『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第27話「幕末の剣士!沖田総司!!」の感想 【龍馬さんフォトショ修正疑惑浮上】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第27話「幕末の剣士!沖田総司!!」を観ての感想を書く。肺結核により夭折(ようせつ)した悲運の剣士、沖田総司が敵として雷門の前に立ちはだかる。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第26話「坂本龍馬!登場!!」の感想 【幕末編スタート!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 時空最強イレブンの能力を得るため、幕末の1867年の京の街にやって来た松風天馬(CV:寺崎裕香)たち雷門の一行は、坂本龍馬(CV:千葉進歩)と沖田総司(CV:梶裕貴)を探すため、二手に分かれて行動する。

 天馬たち坂本捜索班は新選組に追われていた浪士・才谷屋に出会う。その才谷屋こそ坂本龍馬だということを、皮肉にも襲撃してきた新選組によって気づかされる天馬たち。


 飯屋で襲撃を受けた一行は、天馬のサッカーボールで新選組を撃退し、郊外の神社まで逃げおおせた。サッカーは試合を楽しむものだけではなく、こうやって敵を蹴散らすことにも使えるということに、龍馬は感心していた(それって本来の使い方じゃないんですけどね)


 その龍馬に向けて、天馬はまだ信じられないようにデブの大食らいのその男が史上名高い坂本龍馬であるという確認を取る。本人だけでなく、同道していた中岡慎太郎(CV:不明)もこの男が坂本龍馬であることを証明する。



 中岡「コイツが坂本龍馬本人だ」


 だが空野葵(CV:北原沙弥香)は持参したアーティファクト坂本龍馬の写真」を見つめつつ、腑に落ちない表情を浮かべる。そこに写る龍馬と、目の前の肉丸くんが同一人物だとはどうしても思えないのだ。



 大河ドラマでは福山雅治が演じたはずの龍馬……。龍馬さん、ひょっとしてフォトショップで写真いじった?


 この歪んだ事実は、特に龍馬に対して大きな憧れを抱いていた錦龍馬(CV:岩崎了)にとって残酷なまでの衝撃であった。「イメージ台無しぜよ……」と落胆し肩を落とす。


 だが錦の気持ちはさて置き、目指す人物を発見したことは事実だ。天馬は神童拓人(CV:斎賀みつき)と視線をかわして意を決し、龍馬に自分たちの目的を伝える。


 天馬「龍馬さん、あなたの力を貸してください!」


 龍馬は唐突なその要望に戸惑い、同志の中岡と見つめ合う。



   オープニング



 天馬たちはこれまでのように、未来から過去の世界を訪れ、サッカーという大事なものを守るために戦っていることを明かす。そしてそのためには龍馬の力が必要だということも。

 荒唐無稽(こうとうむけい)なその話だったが、天馬の真剣な表情を見た龍馬はその話を受け入れる。馬鹿げた話と一蹴(いっしゅう)せず聞き入れるその様は度量の広さを感じさせる。やはりこの男は本物の坂本龍馬だ。あの写真との見た目の違いは、きっと撮影後に激太りしたのだろう。そうに違いない。

 話の早さに、むしろお願いしていた天馬たちの方が面食らってしまうほどだったが、龍馬はただそれに当たって一つの条件を出す。そちらの頼みを聞く代わりに、自分の要望も聞いてもらうと真剣な表情で語る龍馬。

 その表情に不穏なものを感じてしまう。彼のことだ、大政奉還や歴史改変につながる大きなことを要望してくるかもしれない。あるいは未来から来たという天馬の言葉を信じ、「維新は成功するのか?」と聞いてくるのかもしれない(織田信長(CV:千葉一伸)の時と同じように)。当然ながらそういった事案への協力はおろか、この数ヵ月後に龍馬自身が暗殺されてしまうことすら伝えてはならない。歴史が変わってしまうからだ。

 一行の間に緊張が走る。笑顔を浮かべた彼の口をついて出た言葉は


 龍馬「サッカーを教えてくれ!!」


 というものだった。緊張が解ける一行だったが、これも無茶な要求などしたりしない龍馬の男としての大きさを感じさせるエピソードではある。


 そういうことならお安いご用、と広場に移動して龍馬にサッカーの指導をする一行。ワンダバスイッチによって天馬たちと同じ雷門ユニフォームに着替えた龍馬にボールを送り、パス交換からスタートする。これはジャンヌ・ダルク(CV:寿美菜子)にサッカーを教えた菜花黄名子(CV:悠木碧)の手法と同じだ。

