『イナズマイレブンGOギャラクシー』第3話「小さな変化」の感想 【韓国チーム溶けた!?大きな変化だろ!?】

 そろそろ恒例と言って良いと思われる新展開のアニメ感想文第3回。今回は『イナズマイレブンGOギャラクシー』第3話「小さな変化」を観ての感想を書く。欝(うつ)な展開が続く序盤だが、今回は仲間うちでの意思疎通がほんの少し垣間見られたという点で嬉しい変化だった。

 ただ試合後にはこれまでにないものすごい大問題が巻き起こり、個人的にはイナズマジャパンの行く末よりも韓国代表チームの行く末が気になって仕方がない。詳細は以下の感想文にて。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOギャラクシー』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOギャラクシー』第2話「立ち込める暗雲!世界大会開幕!!」の感想 【欝な展開が続くぜ】
 をご覧ください。

  • 前々回の感想は、

『イナズマイレブンGOギャラクシー』第1話「最悪!新生イナズマジャパン!!」の感想 【最悪の新章スタート!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 しろうと集団のみで少年サッカー世界最高峰の大会「フットボールフロンティアインターナショナル(通称FFIV2)」の日本代表として臨むこととなってしまった【イナズマジャパン】。

 メンバー選出をした監督の黒岩流星(CV:佐々木誠二)の真意が読み通せないまま、キャプテンの松風天馬(CV:寺崎裕香)はたった一週間の準備期間の中、何とか彼らを戦える集団にしようと腐心(ふしん)する。

 だがアジア予選の第1試合、韓国代表【ファイアドラゴン】との試合開始直前、メンバーの財布がなくなるというアクシデントが起こる。財布の持ち主、真名部陣一郎(CV:野島裕史)は過去の経歴からチームメイトの瞬木隼人(CV:石川界人)に疑いの目を向ける。

 さらに真名部はチームメイト8名がそれぞれサッカーを本気でプレーする立場ではないという驚愕の事実を暴露する。試合開始直前に巻き起こったチーム内の不信感は、新生イナズマジャパンの行く手に暗雲をもたらす。



 誰もが心を切り替えられないまま試合が始まってしまう。開始早々、瞬木は独断専行で攻め上がるが簡単にボールを奪われ、ファイアドラゴンの反撃を許してしまう。

 ファイアドラゴンのキャプテンのリ・チュンユン(CV:佐藤健輔)のシュートはキーパーである井吹宗正(CV:鈴木達央)の実力を信用しない神童拓人(CV:斎賀みつき)が阻止する。そのプレーは失点を防いだものの、チーム内の相互不和に一層の拍車をかける結果となってしまう。信用されなかった井吹はもちろん、信用しなかった神童の側にも不信感は渦巻く……。


 さらに悪いことに、自チームのあわてぶりに比してファイアドラゴンの王道とも言える流れるような攻撃は、九坂隆二(CV:岡林史泰)や森村好葉(CV:悠木碧)といったサッカー未経験者たちを怖気(おじけ)づかせるに十分な威圧感があった。

 見事にシュートを止めてみせた神童ですら、リ・チュンユンのシュートの威力には目を見張る。少しでもタイミングがずれていれば自分の身体ごとゴールに押し込まれていたであろうと……。あのシュート、見たほど簡単に止められたわけではない。神童ほどの実力者でも一目置かざるを得ないほど、敵は強大だった。

 たった3名のサッカー経験者のひとり、剣城京介(CV:大原崇)はここまでの流れを見て、事前に神童が語っていた通りの展開になりそうだと推察する。それは前日、天馬の部屋で語った「3人だけで戦う」という作戦のことだった。


 だがそんな作戦など知りようもない瞬木は、俊足(しゅんそく)のFWという自身と同じ役割を担うリ・チュンユンの背中を見つめ、メラメラとその闘志を燃やす。



「負けるものか!!」



   オープニング


 
 最初のワンプレーでイナズマジャパンの選手だけでなく、実況、そして観客にまでその持ち味を見せつけることに成功したファイアドラゴン。試合はそのファイアドラゴンのスローインで再開される。

 6番の選手のスローインを、今度は一陣の青い風がかっさらう。それはリ・チュンユンというライバルの活躍を目の当たりにして発奮した瞬木の飛び出しだった!




 兄のそのいきなりの活躍に、観客席で見守る雄太(左 CV:小林ゆう)と瞬(右 CV:戸松遥)も大喜びで応援する。外見的には瞬の方が瞬木に似ている印象だけど、瞳の光彩(こうさい)は全員が同じ。雄太も血がつながっているという印象。


 瞬木の頑張りにはわけがあった。お金のため以外にも今こうして応援してくれている弟たちのために、頑張らなければならない理由があったのだ。


 彼らが練習場を訪ねてきた時、弟たちは隣人の子供と喧嘩をしていた。その原因が帝国学園とのエキシビジョンマッチにおいて不甲斐ない試合をしてしまった自分のせいだと聞かされた瞬木は、二度と弟たちにそんな不憫(ふびん)な思いをさせたくないと心に誓ったのだった。



 自分にとって絶対の存在である兄を馬鹿にされて悔しかったと語る瞬。右頬の傷はその時の喧嘩で付いたものなのかもしれない。弟にこんな涙を流させたくないと思う瞬木の気持ちはよく分かる。


