『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第41話「フェイの目醒め」の感想 【シリーズ最大の秘密が明かされる】
毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第41話「フェイの目醒め」を観ての感想を書く。第1話から登場していた人物の真の姿がここで明らかとなる。詳細は本文中にて。
当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。
- 前回の感想は、
『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第40話「壮絶開幕!最終決戦ラグナロク!!」の感想 【最終決戦、開幕!】
をご覧ください。
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人類の命運をかけてついに始まった、セカンドステージチルドレンとの最終決戦「ラグナロク」。松風天馬(CV:寺崎裕香)たちチーム雷門の一行は敵であったエルドラドと共闘体制でこの戦いに臨む。
ラグナロクの帰結は3試合のうち勝ち数の多い側の勝利となる。第一試合の舞台で鬼道有人(CV:吉野裕行)率いる「エルドラドチーム01」の剣城京介(CV:大原崇)と錦龍馬(CV:岩崎了)は敵チームにかつての敵、ザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)の姿を認める。
セカンドステージチルドレンの組織「フェーダ」の皇帝、SARUことサリュー・エヴァン(CV:岡本信彦)はザナークを味方に引き入れ、彼らのチームの一つ「チーム・ザン」のキャプテンに任じていたのだ。
そして開始された第一試合、チーム・ザンの卑劣なラフプレーによって剣城は足を負傷してしまう。周囲の反対を押し切って剣城はプレー続行を決めるが、エースストライカーを潰されてしまい、試合展開は圧倒的にエルドラドチーム01が不利な情勢だ。
再開直後、9番の変な髪型の選手・ジプス(CV:江口拓也)がチーム01ゴール前に持ち込む。訪れた失点の危機に、チーム01はどう対処する!?
オープニング
剣城の負傷時、その心意気を汲(く)んで「共に戦おう」と元気づけた錦がその言葉を早速実行に移す。ゴール前まで戻ってスライディングで敵のシュートを阻止したのだ。
錦は剣城がポイントゲッターとして責任感を持って戦っていることもお見通しだった。負傷した彼に代わって自分がゴールを決めると言い、奪ったボールをドリブルで敵陣に持ち込んでいく。
錦「剣城、おまんの代わりにワシが決めちゃるぜよ!」
だがチーム・ザンにとってはそれはラフプレーの攻撃対象が剣城から錦に変更されるだけのこと。事実上のチームの命令役・ガロ(CV:不明)が次の攻撃対象として錦を指名する。

ガロの命令を受けて邪悪に顔を歪(ゆが)めて錦に挑みかかる実行役たち。「ブレイクアタック」という技名のようだが、前回の剣城にやった行為からも分かるようにただの反則。個人的には可愛い2番のシンク(右 CV:不明)くんがやっぱり悪役だったのが残念だったりする。
だがミキシマックスした錦は剣城が持っていないドリブル技を持っている。それが彼のミキシマックスした坂本龍馬の出身地、土佐の黒潮を体現する必殺技「クロシオライド」であった。
その波で6番の選手・ギガム(CV:不明)を飲み込み、さらに残る2人も抜き去って錦の進撃は止まらない。あっさりと3人をかわした錦だったが、それで油断したのか、さらに立ちはだかる3番のゴーグル選手・ドリス(CV:不明)のタックルをまともに受けてしまう。
あからさまなファウルで進撃を止められ、錦の表情が苦悶(くもん)に歪む。観客席から試合を見守る速水鶴正(CV:吉野裕行)はその気弱さからか、メガネを手で覆(おお)って「見ていられない!」と悲鳴を上げる。
錦の前進は止められたが、剣城の怪我をカバーして戦うというスピリッツはチーム01に浸透していた。ルーズボールを押さえたのは“永遠のベンチウォーマー”とまで揶揄(やゆ)される(揶揄してるのは私だが)一乃七助(CV:折笠富美子)だった。
一乃は同じくセットで“頭数”として扱われる(扱ってるのは私だが)青山俊介(CV:高垣彩陽)にパスを送る。青山も久々の登場に張り切ったのか、神童拓人(CV:斎賀みつき)譲りの必殺技「プレストターン」で憎きガロを抜き去る。
だが青山の良いシーンもそこまでだった。巨漢のルード(CV:不明)のタックルを受けてボールを奪われてしまう。そこで燃えたのは車田剛一(CV:野島裕史)だった。これも久々の必殺技「ダッシュトレイン」で自分よりも大きなルードをぶっ殺す、……もといぶっ飛ばす。