 手を使わずに足と身体でボールをコントロールするというサッカーは難しそうだが、やってみるとその魅力にたちまち虜(とりこ)になってしまう。天馬から褒められて、龍馬は相好(そうごう)を崩す。新しいもの好きの龍馬の悪い病気がまた始まったと、その様子を苦笑混じりに見つめていた中岡は、そこで龍馬と別れ、先に下宿先にと帰っていく。


 その後は実戦的なパス練習へと移行する。龍馬は見よう見まねで切り返すが、西園信助(CV:戸松遥)にスライディングでボールを奪われてしまう。でも頭を掻くその表情は実に楽しそうだ。




 そして休憩時、錦から飲み込みが早いと褒められ、龍馬は嬉しそうにサッカーの面白さを熱く語る。そして天馬たちの時代でもこの競技が盛んであることを聞き、さらには国別に分かれて世界一を決める大会も開催されているということを聞く。これはサッカーワールドカップのことだろう。

 世界に目を向けることの重要性をこの時代では誰よりもよく知る日本人であった龍馬はその話は捨て置けない。もはや龍馬にとってサッカーは面白い競技として世界を測るものとなっていた。彼はよりサッカーに撃ち込みたいと、天馬たちにもっともっと教えを請(こ)う。貪欲(どんよく)なまでに知りたいことや学びたいことを追求する姿勢、それも彼が坂本龍馬である証明だ。



 一方、もう一人の最強イレブンのオーラの持ち主である沖田総司捜索班は、まだ新選組屯所の前で様子を窺っていた。彼らの敵であるザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)が新選組局長である近藤勇(CV:井上優)の格好をして入っていたのだ。その思惑も含め、簡単に動くわけには行かなかった。

 中に入るのが危険な現状、沖田が外出するのを待つのが賢明だ。ただ皮肉屋の狩屋マサキ(CV:泰勇気)は沖田を見分ける方法が無いことを告げる。だが新選組大好きの瀬戸水鳥(CV:美名)はその方法がたやすいことを述べる。



 水鳥「決まってるさ、イケメンかどうかだよ!」


 そのあまりに主観的でアバウトな作戦に、狩屋ならずとも疑問符がつくが、イケメンでない沖田など沖田ではないというのが水鳥の理論だった。自分の理想を現実よりも優先させるというのは錦の龍馬に対する思いと同様で、やっぱり2人は似たもの同士だ。歴史フリークはこれだから……(私も人のことは言えんけど)。

 前回同様、沖田がイケメンであるという説が俗説であることを知る狩屋は皮肉っぽく返答し、沖田への恋に盲目状態の水鳥を怒らせる。


 そんな喧嘩を横目に、黄名子は沖田がいつ出てくるのかを問いかける。動くのが大好きな彼女は、じっと待つという行為が退屈で嫌なのだろう。

 水鳥は市中見回りの時がチャンスだと返答する。京の街の治安維持が任務の新選組は定時に京の街を見回りすることになっている。現代の警察のパトロールのようなものだと思えば良い。こういうことも新選組ファンの水鳥は詳しいようだ。


 ただその使命は、結局は維新がなって江戸幕府が倒されたということを知る未来から来た人間にとっては無駄な行為としか映らない。フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)はしみじみと無為に終わってしまった新選組の行動を問わず語りに語る。

 それを受けたのは霧野蘭丸(CV:小林ゆう)だった。新選組の行為を、今現在サッカーを守ろうと必死で戦う自分たちの姿に重ね合わせて語ったのだ。この考え方が出来る蘭丸は歴史に謙虚な人だと思う。今の自分たちの必死の行為が、さらに150年後の未来に「無駄なことをしていた」「犬死にだった」と一方的に言われたとしたらどうだろうか? そう思えば、新選組が幕府を守ろうとしている行為を一方的に否定することは出来ないと、蘭丸は言いたかったのだろう。私も歴史を学んだ者として、この謙虚さを持ち合わせたいと思う。

 悪名高く、明治維新にも逆らった新選組は賊軍として悪く語られることも多いが、それぞれの立場に立てば、それぞれの正義がある。狩屋や雨宮太陽(CV:江口拓也)も蘭丸の意見に同調する。そして黙ってそれを聞いていた、沖田とのミキシマックス候補の剣城京介(CV:大原崇)は何を思うのか……?



