『イナズマイレブンGO』第21話「秋空の挑戦者!」の感想 【木枯らし荘の住人こんなにいたの!?】

 今日の更新で、拙ブログは更新200回となる。100回の時は東日本大震災の影響もあり、気付かないうちに過ぎてしまっていたが、今回は何とか直前に気付くことが出来た。こんなに多く書き続けられるとは我ながら思っていなかったので、素直に嬉しく思う。これも観に来て下さる方々のお陰であることは疑いの余地も無い。


 200回記念ではあるが、やる事はいつもと変わらない。今日は恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文を書く。今回は第21話「秋空の挑戦者!」を観ての感想。久々の日常パート、新しい部員の登場、懐かしい仲間との再会と、バラエティに富んだ内容となっている。雷門イレブンも全国大会に臨む前、緊張前の緩和を満喫するような印象を与えた。新しいメンバーが、やや問題児の様相を呈しているのが気になるが……。


 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第20話「羽ばたけ!天馬の化身!!」の感想 【複数の必殺技新登場!】
 をご覧ください。


 それ以前の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 旧『イナズマイレブン』のアニメ感想、及びその他記事は、ココをクリック。


 で、それぞれ一覧表示されます。


 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。約8割がウソで塗り固められた内容だったりしますが……。

【Wikipedia風】 『イナズマイレブンGO』登場人物の紹介 【ウソ80%】

 サッカーを影で支配するフィフスセクターが牛耳る中学生サッカー大会、ホーリーロード。フィフスセクターの指示に従わず、サッカー界の革命を目指す雷門中学は苦しかった地区予選を突破し、見事に全国大会への進出を決めた。最初はバラバラだったチームも、今では全員が団結し、フィフスセクターと戦うことを決意している。


 チームの空気を替え、団結に導いた立役者の松風天馬(CV:寺崎裕香)は、今日も元気に登校する。その登校時、天馬は幼馴染の空野葵(CV:北原沙弥香)と出会う。全国大会に向けての強い意志を示す天馬。その気持ちに同意し、心から天馬を応援する葵。2人の心は晴れ渡る秋空のように澄み切っていた。

 学校の校門前で、2人は見慣れぬ少年と出会う。その少年はこちらのことを知っているのか、ニッコリと笑いかけ、校内に入って行く。彼の見せたその人懐っこい笑顔と、知らない少年という現実とのギャップに戸惑う2人。




  オープニング



 サッカー部の朝錬、監督の円堂守(CV:竹内順子)が全国大会に向けての訓示を述べる。「みんなで力を合わせれば、必ず勝てる!」と人ったらしの笑顔を浮かべながら言う円堂。力強く「ハイ!」と答え、まんまと円堂に乗せられる部員たち。


 その後は早速練習だ。全国大会に向けて気合いの入った練習を続けるメンバー。出戻り部員の青山俊介(CV:高垣彩陽)は天城大地(CV:奈良徹)に抑えられ、一乃七助(CV:折笠富美子)は後輩の西園信助(CV:戸松遥)にボールの奪い合いで競り負けるなど、ブランクのある2人はまだまだレギュラーとは実力差を感じさせる。久しぶりの真剣な練習にバテバテになりながらも、サッカー部に復帰できた喜びと、またサッカーが出来るという充実感から、一乃と青山の表情は明るい。


 練習はオフェンス陣のシュート練習に移る。速水鶴正(CV:吉野裕行)や天馬のシュートをガッチリ受け止めるゴールキーパー三国太一(CV:佐藤健輔)。練習時にはこの人は輝いている。天馬と連携した倉間典人(CV:高垣彩陽)は、三国に褒められてまんざらでもなかったのだが、天馬はもっと精度の高いプレーを求めて倉間にもっと速いパスを要求する。それは即(すなわ)ち、より高いポテンシャルを先輩である倉間に要求することになっている。

 そうと気付いた天馬は、慌てて無礼を詫びるが、3年生陣が遠慮は無用と、天馬を励ます。「ピッチの上では、先輩も後輩も無い」という三国に、倉間を始めとする2年生陣も賛意を表する。みんな、後輩の天馬の実力を評価してのことだ。先輩たちの配慮に嬉しくなる天馬。

