『イナズマイレブンGO』第19話「荒れ狂う海王の牙!」の感想 【新しいOP・ED!】

 今回は恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文、今回は第19話「荒れ狂う海王の牙!」を観ての感想を書く。ついに地区予選の決勝戦レジスタンスという心強い組織が支援に付いたことで意気上がる雷門イレブン。決勝の相手は、全員がシードという、まさにフィフスセクターが運営してるんじゃないかと思われる学校、海王学園が相手だ。苦戦は必至だが、負けられない戦いを自覚する雷門イレブンの奮戦に期待したい。


 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第18話「革命を起こせ!」の感想 【円堂の嫁は革命的な料理音痴】

 をご覧ください。


 それ以前の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 旧『イナズマイレブン』のアニメ感想、及びその他記事は、ココをクリック。


 で、それぞれ一覧表示されます。


 サッカー界を支配し、理不尽で横暴な指令を発し続けて来たフィフスセクターに対し、その支配を終わらせるために立ち上がったレジスタンス。そのメンバーと出会い、自らの手で起こす革命に自信を持つ雷門イレブン。冒頭で前回のそのシーンが回想されるが、この辺は大事なシーンなので2回放映しました、といったところだろうか。今回から観始めた新たな視聴者層には分かり易かったと思う。


 いつぞやも物語の舞台となった、浜野海士(CV:金野潤)行きつけの釣り堀で、浜野と速水鶴正(CV:吉野裕行)が釣りに興じながら今後のことについて語り合う。



 右上のおばちゃんが印象的。


 現在の閉塞したサッカー界に革命を起こすということ、そのためにはフィフスセクターと闘うということ、それらの話の大きさに、常日頃からネガティブ思考の速水は自信が持てない。前回のレジスタンスとの出会いで雷門イレブンは勇気を得たのだが、速水だけはそうでは無かったらしい。

 盛り上がっているメンバーには話しづらい、こういった深い話が出来るのだから、おそらく速水にとって浜野は親友という扱いなのだろう。だのに浜野は速水のそんな悩みを聴いていたとは思えない、明るい表情で革命に参加することのワクワク感を語り始める。


 浜「レジスタンスって、カッコ良くネ?」
 速「ええ〜〜っ!?(僕の話を聴いてたの!?)」



 このシーンに限らず、今回の浜野(右)はKYの上にいろいろとはっちゃけ過ぎで、やはり山の天気と同様にこの子の考えだけは読めない。他のキャラは結構分かり易い性格してるんだけどねぇ。


 あっけに取られる速水の気持ちを置き去りにして、一人盛り上がる浜野くん。居ても立っても居られないとばかりに、釣竿を置いてどこかに走り出してしまう。おそらく向かう先はサッカーグラウンドなんだろうけど、あまりにエキセントリックなその態度は躁状態の精神状態に見えないことも無い。


 一方、雷門中学と決勝で戦うことになる相手を決めるBブロック準決勝の試合は、データが不足している謎のチーム、海王学園が勝利を収めた。



 海王学園の選手たち。キャプテンの浪川蓮助(中央黄色のキャプテンマーク CV:峯暢也)を中心とした力強い雰囲気のチーム。その腰布が付いた特徴あるユニフォームは、海賊がイメージなのだろう。ジャック・スパロウみたいでカッコ良い。


 予想通りではあったが、あらゆるデータが謎のチームが決勝戦の相手と決まり、レジスタンス側も情報収集を急ぐ必要に迫られる。フィフスセクターが勝たせた相手だ。まず間違いなくフィフスセクターの息が掛かった学校であることは疑いがない。レジスタンスの一員、久遠道也(CV:東地宏樹)には策があるのだろうか?


