『イナズマイレブンGO』第18話「革命を起こせ!」の感想 【円堂の嫁は革命的な料理音痴】

 『ドラクエ10』の情報がネット上では飛びかっているようです。近日中にここでも触れたいとは思いますが、今日は当初の予定通り、拙ブログ恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文、今回は第18話「革命を起こせ!」を観ての感想を書きます(何故なら、もう書き始めていたから)。

 事情があったとはいえ変則的な更新が続き、多少なりともストレスを感じていたので、アニメ放映のペースに何とか追いつけたのは幸い。帝国学園とそれを率いる鬼道有人(CV:吉野裕行)がフィフスセクターの先兵として雷門中学の前に現れた理由が語られる。また、日常パートではついに円堂守(CV:竹内順子)の私生活の一端が明らかになる。サッカーの試合こそ描かれていないが、ストーリー上かなり大きな転換点が描かれた、重要な回だった(「重要」には円堂の嫁を含む)。


 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
【編集大苦戦!】 『イナズマイレブンGO』第17話「炸裂!アルティメットサンダー!!」の感想 【必殺技大杉!】
 をご覧ください。


 それ以前の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 旧『イナズマイレブン』のアニメ感想、及びその他記事は、ココをクリック。


 で、それぞれ一覧表示されます。


 帝国学園との試合に勝利した雷門中学。奇跡的な逆転劇を演出したのは、フィフスセクターの手先として雷門に送り込まれたはずの剣城京介(CV:大原崇)のフィフスセクターに対する裏切り行為だった。試合は終わったが、これである意味、剣城のこれまで行って来た自己犠牲的な献身も終わりを告げた。

 すべてを捧げて献身したものの、その考えは自分たち兄弟の大事にして来たサッカーというものに対する裏切りだとそれを拒絶した兄の優一(CV:前野智昭)は、帝国との試合に出場し、悪しき鎖を断ち切った弟の意志を嬉しそうな表情で肯定する。まだこれで良かったのかと混迷に満ちた表情でその祝福を受ける剣城だが、松風天馬(CV:寺崎裕香)の名を出し、おどけた口調で「(天馬に)ポジションを取られるぞ♪」と兄に言われ、相好(そうごう)を崩す。



 弟の苦悩を察して軽口を言い、気を利かせてくれた兄の優しさ、そして自分をチームに受け入れてくれた天馬に対し、思いを馳せる剣城。頑(かたく)なだった彼も兄との和解で、雷門の一員としてやって行く事が出来るようになれそうだ。


 夕暮れの河原を、愛犬のサスケ(CV:佐藤健輔)を連れて散歩する件(くだん)の天馬は、サッカーグラウンドを見つめ佇(たたず)む剣城と出会う。「今日はありがとう」と勝利の立役者に礼を言う天馬。その言葉に何も言わずに立ち去る剣城だったが、その目にこれまでの様な憎悪の感情が無い事を察した天馬は、にっこりと微笑みながら剣城を見送る。

 当方もこの時の剣城は褒められる事に照れて逃げて行ったという気がする。こういう剣城は可愛い。



    オープニング


 翌日、雷門中学の一行は、何故か昨日死闘を演じた帝国学園に召集されていた。臆病な速水鶴正(CV:吉野裕行)は、帝国の荘厳な雰囲気漂う校内の印象も相まって、不安タラタラで弱気な発言を繰り返す。他のメンバーも緊張の面持ちだが、監督の円堂が、これは帝国学園の総帥・鬼道からの招待だと打ち明ける。

 鬼道が言うには、雷門中の面々に合わせたい人物がここにいるという。



 円堂のその言葉の直後に自動ドアが開いて出て来たのがこの2人、参謀のアイパッチ、佐久間次郎(左 CV:田野めぐみ)とゴールキーパー雅野麗一(右 CV:美名)だった。流れ的に、この2人が「合わせたい人物」に見えるのだが、彼らは単なる案内人だった(佐久間ファン的には、ややがっかり。出番があるのは嬉しいんだけど)。

 佐久間は案内するにあたり、ここから先はアイズオンリー、撮影禁止を言明する。いつもカメラを持ち歩くマネージャーの山菜茜(CV:ゆりん)に対しての発言だったのだけど、当初自分に向けて言っている事に気付かない茜が笑える。彼女の被写体は基本的に神童拓人(CV:斎賀みつき)だけなんだけど、佐久間はそんな裏事情(?)は知らないから仕方がない。


