇ。……手を使わないからな!」


 拳を故障して二度とボクシングが出来なくなってしまった鉄角にとって、それは精一杯の強がりではあった。しかし今の彼はボクシングの価値と同様の存在を見出している。この言葉はそれをも示唆した意味合いもあった。


 ベンチに腰掛けて2人は会話する。剣城はサッカーの心得を説く。サッカーは確かに楽しいものだが、焦って上を目指そうとすると幾つも存在する大きな壁に押しつぶされてしまう危険性があるということを。

 剣城のその語り口からして、彼自身もそんな障害に遭遇したことがあるのではないかと鉄角は思いが至る。剣城がハマった陥穽(かんせい)、それはおそらくフィフスセクターのシードとして戦わねばならなかった養成機関の頃を含めての苦い記憶であろう。

 それが克服できた理由として、剣城はかつては敵だった友の存在を挙げる。剣城が壁に押しつぶされずに乗り越えられたのはそれが理由だと淡々と語る。その友とは、今も切っても切れないつながりだと剣城は語る。最初は天馬の話だと思っていたけど、この言い方からしてそれは白竜のことなんだろうね。



 日が変わって翌日、例の練習試合の当日だ。ピッチ上で柔軟運動するイナズマジャパンの一同にあって、強気のさくらはどんな相手が現れるのか楽しみにしていた。自分たちのレベルが向上していることに自信を深めるさくらの意見を受けて天馬も、今の自チームの実力を試すチャンスとこの試合を受け止めていた。

 他のメンバーたちも「練習試合」という言葉から来るムードに楽観的だ。瞬木などはまた必殺技が誕生するかもしれないと笑顔を見せる。皆帆も外部のチームと接触してこそチーム内の課題が浮き彫りになる可能性が高いと理論的にこの試合を良いものと肯定する。だがこの試合を単なる練習試合と受け止めていない者も居たりする。


井吹「練習ならなおさら、俺は1点も許さない!」


 その目は真っ直ぐに神童を見ていて、この言葉が神童個人に向けて吐かれた言葉であることは明白だ。しかし神童は一瞥(いちべつ)して一言……


神童「当然だ!」


 「当たり前のことをなに力説してんだ?」と言いたげな神童の蔑(さげす)みの表情。これで井吹が敵チームを無失点に抑えても神童に褒められるフラグは早くもへし折られてしまった。



 そんな微笑ましくもおぞましいやり取りを見ていた剣城めがけて、ものすごい勢いでシュートが襲いかかる! 華麗にジャンプしてそれをかわした剣城は、そのままボールをボレーで蹴り返す。その軌道の先には、天馬、剣城、神童の3名には因縁深き男がいた。




天馬「ああっ!?」
剣城「白竜!?」


 そして白竜の後ろには、これも彼らがよく知るサッカー選手たちが勢揃いしてこちらを見つめていた。彼らは揃いの赤いユニフォームを着用していた。まるで同一のチームを構成しているかのように……。


黒岩「試合の相手は、彼らだ!」


 そう言われて11人の赤いユニフォームを見やる瞬木たち新生イナズマジャパン。


「こいつらはレジスタンスジャパン。そして俺が監督の不動だ!」

 昔取った杵柄(きねづか)か、悪役顔が実に板についている不動さん。


 【レジスタンスジャパン】の名を聞き、天馬たちに緊張が走る。レジスタンスとは【抵抗する者】の意味だ。つまり現行のイナズマジャパンに対して反逆を企(くわだ)てる者たちという存在であることがその名に表出されていた。しかもその構成員は、かつて雷門中時代の天馬たちの好敵手だった面々だ。

 白竜は剣城に久しぶりの挨拶をかわす。剣城はこういう形で白竜と再会し、サッカー対決になることをある意味喜びをもって迎えていた。その態度から、鉄角は前日に剣城が語っていた『敵だった友』というのが目の前の男のことなのだと即座にピンと来た。


南沢「俺たちは今日、お前たちをつぶしに来た」

 髪をかき上げるという独特の仕草でそう言うのは月山国光中の南沢だった。新ルールでは化身が禁止だとはいえ、レジスタンスジャパンの中で化身も持たず一番しょぼい人と思われている彼がこの自信を見せるのはなぜなのか? 中の人が梶裕貴だからか?


