『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第12話「来たぞ!信長の町!!」の感想 【大河ドラマスタートの巻!】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第12話「来たぞ!信長の町!!」を観ての感想を書く。ここまでついてくるのが大変だった超次元に次ぐ超次元の展開だが、ついにここまで行き着いたかというものすごい展開に。もはや「果たして収拾がつくのか?」という点に第一に目が行ってしまう。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第11話「探し出せ!時空最強イレブン!?」の感想 【クロノ・ストーンの意味がようやく発覚】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

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 強敵、プロトコル・オメガ2.0を打倒するため、マスターDこと円堂大介(CV:藤本譲)の考案した「ぼくのさいきょういれぶん」を確立するため、松風天馬(CV:寺崎裕香)たち雷門メンバーは時空を超え過去に向かう。まずは最初の条件「チームのゲームメーカー」としての資質を持つ戦国武将・織田信長のもとへ。信長の能力をミキシマックスガンでコピーし、雷門の戦力アップを図るのだ。

 イナズマ城の博物館から借りた信長の刀をアーティファクトの道標として、たどり着いた先は西暦1554年(天文23年)の尾張の国。現代と違い、澄んだ空気が天馬たちを迎える。



   オープニング(感動共有!)




 CM前のアイキャッチでは映画「劇場版イナズマイレブンGO vs ダンボール戦機W」の情報が。天馬と同じチームに雨宮太陽(右 CV:江口拓也)と白竜(左 CV:福山潤)の姿がある。映画前売り券は本日7月14日から発売。私も行くよ。



 小高い丘から眼下に広がる城下町を眺める一同。子供っぽい好奇心から西園信助(CV:戸松遥)が町に降りてみようと提案する。天馬は同意するが、彼らよりは精神年齢が高い剣城京介(CV:大原崇)が意義を唱える。ここは戦国時代なのだ。現代のジャージ姿の彼らが町を歩けば目立たないはずがない。


 「確かに今のお前たちでは目立ってしまう!」


 と、クラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)がクマのぬいぐるみの分際で今期史上最大の「おまえが言うな!」発言をする。そういうツッコミの入る間もなく、ワンダバは何やらスイッチ状のものを取り出して、それを作動させる。



 「ワンダバ・スイッチ」 これって正式名称なのか? 「テンマーズ」といい、未来人はネーミングセンス皆無だな。


 すると彼らの衣服が発光し、みるみるその姿を変えていく。時代がかった衣装に身を包んだメンバーたち。空野葵(CV:北原沙弥香)は可愛い着物姿に大はしゃぎする。天馬と信助もスイッチの原理がどうの、といったことには全く無頓着に着物姿に笑顔を見せる。

 バカの錦龍馬(CV:岩崎了)ももちろん「無条件に喜んだ派」だ。彼の場合、ポニーテールの独特の髪型が着物に妙にマッチして、この時代の人間かと思うぐらい似合っていた。

 ただやはり冷静というか、アホではない剣城や神童拓人(CV:斎賀みつき)はこの格好が時代設定的に違和感ありということに気づいていた。



 瀬戸水鳥(CV:美名)と山菜茜(CV:ゆりん)も自分たちの姿が「なんか違う!?」ことに気づく。葵のように可愛くなれなかったことが影響している可能性もあるが。


 さすがに心配になった葵がその件を問いかけようとするが、ワンダバの姿に絶句する。ワンダバは彼らよりもずっと怪しい姿でポーズをキメながら、大丈夫だと太鼓判を押す。



 彼の姿は「木枯し紋次郎」がイメージされていると思われる。木枯し紋次郎も江戸時代の話だから時代設定間違ってる。だが確かに安心だ。コイツの怪しさに世間の目は集まって、他のキャラの衣装の変な部分には誰も気づかないだろう。


 フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)が乗り物であるキャラバンを隠さないと拙(まず)いと提言する。もっともだと思ったワンダバは、おもむろにワンダバ・スイッチをポチッ。すると彼らの乗ってきたキャラバンが姿を消していく。ワンダバ・スイッチって万能スイッチか? おそらくだが、ものの見え方を変えるという効果があるのだろう。

 消えたキャラバン。これも消滅したわけでなく、いわゆる光学迷彩(こうがくめいさい。「高額明細」ではない)、見えないようになっただけだ。その証拠に直後にワンダバがぶつかって死んだことからも、その場に存在することが分かる。


 さて城下町に降りてきた一行は、テレビの時代劇さながらの風景に目を見張る。水鳥は建物の柱を撫(な)でつつ、名作映画「十一人の侍忍者(これは「七人の侍」のパロ)」のセット以上に本格的でリアリティがあると喜ぶ。本物なんだからリアルなのは当然なんだけど。ここでは夢中になる水鳥に、珍しく茜がツッコミ役をしていたのが笑えた。

 歴史に造詣(ぞうけい)が深い水鳥を褒める葵だったが、錦が水鳥は単なるチャンバラオタクだと茶化(ちゃか)す。思わず殴りかかろうとする水鳥だったが、ここは仲が良い2人をより印象づけた。水鳥のことをよく見ていないと「チャンバラ好き」ということも分からないはずだしね。


 そして感慨もそこそこに、現実主義者の剣城はこの後どうやって信長に会うのかを皆に問う。口ごもる天馬。やはりなにも策が無いまま、ここまで来たんだろうな。フェイがここで別れて、情報を探ろうと提案して助け舟を出す。手分けしての聞き込みが開始される。


 まずは天馬、信助、葵の仲良しチーム。渡し舟が通りがかっただけで聞き込みのことなど忘れて走り出すアホの天馬くん。これは捜査が捗(はかど)らなさそうだ。

 続いてなぜか一人で行動する錦。茶店で団子を食べて一休みする錦だが、いくらバカとはいえ代金のことを考えていないなんてことは無いだろう……



 と思っていたんだけど、やはり代金のことが頭になかったらしい。お代を請求されて団子を喉に詰まらせる。この後どうやってこのピンチを処理したんだろう? 夜まで出てこなかったから、皿洗いなど肉体労働で賄(まかな)ったのだろうか?


 そしてやはり仲間からハブられて一人で行動する剣城。ただ根が真面目な真面目な彼らしく、武器屋など信長が訪れていそうな場所に地道に聞き込みしていた。

 フェイとワンダバは未来人らしく、レーダーを使って信長の存在を探すが、レーダーは反応しない。信長のオーラがどういうものなのかが分からないと、レーダーも探しようがないのだ。

 そして神童。茜がついてきているかと思っていたんだけど、やはり彼も単独行動だ。信長展のチラシを見つめ、善後策を練りながら歩く彼だったが、その衣装に、店先で水撒(みずま)きをしていた少女の水がかかる。



 豆腐屋の娘、お勝(CV:高垣彩陽)ちゃん。


 お勝は慌ててその非礼を詫びる。神童はオットコマエキャラらしく笑顔で許すが、それではお勝の気が済まない。立ち去ろうとする神童の裾(すそ)をがっちり掴んで離さない。

 お勝は神童を店内に招き入れ、乾くまでの間の着替えをあてがってくれる。だがその時代の庶民の衣装は、お金持ちのボンボンでブランド物に身を包むのが常の神童にとってはやや屈辱的なものではあったのだが。


 一方、町外れの広場にやって来た天馬たちは、そこでまるでサッカーのような遊びに興じている子供たちを見つける。サッカー大好きッ子の天馬たちは、またも信長の手がかりを探すという使命を忘れて彼らのもとへと駆け出す。

 天馬に話しかけられた少年は、サッカーという名称は知らなかった(当たり前だ)。だが自分たちで考案した遊びで、そのボール状の鞠(まり)も自分たちで作ったと得意げに語る。



 遊んでいた少年・太助(CV:折笠富美子)。よその国では蹴鞠(けまり)という似た遊びがあると語る。よその国というのは、この時代の京都のことだろう。


 そしてサッカーという言葉こそ知らないながら、この共通の遊びに興味を抱いているということが分かるのだろう、太助は天馬たちを遊びに混ぜてやると言う。もちろん天馬と信助はノリノリでその勧誘を受ける。あの〜、信長の手がかりは……? サッカーの未来は?