 この雰囲気を心地よく思いながらも、3年生の車田剛一(CV:野島裕史)にはある心残りがあった。

 「南沢も戻ってくれば良かったのによぉ……」

 ポツリとそうつぶやく。かつて雷門サッカー部に所属し、2年あまり共に過ごした元仲間の離脱を残念がる車田。南沢篤志(CV:梶裕貴)は退部の後、転校してしまったことを天城が仄(ほの)めかす。南沢の転校を聞かされ、動揺する1、2年生たち。学年が違い、部員でも無くなった南沢の消息を彼らは知らなかったのだ。

 すっかり本物のサッカーを取り戻した雷門サッカー部に、南沢の不在が悔やまれると話す車田。やや落ち込んだ雰囲気に、南沢にも、「いつか自分たちの意思が伝わる時が来る」と努めて明るく語る、キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)。


 そこに始業を知らせるチャイムが鳴り響く。


 朝のホームルーム、天馬のクラスで転入生が紹介される。その転入生は、さっき天馬と葵に笑いかけた少年だった。これは学園モノ漫画では有名な【転入生と主人公は絶対教室で出会う前に一度は顔を合わせている】の法則だ。


 少年の名前は、狩屋マサキ(CV:泰勇気)。名前がカタカナなのは、今流行りのキテレツネームなのだろうか?(実際にいたらごめんなさい) 狩屋には天馬の斜め後ろの席があてがわれ、早速自己紹介する両者。KYな天馬くんは人見知りをしないから、こういう時に友達を作りやすい性格をしている。


 授業が終了した後、狩屋に話しかける天馬と葵、信助。サッカー部に入るつもりと言う狩屋の言葉を聞いて嬉しそうな天馬たち。そしてサッカー経験者の狩屋のポジションがディフェンダーと聞いて、同じポジションであることを喜ぶ信助。レギュラーを取られる可能性を考えないところが、信助の性格の良さを表している。昔の少女漫画だったら、ここから早くもつぶしにかかる展開なのに。



 人の良さが顔に表れる信助。こんな顔してコイツが隠れシードだったら、全アニメ史上、歴史に残る意外性だ。脚本家の信用とか、意外性以外の大事なものが失われるけど。


 仲間が増えたことを純粋に喜ぶ天馬たち。一瞬だけ狩屋の表情が曇ったことに気付いた者はいなかった。


 一方、フィフスセクター本部では、次期聖帝に現状のサッカーに不満を持つ響木正剛(CV:有本欽隆)が立候補するという情報が入っていた。自らの地位に挑戦する人物の登場にも、現聖帝のイシドシュウジ(CV:野島裕史)は眉一つ動かさずに聴き入る。余裕を感じさせるその尊大な態度からは、全国大会で雷門を倒すという絶対的な自信が窺えた。


 放課後、狩屋をサッカー部の部室に案内する天馬と信助。



 相変わらず剣城は孤立してる……。寂しそうな剣城。


 狩屋を部員たちに紹介する天馬。殊勝な雰囲気で頭を下げる狩屋だったが、一瞬また邪悪な表情がその顔に浮かぶ。だがその様を感じ取ったのは、監督の円堂だけであった(円堂のカットが入ったのでそう思ったのだが、単なる天然で実際のところ気付いてない可能性も高い)。



 入部希望者が現れたことで、入部テストを提案する浜野海士(CV:金野潤)。入部テストのことをすっかり忘れていた天馬と信助、狩屋にテストのことを伝えていなかったことを申し訳なく思う。円堂が狩屋に「サッカーは好きか?」と尋ねる。円堂の表情を読んで、すかさず「ハイ」と答える狩屋。何とそれで入部を認めてしまう円堂。

 呆気に取られる部員たちだが、サッカーを愛する円堂らしい入部テストの方針に賛同する一同。まんまとペースに乗せられている。


 そして放課後の練習が始まる。2人ずつの組み合わせで攻撃と防御を行うという練習で、早速狩屋が防御側で起用される。新入部員の力量を計ろうという円堂の意図だろう。この起用に懐疑的なスケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)に、その辺のことを説明するサッカー部顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)。

 神童&天馬組が攻め上がり、霧野蘭丸(CV:小林ゆう)&狩屋組がそれを阻止するという形で開始される。天馬のスピードについて行く狩屋。経験者という言葉にウソは無いようだ。だがそこで、またも狩屋の表情が邪悪に変わる。





 ジキルとハイドを彷彿とさせるこの表情の替わり様。


 かなり強引なショルダーチャージで天馬に当て身を食らわせ、ボールを奪う狩屋。果たして彼は、単に性悪な性格なだけなのか?ジャイアンタイプ) サッカーの時は見境のなくなる二重人格者なのか?(「こち亀」の本田タイプ) それとも、何かの意図を持って雷門に送りこまれた存在、つまり、シードなのか……? こん中ではシードが一番マシという気が、どんどんして来るが……。


 練習というのに、激しく地面に叩きつけられた天馬。それをじっと見ている円堂。今度はさすがに狩屋のおかしい点に気付いたか?