 練習試合というのに「つぶす」という言葉を聞き、登場人物中、敵対する勢力を最もつぶして来たであろう九坂隆二(CV:岡林史泰)はその言葉の真意を訝(いぶか)る。不動はここでそのイナズマジャパンをつぶす目的で結成されたレジスタンスジャパンのメンバーを紹介する。以後、簡単なメンバー紹介。



 白竜。1年生FW。背番号10。元フィフスセクター【チーム・ゼロ】のエースストライカー。相棒のシュウ(CV:沢城みゆき)は残念ながらやはり今回も出番なし。



 南沢。3年FW。背番号9番。月山国光中学所属。月山国光中ということは、あの井吹と同じ学校だ。元雷門中だった彼がなぜ月山国光中に転校したのかはここを参照。



 雪村豹牙(CV:寺島惇太)。2年MF/FW。背番号7番。白恋中学所属。白竜とともに劇場版『イナズマイレブンGOvsダンボール戦機W』にも出演したが、そこではものすごい噛ませな役どころだったことが心配。彼の活躍はこの辺を参照。



 浪川蓮助(CV:峯暢也)。2年FW。背番号11番。海王学園所属。海王学園ということは瞬木と同じ中学だ。瞬木は海賊っぽいビジュアルじゃないんだけどね。彼の活躍はこの辺を参照。



 黒裂真命(CV:加藤奈々絵)。2年MF。背番号5番。聖堂山中学所属。彼の活躍はこの辺を参照。前半だけでお役御免だったけど、悪の組織であるフィフスセクターの一員とは思えない、かなりのナイスガイ。



 真狩銀次郎(CV:野島裕史)。1年DF。背番号4番。2人目の白恋中学所属者。キャプテン以外でこの場に選出されるのも珍しい。ゲーム版では化身持ち(「狂戦士ディアベル」)。彼の活躍は雪村と同じところを参照のこと。



 喜多一番(CV:金野潤)。 2年MF/FW。背番号8番。天河原中学所属。監督を含めてあくどいキャラが多い天河原中にあって爽やか一番。ただし彼も南沢と同様に化身レス。天河原中ということで皆帆と同じ学校だ。彼の活躍はこの辺を参照。



 真帆路正(CV:堀江一眞)。3年DF/MF。背番号3番。幻影学園所属。相変わらずモミアゲがすごい。親友の天城大地(CV:奈良徹)を差し置いて登場。彼の活躍はこの辺を参照。



 貴志部大河(CV:小野友樹)。2年MF。背番号6番。木戸川清修中学所属。神童のライバル設定はまだ生きているか? アニメでは化身を出さなかったけどゲームでは化身持ち(「獣王レオン」)。彼の活躍はこの辺を参照。



 護巻徹郎(CV:野島裕史)。2年DF。背番号2番。元「モーニング娘。」所属(ウソ)。今回一番の予想外びっくりキャラ。「なぜお前がここに!?」感が半端ない。前回予告で誰なのか分からなかったのは内緒だ。フィフスセクター、ドラゴンリンク所属。



 千宮路大和(CV:早志勇紀)。同じくドラゴンリンク所属。無印イナズマイレブンGOではおそらく最強のキーパーだった。ただ化身が禁止された現ルールではどうか? 彼の必殺技って化身絡みばかりだったからさ。相変わらず親父そっくりな容貌(ようぼう)。彼とゴマキの活躍はこの辺を参照。