 龍馬とサッカーする天馬たちに画面は移る。木片を2つ立てかけ、その間をゴールに見立ててのシュート練習だ。錦は龍馬から送られたミスパスを補うべく、オーバーヘッドキックで強引にシュートに持ち込む。

 シュートは信助の正面を突き、残念ながらゴールはならなかったが、龍馬は目を輝かせて錦のオーバーヘッドキックを自分もしてみたいと言い出す。さすがに今日サッカーを覚え始めたばかりの龍馬にその高等テクニックは無理だと思われたのだが、龍馬はやりたいと言って聞かない。

 やむを得ないとアイコンタクトした錦と信助。信助はオーバーヘッドがやりやすいハイボールを上げる。龍馬は気合一閃、それに飛びついてシュートする。見る目を疑うような完璧な、見事なオーバーヘッドキックだった!



 キャッチした信助も驚きのシュートを放った龍馬は、こう見えても身が軽いと得意げに語る。確かに肉の固まりにしか見えないのに、このプレーはすごい。さらにすごいのは、錦のプレーを一度見ただけでモノにするという非凡な能力だ。現代にいれば龍馬は一廉(ひとかど)のサッカープレーヤーになっていたかもしれない。


 一緒にサッカーをして気心も知れた頃と、頃合を見計らっていたクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)がいよいよ錦とのミキシマックスを龍馬に提案する。

 龍馬は「ミキシマ君」と名称こそ間違えていたが、快(こころよ)く2つ返事でミキシマックスを引き受ける。その容貌に最初は失望していた錦もすっかり龍馬への信頼を取り戻し、律儀に頭を下げて龍馬に感謝の心意気を示す。

 同意を得て、ワンダバは両者にミキシマックスガンを発射する。



 だが両者を包んだその光は徐々に萎(しぼ)み、ミキシマックスは失敗に終わってしまう。それを受け、葵の裾に潜んでいたクロノ・ストーン状態の円堂大介(CV:藤本譲)がその理由を解説するため姿を現す。

 大介が言うには、錦が龍馬のオーラを受け入れるにはまだまだその力量が不足しているという。以前、信長とミキシマックス出来なかった神童と同じような状態だ。受け入れるための力量を器にたとえ、容量が足りなければ水(オーラ)がこぼれてしまうと説く。

 クロノ・ストーンがひとりでに浮き、語り出したのを見て龍馬はこれが腹話術であると見当をつけて辺りを見回す。誰が声を出しているのかを探しているのだろう。腹話術と言われた大介はムッとなって怒り出す。


 龍馬の力を受け入れられなかった錦は落ち込む。自分の心の広さが足りないのではないかと悩むが、心の広さに関してはおそらく雷門メンバー中、一番おおらかな性格の錦が一番心も広いはずなんだけどね。


 天馬「錦先輩は十分広いと思いますけど……(呆)」
 神童「どれだけ広くなきゃいけないんだ?(呆)」


 錦は思わず龍馬を見やる。そこではクロノ・ストーンを吊り下げているはずの糸を探す龍馬の姿があった。



 確かにこの無邪気なまでのおおらかさはすごい。背番号29はやっぱり「にく」を表してるんだろうな……。



 場面はまたも沖田班。じっと待つ一行の前に、屯所から一人の新選組構成員が出てくる。見るとなかなかのイケメンだ。イケメンを発見して早速活性化する水鳥姐(ねえ)さん。



 後をつけるべく様子を見る一行だったが、またもこのKYが台無しにする。黄名子がその剣士の裾をつかみ、話しかけ始めたのだ。



 黄名子「ちぃ〜っす! 沖田さんですか?」


 他のメンバーが焦る中、黄名子はいつもの人懐っこい態度で語りかける。剣士は一瞬戸惑いつつも、自分は沖田ではなく、本物の沖田は病に臥(ふ)せっていることを告げて去っていく。イケメンだけあって良い性格の人だったらしく、一行は危うく命拾いする。性格ってやっぱり顔に出るものなんだね。