 さっきの悪魔のような表情がウソのような素直な表情で天馬を助け起こす狩屋。悪意にまったく気付かず、狩屋のプレーを称賛する天馬。さらにキャプテンの神童にまで褒められて、まんざらでも無さそうな狩屋だったが、ただ一人そのプレーの強引さに苦言を呈する蘭丸には不快な顔を浮かべ、敵意を滲(にじ)ませる。

 天馬くん命の水鳥や葵までもが狩屋のプレーに騙される中、カメラのファインダーで狩屋のアップの表情を見ているせいか、ただ一人その笑顔の裏側に潜む不気味さに気が付くマネージャーの山菜茜(CV:ゆりん)。

 「何か、怖い感じ……」


 そして次の組の練習を指定する円堂(やっぱり狩屋の二面性には気付いて無さそう)。円堂がフィールドに蹴り込んだボールを、何者かがインターセプトする。驚く一同。だが、その闖入者(ちんにゅうしゃ)は、円堂にとっては既知の男であった。



 その男は円堂の旧友、鬼道有人(CV:吉野裕行)であった。レジスタンスの指示で、雷門のコーチを務めることになったという鬼道。イタリアプロリーグ(……ということはセリエA?)の現役プレーヤーである鬼道がコーチとなれば、雷門にとってこの上ない戦力となるだろう。なるほど、響木からの別命とはこのことで、これで妹の春奈と共に円堂の参謀を務めるというオープニングで見られる展開になる訳ね。

 鬼道の指導で、特にミッドフィルダー陣に技を伝授するという展開になったら燃えるなぁ。鬼道はイナズマジャパンの司令塔だった訳で、雷門の司令塔の神童にもいろいろ伝えることがありそう。神童の場合、技はもうお腹一杯だから、飽くまで心得的な感じで。


 鬼道という心の底から信頼できる友の協力を得られることに、勇気100倍の思いの円堂。得意の言葉「また一緒に、サッカーやろうぜ!」と決めゼリフを言う。その言葉に、阿吽(あうん)の呼吸でうなずく鬼道。


 引き続き、雷門の初戦の対戦相手校名を告げる鬼道。その対戦相手校、月山国光中学は、昨年のベスト8という強豪校。そんなチームといきなり対戦するという組み合わせに、フィフスセクターの意図をまざまざと感じる一同。「だけど去年の成績も所詮はフィフスセクターの指示でしょ? ホントは弱いチームかも知れないじゃん」……とは言ってはいけないお約束。

 露骨な雷門つぶしの組み合わせだが、なおさらそんなフィフスセクターなどに負ける訳にはいかないと、却ってその意志を強くする一同。そんな中、ただ一人違う意思を持って不気味に笑う狩屋。彼の正体は、一体……?


 そんな狩屋に、革命を起こしてサッカー界を変えるという雷門の戦う意義、崇高な使命を教える天馬。だが狩屋はやはり違う意図を持っているとしか思えない表情を浮かべる。


 練習が終了し、兄、剣城優一(CV:前野智昭)を病院に見舞う剣城。夕暮れの中庭で、もうすっかりチームの一員として溶け込んだ弟の精神的成長に目を細める優一。あの〜お兄さん、京介くんは部室ではまだ孤立してますけどね

 本当の意味で兄の夢の体現者となった剣城は、ホーリーロードを勝ち進み、優勝することを兄に誓う。



 その同じ夕暮れの中、並んで歩く円堂と鬼道。おそらく帰宅の途だと思うのだが、ひょっとして円堂は自宅の夕食に鬼道を誘っているのかも知れないと、ドキドキしてその先の展開を見守ったのだが、残念ながら話は別の流れへ。円堂夏未(CV:小林沙苗)の手料理を食べた鬼道の反応が見たかったんだけどなぁ。天馬くんの次の犠牲者を探す円堂、何か面白そう。