 勢揃いするレジスタンスジャパン。監督の不動と南沢が目立ってるので梶裕貴の度合いが高そうだが、実は野島裕史率が高いぞ。選出された選手の特性上、FWが多い印象だ。護巻や真狩が選ばれた理由はそういったDF不足の要因もありそう。雷門の選手が選ばれていないのは何か伏線がありそうな気もするけど、個人的には雨宮太陽(CV:江口拓也)が選ばれて欲しかった。もしかしたら太陽も伏線絡みなのかもしれないけど。



 まさにものすごいメンバーが集結したものだ。本戦が始まる前なら、間違いなくレジスタンスジャパンの方が正規の日本代表チームと言っても過言では無かっただろう。携帯するタブレット端末でデータを見る真名部の声にも驚きの色が浮かぶ。

 敵はストライカー揃いで超攻撃的に攻めて来ることが予想される。守りが大変そうだが、ひとり自信満々の井吹はゴールを割らせないと仲間に告げる。その根拠のない自信はどこから来るのか?

 瞬木は彼らが自分たちを「つぶす」と言っていたことを気にかける。モンスター級に強そうなチームを迎えての練習試合に一抹の不安を感じつつ、この試合に勝ってアジア地区予選決勝に弾みをつけることを策す天馬は仲間たちに勝利の檄を飛ばす。




 恒例の試合開始直前の両チームの布陣を確認。イナズマジャパンはいつも通りのオーソドックスな4−4−2のスタイル。ここまで不変だと書くことがない。


 一方のレジスタンスジャパン。ものすごい選手が揃っていて、ゲームで俺様イレブン(略してオレブン)を作ったらこんなんになるだろう(9番の選手は除く)。この充実ぶり、世界中の代表選手を集めた銀河軍団、レアル・マドリードを見ているようだ(9番の選手は除く)。こちらは攻撃的な3−4−3の布陣だ。やはりストライカー過多だもんな。本来はストライカーの真帆路がDFポジションに位置している。MFの4人も全員が高いシュート能力を持った選手ということで、言い換えればどこからでも得点できるチームと言える(9番の選手は除く)。チームの要(かなめ)はやはりエースストライカーでキャプテンの白竜だろう。


 この試合、審判は船木が務める。観客ゼロの無観客試合というのがもったいないくらいの好カード、好試合が予測される。


 船木の吹くホイッスルが高らかに鳴り響き、試合が開始される。まずはイナズマジャパンボールのキックオフ。瞬木からヒールでパスを受けた天馬がドリブルで切れ上がるが、そこに白竜、南沢、浪川の3人が一斉にスライディングタックルを見舞う。

 瞬時に危険を察知した天馬は右サイドのさくらにパスを送る。だがそこには貴志部が詰めていた。木戸川清修中のエースを務める百戦錬磨(ひゃくせんれんま)の貴志部の前ではさくらの技術など児戯(じぎ)にも等しい。あっさりとボールを奪取されてしまう。



 女の子であることを馬鹿にされた気になってしまったさくらは逆上して貴志部に追いすがるが、その背後からさらに4人のレジスタンスジャパンの選手が詰めかけていた。頃合を見計らって貴志部はバックパス。その勢いに押されてさくらは悲鳴を上げて尻餅をついてしまう。


さくら「アイツ、頭に来るぅ〜っ!!」


 ボールを持ったのはストライカー揃いの敵チームの中でも一番危険視されている白竜だった。貴志部がバックパスした分、ゴールには距離があるのだが、白竜はそんなものはどうでも良いとばかりに豪快に吠え、必殺シュートの気を練る。



 白竜の必殺シュート「ホワイトハリケーン」が轟音(ごうおん)を上げて迫り来る。


 そのシュートを止めようと動き出す井吹だったが、レジスタンスジャパンの攻撃はそこで完了では無かった。何と雪村が白竜のシュートに合わせて飛び上がり、彼の必殺技「パンサーブリザード」をかぶせたのだ!! これはストライカー揃いのレジスタンスジャパンらしい、豪快かつ豪華なシュートチェインだ!!(雪村、映画では噛ませ役だったくせに)



 距離のある位置からの白竜のシュートもここまで計算に入れていたのだろう。雪村の必殺シュート「パンサーブリザード」がシュートチェインされる!