 場面は豆腐屋裏の丘へ。そこの柳の木の下で語らう神童とお勝の2人。心なしか良い雰囲気だ。



 神童のことを「拓人さま」と呼ぶお勝は、神童の髪型が変わっていることと、町の事情をよく知らないことから尾張の住人ではないということに気づく。神童は未来の話をすれば混乱し、理解されないことが分かっているので、「違う世界」から来たと、あえてぼかした口調で告げる。

 その世界に神童は大切なもの(サッカー)があったことを語るが、お勝はそれを神童の恋人なのではないかと思い込む。色をなしてそのことを問い詰めるお勝に、神童もタジタジだ。

 それがサッカーだということを説明する前に、豆腐屋の裏庭からお勝の母が神童の衣装が乾いたことを告げる。微妙な感じで2人の会話は中断された。


 そしてまた天馬たちに場面は移る。天馬たちから教わったのだろう、蹴鞠の真似事ではなく、本格的なパスサッカーをする子供たち。太助から天馬に出されたパスは大きく逸(そ)れ、ボールは川原の方に落ちていく。子供の一人が取りに行く間、太助はこのサッカーという遊びが楽しいことを実感していた。ただこんなところでサッカーを教えたら歴史が変わっちゃうんじゃないの? サッカーの起源は日本だった、とかね。

 ボールを取りに行った子供がなかなか戻ってこないことに気づいた天馬は様子を見に行く。すると大変なことに、子供が簀巻(すま)きにされて大人2人に連れ去られようとしていた。人さらいだ!

 後を追う子供たち。天馬はその場に置き去りになっていた球を拾い、それを人さらい目がけて蹴りつける。狙いは違(たが)わず、人さらい2人の頭に命中する。無事さらわれた子供は取り戻したが、人さらいをやろうという凶悪な連中だ。彼らは刃物を取り出して、全員を連れて行くと悪人ヅラをして言い放つ。



 だがそこで、役人(警察)の到来を告げる声が響く。それを聞いて慌てて逃げ出す人さらいたち。何とか危機を脱した天馬たちに話しかけてくるのは、さっき役人が来ると声を上げた男だった。もちろん役人は連れてきていない。機転のウソで人さらいを撃退したのだ。

 礼を言う天馬に、人さらいが白鹿組という無頼者(ぶらいもの)の集まりであることを男は明かす。白鹿組は子供をさらい、他国に兵力として売り払うという。警察組織の脆弱(ぜいじゃく)な時代とはいえ、人身売買がこうもあっさりと行われる世の中に、天馬や葵といった現代っ子は恐怖を感じる。

 そこに同時に駆けてくる神童と剣城。天馬は危ないところを救われたと語り、男の名を尋ねる。男は自らを木下藤吉郎(CV:古島清孝)と名乗る。



 木下藤吉郎。後の豊臣秀吉。この後の話から、まだ織田軍への士官前と思われる。つまりこの頃は「仮面の忍者赤影」が活躍していた頃?