 大海の荒波が押し寄せる海辺に建つ海王学園。曇天模様の空の下、海に浮かんだ中世を思わせる木製の船の帆先に佇(たたず)む浪川。左目に走る傷跡も雄々しく、荒れる海を見据えながら、雷門打倒を誓う。




  オープニング



 雷門イレブンは、練習を積み重ねて決勝戦に備えていた。人数が11人ギリギリということもあり、4対4での実戦的練習をこなす。キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)を始め、皆に闘志が満ち溢れている(実は一人だけ例外ありなのだが)。

 選手たちのやる気に、サッカー部顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)も革命が本当に実現出来ると希望を抱く。練習を同じ様な表情で見つめる監督の円堂守(CV:竹内順子)も同様の思いだろう。


 ボールは浜野から速水に送られる。俊足という設定のはずの速水なのだが、そのボールに追いつけない。その無気力プレーに、浜野が「それでもレジスタンスか?」「そんなんじゃ革命を起こせないぞ!」と苦言を呈する。友人故(ゆえ)の軽口的な苦言のつもりだったのだろうけど、その言葉が、実は速水の心に許容量を越える負担を負わせることにも気付かずに。


 雷門イレブンの力の入った練習を、複雑な表情で見つめる一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)。神童が2人に話した「サッカーが好きという気持ちにウソは吐(つ)きたくない」という言葉が彼らの頭からは離れがたく渦巻いていた。



 しばらくそうしていた後、2人は後ろ髪を引かれる想いでその場を立ち去る。その段階で神童は2人の存在に気付くが、やはり呼び止めることはしなかった。一乃と青山がこぼした水、覆水は本当に盆に帰ることは無いのだろうか?


 一方、他のメンバーとは別メニューで特訓を重ねる松風天馬(CV:寺崎裕香)と剣城京介(CV:大原崇)。天馬の必殺技の獲得のため、天馬の内に秘める能力を引き出すことに協力する剣城。

 剣城のキープするボールを奪うという形式で、そこから推察するに、天馬の獲得しようとする必殺技はディフェンス技という可能性が高い。

 「剣城なんかに何か負けるな!」と檄を飛ばして天馬を応援するスケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)。剣城は好意で天馬の特訓に付き合っているというのに……。


 水鳥のその声援に勇気を得たのか、天馬の身体を風が包み込み、これまで見たことのない姿になって剣城に挑む。




 その風は剣城をも巻き込み、新必殺技の誕生を期待させた。が、ボールを奪うことが出来ず、地面に激しく叩きつけられる天馬。発動させた技の制御がまだ全く出来ていない様だ。がっかりする水鳥とマネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)。

 失敗したものの天馬は、少しも衰えない闘志で再度の特訓を望む。



 場面はいかにもオタクの神棚と言えそうな雰囲気の、フィギュアや戦車の模型が並んだ棚のある暗がりの部屋に移る。



 そこは第6話以来久しぶりに登場の、目金欠流(CV:加藤奈々絵)の部屋だ。PCを駆使して、何かのデータをハッキングしようと試みる目金。該当アクセス先のセキュリティの硬さをむしろ喜んでいる風な表情で、プロハッカーになっちゃったんだね、という印象を抱かざるを得ない。

 そのアジトに迫る正体不明の不気味な影が……。表情を見せずにアジトに接近する緊迫した雰囲気に「すわ目金、危うし!」と思わせておいて、その人影は律義に玄関のチャイムを鳴らす

 最初の緊迫感は何だったんだと突っ込みたくなるぐらい飄々(ひょうひょう)とした顔つきで目金宅を訪れたのは、久遠であった。ハラハラさせるこういう無駄演出、やめて下さい。



 久遠が訪れたのは、久遠が2重スパイだったという驚愕の事実もなく、単に海王学園のデータ収集を目金に依頼していたからであった。

 挨拶もそこそこに、データを欲しがる久遠。目金が提示したデータを観て驚愕する。果たしてそこにはどのような情報があったのだろうか?