あのめったやたらに強かった、僕らの車田先輩のダッシュトレイン炸裂! 視聴者はここで溜飲(りゅういん)を下げて欲しい。これも十分にド反則っぽいが、タックルがボールに行っているので反則ではない。ゲームだとたまに反則取られるんだけどね。
車田は奪ったボールをダーナ(CV:美名)にパス。剣城の怪我以来、チームとしての連携も取れているらしく(これがホントの「怪我の功名」だ)、ダーナはすかさずゴール前の錦にパスを回す。
錦はここで剣城の代役を果たすべく、化身「戦国武神ムサシ」を召喚して一気にアームド、さらにその状態で必殺シュート「伝来宝刀」を放つ。これまで剣城に対していたのと同様、化身「深淵のアギラウス」の必殺技「ギガバイトスクリュー」で迎え撃つ敵キーパーのファダム(CV:奈良徹)。
アギラウスは事も無げにボールを飲み込み、そのシュートを阻止してしまう。化身アームド状態での必殺シュートですら止められてしまうとは、ファダムの化身能力は凄まじい。
ファダムはそのボールを前線にフィードする。受けた選手たちはガロの指示の下、ようやく本気モードになったのか素早いパス回しで一瞬でチーム01ゴール前に迫る。ゴール前でラストパスを受けた8番のロデオ(CV:不明)は化身「海王ポセイドン」を出してその手に力を込める。化身必殺シュート「ヘヴィアクアランス」への挙動だった。

牙をむき出しにした野獣のようなマスクをつけたロデオは化身「海王ポセイドン」を使用する。これは以前にも見た量産型の化身。
これまでの僕らの三国太一(CV:佐藤健輔)さんならこれは明らかに安定の失点タイムだった。安心してトイレに立ってしまった良い子もいたかもしれない。だが今回は違う。三国は円堂大介(CV:藤本譲)から直伝されたあの技でシュートに立ち向かう。
必殺キーパー技「真ゴッドハンドX」でシュートを止めてみせた新生僕らの三国さん。見ていたガロもホンの少し感心した口調でロデオの化身シュートが阻止されたことを驚いてみせる。
むしろ味方目線で今の展開を見つめていた空野葵(CV:北原沙弥香)や天馬たちの方がこのシュート阻止には驚いたかもしれない。チーム分け以後は別練習で、ダーナの「シュートコマンド06」を「真ゴッドハンドX」で止める三国を見ていなかっただろうし。
さぁ攻守交替だ。何が何でも1点を取ると意気込む錦が突進するが、あっさりジプスにボールを奪われる。そのカバーに走り込むのは菜花黄名子(CV:悠木碧)だった。
「好きにはさせんやんね!」
彼女の最強おちょくりディフェンス技「もちもち黄粉餅」がここで炸裂してジプスからボールを奪取する。そして奪ったばかりの黄粉まみれのボール(ウソ)をフェイ・ルーン(CV:木村亜希子)にパスする。
黄名子「フェイにとってサッカーは大切なものなんでしょ!? だから守らないと! フェイ自身の手で!!」
いつものようにフェイにだけは諭(さと)すような口調でボールを預けた意味を説明する黄名子。その意を受けてフェイもドリブルで敵陣を駆け抜け、そして恐竜時代以来の化身「光速闘士ロビン」を降ろし、初披露(はつひろう)の化身シュート技「満月ラッシュ」を撃つ。

新必殺技「満月ラッシュ」。月のウサギをモチーフにしたフェイの化身「光速闘士ロビン」らしい技だ。
ファダムは無駄だとばかりに三度(みたび)に渡って化身「深淵のアギラウス」で迎撃し、フェイの渾身(こんしん)のシュートまで止めてしまう。初めて見せる化身シュートまで止めてしまうなんて、なんて固いキーパーなんだろう! 私もイナズマイレブンシリーズを見てきてかれこれ長いけど、ここまで固いキーパーも珍しい。
悔しがるフェイの横で、今度は自分が決めると気負い込む黄名子は、試合前に独自の判断でという注釈をつけた鬼道からの指示をここで実行に移し、その身に宿す最強のドラゴンの能力をミキシトランスする。そして同時にフェイもミキシトランスの動作を解禁する。