 信長の家来の中でも特に有名な彼の名を聞き、天馬たちはさすがに驚く。後の天下人である豊臣秀吉の若き日の姿に実際に出会う機会があることなど考えてもいなかったのだろう。信長に会いに来たわけだから、よく考えなくてもその可能性は十分にあったんだけどね。

 もちろん今の藤吉郎は豊臣秀吉という、未来で自分が名乗ることになる名など知らない。天馬たちの驚く理由が分からず、自らも焦り出す。


 日の暮れるまで未来の話やサッカーの話などの説明をしていたのだろう、夕焼けが辺りを赤く染める頃まで川原に座って藤吉郎と話す神童。さすがに頭がキレる藤吉郎は、難しい話だというのに理解したらしい。天馬たちが取り戻そうと一所懸命になっているサッカーへの気持ちを聞き、その思いを自らになぞらえる。

 藤吉郎にとって好きなもの、大事と思うものはもちろん憧(あこが)れの信長だ。信長の名が出て、天馬たちに緊張が走る。その男に会うためにこの時代にやってきていたのだから。

 信長に対する思いを語る藤吉郎、彼は信長に底知れない力を感じ、信長こそ天下を統一する器量の持ち主であるということを見抜く。そして家来となって自分も出世して、偉くなることが自分の望みだと屈託のない笑顔で語る。その前向きな意志は、横で聞いていた神童にも勇気を与えるものであった。





 CMでは自分たちのカードで遊ぶ天馬とフェイの姿が。それを外から生暖かく、それでいて仲間に入れてもらいたさそうに見つめる剣城が笑える。



 そして夜が訪れる。一泊する場所はワンダバが見つけていた古寺だ。人の手が加わっておらず荒れているとはいえ、夜露を防ぐことが出来る上々の宿と言える。早速掃除に掛かる。ただこの寺は人里離れた場所にある。現代のように街灯などもなかったこの時代、夜の暗さも相まって、ちょっと怖いとつぶやく茜。

 歴史への影響を心配するフェイにとっては、人目につきにくいここは好条件だった。天馬が太助たちにサッカーを教えていたことは歴史に影響与えまくりだと思うんだけどね。


 そしてこの日の反省会。結局この日は信長の情報は得られなかった。信長のオーラを頂くのは簡単ではなさそうだ。長期戦も覚悟しなければならないだろう。天馬は木下藤吉郎と会ったことを話す。フェイはそれが後の豊臣秀吉であることを知っていた。日本人離れした名前だけど、フェイはやっぱり日本人なの?

 それを聞いた錦が、オーラを頂くのは信長ではなく、秀吉(現・藤吉郎)でも良いのではないかと提案する。だがそれに強く駄目出しする声が。ちゃっかり葵の裾に収められていた「クロノ・ストーン」=大介が語り出す。



 無理やり葵に持たせたと思われる。やはり大介は葵がお気に入りらしい。


 大介(石)は、チームは選手個々の能力ではなくそれぞれの能力が影響し合い、高めあってこそ最高のパフォーマンスが出せるのだと喝破する。それはあたかも極上の料理で食材の組み合わせが重要なように……。つまり時空最強のチームの組み合わせは大介の考えた組み合わせ以外は不可能なのだ。例え秀吉が素晴らしい食材だったとしても、鍋にメロンが入らないのと同じ道理だ。



 駄目出しする大介(石)。ただこの声で料理の話をされると、どうしても「ミスター味っ子」の味皇を思い出してしまう。


 そして信長のオーラを受け取る選手もすでに大介の頭の中にはあった。それは神童だった。原理は不明だが、石になってからの大介は選手の能力が手に取るように分かるようになったらしい。そして理想のゲームメーカーとして、信長の能力を最大限活かせるのが神童であるという。

 自分がその立場であると聞かされ、神童は驚く。だが天馬は尊敬する神童がその大役に選ばれたことが、我が事のように嬉しかった。時空最強のイレブンの一人になることを大介から命じられ、神童は覚悟を決める。


 そして翌朝。今日こそは信長の情報を得ようと張り切る天馬。その前に使命をすぐ忘れるその性格を何とかしたほうが良いが。ただ空腹に腹の虫を鳴らす錦は元気がない。まずは腹ごしらえをしようと提案する。

 そこに駆けてくるお勝と太助。彼らは姉弟だったらしい。天馬の知り合いと神童の知り合いが姉弟というのもすごい偶然だと思うが、世間はご都合主義的に狭い。お勝は神童のために、お弁当を持参してきていた。



 豆腐屋さんの跡取り娘が作ったお弁当らしく、大きな豆腐入り。時代のせいか、動物性の食べ物は入っていない。


 神童のために手料理を作って来たというお勝を見て、やはり茜が嫉妬の炎に燃え上がる。昨日神童を単独行動させたのはやはり痛恨のミスだったのではないだろうか?

