『イナズマイレブンGO』第10話「勝利への反乱!」の感想 【三国のカリフラワー頭もカッコ良いぞ!】

 昨日の七夕は残念ながら涙雨。織姫と彦星の逢瀬は、また1年待たないといけない。少し切ない。


 さて置き、恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文、今回は第10話「勝利への反乱!」を観ての感想を書く。実際に反乱を起こした者は誰だったのか? そして反乱しなかった者の気持ちはどうであったのか、人間心理が深く描写された回だった。必殺技の撃ち合いは、普通に観ていて楽しかった。化身は……後述という事で。



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第9話「ついに開幕!ホーリーロード!!」の感想 【神童が無性にカッコ良い回だぞ!】
 をご覧ください。読んで字の如く、神童が無性にカッコ良いです(笑)。


 それ以前の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 旧『イナズマイレブン』のアニメ感想、及びその他記事は、ココをクリック。


 で、それぞれ一覧表示されます。

 中学生サッカーの頂点を決める大会「ホーリーロード」関東地区予選Aブロック1回戦、前年の準優勝チームの雷門中学対天河原中学の戦い。必殺の「フォルテシモ」で先制ゴールを奪った雷門中学キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)に、天河原中のキャプテン、喜多一番(CV:金野潤)が予定されていた指示と違う行動に対して詰問する。サッカー界を支配するフィフスセクターからの指示では、2ー0で天河原中が勝利する事があらかじめ決められていたのだ。

 フィフスセクターに逆らう事を喜多に告げ、さらにキャプテンとして仲間の雷門中のメンバーに対しても語気強く宣言する。

 「この試合、俺たち雷門中が勝つ!!」と。



 その「勝利宣言」は、フィフスセクターの指示する予定調和の中で試合に臨み、終わらせるつもりでいた敵味方双方の選手を驚愕させる。恐れを吹っ切ったキャプテンの強い決意に心を打たれる松風天馬(CV:寺崎裕香)。しかし他のメンバーは内申書のために負ける気でいたし、先制点が入った後ですら、キャプテンの言に前向きになれないでいた。

 他のメンバーと同じ様に神童を茫然と見ていた雷門キーパーの三国太一(CV:佐藤健輔)。フィフスセクターの指示する八百長試合の事情など全く知らない母(CV:田野めぐみ)が会場に現れ、熱心に自分の事を応援してくれている。その姿を見て、三国は深く葛藤する。自分はどうすべきなのかを。



  オープニング



 フィフスセクターに逆らう行為をこのホーリーロードという大一番でやらかす選手がいるとは思っていなかったピッチ上のほとんどの選手。天河原サイドの喜多は神童の態度から、その意思が本気だと判断する。喜多よりはフィフスセクターの意志に忠実な残りの主力メンバーの西野空宵一(CV:田野めぐみ)、安藤恒之(CV:早志勇紀)、隼総英聖(CV:室元気)を含めた4人は、真剣勝負になった事を自覚し、ギアを切り替えて本気で雷門と相対する事を誓う。



 左から、卑劣なメガネの西野空、一人誠実なキャプテンの喜多、長いまつ毛にヘアカラーと同じ紫のルージュが印象的な隼総、ほっそい目の悪人顔の安藤。ナイスガイの喜多までもが不気味な様相で雷門に対峙する。


 フィフスセクターの指示と違う動きは本部でもすでに察知されていた。だが、フィフスセクターの聖帝のイシドシュウジ(CV:野島裕史)は笑ってこの展開を楽しんでいた。聖帝の真意はどこにあるのだろう?


 天河原ボールで試合は再開される。早速止めに向かう神童と天馬。雷門の他の選手たちは相変わらずこの展開について行けない。よしんば考えが現状に追いついたとしても、フィフスセクターに逆らうという決意が無ければ、一歩たりとも前に動く事はできなかったと思われるが。

 天馬や神童と同じく、フィフスセクターのくびきに縛られずに行動する西園信助(CV:戸松遥)が先輩たちに動くよう要請するが効果が無い。神童の宣言があったにも関わらず、相変わらず味方は3人しかいない状況のようだ。

 神童が攻め込んで来る西野空の前に立ちはだかるが、このメガネは反則スレスレのショルダーチャージで神童をはね飛ばす。印象に残るラフプレーを今のところ一番多くやっているのは、人相悪い安藤よりもむしろ優男(やさおとこ)タイプのコイツだ。