 かつて中学生だった頃、キャプテンの円堂を支えた鬼道。その2人の協力体制を、今度は監督とコーチとして同じく成し遂げようと語り合う2人。お互いに対する絶対の信頼関係がそこには窺える。

 そんな2人の前に、見慣れた髪形の青年が通りがかる。忘れようにも忘れられない、その鉄腕アトムのような光沢の頭の持ち主は、かつてイナズマジャパンで共に世界と戦った仲間、木暮夕弥(CV:宮原永海)であった。久々の再開を喜びあう3人。名刺から、一流企業に勤めていることが判明する木暮。彼の中学は、実は進学校だったのかも知れない。大学もどこかいいトコに行ってるんだろうね、きっと。



 サラリーマン木暮(左)。特定の服装が似合わない人間の集合体と言われる本作だけど(言ってるのは当方だけど)、これ以上背広が似合わないキャラが未だかつて存在したであろうか? 声も可愛くて、成人男子とは思えない。ややもしたら、天馬より年下に見えるもんね。


 携帯に掛かって来た相手と何やら話した後、落胆する木暮。しかし円堂の存在に気付き、一転悪魔のような表情を浮かべ、何やら画策し出す。そして円堂の腕をつかみ、強引にどこかに連れて行こうとする。



 悪だくみするデーモン木暮。イタズラっぽいこの辺の表情は中学生の頃と変わっていない。まぁ、それを言うなら身長以外はどこを取っても中学生の頃と変わっていないんだけどさ。


 一方、天馬の自宅の木枯らし荘。天馬と管理人の木野秋(CV:折笠富美子)が愛犬サスケ(CV:佐藤健輔)に餌を与えているところに、ものすごいエキセントリックな集団がぞろぞろと玄関から出て来る。秋も天馬も顔見知りのところを見ると、その連中はこの木枯らし荘の住人らしい。実は彼らは木枯らし荘の住人で作るサッカーチーム【秋空チャレンジャーズ】のメンバーだったのだ。ちなみにチームの監督は、ユニフォームに強引に名前を入れている通り、秋だ。



 個性的な集団、【秋空チャレンジャーズ】のメンバーたち。


 明日は彼らの草サッカーの試合があるという。張り切るメンバーたち。サッカーが好きな集団である事が伝わってくる。

 そこに帰ってくる木暮。彼もこの木枯らし荘の住人だったのだ。連れられて来た円堂と鬼道を含め、秋のアパートで、奇(く)しくも懐かしのメンバーが再会することとなった。


 円堂を【秋空チャレンジャーズ】メンバーに紹介する木暮だったが、明日の対戦相手と言われ、円堂は驚く。木暮が悪い顔して画策していた企(たくら)みはこのことだったらしい。

 木暮の部屋で真意を聞く円堂たち。木暮が説明するには、さっきの電話は本当の対戦相手からのキャンセルの電話だったという。明日の試合を楽しみにしている【秋空】のメンバーに、試合が無くなったとは言えなくなった木暮は、円堂が率いる雷門を対戦相手にするつもりだったのだ。

 企んでる時の小暮は小悪魔みたいな顔をしてはいたが、事情を聞いてみれば同情の余地のある話であった。円堂は、熟考した末、その申し出を受けることに決めた。



 翌日、抜けるような秋晴れの中、河川敷のサッカー場で対戦する【秋空】と雷門。何故だか角間歩(CV:古島清孝)までやって来て、この試合を実況解説する。試合は前半を終わって0−0という互角の展開。


 倉間が必殺技「サイドワインダー」を放つ。ジジババ女性が中心のチーム相手に無茶するなぁ、と思ったのだけど、【秋空】には忘れちゃいけないこの男がいた。かつては日本代表のメンバーに名を連ねた、木暮が倉間の前に立ちはだかる。