「ミキシトランス・マスタードラゴン!」

「ミキシトランス・ビッグ!」
その間にこぼれたルーズボールを奪い合う錦がまたもドリスの膝打ちで腹を蹴られる。ドリスは女性っぽい名前なんだけど男だしやることもえげつない。一乃、青山も反則級のチャージで跳ね飛ばされ、ミキシトランスしたフェイですらジプスからラフなスライディングタックルを受けて痛めつけられてしまう。ちなみにこの間、ホイッスルもイエローカードも一切なし。「激しいプレー」と実況しながらなぜか審判としての仕事はしない矢嶋陽介(CV:佐藤健輔)。
フェイからボールを奪ったジプスが宙に舞う。放たれた必殺シュート「スプリングアロー」の鋭い毒牙がチーム01ゴールを襲う!
シュートは三国が「真ゴッドハンドX」を出す間もなくゴールに叩き込まれてしまい、これで0−1と、ついに試合の均衡(きんこう)は崩れた。人類の滅亡が一歩近づいてしまう、チーム・ザンの先制点であった。
皇帝にふさわしい特等席でこの試合を見つめるSARUは対戦相手の雷門・エルドラド混成軍の実力を「この程度か」と罵(ののし)り、満足げに笑みを浮かべる。
チーム01のキックオフで試合再開。だが相手はまともに試合をするつもりはないのだ。ショルダーチャージの反則行為で錦をフィールドに叩き伏せ、ボールを奪い取るジプス。何度も繰り返された光景だ。
だがそこで意外なことが起こる。そのジプスの前に立ちはだかったのはチーム01の選手ではなかった。
ザナーク「気に入らねぇ」
かねてよりチーム・ザンの戦いぶりを苦々しく思っていたザナークは、そう言うが早いが味方であるはずのジプスから強引にボールを奪ってしまう!
ザナークの意外な行動は、見るものすべてを驚かせた。
だがライバルだからこそ正々堂々と戦いたいというザナークの真意に通じるもののある錦は、ワシが相手だとばかりにザナークの前に立ちふさがる。ザナークはかつて封印された自身の化身を解き放ってくれた錦に対し、借りがあったと笑う。
ザナークがフェーダに入ったのは、錦とまた真剣勝負で戦う機会が訪れると思ったからだった。そして錦の心意気で今こそその機会が訪れたのだ。
ザナーク「借りをしっかり返すぞ、サッカーで!!」
2人はボールを介しラフプレー抜きのサッカーの技能だけで渡り合う。男と男の真剣勝負、その軍配(ぐんばい)はザナークに上がる。錦を抜き去ったザナークは中空からシュート体勢に入る。彼の進化した必殺シュート「ディザスターブレイクG2」がゴールめがけて襲いかかる。


なんと三国さん、今度も無抵抗にゴールを許してしまう。もしかして「真ゴッドハンドX」1回でTPが尽きてしまったとか?
これで0−2と、試合展開はますますチーム・ザンに有利に推移する。やはり両チームのキーパーの固さの差が試合展開に如実(にょじつ)に出てしまうようだ。反則だらけのチーム・ザンだが、このザナークのシュートは正々堂々とした得点だったしねぇ。
SARUは彼我(ひが)の実力差を見て、もうこの時点で勝負はあったと早々に見切ってしまう。キーパーに関しては私もそう思う。
だが人類の存亡がかかっているのだから当然なのだが、チーム01は諦めない。ただ錦が果敢に攻め上がるが、反則上等のラフプレーで止められてしまう状況はまったく変わりない。いくら実力があったとしても、ファウルを駆使され、さらにそれを審判が取らない状況ではどうしようもないのだ。
錦からボールを奪ったジプスにパスを要求するザナークだったが、ジプスはそれを意図的に無視してロデオにパスを送る。仮にもキャプテンである自分の指示に従わないプレーを見てザナークは驚きのあまりその歩みを止める。
そこにさらに彼をキャプテンどころか、仲間とすら認めようとしないかのようにガロが後ろからぶつかってザナークを邪魔者扱いにする。チーム・ザンの方針に従わないザナークを仲間とは認めないという彼らの露骨な嫌がらせの態度だった。
優位なはずの敵チーム内の不協和音に、観戦する天馬たちも意外に思う。速水の指摘した「仲間割れ」という語句がまさにこの場合の状況を説明するにもっともふさわしい言葉だろう。
ジプスがノーマルシュートを放ってくる。これ以上失点を喫するわけには行かない三国はここで温存していた「真ゴッドハンドX」のさらなる進化系「絶ゴッドハンドX」でそのシュートを止める。

まだこの試合中に1回しか出してないのに進化して「絶ゴッドハンドX」になった三国の必殺技。なんだ、TP切れてたわけじゃなかったんだ。
とはいえ攻撃の方は相変わらずラフプレーでチャンスの目もなく潰されてしまう。ダーナから強引にボールを奪ったガロは一乃、青山を鎧袖一触(がいしゅういっしょく)の勢いで吹き飛ばし、化身「黒き翼レイブン」を出してシュートに持ち込む。