 サッカーグラウンドでは、その間も天馬の特訓が続いていた。だが剣城をたじろがせるところまでは行けても、最終的に成功に持って行くことが出来ない。焦る天馬と、冷静に天馬を分析する剣城の対比が印象的だ。剣城の見立てでは、このオーラは化身のモノではないという。

 そこで練習終了を告げる円堂。みんなクタクタになるまで頑張ったようで、ベンチでだらしなく腰を下ろす。そこに円堂の携帯に掛かって来た電話は、久遠からのものであった。

 久遠からの情報は、「海王の選手は全員がシード」という目が眩(くら)みそうな恐ろしい情報であった。一人のシードですら強力で苦戦するというのに、全員って……。速水ならずとも、目が眩む。

 思わずその情報を口走ってみんなに伝えてしまう円堂。チームの士気的には、そのことは内緒にしておいた方が良かったんじゃないかな?

 案の定、チーム全体に動揺が走る。全員が化身使いという悪夢の事態を想像する車田剛一(CV:野島裕史)。だがその最悪の想像は、かつてシードだった剣城から否定される。剣城が言うには、シードにも幾つかのタイプがあり、シード=化身使いということは無いのだそうだ。

 力づくでチームを支配、若(も)しくは叩き潰すという役割を演じるシードもいれば、狡猾にチームに取り入り、シードであることを明かさず、内部からチームを扇動してチーム全体の考え方を変えていくタイプのシードもいる。剣城は前者のタイプで、監督である鬼道有人(CV:吉野裕行)ですら正体が不明だった帝国学園の4人のシードが後者のタイプだろう。

 前者のタイプは、絶対の能力が必要だから化身が使えることが重要視されるが、後者の場合、化身は必ずしも使えることが条件では無い。数学用語で言えば、化身はシードにとって十分条件ではあるが、必要条件ではないということだ(「必要十分条件」って、今のカリキュラムで習うのは高校1年からでしたっけ?)。


 化身を使えなくとも、シードであることは変わりない。シードはフィフスセクターの政略として特別な訓練を経た、エリートたちであることは間違いなく、そのサッカー選手としての能力は侮れないものがある。たとえ全員が化身使いでは無いとしても、油断は禁物であると剣城は皆の気持ちを引き締める。


 11体の化身を相手にするという悪夢は無いとしても、シードという精鋭ぞろいのチームを相手にすることは、チームの雰囲気を重苦しいものにしていた。

 今回常軌を逸したKYぶりを発揮している浜野が、軽い口調でその雰囲気を破る。

 「面白いじゃん!」

 浜野が言うには、敵チームにシードが揃っていれば、やっつけるのに手間が掛からず一網打尽に出来て、革命の成就(じょうじゅ)が早まるのではないか、というものだ。

 軽口を叩くかのように笑って話す浜野を見て、他のメンバーも続々とその気になって来る。


【ここまで観て思い付いてしまった恐ろしい予測】

 この辺は微笑ましいシーンなんだけど、これはまさにさっき剣城が言っていた「扇動タイプ」のシードそのものの態度だったので、一瞬浜野が誰からも気付かない隠れシード(忍者用語で言うところの「草」)なのではないかと当方は不安に陥った。速水の悩みを聴かず、むしろ悩みを増幅させる態度が続くことのつじつまも合っちゃうんだよね……。それまでの彼の山の天気並みの不可解な行動と、今回の異常なまでの目立ち方もあって、本気で心配している。浜野好きの当方としては、この予想が外れであることを祈る。杞憂(きゆう)であってほしい。浜野がスパイだったとしたら、物語的には、ものすごく深みのある展開なんだけどさ。

 この予測はハズレ前提の個人的なモノですので、以降はこの考えは保留して感想を書き続けたいと思います。


 浜野の意見で一気にボルテージが上がるメンバー。練習時間は終了だったのだが、異口同音に練習の再開を口走る。ただ一人、速水を除いては。

 速水が動こうとしないのを見て、浜野が共に練習しようと声を掛ける。速水がとっさに吐いた、用事があるというウソを追及することも無く、浜野は後輩の西園信助(CV:戸松遥)をパートナーに誘う。申し訳なさそうにその後ろ姿を見送る速水。



 練習を断り、速水が向かった先は、浜野御用達の例の釣り堀であった。浜野と一緒では無いことを管理人のおばちゃんに問われる速水だが、浜野は「浜ちゃん」と呼ばれているらしい。「釣りバカ」か?