 次の試合では絶対に点を取って欲しいと乞(こ)われた瞬木は、弟の名誉のために戦っていた。そう考えると彼が他の選手たちより一層頑張って練習に励んでいた理由、そして試合冒頭で剣城の指示に逆らって自分で攻めようとした理由も分かってくる。

 瞬木はドリブルで切れ上がる。だが所詮はサッカーを初めて間もないしろうとのドリブルだ。持ち味のスピードが全く出ていなかった。逆にスピードを重視しようとすればボールが足元におぼつかないであろう。

 リ・チュンユンは瞬木の動作を見て一瞬で彼がサッカーのしろうとであることを見抜く。案の定、3番のペ・ジョンホ(CV:河野裕)にあっさりとボールを奪取されてしまう。悔しがる瞬木に、味方であるはずの真名部は冷たい言葉を投げかける。


 そしてまたも瞬木からの奪取を基点としたファイアドラゴンの攻勢が始まる。しろうとばかりのイナズマジャパンではその攻勢をまったく止めることが出来ない。野咲さくら(CV:遠藤綾)や皆帆和人(CV:代永翼)、九坂が為す術(すべ)もなく抜かれてしまう。



 おにゃのこに押しのけられる九坂。コイツはキレていない時はこんなだし、キレたら反則するしで今のところ役に立ちそうにない。


 好葉に至っては相手の素のドリブルにすらビビって頭を抱えて突破を許す始末。



さくら「ちょっと練習したぐらいで通用するほど世界も甘くないか……」
皆帆「予測通りだ……」
九坂「ファイアドラゴンすげえなぁ……」


 全員が他人事のように言い放ち、どうも本気が見受けられない。瞬木を見習え。


 負けん気の強そうな鉄角真(CV:泰勇気)がチームが翻弄(ほんろう)される状況に腹を立てて立ち向かうが、その言葉の鋭さとは裏腹にやっぱり他の選手と同様、あっさりと抜き去られてしまう。

 ファイアドラゴンの一方的な展開が続く中、イナズマジャパンベンチではコーチの船木宏正(CV:金野潤)が黒岩に対し、またも不信の目を向ける。このようなチームを編成したのだから疑いの目が向けられるのはある意味やむを得ないのだけど、選手だけでなく首脳陣の中でもこのような齟齬があるチームはやはりチームとして根本的に欠陥があると言えよう。

 船木はイナズマジャパンが予選突破さえ出来なかった場合の責任問題に言及する。だが黒岩はやはりこれまで同様、沈黙をその返答とする。


 瞬木は得意の瞬発力で本来はFWの仕事ではない防御に回るが、やはりボールの捌(さば)き方においてファイアドラゴンの選手に一日の長があった。瞬木をかわした9番の女性選手(CV:不明)は決めろとばかりにゴール前にロングボールを送る。

 そこには11番のストライカーナンバーを背負った選手(CV:不明)が走り込む。11番は渾身の力を込めてシュートする。




 今度こそ出番だと燃えて身構える井吹だったが、今度もそのシュートを阻止したのは神童だった。一度ならず二度までもキーパーの仕事を奪われた井吹は神童に当り散らす。だが神童はその井吹の怒りを無視するかのように背を向けたまま黙りこくる。その様子の異常さには空野葵(CV:北原沙弥香)も何かがおかしいと気づく。


葵「これって、もしかして神童先輩は……」


 一度ならず二度までも、本来はMFポジションであるはずの神童がゴール前でシュートを阻止するなんて本来はあり得ない。そう、天馬と神童、剣城の3人と黒岩、もうひとりのマネージャーである水川みのり(CV:高垣彩陽)、そして井吹の6人しか知らない神童の作戦がほぼ白日の下に晒(さら)されたのだ。

 神童は井吹に一瞥(いちべつ)もくれないまま、前線の天馬にボールを送る。神童がこのピッチ上で自分以外に信頼を置くのは天馬と剣城だけなのだからパスする場所はそこに限られるわけだが。

 ボールを受けた天馬はとにかく前進を開始する。ファイアドラゴン7番の選手(CV:不明)がそれを止めようとするが、今度はしろうとではなく、おそらく日本一のサッカー選手だ。そう簡単に止められようはずがない。

 必殺技「風穴ドライブ」で7番の選手を蹴散らし、天馬は前に進む。そして最後の雷門ホットラインが最前線の剣城につながる。


リ・チュンユン「少しは出来る奴もいるみたいだな」


 剣城の横に走り込むのは、スピードだけならチーム随一の瞬木だった。パスを要求する瞬木だったが、剣城はそれを無視して逆サイドの天馬にボールを返す。後方の神童を起点に、本当に3人だけでファイアドラゴンと戦う雷門中出身選手たち。天馬と剣城は完全なるユニゾンのようなワンツーパスで敵陣を切り裂いていく。瞬木はその芸術的な様(さま)をただ見送るしかなかった。



 だがドリブル技を持たない剣城の悲しさか、ペ・ジョンホの必殺ブロック技「地走り火炎」によってボールを奪われる。韓国代表はファイアドラゴンという名称だけあって火属性の選手、技が多そうなイメージ。


 今度は攻守ところを変えてファイアドラゴンがまたも攻め始める。天馬、剣城という手ごわいサッカー経験者2人を前線に置き去りにしているわけだから、これはファイアドラゴンにとっては絶好のチャンスだ!