化身「黒き翼レイブン」を出すガロ。これも以前出た量産型の化身。だけど使用者の能力が高いせいか、そのシュートの威力も凄まじいようだ。
三国はガロのシュートを止めることが出来ず、ついに3失点目を喫してしまう。さっきの「絶ゴッドハンドX」はノーマルシュートに対して使うより、ここで使うべきだっただろう。
早くも漂(ただよ)う楽勝のムードにガロをはじめチーム・ザンのメンバーは余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の不敵な笑みを浮かべる。かたやチーム01のメンバーはラフプレーで痛めつけられ、さらに身体能力で圧倒され、満身創痍(まんしんそうい)で肩で息をして、ただただ敵を睨みつけるのが精一杯だった。
その状態を見かねて、1点ずつ返していけば活路は開けると天馬が観客席から声を掛ける。葵もマネージャーらしく天馬の意見に同意して、試合はこれからだと声を張り上げる。
逆にSARUは勝利を確信した風情で、仕掛けておいた釣竿(つりざお)を確認する釣り人のような気軽さで席を立ち、誰かに向けてその手をかざす。SARUの手からは緑色の光が湧出(ゆうしゅつ)する。
SARUの手は、ボールを持って敵陣に向かうフェイに向けられていた!
緑の光を浴びたフェイは驚いたようにドリブルを止める。その瞳からは光彩(こうさい)が消え、呆然とその場に立ち尽くしてしまう。後ろからフォローしていた黄名子がいち早くフェイのその変化に気づく。錦や剣城も異常事態に気づくが、チーム・ザンのメンバーはこれが最初から規定事項であることが分かっているかのように不気味に笑う。
棒立ちのフェイ……その脳裏にはこれまでの彼にはあり得ないはずの記憶が浮かび上がって来ていた。
その記憶の中ではなんとフェイ自身が武器を持って街の破壊活動を行っている! 周囲で同じように武器を持つのは、敵として戦っているはずのセカンドステージチルドレンたち……そしてフェイの破壊工作をよくやったと労(ねぎら)うように笑いかける人物、それは明らかにSARUであった……!
フェイ自身にも信じられない記憶、そのあまりの衝撃性に声を失ったフェイは、頭を押さえて苦しみ始める。きっとこれまでの記憶との齟齬(そご)に混乱しているのだろう。
そのフェイの脳内に、SARUからの言葉が響く。そしてそれと共に鮮明に蘇(よみがえ)って来る記憶……。フェーダのリーダーであるSARUとがっちり握手を交わした自身の姿を思い出したフェイは、改めて特等席からこちらに手をかざすSARUを見つめる。
SARUとフェイ、そしてザナークを除くセカンドステージチルドレン以外はいま何が起こっているのか分からない。固唾(かたず)を飲んで事態の推移を見つめるのみだった。
SARUを見つめ、そして脳内に聞こえてくるSARUの言葉に耳を貸すにつれ、フェイの本当の記憶が深淵にまで及んで行く……
図書室のような空間で、SARUはフェイにセカンドステージチルドレンとしての記憶を失(な)くしてもらうと告げる。膝まづいたフェイの頭に手をかざし、今回のように緑の光を発するSARUの右手。そこまで思い出したフェイは、確信を持ってこれまでの記憶、そしてこれから為すべきことへと思いが至り、SARUを強く見つめ返す。
フェイの視線を追ったザナークは、SARUが何かをしたことに思いが至る。
SARU『思い出したかい? 君が僕らの仲間だってことを……』
SARUを見つめたまま微動だにしないフェイに、剣城が声を掛ける。後ろからずっと心配していた黄名子もフェイに気を取り直すよう、懸命に呼びかけをする。
だがようやく動き出したフェイは、そんな黄名子の気持ちを台無しにするような行動に出る!!
振り向きざまにフェイが放ったシュートは黄名子の横をすり抜け、一直線に味方ゴールに向かう。そのシュートは事態の急変に驚く三国が何も出来ないまま、自陣ゴールに吸い込まれてしまう!
チーム・ザンの4点目は、なんということだろう、フェイの自殺点(オウンゴール)によるものだった! 何が起こったのか、状況の判断もつかないまま、ここで前半戦終了のホイッスルが鳴り響く。こういう時だけは律儀に審判の仕事をこなす矢嶋。早く家に帰りたいのだろうか?
チーム01のメンバーはしばらくゴールに吸い込まれたボールを見つめ、声もない。そのショック状態から最初に解き放たれたのは黄名子だった。その視線は当然の如く、信じられない行動に出たフェイに向けられる。フェイはうつむいており、その表情は読めない。
天馬「……フェイ?」
そのうつむいた少年の行為が、自分の知っている親友のそれとは思えない。親友の名を疑問形で呼ぶこと、それが観戦していた天馬がやっと絞り出した言葉だった……。
ハーフタイム、仲間から孤立するように佇(たたず)むフェイ。醸(かも)し出されるその近寄りがたい雰囲気は仲間たちから不信と疑念の思いを持って見つめられていた。
彼らの代わりというわけではなかっただろうが、外から眺めている分、比較的冷静な天馬が観客席からフェイに声を掛ける。フェイのオウンゴールがあくまでも不注意から来るミスであったと決め付ける天馬に、フェイは即座にそれを否定する。
味方のゴールにシュートしたじゃないかと天馬は食い下がるが、フェイは彼らを味方ではないと静かに告げ、天馬に対してももう味方ではないと語る。
それは剣城や黄名子にも聞こえる。自分たちを味方ではないと言い出したフェイの真意を測りかねる天馬は動揺しながらも、フェイの言わんとする真意を問いただす。
だがフェイはそれに一言も答えず、どこかに立ち去ろうとする。その行為は明らかにこれまでのフェイとは違う。
黄名子があわてて、フェイがいつも口癖にしていたサッカーを守りたいという言葉を引き合いに出して止めようとする。だがフェイはそれも聞こえない素振りで、そのままフィールドを後にしてしまう。このシーンの黄名子は声優の悠木碧さんの演技が素晴らしく、涙声でフェイを必死に止めようとする声は心に激しく響いた。こちらまでもらい泣きしそうだった。
去ってしまったフェイを見て、車田と瀬戸水鳥(CV:美名)がフェイは敵のスパイだったのではないかと悲しげにつぶやく。天馬はこの事態になってもそれを信じようとはしなかった。フェイが敵だったはずはないと、天馬はこれまでフェイと培(つちか)った友情にかけて信じていたのだ。
一方のチーム・ザン。チーム中唯一、フェイの正体を知らないザナークがチームメイトに事の経緯を尋ねるが、ザナークを仲間と認めてはいないギガムはまともに取り合わず、教えようとはしなかった。
敵意丸出しのギガムのその物言いに、ザナークは舌打ちする。