 これまでの速水は浜野の付き合いで釣りに来ていたはずなのだが、一人静かに沈思黙考するには向いている趣味だと気付いたのかも知れない。釣り糸を水面(みなも)に垂れ、大きくため息をつく速水。



 翌日の練習。相変わらずノリノリの浜野が、ギラギラと照りつける夏の太陽などものともせずにムードメーカーとしてみんなの気持ちを盛り上げる。




 簡単にのせられるちょろい連中が多い中、一人のらない速水くん。


 神童と霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が、親友という設定がウソのように激しくボールを奪い合う。練習に気合が入っている様子が強くうかがえる。ゴールキーパー三国太一(CV:佐藤健輔)も練習に熱が入るが、そんなことよりあなたは新しい必殺技を……。

 天馬も依然、完成しない新しい必殺技の完成に向けて頑張っていた(三国さんも見習おうよ)。そんな天馬を暖かく見守る、水鳥と葵。



 一方、決勝で戦うこととなる海王のキャプテンの浪川は、霧の立ちこめるサッカーグラウンドで一つの感慨に耽(ふけ)っていた。

 弱小チームの選手だった浪川は、自らの弱さに悩んでいたところをフィフスセクターに拾われ、恐るべき力をその身につけたという経緯(いきさつ)があったのだ。



 若き日の浪川(今も中学生だが)。この時点であの目の上の傷がないので、おそらく過酷なフィフスセクターの訓練の最中に付いた傷なのだろう。そういえば帝国の御門春馬(CV:早志勇紀)や逸見久仁彦(CV:古島清孝)にも生傷が多数付いていた。


 そんな彼にとってフィフスセクターは恩人であった。ところを変えれば、よって立つ正義も変わる。彼はフィフスセクターのために、その意思に逆らう雷門を必ず倒すことを胸に誓う。シードの名の誇りにかけて。


 練習を続ける雷門の選手たち。神童はふと、以前練習を観ていた一乃と青山に思いを馳せる。だが彼らはこの日、練習場に姿を現わすことは無かった。


 雷門のその日の練習は、日が暮れるまで続けられた。


 夕暮れの中を帰宅の途につく天馬は、前方を歩く速水に気付く。声を掛けて、革命を成功させ、大好きなサッカーを取り戻しましょうと明るく言う天馬。しかし天馬は速水の気持ちに思いを致すことが出来てはいなかった。この辺が彼のKYのよくない部分なのだけど。

 おとなしい速水が、声を荒げて天馬の意見に不同意であることを告げる。速水にとって自分の預かり知らないところでどんどん大きくなって行く話は、恐慌を来たすモノでしか無かった。その思いを天馬に向けて一気にぶちまける速水。

 速水の悩みを初めて聴き、今さらながらにその悩みの深刻さに気付いた天馬。速水が部を辞めてしまうのではないかと思い、その気持ちを確かめる。



 辞めることすら出来ない、その勇気すら持てない自分を自嘲しながら、速水は去って行く。悲しそうな表情でそれを見送る天馬。大事な大事な決勝戦を前にして、天馬の心をかき乱す不協和音が響く。



 翌日、試合会場に向かうバスの前でイレブンに檄を飛ばす円堂。その場に来てはいたが、心では完全にチームを離れてしまっている速水を心配そうに見つめる天馬。こんな問題、他の人間に相談することも出来ない訳で、天馬の胸の内だけに秘められているのだろう。それだけに、「俺がなんとかしないと……」と思いつめる天馬。


 円堂の檄で意気上がる雷門イレブンの前に、2人の雷門の制服を着た少年が現れた。それは、かつて彼らの仲間でありながら、フィフスセクターを恐れて去っていった一乃と青山であった。