 知己(ちき)に出会い、和むかと思いきや、暗い通路の雰囲気にいっそう緊張感が高まる一行。



 怖がりの速水(右から2人目)はガタイの良い先輩の車田剛一(同3番目 CV:野島裕史)を盾にして後ろで震えるのが面白い。その車田も怖い雰囲気は苦手らしく、顔が引きつっている。そんな様子を素(す)の表情で見ている浜野海士(一番右 CV:金野潤)。我関せずの倉間典人(一番左 CV:高垣彩陽)。部員たちの性格が良く分かる場面。


 何か人体実験的な事をされると想像し、恐れる速水と、怖がりながらもそれを否定する車田。そんな騒動を無視して、円堂は前日の試合終了後、鬼道と話した密談について皆に説明する。


 前回のヒキであんなに邪悪な笑顔を浮かべていたと言うのに、それをチャラにする様な爽やかな表情で円堂に詫びを入れる鬼道。だがそれはフィフスセクターの手先となった事を謝った訳では無く、その真意を円堂に黙っていた事を詫びたのであった。

 鬼道はフィフスセクターの手先となった訳では無かった。自分たちはフィフスセクターの中に入り込んで、内からその崩壊を目指す反乱軍、レジスタンスとして活動していると言う事を明かす。

 帝国との試合前、親友である円堂や実の妹である音無春奈(CV:佐々木日菜子)にまでその事を秘密にしていたのは、帝国サッカー部内に入り込んでいるフィフスセクターの忠実な僕(しもべ)であるシードを炙(あぶ)り出す必要があった事。また円堂に明かす事によって生じる緩みが、シードの警戒を引き起こしかねない事。シードの息が掛かっていない帝国の選手たちに、永遠のライバル、雷門との真剣勝負を楽しませる事などを理由に挙げた。

 試合展開で雷門に押された場合、勝利を至上命題にするシードは馬脚を現すと鬼道は読んだ。果たしてその通り、帝国のキャプテンであり、同時にシードだった御門春馬(CV:早志勇紀)は他の3人のシードと共に守りに入る行動を取った。あの瞬間、鬼道はシードの正体を見破ったのだ。

 そしてその炙り出しに最適な相手が、フィフスセクターに反旗を翻す雷門だったという訳だ。

 見抜いたシードたちは、遠からず帝国を去る事となると明言する鬼道。退学……なんでしょうねぇ、きっと。おそらくこれまでに出て来たシードたちで一つのチームを組んで、雷門の前に再び現れるという展開になりそうな予感がする。



 参照で、これがこの話をする直前の鬼道の顔。お話は一々ごもっともなんだけど、こんな顔してこんな正論を吐くなんて、ハッキリ言ってズルい。ある意味、まだ信用ならない。



 ……という驚愕の話を、一同は驚きを持って迎える。帝国の、そしてその総帥の鬼道の真意を知って沈黙する一同に、感謝していると明かすキーパーの雅野。雷門との真剣勝負を経て、彼もサッカーの持つ面白さを目を輝かせながら語る。以前彼が話した通り、雅野は真の意味で鬼道の思惑の忠実な遂行者だった事がよく分かる。



 完全に黒目だが、目を輝かせているはずの雅野。神童を挑発した時は敵だと思っていたけど、敵と思わせて実は……というところまで、鬼道と同様にしないでもいいのにね。


 一行はエレベーターに乗って、更なる深部へと向かう。その操作やエレベーターの下部から照らすライトを見て、「秘密基地だ!」とはしゃぐ西園信助(CV:戸松遥)。極めて男の子的反応だが、見た目通りの幼さを発揮する。触発されたのか、一緒になってドキドキする天馬。2人のガキっぽさに呆れながらも可愛い弟を見るお姉さん的な好感触を抱く幼馴染、空野葵(CV:北原沙弥香)とスケバンの瀬戸水鳥(CV:美名)。この辺は、やっぱ青春だ。




 ちなみにこのエレベーター、何人乗り? 巨大すぎない?