 そのシュートの凄まじさには真名部、皆帆といったディフェンス陣は一歩も動くことが出来ない。唯一反応した神童でさえ、そのシュートの勢いを些かも減ずることが出来ずに吹き飛ばされてしまう。

 ゴール前の最終防衛ラインの井吹がそのシュートを受けるが、日本を代表するストライカー同士の魂のシュートチェインが容易に止められるものでは無い。為(な)す術なくゴールを貫かれ、井吹は反動でライン際まで弾き飛ばされてしまう。摩擦熱(まさつねつ)の影響だろう、受け止めようとした両手のグローブから白煙が噴き上がり、井吹はそのシュートの威力がどれだけ凄かったのかを改めて目の当たりにする。


 白竜→雪村のゴールが決まり、先制点はレジスタンスジャパンが獲得する。葵はそのシュートの威力に目を見張って言葉を失う。これまでイナズマジャパンが戦ってきたどの国の代表よりも強いチーム……それが今、目の前にいるレジスタンスジャパンだった。


 まだ立てない井吹を心配して鉄角が駆け寄る。だが井吹は肉体的なダメージで立てないのでは無かった。これほどまでに凄いシュートを放つ白竜たちの実力を認め、そしてホーリーロード本戦でその彼らと互角に渡り合って来た自チームの背番号9番、神童の背を見つめる。井吹は改めて神童という男の大きさをその背に感じるとともに、その精神的な敗北感から立ち上がることが出来なかったのだ。


 件(くだん)の白竜は先制点を挙げて上機嫌で自陣に戻る道すがら、ライバルである剣城の横を通り過ぎる際に捨てゼリフを残す。


白竜「どうだ? これが『格』の違いってヤツだ!」


 白竜の憎まれ口を剣城はグッと堪(こら)えて聞いていた。現にその実力差を見せられてしまった今、弁解は剣城の流儀に合わない。


 神童は今のシュートチェインのパワーを見るに、レジスタンスジャパンは本気で自分たちをつぶしに来ていると判断する。天馬はそれを聞いてもあくまでも強気だ。受けて立つと自身が手塩にかけて育てて来た現イナズマジャパンの実力を信じていた。

 だが神童は彼らの実力を天馬よりも警戒すべきものと見ていた。本当につぶされかねないという神童の警戒心は天馬の気持ちを引き締める役に立ったようだ。



 ベンチでは、みのりが「なぜこの試合を組んだのか?」と黒岩に問いかける。これほどまでに実力差が明らかな両チームをぶつけても結果は分かりきっていると言いたげだ。他者の質問には無視が常道の黒岩にしては珍しく、ここではその理由を明かす。


黒岩「決勝戦の前にチームに伝えなければならないことがあるからだ」


 伝えたいこと……それはこの試合でつぶされるほどに手痛い敗北を味わわせるという行為よりも大事なことなのだろうか? 結局黒岩の真意は謎のままだ。



 試合は再びイナズマジャパンボールのキックオフで再開される。瞬木がボールを持って上がるが、天馬やさくらといったパスコースは早速マークが付いて妨(さまた)げられる。

 やむを得ないと自身がドリブルで上がろうとした瞬間、その実力を嘲笑(あざわら)うかのように浪川がボールを奪取する。



 背番号11番対決は浪川の圧勝。


 浪川は同じ海王学園の陸上部だった瞬木を知っているらしく、そのドリブルが「止まって見えた」と厳しくダメ出しする。彼にすれば無名の陸上部員にサッカー日本代表の栄光の背番号11番を付けられていること自体が我慢ならないのだろう。本来だったら自分が付けていてもおかしくない背番号だからだ。