 そしてまたも11番のシュートがジャパンゴールを襲う。



 それを止めるのは自陣に残るサッカー経験者、神童だった。相変わらず井吹を差し置いてボレーでシュートを阻止する。

 繰り返されるこのパターンを見て、観客もこの試合の異常性に気づき始める。「イナズマジャパンは3人で試合をしている」という事実を。3人以外は使い物にならないと切り捨てる観客の前には、その役たたずの烙印(らくいん)を押された選手のひとり、瞬木の弟たちが座っていた。

 帝国戦の時と同じように自慢の兄を嘲笑されバカにされる現実は、2人にとっては辛いものだった。瞬は小さな声で兄の健闘を祈る。


 イナズマジャパンゴール前では、三度に渡ってキーパーの存在を無視した神童に対し、井吹が怒りを爆発させていた。いつまでも自分の前から離れない神童に対し、井吹は「退(ど)け!」と繰り返す。だが神童はやはりその声が聞こえないかのように無視を決め込む。それは幾らチームメンバーの変更を提言しても聞き入れてもらえなかった黒岩への意趣返しであると言わんばかりのようだった……。


 神童から送られたボールはやはり天馬と剣城がコントロールする。そこに絡むのは、無視されながらも自分の活躍で弟たちの名誉を守ろうと心に期する瞬木であった。

 ゴール前、天馬がボールを受ける。天馬はこれまでのサッカー経験の勘から、シュートコースへ至るルートを見抜く。だがさすがはファイアドラゴン、2人がかりのスライディングで天馬の前進を阻(はば)む。



 激しくフィールドに打ち付けられた天馬は豪快に転がってしまう。いち早くその場に駆けつけたのは神童、そして剣城だった。天馬はすぐに上体を起こして怪我がないことを告げ、ベンチの葵を安堵(あんど)させる。

 いかに優れた選手といえども、天馬と剣城の2選手だけでゴール前まで持ち上がろうとすれば敵にも読まれやすい。すでに天馬と剣城、神童以外の8人の選手がしろうとだということは見抜かれているだろうから、マークする対象も絞り込まれているだろう。

 しかしそれは逆に考えれば他の8人はノーマークということだ。そこに付け入る隙があると考えたのは、当の瞬木だった。



「俺も一緒に戦わせて欲しい!!」


 神童は意表を突かれたかのようにそちらを見やる。瞬木はまだ自分の実力は劣っていて天馬たちのようにうまくプレーすることが出来ないことを自覚した上で、それでも天馬たちに近づきたいと真剣な表情で語りかける。

 彼は他人を信用しないという彼特有のプライドを噛み殺し、無理に笑みを浮かべてサッカーを教えて欲しいと乞うた。それにコロッとやられてしまうのは、やっぱり人を疑うことを知らない天馬くんだった。

 天馬は瞬木もともに加えて戦おうと勝手に判断し、神童に事後了承を迫る。中間派である剣城も乗り気となり、神童もしぶしぶその作戦変更を受け入れる。



 神童の裁定に忠誠心あふれる笑顔を浮かべる瞬木だったが、神童たちが目を離したあとに見せた笑顔はそれまでの素直さがなくなり、何やら企(たくら)んでいるかのような含み笑いとなっていた……。相変わらず彼は何かを隠している。それにしても天馬くん、イチコロすぎる。こんなことでは社会に出たらすぐ詐欺師の餌食(えじき)にされてしまうよ。



 試合はスライディングでボールを押し出されたイナズマジャパンボールのスローインで再開される。



 一瞬映ったファイアドラゴンベンチ。監督はチェ・チャンスウ(CV:奈良徹)だった! 円堂守(CV:竹内順子)率いる旧イナズマジャパンと戦った頃のファイアドラゴンのキャプテンだったからこれも順当かな。余談だがこの顔が安定して一番韓国人らしい気がする。さらに余談だがチャンスウのコスプレはなぜか非常にレベルが高い。さらにさらに余談だが韓国アジュンマのパーマ率の高さは想像を絶する。


 瞬木は先ほどのやり取りの後、天馬から受けたアドバイスを心の中で反芻(はんすう)していた。陸上部の短距離ランナーだった頃の名残からか、速く走ろうとする気持ちを咎(とが)められていたのだ。速さよりもボールを確実にコントロールすることを重視するよう天馬は求めた。瞬木は心の深奥(しんおう)でどう思っているかはともかく、この試合で活躍するには天馬のアドバイスを活かすことが肝要だという意識は抱いていた。

 スローインを入れるのは剣城。受けた天馬は即座に瞬木にボールを送る。瞬木はトラップするのだが、その間隔があまりに大きすぎた。これでは敵にボールを奪われてしまうと剣城と天馬は覚悟するのだが、実はそこからが瞬木の真骨頂だった!