 神童が相変わらずのスケこまし能力を発揮し、この時代でもモテモテなのを、錦が茶化す。お勝という心強い協力者を得て、神童も嬉しそうだ(茜の気も知らずに)。

 そこに道の向こうから、独特の幟(のぼり)を掲げて誰かがやって来る。黒馬の上で威風堂々(いふうどうどう)としたその威容、それはこの尾張では一番の権力者でないと出せない威厳があった。



 織田信長(CV:千葉一伸)。近衛役を務めるのは、丹羽長秀(CV:泰勇気)と前田利家(CV:金野潤)ら。


 信長が通りがかると、畑仕事をしていた農民たちが一斉に道端に平伏(へいふく)し始める。捧げるものは、その地で収穫した農産物や、それを加工して出来た食物だ。そのしきたりを呆然と見つめていた天馬たちだったが、お勝に平伏を指示されて、慌ててそれに習う。この時代、この国では信長の前ではこうすることがルールなのだ。

 信長は農婦から差し出されたおはぎを食べ、その強面(こわもて)の顔を喜色に染める。美味いと褒められ、農婦も平伏したまま喜ぶ。この関係だけで、農民が信長を国のリーダーとして絶対の尊敬と愛着を抱いているということがわかる。

 信長はもち米の出来を褒め、それを作った農婦をも褒める。おぼえめでたき事態になり、農婦は再度深々と頭を下げてその言葉に感謝する。


 その様子を見ていた天馬たちだったが、信長が意外と甘党だったことに対し、信助が思わず笑ってしまう。だがそれは危険な行為だった。下手をすれば手討ちにされてもおかしくはない時代なのだ。

 笑い声を信長に咎(とが)められ、信助は慌てて顔を伏せる。信長は天馬たちがこの国の人間ではないことをひと目で見抜く。返答に困る天馬に対し、信長は敵対する今川義元の手のもの、スパイではないかと疑いをかける。

 疑いを晴らすべく信長の前に出た神童は、自分たちは旅人で怪しいものではないと告げる。信長の刺すようなものすごい視線に見つめられ、神童は生きた心地がしない。だが真剣な表情でその視線を受け止め、邪心はないことを目で訴え返す。

 信長はそれで納得したのか、一行をスパイ扱いはしないことを告げる。神童の目に疚(やま)しさからくる曇りがないことを、その鋭い眼光で見抜いたのだろう。疑いが晴れ、神童は笑顔になる。


 そういった様子を、畑の向こうから何者かが見つめていた。フードを被ったその人物は、連れていた馬の尻を強く叩く。暴れ馬と化した馬は、一直線に信長の方に向かう。お勝と太助を救おうと前に立ちはだかる神童だったが、さらにその前に信長が立つ。護衛を振り払い、信長は気合一閃、その強大なオーラで暴れ馬を威圧して止めてしまう。




 指一本触れることなく暴れ馬を御してしまった信長のその驚くべき能力に、天馬たちは驚愕する。確かに只者ではない。馬を追い払い、信長は何事もなかったかのように立ち去ろうとする。

 呆然と見ていたワンダバだったが、実は今こそがミキシマックスガンでオーラを頂くチャンスであることにようやく気づく。そして素早くガンを抜き、一方を神童に、もう一方を信長に向けて発射する。