後半戦開始直前のチーム01の布陣。フェイが試合を放棄してどこかへ行ってしまったので、チーム01は司令塔を欠いた不安定な10人で後半戦を戦わなければならない。ただでさえ0−4と不利な情勢、しかも剣城は足に怪我を負っているという……ここから勝利するのは至難の業(わざ)だろう。一方のチーム・ザンの方は前半とメンバーは同じ。
後半戦開始のホイッスルが鳴る。ザナークは感情を極力押し込めたような表情でガロにボールを蹴り出す。そして以後は何もしようとせず、その場に立ち尽くす。まるでフェイに合わせ、彼自身もこの試合を放棄したかのようだった。
フェイが抜けた穴を埋めるべく張り切る錦だったが、またもジプスのショルダーチャージを受けてしまう。この展開だけは前半からどうしようもない。
かてて加えて、フェイの裏切りからの離脱にメンバーの精神状態が動揺していることを把握する剣城。ただでさえラフプレー混じりできつい相手なのに、この精神状態ではまともにやり合うことは難しいだろう。
ガロのノーマルシュートに三国は身体ごとゴールに押し込まれてしまう。これで得点は0−5。戦う気力を削(そ)がれたメンバーに、もはや勝機は見出せなかった。
味方の動揺を措(お)いても、チーム・ザンの強さは相当なものだ。その強さを認める鬼道は、勝負を捨ててでも得る価値のある果実を求め、ある決断をする。
鬼道は剣城を呼びつける。そして全員を敵陣に上げるよう指示する。それは全員攻撃を意味した。得点を奪うにはそれしかないかもしれないが、一旦ボールを奪われればそれはほぼ同時にさらなる失点を覚悟しなければならない。まさに背水の陣と呼んでも良い大胆な作戦だった。
その無謀な指示に、剣城は一度は抗議する。だが鬼道はそれを理論で諭す。フェイが抜け、5点のビハインド、さらに精神状態で押される現状を鑑(かんが)みればこの試合は負けが決定づけられている。それならば自分たちのためではなく、この次に試合をする仲間たちのために1点取って布石を打つのだと鬼道は語る。
ここで決める1点は敵と自分たちとでは雲泥(うんでい)の差であると続け、我々が1点取ればエルドラドチーム全体のムード向上に帰するのだと鬼道は言う。つまり自分たちは敗れるが、敵チームは決して1点も取れない相手ではないのだと仲間たちを鼓舞するために、死地に臨んででも1点を取れと言うのだ。自己犠牲の上に仲間たちを勝利に導くための1点を取りに行くのに、いまさら6失点目を恐れる理由などない。
誇り高き敗北を覚悟した指揮官のその言葉を受け、チーム01のメンバーたちの心は決まった。
そしてキックオフ。剣城がボールに触った瞬間、キーパーの三国を除く全選手がハーフラインを越えるべく敵陣に駆け出す。後ろには誰も残さない全員攻撃の体勢だ。
迎え撃つチーム・ザンも、あたかも最初からキャプテンであるかのように振舞うガロの指示の下、ラフプレーでその進撃を止めにかかる。チーム・ザンのメンバーはボールを持つ錦の周囲を取り囲み、またも「ブレイクアタック」という名の反則行為を繰り出す。
だがその状況は鬼道の読み筋だった。鬼道は敵の攻撃が怪我をしている剣城より錦に集中することを見越しており、その隙を突いて敵の弱点を見極めろと、キャプテンの剣城に指示を出していたのだ。
鬼道の期待に応えるべく、剣城はタイミングを見計らっていた。そしてその瞬間が訪れた。勇躍駆け出してフリーとなった剣城は錦にパスを要求する。
剣城にも2名の敵選手が向かってくるが、剣城はすかさず化身「剣聖ランスロット」をアームドしてシュート体勢に入る。だが蹴る直前に鬼道から受けた「次の勝利への布石」のために、彼はストライカーとしての意地よりもキャプテンとしての使命を選ぶ!
剣城のシュートが右に大きく逸(そ)れたのを見てドリスが笑ってシュート失敗を馬鹿にする。だが実はそれは剣城の狙い通りだった。逸れたと思ったシュートは、チェイン状態のパスとしてその場に走り込んだ黄名子へのパスとなっていたのだ!!
駆け込んだ黄名子は化身「暁ノ巫女アマテラス」を召喚し、そしてついに彼女の化身アームドが敢行される。