 追いつけないと思われたトラップに、ものすごい速さで走り込んでボールを確保する。そう、ドリブルが思うようにいかない瞬木はトラップを大きくしてその間はボールをコントロールせずにただ走ることだけに専念するというやり方で事態の打開を考えたのだ。



 その後も大きく蹴り出して素早く追いつくという彼にしか出来ないやり方でドリブルする。このアイデアには瞬と雄太の後ろで酷評していた観客も呆れ半分で感心する。

 十分に進んだところで瞬木は天馬にパス。天馬はワントラップで剣城にボールをフィードする。攻撃する選手がひとり増えただけでイナズマジャパンの攻めは格段に向上する。この変化には、敵であるリ・チュンユンも味方である皆帆も同じ驚きをもって迎えられる。



皆帆「これは予想外の展開……」
さくら「なによ、ひとりだけ目立ってるわ!」
鉄角「ムキになってるんじゃねぇよ!」


 瞬木の活躍に他の選手たちも様々な反応を示すが、どちらかというとここまで優等生っぽかったさくらが怒りの形相なのが意外。

 彼らも瞬木の活躍に負けていられないとばかりに動き出す。ひょっとしたら彼らが報酬として受け取るお金というのは活躍度に比例するのかもしれない。ただそんな中でも、瞬木とは財布を盗んだ盗まないの確執があった真名部だけは忌々(いまいま)しそうな表情を浮かべたまま動こうとはしなかった。


 調子良く攻めていた瞬木がここでトラップミス。転がったボールは嫉妬心を抱いて追ってきたさくらの目の前にやって来る。一瞬戸惑うさくらの心を見透かすかのようにファイアドラゴンの9番の女性選手がスライディングで迫る。

 さくらはこれまでの人生の帯同者(たいどうしゃ)として慣れ親しんでいるであろう、新体操を思い起こす。サッカーボールを新体操のボールに見立てるさくら。すると本人も信じられないほどの冷静さでもって、敵のタックルを美技でかわして見せる。その姿はまるで新体操のD難度を見せつけているかのようだった。



 アクロバティックな姿勢のまま、さくらは空中で鉄角にパスを出す。鉄角の場合はさくらとは逆に、人生の帯同者の姿を忘れることが要求される。迫るボールをボクシングのパンチと見立てずに胸でトラップ、流れを止めない。

 いい感じでイナズマジャパンが攻めているのだが、なぜか敵将のリ・チュンユンはそれを余裕の笑顔で見ていた。


 突然の選手たちの前向きな姿勢に、ベンチではみのりが驚きを隠せずにいた。どういうことかと問わず語りにつぶやいた言葉に、黒岩が返答する。



黒岩「変化だよ。そしてその変化を導くのが、あの3人だ」


 黒岩は大会前に語っていた通り、天馬たち3人が残りの8人の才能を開花させる触媒となっていることを示す。今起こっている現象を鑑みれば、何だかんだ言って天馬たちは黒岩の掌(てのひら)の上で動かされているという印象すら受けてしまう。


 鉄角に向けてパスを要求する瞬木。だがそこに真名部が指示を出す。鉄角は真名部の言った通りにさくらにパスを出してしまう。

 また別のシーン、瞬木は九坂にパスを要求する。だがまたも真名部が後から指示を出し、九坂は言われた通りに皆帆にパスを送ってしまう。

 繰り返される瞬木への無視。見ていた瞬が不思議がるのに対し、雄太は何かに思いが至る。

 そしてフィールドでも瞬木にパスを出さない仲間たちの態度を天馬が訝(いぶか)る。ふと見た真名部はあわてて目を逸らす。その瞬間、天馬は瞬木が無視される理由を理解した。そう、試合前の真名部の財布消失事件が今になって響いているのだ。

 真名部だけでなく、他の選手たちも瞬木を疑っているのだろう。チーム内の不信感がここに来てまた鎌首(かまくび)をもたげ始めてきた。

 そしてそんなチームの混沌(こんとん)を突くかのように、ファイアドラゴンがまたもボールを奪って攻めに転じる。一気に前線のリ・チュンユンにフィードされるパス。

 ゴール前ではもうひとつの不協和音である井吹と神童との確執が再燃する。リ・チュンユンは構わず必殺シュート「ラピッドファイア」を撃ち込む。



 やっと放たれた必殺シュート。やはり火属性の技。


井吹「退けぇ〜っ!!!」


 井吹のそのあまりの迫力に一瞬たじろいだ神童は、初めてシュートカットの機会を逸してしまう。井吹はようやく回ってきた任務の遂行に全力をもって立ち向かう。だが気持ちだけで阻止できるほど、そのシュートは甘いものではなかった!



 井吹はその気迫ごと弾き飛ばされ、シュートがゴールネットを激しく揺さぶる。天馬が檄を飛ばしてまで奪おうとしていた先制点を、ファイアドラゴンに奪われてしまう。

 そしてそこで前半戦終了のホイッスルが鳴る。イナズマジャパンとしては嫌なタイミングで先制されてしまったという思いが残る。今のワンプレーを凌(しの)いでおけば、同点で後半戦に臨めたのだが……。



 この展開に、雄太と瞬の後ろの席の観客はやはり期待できないと諦めムードを見せる。雄太と瞬もまだ点を取れない兄を思って、悲しそうな表情を浮かべる。


 フィールドではリ・チュンユンのシュートを止められなかった井吹が悔しさと技を食らった腕の痛みから小刻みに震えていた。その視線の先には、無言でこちらを見つめる神童がいた。