 ボールは南沢の元へ。そこに絡んでいくのは鉄角だ。激しくボールを奪い合う両者だが、南沢の表情には常に彼のトレードマークのシニカルな笑いが浮かんでいた。つまり余裕が感じられる。

 さらに悪いことに南沢に抜かれた時、接触プレーで鉄角の足首に激痛が走る。拳を痛めてボクサーの道を諦めた鉄角にとって、足首を痛めてサッカーへの道も失ってしまうことに大きな恐れが芽生えた。だがそれを振り払うように頭(かぶり)を振った鉄角は、強い意志を持って向き直る。



 しかしそこで彼が見た光景は残酷なものであった。彼と同じ釜の飯を食い、サッカーに対して愛情と自信を深めつつあった仲間たちがレジスタンスジャパンのプレーにことごとく翻弄(ほんろう)され、痛めつけられ、サッカープレーヤーとしての自信を打ち砕かれている場面だったのだ!


 鉄角は初めてサッカーというものを恐ろしいと感じるようになってしまう。そして改めて痛めた足を見る。


 ボールは何とか神童が抑えて反撃の機会を窺(うかが)う。だが自身やレジスタンスジャパンの面々と遥か高みで渡り合ってきた天馬や剣城には白竜、真狩といった選手が完璧にマークしていた。

 神童はフリーの鉄角にパスを送る。練習時に鉄角に声を掛け、そのプレーを認め始めた神童からのパスに鉄角が向かうが、そこに貴志部が割り込んでくる。その瞬間、鉄角の心にまたもボクサーの道を失ってしまった時の記憶が蘇(よみがえ)る。そうなると足の激痛がより一層の存在感を持って鉄角の動きを鈍(にぶ)らせてしまう。

 まんまとボールを掠(かす)め取った貴志部は、「そんな弱腰では俺たちに勝てない」と鉄角に厳しい言葉を投げかける。その言葉は図星を突かれた思いの鉄角を打ちのめす。


 貴志部からパスを受けた南沢が華麗なドリブルで真名部と皆帆をかわして攻め上がってくる。南沢は自分のシュート「ソニックショット」が役不足なのをよく理解しているのだろうか、自身ではシュートに行かずに真帆路にパス。真帆路はここで分かっていても止められない魔球必殺シュート「マボロシショット」を久々に放つ! そんな魔球、今の井吹くんに止められるはずもなく……




 見たこともないのだろう、驚く井吹の身体をすり抜けてゴールインする「マボロシショット」。相変わらず身体はすり抜けるのにゴールネットだけはすり抜けない律儀さを見せる。



 これで試合は0−2となる。が、その得失点差以上に実力の差を感じる展開なのは明らかだ。イナズマジャパンメンバーは肩で息をして消耗し切っていた。グロッキー状態のさくらは「自分たちはもっと出来たはずだ」と虚しい弁解をつぶやくが、それは他の選手たちも同じ思いだっただろう。

 だがそんなイナズマジャパンに対して、レジスタンスジャパンは容赦ない。



真狩「つぶす以前に自滅だな!」
千宮路「所詮は素人集団だ。雷門の3人以外は相手にならん」



 レジスタンスジャパン監督の不動は監督として十全に任務を果たしている。それはイナズマジャパンを追い詰め、つぶしてしまうという行為なのだが、みのりはそれを為す不動を褒め称え、さらに裏から不動を動かしている黒岩に対しても皮肉たっぷりの口調で敬意を表する。


 足を気にしている鉄角に対し、剣城は突然弱気になった彼のプレーを気にかける。剣城は鉄角が足を痛めていることに気付いていた。大したことはないと強がる鉄角だったが、剣城は鉄角が神童のパスに反応できなかったことを槍玉に挙げ、鉄角がボールから逃げたと剣城はその心の弱さを非難する。