 今から会う人物を中心に、現状のサッカー界に革命を起こすと告げる佐久間。革命という語感から来る壮大さに驚く一同。だが佐久間は、キミたちはすでに革命に向かって闘いを始めていると笑って答える。そう、むしろ雷門の選手たちは、革命の最先端を走っているのだ。

 そんな事に思いを致す間もなく、エレベーターは目的階に到着した。そこに待っていたのは、懐かしくも意外な人物であった。



 鬼道と共にそこで待っていたのは、たかが練習試合という軽い試合でフィフスセクターの指示に逆らい、雷門サッカー部を更迭された久遠道也(CV:東地宏樹)だった。

 実際栄都学園戦でフィフスセクターの意向に逆らったのは神童と天馬だった訳だし、その後の公式戦で何度もフィフスセクターの指示に逆らっている円堂は未だにクビになっていないというのに、ずいぶん貧乏くじを引かされたと思っていた久遠だが、実はレジスタンスの一員として裏で活躍していたらしい。以前共闘していた目金欠流(CV:加藤奈々絵)もレジスタンスの一員と見て間違いないだろう。


 懐かしい指導者と再会し、笑顔が浮かぶ雷門メンバー(さんざん久遠に悪態を吐いていた剣城だけは居心地悪そうだけど)。天馬と信助は、新規メンバーとして雷門内に革命を起こしたとして、久遠からお褒めの言葉を受ける。浜野と車田が、冗談混じりに2人の頭をグリグリと、ほんのちょっとの嫉妬とたっぷりの愛情を込めて可愛がる。

 2人のおかげで本当のサッカーを取り戻すための、大事な事を思い出させられたと感謝を込めて語る三国太一(CV:佐藤健輔)。


 そして皆をレジスタンスの本部に案内する鬼道。レジスタンスの中心人物は久遠と思う三国だが、久遠は明確に否定する。レジスタンスの本部のドアが開く。中では、3人の初老の男性が円卓の一角に座って一同を待ちうけていた。


 そこにいたのは、かつて雷門の監督を務めた響木正剛(CV:有本欽隆)、雷門中学の元理事長の雷門総一郎(CV:坂口候一)、雷門中学元校長の火来伸蔵(CV:稲田徹)の3名。いずれも雷門中学に縁(ゆかり)のある人たちだった。

 10年前から3人を良く知る円堂と春奈は、思わず駆け寄る。



 奥の左から、火来元校長。響木。雷門元理事長。


 サッカーをする者にとっては、伝説の選手だった円堂の、そのまた監督だったというはるか雲上の、伝説中の伝説的存在だった響木を目の当たりにして雷門部員たちに緊張が走る。

 レジスタンスの存在を、何故もっと早く教えてくれなかったのかを問う円堂。詫びつつも、帝国からフィフスセクターの監視の目が無くなる前に、迂闊(うかつ)な行動が取れなかった旨を説明する響木。

 円堂はさらに、「革命」という名の反乱の、具体的な行動について尋ねる。それには鬼道が答えた。

 フィフスセクターの総帥の座、聖帝を現聖帝のイシドシュウジ(CV:野島裕史)から奪い取り、響木を新たな聖帝として戴くという計画を話す鬼道。ホーリーロード決勝大会とは、同時に聖帝選出の選挙である事を説明する雷門元理事長(このヒト、名字が「雷門」だからちょっとややこしい)。

 その計画のためには、雷門中学が地区大会を勝ち上がり、さらにイシドの息が掛かったチームを打ち倒し、全国大会で優勝を果たさなければならない。負ける事が許されない、厳しい戦いとなるが、率いるキャプテンの神童を始め、雷門メンバーに迷いは無い。

 むしろ強力な後方支援の組織の存在を知り、気合が入る車田。「すごい事になって来た」と笑みを浮かべつつ武者震いする霧野蘭丸(CV:小林ゆう)。サッカー界の歴史が変わる瞬間に居合わせた事を喜び、誇らしげな水鳥と茜。

 雷門メンバーの気合は、十分に充填(じゅうてん)された。


 そんな中、周りの熱気や計画の壮大さ、大人の事情的なモノが理解できず、実感が持てない天馬くん。しかし勝ち続ける事が、天馬が切望する「大好きな本当のサッカーを取り戻す事」とイコールである事だけは分かっている。天馬には、それだけで十分であった。
 


 レジスタンスの存在を知り、さらには今後は勝利が至上命題となった雷門中学。練習にも一層の力が入る。選手たちのその変貌は、マネージャーの葵や水鳥たちにも伝わっていた。