 『それ見たことか。やはりしろうとキーパーには止められない』と神童の目に言われているように感じた井吹は忌々しげに立ち去る。彼にとって神童にそんな目で見られることは最高に屈辱な気分であっただろう。




 ロッカールームに引き上げる通路で、天馬は残念そうに試合を振り返る。瞬木を攻撃メンバーに加えることで、オフェンスは良い形になり始めていた。だが試合前の財布消失事件が尾を引いて、仲間内で募る不信感をどうすれば良いのか、天馬にはその解を考えつかなかった。

 そこに何か言い争う声が響く。見ると瞬木の弟たちが関係者以外立ち入り禁止のロッカールームに入ろうとして警備員と揉めているシーンに出くわす。

 天馬はその場を取り繕(つくろ)おうとするが、瞬と雄太はそんな天馬に食ってかかる。試合中、瞬木を無視して試合を進めていたことにお怒りのちびっ子たちは、天馬もその仲間はずれの一味だと思い込んでいるらしい。

 雄太は兄が盗みを働いて捕まったことが影響していることを心配する。しかし彼によると詳細はそうではないらしい。それを話そうとする雄太を制したのは、件(くだん)の瞬木自身だった。

 瞬木は食い下がる弟たちに観客席に戻れと強い口調で命じる。天馬は雄太の態度から、瞬木が誰かをかばって犯罪の汚名をかぶっていることに気づく。瞬木はただの一言も弁明せずにロッカールームに歩き始める。

 気まずいながらも向かうところは同じだ。天馬は後ろを歩きながら、瞬木が身代わりになる理由があったのだと推測する。天馬はその経緯を話して欲しいと詰め寄る。瞬木はやや逡巡した後、下り階段の最上段に腰掛ける。それは話をする態度と受け取った天馬は、黙って上り階段に腰を下ろす。




「俺たちには、親父がいない……」


 しばらくの間のあと、ポツリと語った瞬木のその言葉は天馬を驚かせる。瞬木たち家族を残してどこかへ蒸発してしまったという。母親も病気で働くことが出来ず、瞬木家は貧困の中にあった。

 弟たちは「その時」よほど腹を空かせていたのだろうと、瞬木は弟が食べ物を盗んだ時のことを語る。家庭環境からただでさえイジメられていた弟たちが、このことが明るみに出ればそのイジメは苛烈(かれつ)を極めることになるだろう。瞬木はそれを慮(おもんばか)って自身が身代わりになったのだ。

 そしてその時から瞬木のことを誰も信じようとはしなくなったという。瞬木が誰のことも信じようとしなかったのは、この世間に対する精一杯の抵抗だったのだろう。

 「お前たちが俺を信じようとしないなら、俺もお前たちを信用しない」と……。



 後半戦のフィールドに立つ瞬木は、天馬に語った話の締めくくりとして、弟たちのために自身のプレーをするだけだと心に期す。それは誰からどう思われようと崩すことの出来ない、彼の最後の心の拠(よ)り所でもあった。


 後半戦はまもなく開始される。それぞれの思惑が渦巻くフィールドでは、イナズマジャパンとファイアドラゴンが睨みあっていた。神童は後方の井吹を念頭に、しろうと8選手全員に対しこの場にいるべき選手ではないと心の中でキッパリと切り捨てていた。


天馬「まだまだ1点、取り返していくぞ!!」


 キャプテンの天馬のその掛け声を最後に、後半戦開始のホイッスルが鳴り響く。後半戦はファイアドラゴンボールのキックオフだ。天馬は率先して戦う態度を示すべく、ボールに食らいつく。11番の選手と競り合ったボールはルーズ状態で左に流れる。それを追う2人を一瞬にして抜き去ったのは瞬木だった!



 そしてまたも彼独特の、ストライドが異常に大きいドリブルで切れ上がる。ファイアドラゴンの選手が2人がかりでそれを止めようと前を塞(ふさ)ぐ。瞬木はパスの相手を求めて周りを見渡すが、なんと誰もフォローに回ってくれてはいなかった。

 天馬は驚いて自陣を見返すが、誰もが瞬木の窮状(きゅうじょう)に対して知らんぷりを決め込んでいた。完全なる孤立……それは誤解を受けたまま財布を盗んだ犯人扱いされている瞬木のチームでの姿そのものであった。

 チームがバラバラであることも見抜いたリ・チュンユンの脇を駆け抜け、ただひとり天馬が瞬木のフォローに走る。だが瞬木は頑(かたく)なに自分で何とかしようとする。まるで世間が自分を受け入れてくれないのではなく、自分が世間を拒絶しているのだと主張したいがためのように。



 しかしそんな空虚な意地ではファイアドラゴンのディフェンス網を抜けるはずはない。剣城を絡め取ったペ・ジョンホの必殺技「地走り火炎」の餌食となる。



真名部「あんな奴と一緒に出来るものですか……」


 苦境の瞬木に対し、真名部はなおも犯罪者を見るような厳しい態度を崩そうとはしなかった。瞬木を仲間と認めようとしない真名部。



 瞬木への思いからチームはバラバラのまま。そんな精神状態ではチームプレーのサッカーで優位に立つことは難しい。後半はまたもファイアドラゴンの一方的な攻勢が続くこととなる。