 貴重な情報を仕入れた黄名子だったが、その軽挙を水鳥に叱られる。彼女を放っておくと確かに肝が冷えるが、物事を進めるのは黄名子のような考えるより行動が先に出てしまうタイプなのだと言えないこともない。

 何にせよ、沖田が病床にあって外出も出来ないとなると、危険であったとしても屯所の中に忍び込んでアプローチするしかない。フェイの肩車で壁越しに中の様子を窺う太陽。

 中庭では一人の隊士が木刀で素振りをして鍛錬していた。見つかりそうになり、太陽はあわてて頭を引っ込める。


 その頃、屯所内では沖田が布団から起き上がり、幕府転覆を図る坂本龍馬を斬ることを自分の愛刀・菊一文字に誓っていた。だが直後に激しく咳き込んでしまう。



 同僚が心配するその場に、障子を開けてザナークが入って来る。局長の姿をして乱入してきたザナークに邪悪な感情を感じた沖田と同僚は抜刀体勢に入って身構える。

 何者だと問われたザナークは笑みを浮かべながら「今は俺が近藤勇だ!」と語る。そして怒る沖田を尻目に、またもスフィアデバイスを取り出して2人のマインドコントロールを図る。

 精神力の劣る同僚隊士はあっという間に洗脳されてしまうが、さすがは一番隊隊長の沖田は簡単には洗脳されはしなかった。洗脳効果のある光線をも切り抜くような鋭さで振り払う。



 ザナークはその精神力に感心し、その名を尋ねる。そしてその男こそがもう一人の最強イレブンの候補の沖田だと知ったザナークはその精神力の高さに合点がいったとばかりに笑う。

 その態度に激昂する沖田だったが、胸を押さえて伏せてしまう。肺結核に冒された沖田の病状を、おそらくは熟知するザナークは力を与えるという甘言でもって支配下に置こうとする。そして彼の瞳が怪しい緑色に光りだす。

 先ほど見せた精神力をもってすれば、洗脳効果のある光線ならば沖田は抗(あらが)い続けることが出来たに違いない。だが怪しい緑色の光を受けた沖田は、自らを苦しめる肺病の発作が徐々に収まっていくのを感じていた。



 さらにザナークの言葉が追い討ちをかける。不治の病に冒されている時に「自由に動ける力が欲しいだろ?」と言われ、それを拒否し続けることが出来る人間などいるだろうか? ましてや沖田にはやらなければならないと心に決めた大義がある(龍馬を斬るということ)。

 肺病で歩くことすらままならない今の彼では到底不可能なことだが、それが出来るというならば、その甘言を弄(ろう)する相手ががたとえ悪魔であっても、はたまたキュウべえであっても、彼は契約書にサインしたであろう。

 沖田は局長を拐(かどわ)かした憎いはずの相手、ザナークの言いなりになることを決意する。すべては坂本龍馬と勝負するために!


 門前に張り込む沖田班は、中でそんなことが行われているとは知る由(よし)もない。沖田と接触を試みなければミキシマックスすることも不可能だ。ミキシマックスガンが無い分、隠れて撃つわけにも行かず、こちらの方が難しそうな状況。

 そうしていると、屯所からまたも一人の隊士が現れる。それを見かけた他の隊士が彼を沖田と呼び、その男こそ沖田総司であることを彼らは知る。



 黄名子「やっぱイケメンやんね〜!!」
 水鳥「だろ? 沖田総司はこうじゃなくちゃな!」


 沖田=イケメンが証明され、勝ち誇る水鳥姐さんが何だか可愛い。

 沖田は病で動けないという話だったはずだが、出てきた男にそんな様子は感じられない。もう一人の隊士が持ち込んだ坂本龍馬の居場所の話に食いつき、指定の場へと走り出す沖田を追う沖田班。だがものすごい速さで駆けていく沖田のその姿は、やはりどう見ても病人のそれではなかった。



 そんな事態も知らずに、龍馬は今度はキーパーとして天馬のシュートを受ける練習に勤(いそ)しんでいた。カーブの掛かったシュートを間一髪ではじき出す龍馬。キーパーとしてのセンスもなかなかのものだ。