 彼らの気合を「心に強く決めた事があるヤツってのは、いい顔になって来るもんだ!」と評する水鳥。「カゼを起こしてる」とつぶやく茜に、読んで字の如くの「風」を当てはめ、ピンと来ない葵。茜の言うのは、もちろん「革命」と書いて「カゼ」と読むのだろう。それに気付いて、その風を最初に持ち込んでくれた天馬を見やる春奈。


 熱のこもった練習を続ける神童。フィールド外からの視線を感じる。見ると、帝国の試合も観に来ていたかつての部員、一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)が熱心な表情でこちらを見つめていた。神童の視線に気づき、気まずさからか慌ててその場を去る2人。


 帝国のレジスタンスも決勝戦に向けて情報収集に余念が無い。雷門と戦う事になる、Bブロックの相手を海王学園と予想する久遠。Bブロックはフィフスセクターの勝敗指示に逆らうような波乱も無く進行している状況で、海王学園のその真の実力も未だ明かされる事が無かった。

 引き続き情報収集に当たるよう指示を出し、さらに鬼道には新たな任務についてもらう事を示唆する響木。鬼道の新任務、それが何なのかは、まだ分からない。


 学校での練習が終わってからも、いつものように河原の公園でひとり練習を続ける天馬。そこに買い物袋を持った円堂が通りかかる。以前の三国とのエピソードを彷彿とさせる展開。



 頑張っている天馬に声を掛ける円堂。もう負けられないというプレッシャーが、天馬を練習に駆り立てている。そんな天馬を見て、力の入り過ぎを見てとった円堂は、天馬の気持ちをほぐそうと努める。

 天馬と同様、自分も普段の練習後に自主的に特訓していたと明かし、懐かしいと語る円堂。尊敬する円堂も自分と同じだったんだと聞き、嬉しくなって来る天馬。思わず円堂を小一時間問い詰める勢いで、自分の考えを訴え始める。



 新しい必殺技を会得したい! そしてすでに持っている必殺技を他のプレーにも応用したい! 切々と思いを吐露する天馬に押されまくりながらも、その向上心に感じ入った円堂は、共に特訓して、一緒に新しい技を作ろうと語る。


 同時刻、他の部員たちから遅れて一人帰宅しようとする神童。何か用事があったのだろうか。しかしそのおかげで、神童は意外な場面を目撃する。



 楽しそうにサッカーに興じる、一乃と青山の姿がそこにはあった。じっと見つめる神童に気付き、またもばつの悪そうな2人。



 サッカーに対する思いをとつとつと語る2人。帝国との試合の感想を語るなど、未練タラタラの両者の話を、神童は黙って聞いている。「帰って来い」の一言が言えない神童。2人もきっとその言葉を待っている様に見えるのに。

 ここが神童の欠点だと思った。辞めて行った相手の気持ちを慮(おもんぱか)るあまり、相手の真意に気付いていても本音を言わないというような……。もしこれが円堂だったら、「サッカーやろうぜ!!」の一言で全て水に流し、一乃と青山が謝って終わり、の展開になりそうなのに。

 ひょっとして、神童は部が一番苦しい時に辞めて行った2人を許せない気持ちがあるのかも知れない。だがそうだとしても、やはり円堂と比較すれば、それは彼の至らないところ、欠点だろう。


 一乃と青山が部を辞めるきっかけを作った剣城を雷門イレブンの一員と呼び、サッカーが好きという気持ちにウソは吐きたくないと言う神童。一度はその気持ちにウソを吐いてしまった一乃と青山は、果たしてサッカー部に復帰できるのだろうか? それともできないのだろうか?


 日没まで特訓を続けた天馬と円堂。技の獲得には至らなかったものの、天馬の頑張りは凄まじいものがあった。今日の特訓を終え、深々と礼をする天馬に、「ウチ、寄ってくか?」とファン垂涎(すいぜん)の言葉を投げかける円堂。夕食に誘う円堂に、喜んで同意する天馬。



 サッカーボールのストラップが付いた彼らしい携帯で誰かに連絡を取る円堂。電話の相手を問われた円堂は、嬉しそうに「俺の奥さん♡」と言って笑顔を見せる。所帯じみていない若き監督が妻帯者だった事を聞き、ものすごく驚く天馬くん。当方も、もし何の前知識も無かったら、このシーンで驚いただろうなぁ。



 円堂の自宅は、稀(まれ)に見る豪邸だった。雷門中学の監督に就任する前は何をやっていたかも分からない25歳が住めるような家では無い。嫁が資産家で、円堂の方が玉の輿に乗ったという事が暗示されている。