 そして前半戦を通して誰が実力者であるかのデータもファイアドラゴンはバッチリ把握している。天馬と剣城には2人ずつというダブルマークがそれぞれ付けられ、容易にはフリーになれない状況が構築されていた。

 あとひとり頼れる神童は守りを考慮してゴール前から動けない。八方塞がりの状況をコーチの船木は嘆く。


 ならばと発奮する瞬木は自慢の走力でスペースに駆け上がるが、ボールを持つ皆帆はそれを無視して真名部にパスを送り、インターセプトされてしまう。瞬木に送れば一大チャンスが訪れていたはずなのだが。

 その後もパスを要求する瞬木の声が虚しく響く中、徹底した瞬木ハズし、瞬木無視の展開が繰り返される。そんな瞬木の姿を天馬は悲しそうに見つめる。

 だがそこで彼の左手に巻いたキャプテンマークが光りだす。それは天馬の心象風景だったろう。代々受け継がれてきた栄光あるイナズマジャパンのキャプテンとして、為さねばならないことに思いを至らせる伝統がそこにはあった!!

 天馬はキャプテンマークを握り締め、正面を見据えて声を限りに絶叫する。


天馬「何をしているんだ!!?」


 その声は、フィールドの誰をも畏怖(いふ)せしめ、恭順(きょうじゅん)させる力強さに満ちていた。その瞬間の天馬は単なる1年生プレーヤーではなく、イナズマジャパンの栄光あるキャプテンとして指令を発しているのだった。

 天馬は瞬木のフォローをしようとしない他の選手たちを激しく叱りつける。


天馬「同じフィールドにいる以上、仲間じゃないか!? 仲間のことが信用できなくて、どうするんだ!?」


 その言葉は反・瞬木の中心にいた真名部の心を激しく打つものであった。


天馬「よく見るんだ。このフィールドで起こっていることを!」


 天馬は瞬木の本当の姿を知っている。それだけに今の状態が理不尽なものであることも知っていた。瞬木が天馬に言われるまでもなく、ただひとり孤立無援で戦う姿を天馬は指し示す。

 今の瞬木の心を占めているものは、弟たちへの思い、それのみであった。私念もなくただひたすらに頑張る瞬木の姿は、事情を知らない他の選手たちの心をも揺さぶるものがあった。



好葉「さっきのこと、何かの間違いじゃないかな……?」


 自信なさそうに、それでいてひたむきな瞬木の姿を見た全員が心の中によぎった思いを代弁する好葉。財布泥棒は瞬木ではないという空気が醸成(じょうせい)されつつあった。九坂は、自分たちの目的達成のためには瞬木がどんな人物であろうと関係なかったんじゃないかと、真名部に聞こえるように言う。


 その間も瞬木は孤独な戦いを耐えていた。2番のチェ・シンジェ(CV:不明)の持つボールに「ダッシュトレイン」並みの迫力で走りかかり、奪い取る。前を向いたところに現れたのは、先ほど「地走り火炎」で絡め取られた3番のペ・ジョンホだ。さすがの瞬木も警戒して歩が止まる。

 ふと右手前方を見ると、鉄角がいた。これまでの流れだと鉄角は瞬木からのパスは拒絶したであろう。だが鉄角はアイコンタクトで瞬木に『パスを送れ』と訴える。瞬木はこれもうなづいて、鉄角にパスを送る。それは瞬木がこの試合で初めて他人を信じて行動したプレーであった。

 瞬木からのパスは見事に鉄角の足元に収まる。雷門中の選手が絡まずに初めてサッカーのプレーらしいプレーが出て、天馬の表情は喜色に染まる。そしてさくらや好葉、皆帆といった選手たちもつられるように前進を開始する。


 そこからはこれまで押しまくられていたのがウソのように、イナズマジャパンがファイアドラゴンの攻勢を凌ぎ始める。試合は0−1のままで、次の1点をどちらが奪うかで試合展開はまったく違うものとなる。


 珍しくドリブルで上がる真名部の前に、2人のファイアドラゴンの選手が立ちはだかる。初心者の真名部では個人技で抜き去ることなど不可能だろう。

 そのマークの向こう側でパスを要求するのは、因縁の瞬木であった。瞬木からパスを求められ、真名部は驚愕の表情のまま逡巡(しゅんじゅん)する。信用ならない瞬木にパスをして良いのだろうか? しかし九坂の言う通り、瞬木がどんな人間であろうと目的達成のためには関係ないとも言える……


 拒絶の表情を浮かべる真名部に、強い口調で瞬木にパスを送るよう指示するのは、これまでは自分と同じように瞬木を信じてこなかった九坂やさくら、皆帆、好葉たちだった。

 しばし閉じられた真名部の目が開く。彼は前に立ちはだかる2選手を得意の数式で計算の俎上(そじょう)に載せ、一気に解析を試みる。そして瞬木にパスを送れば100%の確率で成功するという解を導き出し、その通りに決行する。

 そう、真名部はあれだけ憎み蔑(さげす)んでいた瞬木を信用してパスを送ったのだ! パスは計算通りに成功する。だが瞬木の後を追ってくるのは、ファイアドラゴンきっての俊足選手、キャプテンのリ・チュンユンだった。



 日韓の俊足対決がここで決行される!