 冷たい視線で迎えられる2人。一番サッカー部が苦しい時に、あたかも沈みゆく船を見捨てるかのように去っていった彼らには、当然の反応なのかも知れない。恥を忍んで彼らは、どうしても捨てきれないサッカーへの思いを述べ、サッカー部に復帰したいと語る。
 
 ついに自分の言葉で復帰を望んだ2人を、神童は暖かく迎え入れる。その言葉、そしてその行動を「待っていたぞ」という言葉と共に。

 一度は自分たちを裏切った2人に対して許せない思いを抱く車田や倉間典人(CV:高垣彩陽)は、当然その決定に抗議する。口にこそ出さないが、他の多くのメンバーも同じ気持ちだろう。

 しかし神童は語る。フィフスセクターから逃げたとかそういう基準では無く、サッカーを愛する者が気兼ねすることなくサッカーが出来る状況を作り出すこと、それこそが自分たちの目指している「革命」じゃないのか? と。フィフスセクターの管理サッカーに対する本当の意味での勝利とは、つまりはそういうことなのだと喝破する。

 それはまさに反論の余地のない正論であった。



 神童の正論に賛同する天馬。神童命のマネージャーの山菜茜(左 CV:ゆりん)は、神童の余りのカッコ良さにまたも心象風景「花」を咲き散らかせる。予告でこのシーンを観た時は、茜まで天馬の魅力にメロメロになってしまったのかとハラハラしたけど、誤解だった様で良かった。もしホントにそうなると、天馬は前作の円堂並みのモテキャラになっちゃうもんね。


 神童の言葉で、部員たちの考えも相当に軟化する。まだ何か言いたそうな車田を、浜野が諌める。部員の総意で復帰が決まり、全員に感謝する一乃と青山。そもそもの原因を作った剣城は何故かこの間、フレームアウトしたまま姿を見せず。きっと居心地が悪かったのだろう。

 11人ギリギリだった雷門にとって、2人の加入は願ってもない戦力増だった。円堂も2人の復帰を歓迎する。メンバー表は、当日会場に入ってからの提出が普通だから、彼らがすぐにチームに編入されるのはおかしなことでは無い。逆に考えれば、このタイミングが彼らにとっての復帰の最後のチャンスだったと言える。


 決勝の舞台は、これまでのように相手チームの学校ではなく、ホーリーロードスタジアムで行われる。



 いつものように、地の利的な意味合いでの不利は無いが、名称からしてフィフスセクターの管理下にある会場と考えて良いだろう。油断は出来ない。



 Aブロックを勝ち抜いた雷門のメンバー。



 Bブロックを制した、海王学園。全員がシードという恐るべき選手たち。長髪を結んだ後ろ髪とか、監督はまさに海賊の首領っぽい外貌。ワイルドだぜ。


 試合前に円陣を組んで、士気を高める雷門イレブン。一方の海王は、キャプテンの檄に選手たちが応えるという荒くれ者の海賊っぽい気合の入れ方で、大一番に臨む。




 試合前のメンバー表。雷門は、待望のリザーブの選手の姿が! 一乃と青山は、きっと2人の合体技を持っているはず。海王は6番の選手が丹下段平愚地独歩を連想させるアイパッチ。佐久間次郎(CV:田野めぐみ)とはずいぶん違った印象のアイパッチ野郎だ。校章の三つ又の鉾(トライデント)は海神ポセイドン(ローマ神話ではネプチューン)の武器。きっとそれにちなんだ技を使って来るに違いない。


 試合直前にも、相変わらず覇気のない速水を心配する天馬。試合に集中しないとと、気持ちを切り替える。


 そこで試合開始の笛が鳴り響く。海王のキックオフで決勝戦の幕が上がる。ドリブルで一気に攻め上がる喜峰岬(CV:西墻由香)。素早さで倉間をかわし、脅威のジャンプ力で天馬と神童すらついて行けない、恐るべき身体能力を発揮する。