 必殺技「旋風陣」で倉間のシュートをバッチリ止めて、「どんなもんだい!」と可愛い声で言い放つ木暮。どうやらまだ変声期を迎えていないらしい。

 そして怪しい日本語を話すメガネの外人、ジョニーにパスを通す。その前を塞ぎ、ボールを奪い取るのは、天馬。相手のボールを奪う技術も格段に向上している。


 試合前、雷門のメンバーに円堂はこう言った。「今日は革命も使命も関係ないサッカーを楽しんで来い」と。背負うものが無い試合に、選手たちは本当に楽しそうにのびのびとプレーしていた。この試合、始まりは木暮の顔を立てるためのものであったが、実は雷門の選手たちにとってもとても有効なものであった。円堂がこの試合を引き受けた理由は、そのようなものであったに違いない。

 円堂の言う「楽しむためのサッカー」を、イコール「自分の好きにやっても良い」と解釈して、また悪い顔になっていた狩屋に対し、強引なプレーを諌めて釘を刺す蘭丸。狩屋にとって、先輩風を吹かして注意する蘭丸の存在は、ただただ疎ましいものでしか無かった。


 試合では、【秋空】が攻勢に転じていた。10番を付けたフォワードの女性選手がお札を持って突進する。その怪しげな様と、呪いの言葉に気圧(けお)されて、一乃と青山は思わず道を譲ってしまう。




 必殺技には見えないのだけど、もしかしたら「のろい」系の技なのかも知れない。


 同じ様に信助と天城も脅されて通してしまう。天城は身体に似合わず、かなりの怖がりだ。そして完全フリーの中、お札をボールに貼り付けてシュートするお札女。



 お札を貼り付けた瞬間、ハンドだと思うのだが……。


 だがそれは三国がガッチリとキャッチする。シュートが明確な必殺技でない限り、三国さんに隙は無い。


 その後も一進一退を続ける両チーム。爺さんも神童からボールを奪ったりして侮れない。神童がダメ過ぎるのかも知れないけど。

 大人のチーム相手ということで、疲労の色が見える一乃と青山だが、それは心地よい疲労であった。楽しむ2人を見て、神童も嬉しそうに前を見据える。


 蘭丸が敵選手と競り合っている中、強引に割って入る狩屋。上手くボールを奪ってみせたが、自分の領域を越えるプレーに蘭丸がクレームを付ける。叱られた意趣返しであろう、狩屋は「雷門の弱点は霧野さんだって、相手の選手が言ってましたよ」と言い、蘭丸のプライドを損ねる。【秋空】のメンバーがそんな酷いこと言う訳が無いし、これはやはり狩屋の、ウソの上に成り立ったイヤミのたぐいである事は間違いない。



 しかし狩屋の鬱憤(うっぷん)は、そんなことぐらいでは解消されないほどに溜まっていた。敵選手を華麗にマルセイユ・ルーレットでかわして突進する蘭丸。フォローの必要も無いはずのその場面に、狩屋が横からぶつかり、さらに偶然を装って足を踏みつけるという行為に及ぶ。




 苦痛に顔を歪ませ、地面に倒れる蘭丸。この時自分に見せた表情から、狩屋が故意に自分を攻撃したことに気付く蘭丸。しかし他の選手には気付かれないというのがもどかしいところ。狩屋の異常性に、誰か気付けよ。

 天馬からパスの催促があったが、無視して一人でゴール前に持ち込む狩屋。完全に自分のしたいことに重心を置き、チームプレーをするつもりも見せない。狩屋の異常性に気付けよ、天馬。

 雷門のチーム事情など気付くべくもない木暮が、狩屋を止めるために身体を寄せる。狩屋は何とかシュートを放つが、【秋空】のキーパーに弾かれてしまう(センタリングにも見えたが、その後の狩屋の悔しがり方からして、シュートだったと思われる)。


 浜野が珍しくシュートを放つも、【秋空】のキーパーの守りは堅い。ノーマルシュートでは決められそうにない印象。そして一気に前線にボールが送られる。インチキ日本語を使うメガネ外人、ジョニーは必殺技「風神の舞」で青山を秋空高く吹き飛ばしてしまう。悲鳴を挙げて消えていく、何だか引き立て役の青山くん。



 そしてちびっこいオババ、よねさんにボールは渡る。指笛を鳴らすというポーズから、お伴の女性2人と一緒に彼女が放ったのは、驚愕の必殺技「皇帝ペンギン2号」であった!




