野田内閣の問題点・その3 【党三役(幹事長・政調会長・国対委員長)編】

 本題前に、この連載の第1回目で論じた山岡賢次国家公安委員長・消費者・拉致担当相にかねてより指摘されて来たマルチ商法との密接なつながりが発覚した。


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下野新聞(山岡消費者相の地元紙)より引用

山岡消費者相に254万円 マルチ商法業者から献金 民主4区支部など
(9月9日)

 悪質商法などによる消費者被害が拡大しないよう事業者を監督する立場にある山岡賢次消費者相側が、マルチ商法業者や業界の政治団体から計254万円の献金や資金提供を受けていたことが8日、分かった。

 政治資金収支報告書によると、自身が代表を務める党支部民主党栃木県第4区総支部」は2005〜08年、東京都内のマルチ商法業者2社と、業者らでつくる政治団体ネットワークビジネス推進連盟」(旧「流通ビジネス推進政治連盟」)から計206万円の献金を受けた。

 同推進連盟から05年に50万円、業者2社からは05〜08年に計156万円(10〜60万円)が献金された。

 山岡消費者相の資金管理団体「賢友会」も、主催するセミナーの参加費などとして、同推進連盟から07年に48万円を受け取っていた。

 山岡消費者相は8日、記者会見で「献金を頂いていたのは事実。誤解を受けないように、もう(献金を)受けないようにしている」と釈明する一方で「合法的に運営されているビジネスだと認識している」とも述べた。

 ネットワークビジネスとも呼ばれるマルチ商法は、勧誘や返品をめぐるトラブルが多発している。山岡消費者相は以前から関連業者からの資金提供が明らかになっていた。

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20110908/606022


 マルチ商法が「合法的に運営されているビジネス」だと思うなら、堂々とその合法性を説明して堂々と献金を受ければ良い。自分で言っていることが支離滅裂だと自覚しているのだろうか? こんな人物が消費者担当相というのは、マルチ商法で泣かされている消費者に唾するも同然の人事だと言わざるを得ない。


 さらに山岡消費者相には過激派左翼、革マル派ともズブズブの関係にあるという。今週発売の週刊文春週刊新潮の両誌が、ともにこの問題を取り上げている。どちらか一誌だったらともかく、両誌ともに取り上げているのだから信憑性は高い。マルチ商法とのつながりが指摘され、冒頭の記事で釈明しているのも、実は両誌の記事についての釈明なのだ。


J-CASTニュースより一部引用

山岡賢次国家公安委員長」というブラックジョーク

野田内閣が動き出したが、週刊誌による各大臣の「身体検査」はそうとう厳しい。なかでも親小沢一郎山岡賢次国家公安委員長に対するバッシングがすごい。新潮は「史上最低の『山岡国家公安委員長』の革マルと裏金要求」、文春は「山岡国家公安委員長の『黒い履歴書』選挙買収疑惑 マルチ商法 革マル」。なかでも革マルとの関係追及が鋭い。

極左暴力集団(懐かしいいい方だ)の革マルと縁が深いとされるJR総連JR東労組と山岡国家公安委員長が極めて親密な関係にあるという。彼が代表を務める民主党栃木県第4区総支部の収支報告書には、一昨年、それぞれから30万円、計60万円の寄付がなされていると新潮は書く。2005年には警視庁公安部が総連や東労組への家宅捜索を実施したところ、当時野党第一党だった民主党議員がヒアリングと称して警視庁警備局公安課極左対策室長らを呼び、山岡は捜査の中身はいえないのか、あまりにも自己中心的な捜査だなどと総連東労組寄りの発言を繰り返したという。

新潮は「こんな人物が、革マルを監視すべき警察行政の要である国家公安委員長に据えられるとは、世も末のブラックジョークと嗤うしかあるまい」と嘆いている。

http://www.j-cast.com/tv/2011/09/08106729.html?p=4


 こんな人物が消費者の利益を守るべき立場の消費者担当大臣で、さらに過激派を取り締まるべき立場の国家公安委員長だという。野田内閣の異常性も山岡賢次という存在に極まっている。