 ボールをコントロールしながら走る瞬木に対し、リ・チュンユンはその手間がない分有利だ。ついには瞬木をかわしてボールを奪う……かと思われたその瞬間、さらにスピードを増した瞬木がギリギリのところでボールを保持する!

 それにはここまで余裕を見せていたリ・チュンユンの表情が驚愕に染まる。リ・チュンユンをかわした瞬木は天馬にパスを送る。天馬はいろんなものを吹っ切って瞬木がつないでくれたこのボールを決して無駄にはしないと誓う。放たれるウィニングショットは、化身やミキシマックスが禁止された現状では天馬単独の最強のシュートである「ゴッドウィンド」だ!!



 月山国光中の南沢と兵頭がミキシマックスしたような出で立ちのファイアドラゴンキーパー、ナム・ドヒョン(CV:岩崎了)は、これまた火属性っぽい必殺技「大爆発張り手」で迎え撃つ。ただこれってどう見ても咬ませ感あふれる技だよね。


 やはり天馬の必殺シュートは止められず、ボールはゴールラインを割る。これで試合は1−1と振り出しに戻った! 瞬木の弟ズは天馬が決めたシュートにも関わらず、兄を褒め称えるという身内びいきぶりを見せつける。

 殊勲のプレーを褒められる瞬木の後ろでは、これまでの余裕はどこへやら、リ・チュンユンが顔を青ざめて茫然自失の様相を呈していた。おそらくこれまではスピード対決で負けたことがなかったのだろう。

 だがまだ同点である。残り時間を考慮すると、勝負の女神は次の1点を奪ったチームに微笑みかけるであろう。


 試合再開後、ファイアドラゴンは最も頼りになる支柱、リ・チュンユンにパスを送る。早期決着を狙う彼は先制した必殺技「ラピッドファイア」を放つ。

 井吹の実力を考えると、このシュートはキーパーには止められない。葵もそのことが分かっているのか、最初から神童をあてにしてその名を呼ぶ(ある意味ひどい)。



 神童はここで初披露の必殺技「アインザッツ」で待ち受ける。おそらくこの技はシュートブロック技でもあるのだろう。ゲーム版『イナギャラ』では神童にSB技が備わるんだね。ちなみにアインザッツとはドイツ語で「投入、出動」の意味。音楽用語としては休止後の奏し始めの瞬間を意味する。イナズマジャパンの反撃がここを起点に始まるという意味では象徴的な技名。


 得意の走力で瞬木に敗れ、今また必殺シュートを阻止されてリ・チュンユンは形無しだ。神童が弾き返したボールは流れに乗っているチームの常として、イナズマジャパン側に転がる。しかもそれを保持したのは天馬だった。

 敢然とゴールを目指す天馬は、前に立ちはだかる2番のチェ・シンジェをこれまた新必殺技の「Zスラッシュ」で華麗にかわす。



 ドリブル技であろう「Zスラッシュ」。オープニングでも見られた技だがすごくカッコ良い。今回は新技が色々と見られてその辺も楽しかった。


 新技の登場に、葵は興奮して天馬を祝福する。


 そして天馬から最終パスを受けたのは剣城だった。腕組みをして仁王立ちの剣城は、彼単独では最強のシュートである必殺シュート「デビルバースト」を撃つ!




 南沢と兵頭の間に出来た息子のような出で立ちのナム・ドヒョンは必殺技を出す暇もなくブチ抜かれてしまう! これでついにイナズマジャパンが2−1と逆転に成功する。

 そしてその瞬間、試合終了のホイッスルが鳴る。新生イナズマジャパンの記念すべき第1戦は宿敵韓国のファイアドラゴンを見事に打ち破り、勝利で終えることに成功する!



 勝利が決定した瞬間のイナズマジャパンベンチの様子。素直に喜ぶ葵ちゃんが可愛いが、実はそれは当然の反応なんだよね。むしろみのりがまったく喜んでいないような表情なのはなぜなのだろうか? 黒岩はいつも通り。船木も黒岩の選出をボロクソ言ってたけど最終的に勝利したことにひとまず安堵している様子。


 勝利を称える観客からの声援を、しばし他人事のように聞いていた新生イナズマジャパンの選手たち。ようやく勝利の実感が伴ってきたようで、さくらは得意げに「勝ったわね」と澄まして言う。今回のさくらちゃんは今までとちょっとイメージが違う……というかこれが地なんだろうね。

 瞬木も勝利を喜ぶが、彼にとってその勝利は誰よりも弟たちに捧げられるべきものだった。そんな瞬木のもとに天馬が駆け寄る。


天馬「また明日から一緒に頑張ろうな!」


 その言葉にうなづく瞬木だったが、天馬が他の選手と勝利の喜びを分かちあおうとそちらへ向かった時、瞬木の地金(じがね)が出る。過去の秘密を話したとはいえ、どうやら瞬木は未だに天馬に心を許したわけではないらしい。



「……単純なヤツ」



 このチームで勝てるとは、剣城でも想像に難(かた)かったらしい。ポツリとそうつぶやく中、後方ではこの試合でまったくと言って良いほど活躍が出来なかった井吹がひっそりとフィールドを立ち去る。その姿に気づいたのは神童だけであった。