化身アームド姿を初披露の黄名子ちゃん。似合っててとっても可愛いやんね!
仲間の期待を背に、黄名子は豪快にシュートする。ノーマークであり、かつ剣城からのシュートチェイン効果もあったのだろう、その強烈なシュートはついにファダムの固い固い閂(かんぬき)をこじ開け、待望の、本当に待望の1点をエルドラドサイドにもたらす!
この1点は本当に大きな1点だった。この試合の趨勢(すうせい)にはほとんど何の意味もないものだったが、この後にセカンドステージチルドレンと戦う仲間たちに底知れない勇気と希望を与えたのであった。
観客席の葵も大喜びでこの1点を祝福する。だがふと見た横の天馬の表情はこの得点にも笑顔がない。思いつめたような表情で心ここにあらずといった風情(ふぜい)だった。天馬は先ほどのフェイの態度が気になっており、試合の方に集中できていないようだ。
1点を返したことでチーム01の動きが俄然良くなる。ここまで圧倒されていたフィジカル面でも対応し、一進一退の互角のプレーを発揮するようになる。
チーム・ザンのラフプレーに対し、最後まで正々堂々と全力でプレーするチーム01のひたむきなプレーは、それを見るザナークに羨望(せんぼう)と表現できる感慨を起こさせずにはいられないものだった。彼が本当にしたかったサッカーをしているのは、まさに敵であるチーム01の方だったのだ。
そこで試合終了の笛が鳴る。ラグナロク1回戦のこの試合、1−5でチーム01は敗れ去った。得点を見る限りは惨敗だが、全員サッカーで次のチームに希望をつなげる1点を取れたことで三国や錦、そして他のメンバーに落胆の色はない。ただ黄名子だけがフェイの去っていった通路方面を見つめ、悲しげな表情を浮かべていた。
そしてチーム・ザン。試合には勝利したものの、ザナークは怒りに胸を焦がしていた。そしてやにわ立ち止まり、あらん限りの叫び声を上げてフラストレーションの所在を顕示(けんじ)する。

ザナークの叫び声は、クロノ・ストーン状態の大介を興奮させる。もしかしたらザナークに、彼が探し求める11番目の時空最強イレブンの片鱗(へんりん)を見たのかもしれない。
ひとしきり吠えたザナークは自らの愛機、赤いエアバイクに乗り込む。そこにフィールドに降りて来ていたSARUが声を掛ける。チームを、そしてフェーダを去ろうとしているザナークに対して最後の説得を試みるつもりなのだろう。
だがその説得は実らなかった。
SARU「残念だなぁ。いい物を持っていたのにな」
ザナーク「……そう言うと思ったぜ」
いつもの決めゼリフにも覇気(はき)がなかった。ザナークはフェーダには自分の居場所がないことを告げ、SARUに一瞥(いちべつ)もくれずにどこかへと旅立ってしまう。試合が終わってしまった後とはいえ、フェーダの側にも離脱者が出たという事実だけがそこには残された。
そしてより深刻な離脱の話へと場面は転換する。
スタジアム内の通路で追ってきた天馬がフェイに追いつく。天馬は自分たちの元を去り、サッカーを取り戻すという約束を放棄してしまったフェイにその理由を尋ねる。尋ねずにはいられなかった。
天馬の真っ直ぐな視線から目を逸らしながら、フェイは自分がなぜ天馬の時代を訪れたのかを思い出したのだと語る。フェイがエルドラドと戦ってきた理由を告げようとすると、天馬はそれに先んじて答える。
決定的な決別の話がフェイの口から聞かされるのを恐れるように、天馬は自分が聞きたい回答を先に言ったのだ。だがそんな天馬の気持ちを無視して、フェイはそうではないと返す。
「僕から説明してあげよう」
煮え切らない両者をやや嘲(あざけ)るような態度でその会話に加わるのは、SARUだった。SARUはフェイが自分たちと同じセカンドステージチルドレンであることをあっさりと天馬に告げる。信じられないという天馬は今度はそのやり場のない怒りをSARUに向ける。
SARUはサッカーを守るために天馬たちの時代にフェイを送り込んだのだと表情を変えずに言う。もちろんこの場合の「サッカーを守る」はサッカーが好きだからという理由ではなく、サッカーが無くなると自分たちセカンドステージチルドレンがこの世に誕生しなくなってしまうという、あくまでも自己保身の利己的な理由だ。
SARUはフェイのセカンドステージチルドレンとしての記憶を消し、タイムマシンの発明者であるクロスワード・アルノ(CV:楠見尚己)博士の元に送った。アルノ博士はタイムマシンの発明者だけに歴史の改変に異議を持つ人物だったから、エルドラドの唱えるサッカーの消去にも反対するだろうとSARUは予想していたのだ。
そしてその思惑通り、アルノ博士はエルドラドの行為に対抗するため、フェイをタイムマシンに乗せて天馬たちの時代に送り込んだというわけだ。
フェイの記憶を消した理由として、フェイは嘘をつける性格ではないことをSARUは挙げる。記憶を消してサッカーを守るという偽りの思考を元に天馬たちと共闘することをSARUは強(し)いたのだった。目的のためなら手段を選ばぬSARUの態度は許されるものではない。
天馬はフェイの言った言葉を忘れていなかった。「未来にもサッカーが好きな人はいる」という言葉を。
フェイとの間に築かれたたくさんの楽しい思い出が走馬灯のように脳裏によぎる中、天馬は泣き出しそうな声で、フェイがサッカーが大好きな未来人その人であり、嘘をついたのではないよね? と問う。
その質問に答えるのもSARUだった。SARUはフェイは嘘をつけないと語っていた。記憶を消されたフェイはサッカーを好きだったという純粋な部分だけが残されていたのだ。つまりその意味において嘘はついてはいない。その状態で天馬の元を訪れたフェイは、純粋なサッカー少年だったのだから。かつ本音の部分が意図的に記憶から削除されていただけだったわけだから。
そして今、その記憶はSARUによって元に戻された。歩き出したSARUの後を追って天馬に背を向けて歩き出すフェイ。それは天馬との思い出よりも、SARUとの信念を選択したように見えた。親友に取り残されたような不安を覚えた天馬は叫ぶようにフェイを引きとめようとする。