 龍馬はユニフォームを見て、改めて動きやすい衣装だと感心する。短いブーツも気に入ったとサッカーシューズを見て悦に入る。さすがは日本で最初にブーツを履いた男だけのことはある。


 そんな和やかな雰囲気を吹き飛ばすように龍馬の名を呼ぶ声が響く。見ると沖田が抜刀状態でこちらに向かって駆けてくる。



 龍馬は咄嗟(とっさ)に、信助が驚いて投げ出したボールをオーバーヘッドで沖田に蹴りつけて啖呵(たんか)を切る。より怒りに燃えた沖田は問答無用とばかりに切りつける。龍馬はしゃがんでかわすが、ゴールポストを表現していた木片があっさりと切り捨てられ、沖田の刀が真剣であるということが明らかになる。



 真剣での攻撃にみんな驚いている中、山菜茜(CV:ゆりん)だけは笑っているのがすごい。


 そんな両者の間に割って入るのは、錦だった。龍馬を庇(かば)っての行為だったが、沖田は容赦なく錦ごと斬ろうと剣を振る。天馬はその行為を止めようと、サッカーボールに向かって駆け出す。

 だが天馬よりも先にそのボールを蹴りつけ、沖田の手から剣を叩き落とした者がいた。それは沖田を追ってこの場にやって来た剣城のファインプレーだった。



 遅れて黄名子や他のメンバーも駆けてくる。沖田総司坂本龍馬が一堂に会し、それを追っていた2班もここで合流したというわけだ。なおも刀を掴む沖田に、今度はまったく別方面からそれを制する言葉が投げかけられる。

 それは沖田に力を与えたザナークだった。ザナークにすれば、サッカーで雷門を打倒するために沖田に力を与えたのだから、余計なことをされては迷惑なのだろう。

 沖田に力を与えたのがザナークだと判明し、病気だったはずの沖田が全力疾走できた理由も明らかとなる。錦が新選組の格好をしている理由を問いただす。



 「似合うだろ〜?」(←本当に言います)


 ザナークは「面白そうだったから」という厨二な理由新選組を乗っ取ったと明かす。そこにさらにフェイが畳み掛けるように質問する。前回の対戦時、孔明の園でザナークが爆発した件についての説明を求めたのだ。だがそれに関してはザナークは教えてはくれなかった。わたし的には爆発したザナークの頭がアフロになるというオチだと思ったんだが。


 フェイへの回答を拒否したザナークは、フィールドメークモードを駆使して広場にサッカーフィールドを出現させ、雷門にサッカーバトルを挑む。



 ザナークの後ろの4人と共に、沖田の服装もザナーク・ドメインのユニフォームに変化していく。シュテン(CV:佐藤健輔)が前回登場しなかったのは新選組内部で何かやっていたからなのかな?


 沖田はただザナークに使われることを良しとしなかったのか、勝負に勝てば龍馬を殺す権利を与えるよう念押しする。自らの命が掛かった勝負とあっては、龍馬も出ないわけには行かないと軽く語る。錦も乗り気で、ダブル龍馬の力を見せてやると意気込む。錦もそういえば「龍馬」だったよね。


 バトルは前回に続けて5対5のミニゲーム方式で行われるらしい。戦いの趨勢(すうせい)を天馬たちに任せた神童たち。同じくミキシマックス対象の沖田が現れたことに、影山輝(CV:藤村歩)が剣城とのミキシマックスをしないのかとワンダバに尋ねる。こんな状況で出来るわけがないとワンダバは語気荒く返事する。銃を向けただけで斬られそうだしね。ワンダバはそれが怖かったのだろう。




 試合開始直前の両チームの布陣。ザナーク・ドメインは沖田をトップに配した布陣。彼はスピードがあるし、剣城のミキシマックス候補になるぐらいなのでFWがしっくりくる。背番号17が何を意味するのかは不明。シュテンがキーパーを務め、正式なチーム編成と言えそうだ。あと2番、変な髪型のゴウズ(CV:奈良徹)の中の人も今回で判明。一方の雷門も同様に剣城をトップに配した布陣。29番、お肉の龍馬はDFポジション。錦とのダブル龍馬体勢が見もの。


 試合はザナーク・ドメインのキックオフで開始される。エンギル(CV:不明)からボールを受け、沖田は奮然とドリブルで駆け出す。その速さは前を塞ぐ天馬を一瞬にして抜き去ってしまう。