 だがここで大誤算! あまりに強大な信長のオーラは吸収できなかったのだ。オーラは奪われなかったが違和感があったのだろう、信長がこちらを振り向く。ガンを向けているワンダバには言い訳の出来ない状況。



 ガンもそうだけど、お前自身も言い訳できない外見してるぞ。


 1543年の鉄砲伝来から11年、信長は鉄砲の威力と戦場での有用性に、いち早く目をつけた武将として有名だ。ガンと鉄砲がよく似ていることにも目ざとく気づく。ワンダバはここで平伏したまま頭をフル回転、これは「花火鉄砲」というもので、花火を信長に献上するるつもりだったと口から出まかせを言う。

 だが祭りが近い時期ということが幸いした。信長はワンダバの言葉を信じる。ワンダバの格好も、ひょっとしたら着ぐるみで祭りの座興(ざきょう)だと思い込んだのかもしれない。

 信長は一行を花火職人と決めつけ、機嫌よくその場を去って行く。


 触れれば傷つく鋭い刃物のような男が去り、緊張感が途切れる。だが信長のオーラ獲得という千載一遇のチャンスを逃してしまったことは確かだ。場を川原に移し、なぜミキシマックスが失敗に終わったのかを検証する。

 そういった不可思議な事態の説明は、やはりこの男だろう。またも突然現れたクロスワード・アルノ(CV:楠見尚己)博士がこの事象を解説する。信長のオーラに比して、神童の器(うつわ)は小さくて入りきれないというのだ。つまり信長はそれだけデカイ男だということだ。

 またミキシマックスには2人のオーラの同調が前提条件だが、信長と神童の場合はそれがうまくいっておらず、それでミキシマックスが出来なかったということらしい。



 さらに受ける側、すなわち神童にはそれを受け入れるだけの器の大きさが求められる。神童の場合、そのどちらにも今の力では不適格だということだ。フェイがティラノサウルスと融合できた例を挙げるが、アルノ博士はにべもない。ティラノサウルスのオーラよりも信長のオーラの方が強く大きいという。



 どんだけ化物やねん。


 信長のオーラはミキシマックスのメモリー内にも入りきらないほど巨大なオーラらしい。つまり一時的に機械の中に入れて保存しておくことも出来ないということだ。その場で別の器、つまり神童に移し替えるという手段以外に信長のオーラをゲットする手段はない。



 フェイのときと違い、一時保存という形が取れないということだ。


 それには、神童がそのオーラを受け止めるだけの器になるしかない。つまり、特訓で信長のオーラを受け継ぐに相応(ふさわ)しい、大きな男になるしかない。信長という人物を深く理解し、取り込むという意識を強く持てるような特訓でないとダメだとアルノ博士は続ける。ミキシマックスの相性、命の融合という条件を越えるには、それしかないのだ。困難な問題だが、神童は努力でそれを成し遂げることを誓う。


 そこにお勝がまたやって来る。彼女がもたらしたのは朗報だった。もう一度信長に会えるという。お勝は信長の開催する花見の宴(うたげ)で給仕役として選ばれたというのだ。

 ワンダバはそのチャンスをものにするべく、作戦会議を行う。だがその途中でお勝の母が慌ててやって来る。もう一人の子である太助が人さらいに連れて行かれたというのだ。昨日の件から、同じ白鹿組の仕業であることは間違いないだろう。

 すぐ助けに向かうことにするが、白鹿組がどこを根城にしているのか分からない。神童は白鹿組に詳しい藤吉郎を呼んで情報を聞くことを提案する。


 カラスが不気味に鳴く荒涼(こうりょう)とした地に、いかにも怪しそうな白鹿組のアジトはあった。藤吉郎の案内でやって来た天馬たち一行は、肉体派の錦を先頭にそのアジトに乗り込む。そこには昨日の人さらいの実行犯を含め、悪そうな顔をした連中が屯(たむろ)していた。