 「おかえり、円堂くん」

 帰宅した円堂を信じられない言葉が迎える。嫁に名字で呼ばれる円堂さん。

 緊張して挨拶する天馬を、優しい笑顔で迎え入れた女性は、これまたイナズマ世界でも稀に見る美人だった。



 円堂夏未(CV:小林沙苗)、『イナズマイレブンGO』初登場の図。


 円堂夏未と名乗ったその美しい女性は、腕によりを掛けてごちそうを用意して、腹ペコであろう少年たち(円堂含む)を待っていた。あまりの豪華さに、驚きの声を上げる天馬くん。円堂も妻の予想以上の頑張りに、軽く引いてしまう(円堂のヒキ顔は、実は伏線)。

 ありがたく頂く事を、元気に宣言する天馬。だが海老フライを一口食べた途端、その表情が歪む。



 日常パート以外ではちょっと見られない、この顔。


 見た目の豪華さとは裏腹に、夏未の料理の腕前は最低だった。お嬢は中学生の頃から料理の才能は無かったけど、その辺は全く進歩していなかったようだ。

 期待を込めた乙女の様な声で、「美味しい?」と聞く夏未。KYな天馬くんの事だから、今にも「ゲロまずっ!!」と正直に話してしまいそうだ。それを察したのか、夏未に見えないテーブル下で天馬の脚を蹴飛ばし、自分に同調するよう目で要請する円堂。嫁を悲しませたくないという男らしい態度だけど、天馬くんを巻き込むな。

 円堂の無理する姿を見て、さすがのミスターKYも言葉を選ぶ。「美味しいです!」の言葉を聞き、不安そうだった夏未の表情がほころぶ。「じゃあ、もっと持って来ちゃうわね♪」と、拷問(ごうもん)材料を増やす事を宣言する。今回のKYは夏未の方だった。

 夏未が席を立った隙に、この料理の味の無茶苦茶さを問うが、愛妻家の円堂にとっては何よりも夏未の笑顔を維持する事が大事らしい。「美味いと思えば何とかなる」と天馬の口癖「何とかなるさ」のお株を奪う。

 そこに、何とも形容のし難いサラダらしきものを持って来て、にっこり微笑む夏未。何とも形容のし難い表情でそれを迎える天馬と円堂。


 何だかんだ言って、結局全部平らげてしまう2人。漢(おとこ)だ。

 食後の一服時、帝国学園で夏未の実の父、総一郎に会った事を話す円堂。驚かない夏未。夏未はレジスタンスの事を知っていたのだ。円堂をただ一人蚊帳の外に置き、計画を進めていた事を詫びる夏未。

 夏未が言うには、雷門が孤独な反乱を続けてフィフスセクターの耳目(じもく)を集めていてくれた方が、レジスタンスには都合が良かったという。囮(おとり)に使われた事に、いろいろ思う事があるはずの円堂だが、ただ一言「まぁいいか」で済ませる。それで済ませられるところが、円堂の器のデカさだ。

 その言葉に、計画の全貌を円堂に黙っていた夏未も救われる。全ては円堂のおかげだと夫を立てる。

 それに対し、革命の発動は雷門イレブンのおかげだと、天馬を見やりながら言う円堂。雷門の選手全員が、やってくれる気持ちにならなければ、自分一人ではどうする事もできなかったとしみじみと語る。夏未も同意し、愛する夫の大事にしていたサッカーを受け継ぐ者が現れた事を歓迎する。



 この闘いはまだ続く事を天馬に告げ、共に頑張って行こうと提案する円堂。天馬はもちろん、その意見に力強く賛同する。



 次の日、部の練習でも天馬は先輩たちを相手にして特訓を続ける。


 車田、天城大地(CV:奈良徹)というガタイの良い選手相手に挑む天馬だが、激突され、弾き飛ばされてしまう。気づかう先輩たちに、特訓の続行を志願する天馬。自分の中から早く出たがる未知の力を感じる天馬は、一刻も早くそれを現出させたいという気持ちで、身体の痛みや練習の疲れなどまるで感じないかのようだ。天馬の態度に、先輩たちも「そよかぜステップ」を強化した、新たな必殺技の予兆を感じ取る。