剣城「そんなプレーをしていたらサッカーも出来なくなるぞ!」


 剣城は鉄角がボクシングを失い、今またサッカーも失うことになってしまえば……と心が逃げに動く心理状態をも見通していたのだ。そしてサッカーは鉄角が思うほど甘いものではなく、気持ちが逃げに回ればサッカーは鉄角自身を食い尽くすだろうと警告する。鉄角はそれがどういう意味か分からない。だが剣城はその答えは自分で知るしかないとつれなく突き放す。

 鉄角の前から去る剣城に、天馬が語りかける。天馬はこの試合の意味が分かってきたと言う。白竜たちが今のイナズマジャパンに対して思うこと、伝えたいこと……そして天馬たちがそれに応えるには……



 試合再開。神童から天馬にホットラインがつながる。ようやく訪れた好機。千宮路は自分が自分の手でイナズマジャパンの力量を測れる機会が訪れたと意気込む。

 天馬からパスを送られた剣城は千宮路が未だ知らない新必殺技の「バイシクルソード」を撃つ。




 化身なしでは勝手が違うか、千宮路は剣城のシュートを止めることが出来ない。ゴールが決まり、これで試合は1−2となるが、ここで大事なことは得点経過ではなかった。実力者同士のぶつかり合いに、残された8人のイナズマジャパンの選手たちが感化されたことが大きかった。勝敗うんぬんよりもこれを8人の素人に伝えること、それこそがこの試合の意義の一つだったであろうから。



 不動の一瞬の目配(めくば)せに白竜が応じる。それによってレジスタンスジャパンの動きにさらなる磨きがかかる。黒裂の実力が遺憾なく発揮されたドリブルの切れ味に、九坂や真名部が舌を巻く。


九坂『何で……取れねぇ!?』
真名部『ボクって、こんなものでしたか……?』


 浪川は瞬木、さくら、皆帆の3人を一気に抜き去る。どんな障害をも突き破る荒波を思わせる浪川のドリブルに、彼らは驚きを隠し切れない。


さくら『うそ……決勝まで来たのに!?』
皆帆『(ボクたちは)もっとやれるはずなのに!?』
瞬木『何だよこいつら、俺たちは代表だぞ!? 気持ちよく勝たせろよ!!』


 瞬木だけはいつものブラックな感情が入り混じっているが、アジア地区予選決勝まで勝ち抜いた彼らのプレーがまったく通じない存在が、代表に選ばれなかった日本国内に存在するということ自体が大きな教訓となる。


 天馬たち雷門中出身の3人だけがレジスタンスジャパンのプレーに伍(ご)することが出来た。だがそれは高みにおいてプレーすることが出来る人員という観点では彼我の差は11対3ということと同意でもある。イナズマジャパン側の不利は明白であった。


 再び撃ち込まれた白竜の「ホワイトハリケーン」に遮二無二(しゃにむに)必殺キーパー技「ワイルドダンク」をぶつける井吹だったが、通用しない。白竜のシュートがゴールに突き刺さったタイミングで前半戦終了のホイッスルが鳴る(この試合は練習試合でもあり、彼我の実力差や消耗の度合いを考えると後半30分をプレーすることは無意味であり、このホイッスルは試合終了と同じであることを意味する)。

 天馬はその瞬間、1−3と刻まれたスコアボードをジッと見つめる。体力を使い果たし、ピッチに倒れこんだ鉄角を剣城が引き起こす。剣城は疲れ切った鉄角に、サッカーに食われたくなければ目をそらさずにすべてを見るように忠告する。


 鉄角だけではない。青息吐息(あおいきといき)のメンバーを見つめ、そして息一つ乱していない白竜たちに向き直った天馬は、試合を受けてくれたことに感謝の言葉を贈る。

 白竜はこの練習試合を企画し、彼らにイナズマジャパンをつぶすよう指示したのは黒岩であったことをここで明かす。そしてその指令を果たせたと、彼らは満足げに語る。


 不動はイナズマジャパンのメンバーがまだまだ発展途上であり、サッカーを己の物としていないと告げる。今後現れるであろうさらなる強敵を相手に、それでは通用しないと語り、それを心から理解させるための試合であったことを示唆する。