 野党はこの問題で野田内閣を徹底的に叩くだろうし、ぜひそうしてもらいたいと思う。マルチ商法推進者で、かつ革マル派の代弁者が警察組織の中枢にいるという状況はハッキリ言って不快という段階を通り越して、恐怖である。国家を極左に乗っ取られるというのは、まさにこういうことなのだと実感させられる。



 では今日の本題。今回は民主党党首としての野田首相の人事について。ここでいう党三役とは、幹事長・政調会長国対委員長のことで、これは民主党という組織での人事であり、あくまで民主党の内部問題であって内閣とは分けて考慮するべき問題なのだが、こちらも余りに酷いので取り上げたい。その人事にかかる意図、つまり選出理由は、結局は閣僚選出と同じ思想によって貫かれているので、言及しても支障は無い。着手点を広げる事で問題点がぼやけてしまうことにはならないという訳だ。


 与党の三役の権力は強大なモノがある。党内のカネを握り、さらに選挙区調整に権限を持つ幹事長ポストは中でも絶大な権力が集まる。小沢一郎自民党在籍時代、幹事長として隠然たる影響力を行使し、首相すら操っていると言われたのもその為だ。

 今回も小沢はそのポスト獲得に執念を燃やし、側近の輿石東氏をそのポストに就けることに成功した。この問題で小沢に譲歩した野田首相の人事は大失敗だと言える。党内派閥への配慮という国民不在の人事を行使した結果、このような猛毒を食らったのだから。



 輿石東・幹事長。参院山梨選挙区選出。


 日教組のドンと言われた輿石氏を幹事長に起用したことによる弊害は文部科学省にまで及んでいることは前回の記事で触れた。日本の教育行政は、文部科学政務官首相補佐官の両ポストに日教組出身の議員が就任するという異常事態下にある。

 輿石氏は2004年の自身の選挙時に地元山梨県の県教組(日教組都道府県単位の下部組織)の組合員からカンパを募り(実質強制)、さらに票の割り当てを求めていたことが発覚している。


産経新聞より一部抜粋

山教組問題引きずる輿石新幹事長 政治とカネ「心配」
2011.8.30 21:41

 野田佳彦新首相が30日、民主党の新幹事長に内定させた小沢一郎元代表の側近、輿石東参院議員会長(75)。支持母体である山梨県職員組合の違法な資金集めが問題になったほか、民主党使途不明金でも名前が挙がる。幹事長は金の流れを一手に握る。識者は「問題があるのではないか」と指摘する。

 山教組出身の輿石氏は、自らの選挙に教職員をフル稼働させてきた。

 昨年の参院選でも甲府市内の小学校教員が学校の封筒を使って、支持を呼びかけたことが発覚。違法な資金集めが半強制的に行われたこともあった。山教組幹部は政治資金規正法違反で罰金刑を受けている。

 自ら「教育の政治的中立はありえない」と公言する輿石氏。教育評論家の小林正氏は「山教組が教員を選挙にかり出した問題などはうやむやにされている。日教組の利益代表者が与党幹事長として国政を牛耳る立場に立つのは大いに心配だ」と話す。

 遠藤浩一拓殖大学大学院教授も輿石氏の幹事長起用について「大失敗に終わるだろう。野田首相に期待されているのは国家の再建であって、党という器を守ることではないはずだ」。八木秀次・高崎経済大教授は「民主党は与党と政府の一体化を提唱してきた。その最高実力者の立場に明確なイデオロギーを持つ人物を据えるのは恐ろしい」と危惧する。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110830/stt11083021450026-n1.htm


 自らの当選、権力維持のためなら法律違反をも辞さない。参議院のドンとも言われ、権力には並々ならぬ執着心を見せる。管直人前首相同様、左翼の権力への執着は凄まじい。民主党という組織はつくづくプチ・スターリンの集まりだ。