 アイパッチの丹下段平(これが本名では無いです)を経由して、次々とパスを回す海王。個人技だけでなく、チームプレーもずば抜けた上手さだ。全員がシードで、同じ訓練を積んでいるうえに意思疎通もすでに完成されている訳で、そういう意味でも隙は全く見出せない。

 だが、かつては同じシードであった剣城だけはその動きについて行く。ドレッドヘアの選手、湾田七雄人と激しく競り合う。剣城にイジめられ、サッカー部を退部せざるを得なかった過去を持つ一乃と青山が、剣城を応援する。彼らの間でのわだかまりも、もう水に流したということが端的に描かれている。



 過去の恩讐を捨て、剣城を応援する青山。この2人、なにげにファーストユニフォーム姿は初披露だ。


 その声援に答えたか、湾田からボールを奪う剣城。だが全員がシードの海王は、一人かわしたからといって安心できない。赤毛の選手がスライディングタックルで剣城からボールを奪い、そのボールは喜峰の元へ。




 喜峰は海の男に相応しい必殺シュート、「フライングフィッシュ」を放つ。トビウオと共にゴールまで一直線に飛ぶボール。

 もはや誰も、何も期待していない三国さんが必殺技「バーニングキャッチ」で立ち向かうが、これまで欠かさず『イナズマイレブンGO』を観て来たよいこたちは、ハラハラなど一瞬もせず、鼻クソをほじったり、よそ見をしたり、トイレ休憩に立ち上がっていたりしていたことだろう。



 当然の如く決まってしまう先制点。試合開始早々、一度もプレーが途切れることも無いままのノーホイッスルゴールだ。あっさり決められてしまったことを悔しがる三国。バーニングで焼き魚になりそうな相性なのにねぇ。


 圧倒的な力を見せつけられ、雷門サイドは声も出せない。そしてそのことは、試合前からやる気を出せないでいた速水を、一層ネガティブな方向に追いやることになってしまう。


 海王のその凄まじいまでの威圧感は、人智を越えた大海の荒波の様に、一気に雷門を飲み込もうとしていた。




 次回に続く。



  エンディング



 今回はいろいろあったが、浜野に関しての不吉な予想はぜひ外れて欲しい。自分が日野さんの立場だったら話をそっちに持って行くところなんだけど、それはもう子供向けアニメを越えた鬱ストーリー展開になりそうなので。

 次回はついに天馬に化身が現れるらしい。映画の予告CMで、もう既知の情報ではあるんだけどね。新オープニングでも一瞬描かれているし。いつ出るのかを楽しみにしていたので、素直に嬉しい。腕を痛めた三国の代わりに、天馬がキーパーをするという超絶展開にも注目したい。元キーパーの円堂らしい采配と言えるかも知れない。あと、立ち直った速水や倉間など、これまで必殺技の無かった選手たちが必殺技を出している様なシーンも観られたので、その辺にも期待したい。


 今回で何よりも触れないといけないのが、オープニングとエンディングが替わったことだろう。剣城の扱いに違和感があると前回の感想で書いたけど、やっぱり製作サイドもちゃんと用意していたらしい。2クール前に主題歌ごとチェンジするとは思ってもみなかったけど。

 「♪ 僕がこの世界に起こすんだ 革命(かぜ)を〜」というフレーズが印象深い前オープニングだったけど、革命の第1段階はすでに起こした、ということなのだろう。新オープニングにはまだ慣れていないけど、色彩がものすごく鮮やかでカラフルで、ようやく「明るく楽しいイナズマイレブン」の世界観となることを示している。

 必殺技のオンパレードのオープニングは観ていて楽しい。鬼道と春奈の兄妹が参謀になって、円堂に指示を出しているシーンが個人的に好きだ。鬼道はそういう立場で雷門及び円堂をサポートすることになるのだろうか? エンディングの携帯を使う天馬、信助、剣城、葵も、日常パート的楽しさに満ちている。



 次回「羽ばたけ!天馬の化身!!」に続く。



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