 驚く天馬だったが、その驚きは当の沖田本人も共有していた。これまで足でボールを操るという動作など一度もしたことがないというのにこの挙動、意図もたやすく身体が動くということに驚愕を隠しきれない。これがザナークが彼に与えた力、ということなのだろうか。

 思わずザナークを見つめる沖田。その視線を感じたザナークはニヤリと不敵に笑う。


 4番の立方体みたいなオーグ(CV:不明)からパスを受けた沖田は、ゴール前に達する。雄叫びを上げてシュート態勢に入る沖田を阻止したのは、龍馬だった。



 ボールをサイドラインに押し出して危機を脱した龍馬は、沖田に向かってそう簡単にはやらせないと笑う。沖田に譲れない大義があるように、龍馬にも誰にも負けない大義があるのだ。


 そして今度は雷門の攻勢。龍馬からパスを受けた錦がシュートを撃つが、シュテンが横っ飛びにキャッチする。さすがは本職のキーパー、前回のシンジャミの時のようには行かないようだ。

 ただ錦のその気合満々のプレーは悪くない。歓声を上げる輝に、神童は憧れの存在である龍馬と共にサッカーしているというこの状況が錦に力を与えているのだと解説する。


 その間も試合は一進一退の状況が続く。サイドを駆け上がる錦が中央の龍馬にパスを送る。だがそれを沖田が阻止する。先ほどとは逆に、沖田がその意地を示すという場面となる。



 信念をプレーに感じたのか、龍馬が沖田のプレーを褒める。沖田はそっけなく、龍馬に負けられないとだけ語って背を向ける。それを面白そうに見るのは、ザナークだ。

 そこからは沖田の意地が勝ったか、龍馬はプレーのことごとくで沖田に競り負けてしまう。辛そうに肩で息をする龍馬のもとに天馬たちが駆け寄る。失敗続きのプレーを皆に詫びる龍馬だったが、それは沖田が執念を感じさせるほどに龍馬を徹底マークしているからだった。

 そこに目をつけたのだろう、フィールド外から試合を見つめていたフェイがある作戦を提案する。


 その作戦に同意した一同は、天馬を先頭にその作戦を実行に移す。天馬は龍馬にパスを送る。当然のように沖田が龍馬の前に立ちはだかる。だが龍馬は何を思ったのか、保持していたボールを沖田にパスするように渡してしまう。

 そして新選組一番隊隊長の腕前を見せてもらうと挑発的に語る。龍馬の意図することを訝(いぶか)しみつつも、沖田はこのチャンスをモノにしようと雷門ゴール目指して走る。

 だが鈍足のはずの龍馬にあっさりと追いつかれ、沖田の頭に血が昇る。エンギルが横を走りながらボールを渡すよう指示するが、沖田は龍馬と自分との戦いだと言って譲らない。

 その隙を突き「もう一人の龍馬=錦」が龍馬の影から挑みかかる。あくまでも自分一人で決着をつけようということにこだわる沖田が龍馬に、そしてフェイの作戦にしてやられた瞬間だった。



 錦がスライディングしたボールは、ゴール前で待っていた剣城の元に転がる。ここまで空気だった剣城は、それを取り戻すかのように化身「剣聖ランスロット」を召喚し、一気にアームドし、ゴールを奪ってしまう。



 シュテンさんが身構える暇もないほどの一瞬の出来事だった。彼のザル扱いはまだ早いか?


 5対5の試合は1点先取のサドンデスというルールにより、この試合は雷門の勝利だ。決着した瞬間、ザナーク・ドメインのメンバーは素早くその姿を消し、フィールドも元の広場に戻っていく。

 取り残された沖田の姿も元の新選組の着物姿に、そして……。



 次の瞬間、激しく咳き込んでしまう沖田。ザナークに掛けられた術も解けてしまったのだろう、元の労咳(ろうがい)に身体を蝕(むしば)まれた状態に戻ってしまう。


 苦しそうに膝をつく沖田に、ザナークは嘲(あざけ)るように語りかける。いつの間にか、逃走用の赤いバイクにまたがっている。用済みとなった沖田を見捨てて、ザナークは去っていく。良いように利用され、不治の病から解き放たれたと思っていた沖田の希望を無残に打ち砕いたザナークのその所業に、錦は激しく怒りを表出する。