 こんな人間が教育者だったというのも笑えないジョークだ。反面教師そのものである。年齢から考えて今期で引退だろうが、昨年の選挙で僅か3000票余りの差で当選してしまったのが悔やまれる。



 政調会長前原誠司氏は在日韓国人からの献金問題で外務大臣引責辞任した人物。そのくせ民主党代表選挙に立候補して首相になろうとした人物だ。



 前原誠司政調会長衆院京都1区選出。キャッチフレーズは「政界の郷ひろみ」らしい。


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 外相を辞めておいて、半年も経たぬうちにそれより権限のある首相になろうとするなんて、ご自分の中でどのような整合性が取れていたのか小一時間問い詰めたいが、結局首相に選ばれた野田首相の方も、在日韓国人から献金を受けていたことが発覚し、同じ穴のムジナぶりを発揮した。党内がこんな体質では、そりゃ前原氏も自分の立候補に何のためらいも感じなかったのだろうと納得。

 このヒトの場合、中国に対しては割と率直にモノ申す政治家だが、韓国に関しては竹島の問題について一定の配慮をする。これは在日韓国人から献金を受けて来たことと無関係とは思えない。外国人からの献金を禁止する理由の生き証人とも言える。在日から献金を受けていなければ、もっとまともなことが言える政治家になれたのに。



 最後は失言ばかりが目立つ、冴えない風貌の平野博文国対委員長。良きにつけ悪しきにつけ、上記2人よりも目立たず知名度も無い。



 平野博文国対委員長。鳩ポッポの側近で、鳩山政権時は官房長官。身長179cmと、目立たない割に背が高い。背が高い割に目立たない、と評するべきか。


 例によってこのヒトも外国人参政権大賛成の人物。鳩山政権時、地方から外国人参政権に対して反対表明や反対決議採択がなされたことがあったのだが、それに対し「自治体のみなさんの決議・意見は承知していないが、そのことと、この問題とは根本的に違う問題だ」と述べたのが当時官房長官だった平野氏だ。

 外国人参政権は地方選挙について導入が検討されたはず。それに、他ならぬ地方自治体が反対を表明しているのに「有無を言わせない」と主張したのがこのヒトなのである。さすが「日本は日本人だけのものではない」と言い放った鳩山由紀夫の側近だけのことはある。


 今回の国対委員長就任時の迷言も忘れられない。「(野田)代表がドジョウであるならば、私はドジョウが住みよい泥になろう。泥にまみれて頑張りたい」と言って民主党両院議員総会を沸かせたそうだ。ウマいこと言ってるつもりなのがムカつく。こんな程度でウケる沸点の低さが羨ましい。

 ドジョウを気取る野田首相に迎合したのだろうけど、民主党というコップの中は泥水だらけだという良い暗喩になっている。しかもこの度の人事は、そんな泥水の中の数少ない上澄み部分には目もくれず、まさに汚泥と言える底の、それこそ底辺と言える部分ばかりを汲み取って起用している。派閥均衡によって党内融和を図るドジョウの野田首相には住みよい環境なのかも知れないが、その濁った泥水を飲まされる国民の側からすれば、これは黙ってはいられないというのが当然の反応なのではないだろうか?



 今回でこのシリーズ、とりあえず完結させようと思っていたのだけど、党三役が思いのほか濃すぎて(主に幹事長)、書こうと思っていた内閣の売国的思想背景の件や、野田首相自身の問題に言及することが出来なかった。機会を改めて、(その4)としてまたやります。続けて書いた方が分かり易いのは確かだけど、今日の山岡公安委員長のように、党・内閣問わず今後もボロボロ問題が出て来ると思われるので、今総括する必然性も薄い気がする。

 ブログ主的にはいろいろとネタ提供してくれそうでありがたいのだけど、日本の有権者の一人としては、問題山積の政権なんて、こんなに鬱な存在も無いのだけれどね。政治なんて、語らずに済むならば語らないでいたいものだ(中国のように「語れない」状態になるのは最悪だが)。



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