だがフェイは立ち止まらない。それどころか振り向くことさえしない。まるで天馬との永劫(えいごう)の別れを宣告するかのように冷たい口調で「もう行くよ」とだけ言い捨てる。
天馬の最後の呼びかけにも背を向けたまま、フェイはSARUと共に転送機に乗って天馬の前から去ってしまう。どこか寂しげなフェイの後ろ姿が残像のように天馬の心に焼き付けられる。
そしてそのタイミングを見計らっていたように(実際見計らっていたと思われる)、アルノ博士が現れて天馬に語りかける。アルノ博士は最初からフェイの正体に気付いていたと語る。それはつまりSARUの思惑に乗せられて行動していたわけではなく、すべてを知りつつそれを隠したままフェイにも、天馬たちにも協力していたということになる。
天馬は当然そのことに抗議する。最初から知っていて、どうしてセカンドステージチルドレンを利するようなことをしたのかを問いただす。天馬たちがやっていたことも結果的にすべてセカンドステージチルドレンのためになっていたのだから、その憤(いきどお)りは当然だろう。
アルノ博士「フェイの目が透き通っていたからじゃ」
曇りのない透き通った目をしたフェイなら、自分の為すべきことに気づいてくれると信じたアルノ博士は、フェイをセカンドステージチルドレンすべてを導く者として世界を救う鍵となるかもしれないと思ったと言う。
何も知らない天馬やフェイには申し訳ないと思いながらも、アルノ博士はSARUの策略にあえて乗せられたのだと語る。天馬の思い出の中のフェイも明るく透き通った目をしていた……それこそがすべての悪しき感情を排した、フェイの本当の姿であるように思われた。
天馬「俺、フェイを信じます!」
天馬はあくまでもフェイが帰ってくると信じることにした。SARUの策略をすべて知った後でも親友を信じると言い切るその愚直(ぐちょく)なまでの真っ直ぐな態度は、つらい話を打ち明けたアルノ博士を感動させる。
とある部屋に集結した、チームエルドラド各チームの監督、及びキャプテンたち。招集したのはエルドラドの議長・トウドウヘイキチ(CV:相沢まさき)だ。
トウドウはフェイの件をすでに把握していた。エルドラド側の調査不足を詫びるが、それに当たってフェイのことを「敵」と表現したことに天馬が激しい口調で噛み付く。
天馬「フェイは敵なんかじゃありません!!」
トウドウは今までフェイに欺(あざむ)かれていた天馬の気持ちを慮(おもんばか)ってだろうか、無礼にも思えるその物言いを咎(とが)めない。それよりも大事な話を伝える意味もあっただろうが。
トウドウがここに一同を呼んだのには訳があった。彼がこれまで研究班に開発を促(うなが)していたセカンドステージチルドレンの力を消してしまうワクチン「SSC制御ワクチン」が完成にこぎつけたというのだ。
セカンドステージチルドレンの力を消すワクチンの開発という話は一同を驚愕させる。もうひとり、その研究のことを知っていたサカマキトグロウ(CV:石井康嗣)がトウドウの後を受けて説明する。
エルドラドの科学研究所にてセカンドステージチルドレンの遺伝子を制御するワクチンを開発していた。それを使用すれば彼らの超人的な能力を失わせてしまうことが可能だ。
だが今の状態で彼らがそのワクチンをおとなしく受け入れることを了解するとは思えない。それを受け入れることが彼ら自身にとっても救いになるというのに……。
剣城がその「彼らを救う」という言葉の真意を問う。サカマキが説明するには、セカンドステージチルドレンはそのDNAの特性によって常人より大きな力を持つ代わりに、その寿命は短く、長く生きることができない。だがワクチンを打てばその力を失う代わりに、常人のように長く生きることが可能となるらしい。
天馬「じゃあ、それを使えばフェイも!?」
SARUからフェイもセカンドステージチルドレンだということを聞かされていた天馬はその話に一条の光明を見た思いだった。今のままではフェイも成人を迎えることなくその短い人生を終えてしまうだろう。だがワクチンさえ打てば、その命は自分と同じぐらい長く生き続けることが出来る……。
サカマキはそれを肯定しつつ、彼らがワクチンを打つことはないだろうと悲観的に言う。トウドウが問わず語りにその理由を説明する。SARUは自分たちの寿命のことを知った上でこの反乱を起こしている。確信犯的に強い覚悟を持ってラグナロクに臨んでいると言えよう。
今のSARUは世界を自分たちのものにするという野望のみによって動いている。つまり彼らは命の存続より野望を優先させているのだ。寿命が伸びるからといってその野望を捨てるとは思えず、下手をすればエルドラドを滅ぼして人類の覇権を握り、その後にゆっくりそのワクチンを回収するという手段に訴えるかもしれない。
神童「勝てばいいということだ!」
神童がそう、決然と言い放つ。確かに自信に満ちあふれた相手にこちらの要求を飲ませるには、勝って言い分を聞かせるしかない。そしてそうすればフェイも救うことが出来ると天馬に訴えかける神童。隣にはそれに無言で、しかし強くうなづいて同意する剣城の姿があった。彼らもフェイを救いたいという気持ちでは天馬と同じ考えなのだ。
仲間たちのフェイを思う気持ちに触れ、天馬はそれしかないと心を固める。残りの戦いに勝って、フェイを取り戻す。それが天馬たちの新たな目的となり勝利へのモチベーションとなる。