 試合後のロッカールーム。自動ドアの前で瞬木と真名部は再会する。バツ悪く目を逸らしたのは真名部の方だった。証拠もないのに瞬木を泥棒扱いし、そのくせ試合では彼にパスを送るという矛盾した行動を取っていたのだからその気持ちは分からないでもない。

 早くも着替えを終えて会場を去っていく瞬木。本人がいなくなったロッカールームではやはり真名部の独壇場(どくだんじょう)となってしまう。着替えながら自分の財布を盗んだのは依然彼だと真名部は決め付ける。

 非運動部員だった真名部のことだから、案外着慣れないジャージのポケットにでも入っているのではないかと鉄角が言う。だが真名部は明晰(めいせき)な頭脳の持ち主として、その言い分に怒り出す。


真名部「僕がそういうことを忘れるわけな……ハッ!」


 怒りながら無いことを示すためにポケットをまさぐった真名部の言葉が詰まる。そぉ〜っと出したその手には、財布が握り締められていた……



 頭脳派とは思えないほど狼狽(ろうばい)して、あわててその財布を隠そうとする真名部だったが、もちろん全員がその姿を目撃している。


真名部「……見ました?」
一同「うん!」






 つまり財布泥棒は真名部の勘違いであり、彼を泥棒扱いしたのは完全に冤罪(えんざい)であったのだ。正義感の強そうな鉄角が瞬木に謝っておけとドスを効かせて凄む。



 そんな終わってしまえば笑い話のドタバタ劇が繰り広げられていたイナズマジャパンのロッカールームに比して、敗北したファイアドラゴンのロッカールームではとんでもない異変が起こっていた!!

 そこに選手たちの姿は見えない。だが脱ぎ捨てられたようなユニフォームには一定の規則性があった。それはまるで、着ていた時とまったく同じような配列で落ちていたということだ。着ていた人間だけが姿を消し、非生物であるユニフォームやシューズだけがその場に残されたかのような……。



 10番、キャプテンのリ・チュンユンのユニフォームも床に落ちていた。トレードマークのメガネ、そしてシューズも。シューズには何やら緑色の液体が垂れ下がっている。これって、もしかして……溶けちゃった?


 試合を終えた会場で一体何が起こっているのか!? それは今のところ誰にも分からない。



 いや、もしかしたら彼らには分かっているのかもしれない。宵闇(よいやみ)が訪れた会場の暗い一室では、黒岩がまたも不気味なピエロのような存在、ポトムリ(CV:三木眞一郎)と言葉をかわしていた。

 ポトムリは黒岩が選んだしろうと集団が一回戦を勝ち抜いたことにやや驚いている様子で語る。相変わらずの慇懃無礼(いんぎんぶれい)な言い方にも動じることなく、黒岩は自分の選んだ選手たちに絶対の自信を持っていることを言外に語る。

 黒岩の自信に対し、ポトムリはその自信がどこから来るのかとニヤリと笑って問いかける。黒岩は暗いサングラス越しにポトムリを見つめ、ただ沈黙することでその返礼とする。

 果たしてそれぞれの思惑はどうなっているのだろう? ポトムリの正体は? そして溶けちゃったファイアドラゴンの行方は?



 多くの謎を残したまま次回に続く。



  エンディング



 なんかいろいろあったような気がする第3話だったけど、最後のショックで記憶が吹っ飛んじゃったぜ。ファイアドラゴンの連中、全員溶けちゃったの? とろけちゃったの? ルーザーはメルティのディスティニー?

 試合に負けるととろけちゃうってルールなんだったら、天馬たちは前作以上に負けられない戦いが続くよなぁ(~_~;)


 この壮絶なオチから、この先の展開を大胆予測しておく。すでにコロコロとかで紹介されていたらどうしようとか思いつつ私の推論を述べると、この世界大会というのも実はこの後の展開の前フリで、本命の敵は宇宙人なのではないかと想像している。

 そうなるとサブタイトルに【ギャラクシー(「銀河系」の意味)】と付いている理由も分かるし、ファイアドラゴンが溶けちゃった理由も何となく理解できる。あれってキャトルミューティレーションの一種なんじゃないかな?

 そして世界大会を通じて世界最高のチームを結成し、いわば「地球代表」みたいなチームを作って他の星の代表と戦うの。ポトムリが人間離れしているのは当然で、アイツも宇宙人。で、宇宙人代表として黒岩に挑戦してきていて、黒岩はそれに勝てるチームをつくろうとしているとか……こういう予測はどうだろう?

 外れていてもご愛嬌ということで。



 さて分からないことは置いておいて、今回は瞬木のヒネた理由なんかも描かれていた(気がする)。まだ彼の本当の姿を見たわけではないとは思うが、早くわだかまりのないチームプレーが見たい気がする。なんたって天馬ちゃんは人を疑うことを知らないピュア野郎だから、今後も瞬木に騙され続ける姿はもう見たくないのよ。



 次回は井吹のキーパーの特訓シーンなんかもあるようだ。でもなんでさくらちゃんがキーパーぽくなってるの? 井吹早くもリストラ説?(それはない)



  次回「チーム結成の謎」に続く。



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