 太助を返せと詰め寄る天馬だったが、その時ロウソクに火が灯され、室内が明るくなった。天馬たちは奥に鎮座(ちんざ)していた首領っぽい人物がそこにいることに気づく。それは忘れようにも忘れられない、彼らの宿敵の姿だった。



 ベータ!? なぜここに彼女がいるのだろう? 腕っぷしにモノを言わせたのか、それとも洗脳か、とにかく白鹿組の首領に収まっていたのは彼女だった。先ほど信長に暴れ馬をけしかけたフードを被った人物もベータだったことがほぼ確定。


 ベータは楽しそうに、自分たちに勝てたら太助を返してあげると笑う。ベータが提案する勝負とは、もはや聞くまでもないだろう。乾いた地に自動的に描かれるサッカーグラウンドのライン。そして浮かび上がるゴール。そう、サッカー勝負だ。




 試合開始直前の両チームの布陣。白鹿組は全員が構成員で、ベータを始めプロトコル・オメガ2.0の選手は一人も入っていない。個人的には2番の白鹿の面を付けた選手が異様な雰囲気を持っていて期待が持てる(何の期待?)。ベータは監督役か? 一方の雷門。こちらもデュプリを使わず、なぜか太助の友達である子供たちがメンバーになっている。確かに仲間を救いたい気持ちは分かるけど、デュプリ使った方が強いんじゃないの? 例え卑怯と言われても。あとよく見たら、剣城の横にいる25番って太助じゃね? お前を助けに来たのに何やってんの? 太助連れてみんな逃げろよ。


 思わぬところで仇敵(きゅうてき)に出会った雷門は、サッカー対決を受けて立つ。果たして勝利を収め、太助を助けることができるのだろうか?(シャレじゃないよ) また、神童は特訓して信長の強大なオーラを継承することが出来るのだろうか? 以下次回。




 次回に続く。



  エンディング



 さて大問題の歴史編突入。今回はどう見てもサッカーアニメじゃねえ。お勝と太助が中の人的に、まんま青山俊介(CV:高垣彩陽)と一乃七助(CV:折笠富美子)だったのがちょっと笑えた。お勝の恋路(こいじ)はどうなってしまうんだろうね。歴史的見地から考えると、この恋は成就(じょうじゅ)しないはずなんだけど、そう考えるとかわいそうな気もする。茜ちゃんもやきもきしてるし、神童の朴念仁(ぼくねんじん)ぶりがあまりにも罪深い。

 ちなみにこの1554年、木下藤吉郎は18歳(満17歳)、信長配下に士官する年でもある。このサッカーバトル、もしくは天馬たちとのやり取りがそのきっかけになったりしてね。歴史に名高い、雪の降る中、信長の草履(ぞうり)を懐(ふところ)に入れて暖めたという逸話から彼の出世は始まる。

 また信長はこの年21歳(満20歳)。満20歳に見えないものすごい貫禄(かんろく)だったけどね。桶狭間(おけはざま)で宿敵の今川義元を討つのがこの6年後。そこから信長は天下人にまっしぐら。家臣の明智光秀に裏切られて本能寺で死ぬのがこの28年後。このブログ、勉強になるね(自分で言う)。


 ベータがなぜこの時代に姿を現したのか? これはいつものように私の勝手な予測を書く。たぶん前回奪い返した「覇者の聖典」を大介の孫である円堂守(CV:竹内順子)に読ませたのではないだろうか? それで天馬たちが信長の時代に向かったということに気づいたとか……。囚われの身の円堂がエルドラド側に洗脳されているとしてもおかしくはない訳で。

 今回は彼女は戦わないようで、他のルートエージェントもオフなのかもしれないが、負けても責任問題にはならないだろうし、久々にお互いの運命を賭けたようなギリギリの緊迫した戦いではなく、普通のサッカー対決が見れそう。



  次回「大乱戦!白鹿組!!」に続く。



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