 まだ必殺技を一つも持っていない(少なくとも見せていない)倉間、速水という先輩方を差し置いて、また大人の階段を一歩登ろうとしている天馬くん。本当にサッカーの素質は素晴らしいものがありそうだ。

 「俺が風になる!」と勢い込んでボールを持つ車田に突進した瞬間、一瞬だが背中からオーラが発する。それを見て、ハッとなる剣城。天馬はそのオーラのせいかどうか分からないが、エネルギーが暴走したかのようになってバランスを崩してしまう。

 入学式の時、剣城と勝負をした時にも現れた天馬のオーラの存在を円堂に指摘する春奈。円堂も、天馬のその力の存在を久遠から聞かされていた。


 呆けたように座り込んでいる天馬に、剣城が声を掛ける。彼なら、天馬のその力を引き出す事が可能なのかも知れない。円堂に天馬の相手をする事を志願する。それを聞いた天馬も、円堂に許可を願う。そして、それは受け入れられた。

 円堂の許可を得て、他の選手全員が見守る中、天馬と剣城の2人で特訓が開始された。剣城が何を意図しているのか、神童はおぼろげに分かっている様だ。

 風を纏いながら剣城に挑みかかる天馬だが、軽くいなされ、体を当てられて弾き飛ばされる。倒れこむ天馬だが、必殺技の予兆をさっきよりも感じ、その表情は極めて明るい。

 剣城の方も、天馬の潜在能力の高さを感じていた。何としても天馬のその技を完成させると意気込む。天馬を鍛え、勝利する力を得る事。それはそのまま剣城の望むところでもあった。


 とんでもない必殺技が誕生するかも知れないという予兆をはらみつつ、2人の特訓は続く。




 次回に続く。



  エンディング



 理屈抜きに面白かった。特に夏未。料理の腕前は進歩して無かったのね? 円堂も結婚相手を間違えたのかも知れない。木野秋(CV:折笠富美子)だったら料理が上手だったのに……。ただ、おそらくだけど結婚の決め手はそれでは無かったのだろう。ひょっとしたら、あのフットボールフロンティア世界大会決勝の「リトルギガント」戦前に食べた夏未のおにぎりも、本当は美味しくなかったのかも知れない。夏未の気持ちが嬉しくて、美味しいと言ったのかも知れないと思ってしまう。愛情は何よりの調味料と言うし。

 まぁ何にせよ、幸せそうで良かった。あの食事を続けていると、ストレスで円堂の寿命が縮まないかと心配されるが。


 鬼道のレジスタンス的意思の説明も、大体はつじつまが合っていたと思う。本気で円堂の敵に回った訳では無かったのは幸いだった。ただシード以外の選手が大活躍でもして、帝国がホントに雷門に勝っちゃってたら、エラい誤算だっただろうね。鬼道は響木さんに大目玉を食らっていただろう。

 雅野だけは事前にレジスタンスの情報を鬼道から聞かされていた可能性が高いので、いざと言うときはザルになって雷門のシュートを決められ放題にするつもりがあったのかも知れない。そう考えると、試合の後半ボコボコに失点していたのもつじつまが合う。あれは雅野の必殺技が弱いせいではなく、わざとだったのかも知れない。そうだったとしたら、ダメンズとか、三国さん以下とか言ってゴメン。


 あと一言触れたいのがオープニング。



 オープニングでの剣城の扱いは今まで通り、悪役で描かれているのは何故? 神童がずっと泣かされ続けている。もう黙っちゃいられない! 剣城がデレ……もとい改心したのだから、オープニングの絵もそろそろマイナーチェンジの頃だと思う。あと南沢篤志(CV:梶裕貴)はいつまで味方の絵ヅラに存在するのだろう。むしろ彼の方が雷門の敵として再び登場すると予想しているんだけどね。


 次回の相手は、全員がシードという反則的、いやモロ反則のチーム。もしかして、全員化身が使えたりするのかな? 苦戦は必至だけど、今回の特訓で天馬にも化身が使えるようになるんじゃないかと想像している。倉間や速水の立場を考えず、大人の階段登るよねぇ。

 天馬だけにペガサスの化身で、剣城のランスロットを載せて合体化身技とか使うの。そうなったらいいなぁ。当方の予想は当たった時にものすごく偉そうに紹介するから目立つけど、実際は当たった分の3倍ぐらい外れているから、これもどうなるか分からないんだけどさ。



 次回「荒れ狂う海王の牙!」に続く。



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