 剣城は白竜に完敗を認める。しかし自分たちは必ずこの敗戦を糧(かて)に生まれ変わってみせると捲土重来(けんどちょうらい)を期する。白竜は皮肉っぽく笑い、彼なりのエールを贈る。



 試合後のベンチ前では、みのりが黒岩に「彼らに伝えなければならないこと」とは何だったのかを問う。


黒岩「サッカーの恐ろしさ……」


 イナズマジャパンが今後勝ち続けるために、この試合は必要だったと黒岩は語る。サッカーは深く関わると何か大事なものを失ってしまうことすら要求する過酷なものだ(この辺の表現は言葉は違えど、剣城が語った「サッカーに食い尽くされる」という言い回しと同じことを意味していると思われる)。

 鉄角がボクサーとしての未来を失い、それが故(ゆえ)にサッカーの恐ろしさを理解して克服することを黒岩が意図していた点に触れ、みのりはその上でさらに疑問を口にする。


みのり「それで、乗り越えた先に何があるんですか?」


 黒岩はその質問に関してはいつも通り「いずれ分かる」と即答を避ける。無言じゃないだけマシだったけど、やっぱりゼロ回答の先送りだよね。



 彼らの話題に上がっていた鉄角は、試合が終わったというのにもう一度ユニフォームに着替えて合宿所地下のブラックルームに向かう。

 痛めた足の感触を確かめていると、後ろから空気の圧搾音(あっさくおん)が聞こえる。見ると、そこには鉄角と同じ心境に至った仲間たちが集っていた。



 レジスタンスジャパンとの一戦に完敗して意気消沈していたはずのイナズマジャパン。だがそれを乗り越えたのは鉄角だけでは無かった。全員がこの敗戦から何かを見出し、それに向けて早くも始動することを誓った。真名部や皆帆、好葉なんかは少し前までは考えられなかった姿だ。


 嬉しそうに笑う鉄角に、井吹はやられっ放しのまま終われないと返す。克服すべき難関に挑むそんな仲間たちの姿を見つめ、天馬たちにとっても残された大きな課題の克服に心を期するのだった。




 次回へ続く。



  エンディング




 この試合は負けることありきで組まれたものだったわけで、それは事前から薄々気付いていた。ある意味レジスタンスジャパンは勝利に慢心しているイナズマジャパンを目覚めさせ、新たな超えるべき壁を指し示すという役どころなわけで、ハッキリ言って貧乏くじだとは思う。

 練習試合に勝ってもこれを企画した黒岩の作戦上、自分たちが日本代表に招集されることは、事実上ない訳だから。白竜は自分をイナズマジャパンに選ばなかった黒岩に対する怒りとかはないのかな? 吹っ切れてる? 腹いせに剣城にイヤミなこと言ってない?


 自分たちよりも確実に実力が上の選手たちが日本代表に選ばれていない。自分たちはそんな存在を押しのけて今その位置にいると考えれば、別の意味で責任感なども生まれるだろう。サッカーの恐ろしさを覚え込ませるというのが黒岩の真意だったようだけど、私はその観点からイナズマジャパンのメンバーが本気度を上げるのではないかという副次的効果に期待する。



 最後のシーンでチーム内の意志がほぼ統一された感じがある。残された心理的課題は劇中にもあったけど、瞬木の心のうちの黒い部分だろう。皆帆とひと悶着(もんちゃく)あったけど、これが解決に向かう回が18話までにあるのだろうか。



 次回はいよいよアジア地区予選決勝戦。それが終わってからの展開がどうなるのかが気になる。最大の謎である、この大会そのものの異常性に対してまだ何の回答も無いもんね。



  次回「激闘!世界への挑戦!!」に続く。



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