「勝つんだ! ラグナロクに勝って、みんなを救うんだ!!」
天馬たちの戦いの果てに救済する対象は、人類だけでなく現状では憎い敵であるセカンドステージチルドレンたちにも及ぶこととなった。天馬たちはより一層負けられない戦いを自覚していた。
次回に続く
エンディング
もうね、今回は書きたいこと、書かなければいけないことがあり過ぎて、いつもより感想を完成させるのに時間が掛かった(書き直しなしで総計9時間ほど)。シリアスな展開だけにいつもよりギャグっぽい表現も少なくなってしまったけど、それもやむを得ない。私自身が今回の展開に落ち込んでしまったから。
フェイ……このキャラクターがこれほど自分の中で比重が大きいキャラだと、居なくなってしまってようやく気づいたという印象を受ける。第2話のフェイの挙動から、すでに彼がセカンドステージチルドレンで真の敵になるんじゃないだろうかと想像していたわけで、ある意味その予測が大当たりしたわけなんだけど、ちっとも嬉しくない自分がいた。
いっそ外れて欲しかったぐらい。
今回のエンディングテーマははまた「僕たちの城」だった。この歌詞がまったく、これまで仲間だったフェイのことを表現しているとしか思えない内容で、41話を見たあとではこの歌の聴き応えもまた変わってくる。
「♫離れ離れになったとしても 絆でつくった城はなくならない」
の部分は涙なくしては見れなかった(しかも後半は天馬のソロパートだしね)。

いつかまたこのように、天馬とフェイが仲良く並んで彼らの城を見つめるという時が戻ってくることを信じて、残り少ない(であろう)「イナクロ」を見続けよう。
恐竜時代編でフェイ自身が語っていたが、フェイは両親から見捨てられたという誤解した思いがフェーダにつけ込まれ、仲間に引き入れられたのではないかと想像する。彼自身もセカンドステージチルドレンだが、セカンドステージチルドレンなら誰もがフェーダの考えに共鳴するわけではないというのは、前回のヴァンフェニー・ヴァンプ(CV:笹沼尭羅)とガルシャア・ウルフェイン(CV:関智一)を見れば明白だ(もっとも彼らはSARUよりもっと凶悪そうだったけど)。
【自分は両親に捨てられた】→【自分は必要ない人間なんだ】→【自分を必要としない世界など滅ぼしてしまえ!】
フェイの心の闇、これがチームエルドラドとそして天馬に課せられたもう一つの勝利しなければならない敵だろう。そのための重要なファクターとして、黄名子の存在も忘れてはならない。果たして黄名子の母性はフェイの心をこちら側に取り戻すことが出来るのだろうか?
次回はその負けられない戦い第2戦。フェイのこともあるけど、それ以前に初戦で敗れているエルドラド側はこれに負けると2連敗となり同時にラグナロクにも負けが決まるわけで、物語自体が終わってしまう。つまりここはフェイの動向に関係なく勝利が至上命題というわけだ。

次戦は神童が率いる「エルドラドチーム02」が登場。メンバーに元ルートエージェントたちが多いという理由からだろうか、彼らのユニフォームがルートエージェント仕様のものになっている。天城大地(CV:奈良徹)を含め、全員割と似合っていると思う。山菜茜(CV:ゆりん)も神童のその姿に惚れ直した感が。
そしてタイトルから、最後に残された11人目の時空最強イレブンが登場するらしい。一体それは誰なのか? 楽しみでならない。刮目(かつもく)して次回の戦いを待とうではないか!!
次回「11人目の時空最強!」に続く。
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