 三国さんの能力では、果たして止められるのかどうか心配になるシュートだが、そこに決然と立ちはだかったのは、件(くだん)の問題児、狩屋であった。



 狩屋は持っていた必殺技「ハンターズネット」でそのシュートを見事に止めてのける。目立てたことで満足そうな表情の狩屋。そして残り時間があとわずかに迫る中、攻め上がる雷門。いつの間にかボールを持っていた天馬から、信助に友情のホットラインパスが通る。

 そして信助は必殺技「ぶっとびジャンプ」を放つ。必殺技「旋風陣」で迎え撃つ木暮。果たして勝つのはどっちだ!?





 勝ったのは信助の「ぶっとびジャンプ」だった。木暮の技を粉砕し、さらにそのボールはそのままゴールネットを揺らす。そして直後に試合終了のホイッスル。試合は雷門が1−0で鮮やかに勝利を決めた。


 試合後に【秋空】の老人たちがストレッチする中、久しぶりに顔を合わせたかつてのイナズマジャパンメンバーの、円堂、木暮、秋、春奈の4人。秋と円堂は、両チームの監督同士、また試合しようと笑い合う。木暮は春奈と握手しようとする。かつて木暮にイタズラされた時のカエルの姿が脳裏をよぎり、一瞬表情が凍る春奈だったが、イタズラはしないと言って、マジの表情で改めて握手を求める木暮。何だかちょっといいムードの中、2人は握手を交わす。



 これは、木暮×春奈のカップリング誕生フラグ?


 雷門選手たちも、今日の試合の楽しさの余韻(よいん)に浸っていた。信助の最後のシュートをカメラに収めていた茜が、その画像を見せてくれる。茜は神童以外は興味無かったようだけど、最近はサッカー部マネージャーとしての自覚が芽生えて来た感じがする。

 信助が写されていることを傍から見ていて、羨ましがる浜野と速水、それに倉間。浜野はシュートを外したので、画像を消されてしまったらしい。とっつき難そうだった倉間まで混じってのこの辺りのシーンは、今まで絡んでいなかった選手とマネージャーとの青春的な情景が描かれていて面白かった。このシーンは、とても好きだ。願わくば今後は、こんなシーンをもっと増やして欲しい。



 久しぶりの楽しいサッカーを通じ、これがどれだけ大事なものであるかを改めて自覚する神童たち雷門選手たち。そんな中、蘭丸は一人孤立して所在無げにその場を去っていく、狩屋の姿を認める。その後ろ姿に、何か思うところのある蘭丸。



 果たして、狩屋はシードなのか? それともただの駄々っ子なのか?



 次回に続く。



  エンディング



 去る者があれば、来る者がある。当方が今回の題名を付けるとしたら、「謎の転校生の巻」で決まり。来週も(南沢的な意味で)「続・謎の転校生の巻」で。

 狩屋は果たしてシードなのかなぁ? おいおい分かるとは思うんだけど、この性格はむしろシードで無かったら、ヤバいと思ってしまうんだけど。単なる協調性のない、わがままくんだったらお友達になりたくないわぁ。蘭丸をイジメたということで、初登場にして腐女子人気は地に落ちたと思うけど、ちびっ子たちもこういうタイプのキャラは嫌いだろうしねぇ。狩屋は今のところ、どの層をターゲットにしているのか分からないキャラではある。


 木暮を始めとする【秋空】のメンバーは、旧式の必殺技を使用していたのも芸が細かかった。必殺技と言えば、今回もシュートを決めたのが信助で、「旋風陣」を破った「ぶっとびジャンプ」と、止められた「サイドワインダー」の差がハッキリしてしまったよね。製作スタッフはそこまでハッキリ「倉間<<<信助」を描かなくてもいいのに、と思ってしまう。

 木暮くんが一流企業のサラリーマンというのも意外な未来だった。部屋に大量にあったカエルの貯金箱は何かの伏線だろうか? 結婚資金を溜めてるとか……。春奈とのロマンスもありそうだしね。鬼道は可愛い妹と、とっちゃん坊やとの交際を許すのだろうか? 名刺の一流企業の部分に喰いついていたのは鬼道だから、許可するかもね。


 次回はいよいよ全国大会開幕。最初の対戦相手の月山国光中学には、今回張った伏線が早速活かされているぞ! なんとあの男が敵として雷門の前に立ちはだかるという。楽しみ半分、彼の成長に不安半分といったところ(ネタバレしてゴメンなさい)。



 次回「集え!革命の旗に!!」に続く。



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