 そして龍馬もその場を去ろうとする。沖田は龍馬を討とうとするのだが、咳の発作が止められない。そんな沖田を哀れみの視線で見つめつつ、龍馬は大事な用事があると告げ、天馬たちに別れを告げる。


 天馬は咳き込む沖田に声を掛ける。葵が沖田の背中を優しくさすると、ようやく少し楽になった沖田は感謝の言葉を口にする。



 史実の沖田も新選組や幕府に敵対するもの以外には驚くほど紳士的に振舞ったという。人斬り集団と恐れられた新選組において、沖田は紳士としてイメージアップに貢献していたという説もあるほど。


 沖田が今にも倒れてしまいそうな身体でサッカーをしていたということに神童は驚く。そしてそれを強いていたのはザナークだ。ザナークの能力で動けるようになったものの、それで急激に激しく動いたため、沖田の病状はさらに悪化することとなってしまったらしい。一同の怒りは沖田を非人道的に扱ったザナークに向けられる。

 沖田の前に立つ剣城。彼は何のためにそこまでするのだと尋ねずにはいられなかった。沖田は武士の命である刀を杖の代わりにして立ち上がり、剣城と向かい合う。そして寂しげな表情で枯れ木になびく一葉の葉を見つめ、自分の命がもはや長くないことを語る(これは自らの境遇をその落ちそうな葉っぱになぞらえている)。

 龍馬の成そうとしていることが実現すれば、幕府は消滅してしまう。新選組は幕府を守ることがその使命であり、そのためにも自らの命が尽きる前に龍馬を討たなければならないと、沖田は語る。

 そう語る沖田のその横顔に、剣城は最も敬愛する兄の面影を見た。



 病気を前にして何かを決意する者として兄と沖田が共鳴したのだろうか? 去りゆく沖田の後ろ姿から、剣城はいつまでも目を外せずにいた……。



 次回に続く



  エンディング



 幕末編第2章は沖田総司が主役の回。今回はザナークの卑劣さが際立つ内容だったよね。沖田が可哀想になって、後半は観ていて辛いものがあった。

 結核は20世紀の大発明、ペニシリンが発明されるまでは死に至る病であり、空気感染するので恐れられた。咳が止まらなくなり、やがて血を吐いて死ぬという辛い病気だ。前回も書いたが、長州藩高杉晋作も同じ病で亡くなっている。彼は日本代表の本田圭佑にちょっと似てるので本作の物語にも出てくれたら嬉しいと思っていたんだけど、この物語の時期には既に他界している(1867年5月に死去)。

 ちなみに日本の結核の患者は最近増加傾向にあるらしいので、気を付けないといけない。結核は現代でも手遅れになると死に至る病であり、その恐ろしさ自体は沖田総司の頃と何の違いもない。咳が止まらなくなったら、結核の可能性を疑い、早めに医師の診断を受けましょう。早期に発見すれば怖い病気ではありません。その辺は沖田の時代よりは救いがある。



 気になった場面としては、フェイがザナークに質問した場面。あれはセカンドステージチルドレンの力の暴走だという説明が謎の老人(CV:家中宏)によってなされていた。フェイがあの現象にこだわったのは、やはり彼もセカンドステージチルドレンであり、あの現象に対する関心が深かったからなのではないだろうか?


 さて来週はこの感想文を書き始めて初の、1時間ぶっ続けのイナズマ放映、「秋だ一番!イナズマ祭り 1時間特大スペシャル」となるらしい。ダンボール戦機Wの方が一段落した関係もあってか、1時間まるごとイナズマイレブンとなる。



 次回ではまたも沖田がザナーク・ドメインの側に立って戦うらしい。ということはザナークはまだ沖田を利用するつもりなのかな?


 幕末編はそれで一気に終了することになるらしい。やはり今回も4話完結構成か。視聴者的には1時間スペシャルは大変嬉しいのだけど、ブログを書く立場としては一気に書いたら本気で死んでしまいそうな気がする。

 字数制限の関係もあるし、もしかしたら前・後編という形の更新となるかもしれないが、そのへんはご了承いただきたい。



  次回「サッカー対決!坂本VS沖田!!」に続く。



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