 神童命のマネージャー、山菜茜(CV:ゆりん)が心配のあまり叫び声を上げる。

 西野空からパスを受けた安藤。凶悪そうないでたち通り、逆らう気の無い速水鶴正(CV:吉野裕行)に体当たりを仕掛け吹き飛ばす。もはやフィフスセクターに反抗的であろうが、従順であろうが、攻撃対象として見境は無い。それを満足そうな表情で見つめる天河原ベンチ。



 前回の開会式のシーンで可愛らしい女性監督がいるなぁと思っていたんだけど、まさかその監督が天河原の監督だったとは。ラフプレーに対して選手はともかく、その女性監督まで不敵な笑みを浮かべていてビックリ。前作の尾刈斗中学の監督の様な性格なのかも。


 安藤のパスを得意のジャンプ力でカットしようとする信助。だが卑劣な天河原選手の肘打ちに遭い、倒されてしまう。これはスレスレどころか完全な反則だが、ブラインドになっていたのか、反則は取られない。

 そしてキャプテンの喜多にボールが渡る。その前に立ちはだかるのは、天馬だった。天河原が昔は名門で、雷門の良きライバルであった事を知っていた天馬は、ラフプレーでならす現在の天河原との落差を嘆いてその事を語る。喜多は一瞬だけ苦悩の表情を浮かべるが、命じられた事には従う旨を述べ、安藤にパスを回す。

 フィフスセクターの意向には逆らえない上に、仲間の卑怯なプレーにも口を挟まないものの、喜多だけはラフプレーをせずに正々堂々のプレーで好感を持てる。そのうち仲間になるフラグなのかも知れない。



 安藤からパスを受けた隼総がショルダーチャージで天馬を吹き飛ばす。そしてそのままドリブルで攻め上がって来る。ディフェンスラインを下げて対処しようとする神童。

 だがその指示に従おうとしない雷門メンバーたち。神童の親友の霧野蘭丸(CV:小林ゆう)までもがうつむき、神童の指示にサボタージュを決め込む。笛吹けど踊らずでは、神童の指揮能力も宝の持ち腐れだ。仲間たちのあからさまなサボタージュに、神童は悲しげにうめく。

 その様を見て、ベンチで得意げに嘲笑するフィフスセクターのシード(監視人)の剣城京介(CV:大原崇)。フィフスセクターに逆らえない残りメンバー8人を含め、天馬たち3人の敵は合わせて19人である現状に満足そうな笑みを浮かべる。


 仲間が動かないなら自分ひとりでも止めてみせると、隼総の前に立ちふさがる神童。そこで隼総は自信満々に「化身」を使う事を宣告する。驚く神童。



 化身「鳥人ファルコ」の登場に驚く一同。解説の角馬歩(CV:古島清孝)の実況の声も興奮で上ずり気味だ。

 神童に語りかける内容から、自身がシードである事を仄(ほの)めかす隼総。やはり隼総も剣城と同様、シードだった。「剣城=つるぎ」「隼総=はやぶさ」といった本来ひと文字で表せる名前に一つ文字を付け加えた特殊な名前が、特殊なメイクと合わせてシードの人間の特徴なのだろうか? 

 隼総はその化身を使い、必殺シュート「ファルコ・ウィング」を撃つ。




 神童は自らの化身を発動させてそのシュートを阻止しようとする。しかし発現までには至らず、シュートの勢いで弾き飛ばされてしまう。ゴール前には三国ただ一人。

 フィフスセクターの指示に従うなら、ここはスルーのはずだが、三国はボールに向かう。しかしそのシュートの威力は凄まじく、ボールは三国ごとネットを揺らす。天河原は隼総のゴールで同点に追いついた。



 強烈なシュートを受けて倒れる三国を気づかう三国の母。


 片膝を突いた神童に、化身をコントロールできていない事を咎め、馬鹿にする隼総。悔しがる神童の肩を支える蘭丸。神童の理念に共感しない蘭丸だが、さすがにこの時は親友としての間柄を垣間見せた。隼総の悪口雑言を制する喜多。雷門と違って、天河原はシードと選手の間に齟齬はあまりなさそうだ。


 ここで前半終了の笛が鳴る。両者の戦いは、1-1で後半戦に持ち越される事となった。


 神童に対する悪口を止めたかと思えば、今度は三国に対して嫌味タラタラの隼総。「お前如きでは自分のシュートは止められないから、次からは避けろ」と、キーパーとして、およそこれを越える蔑(さげす)みは無いと思われるほどの屈辱的な忠告を受ける三国。

 悔しがりつつも、どうすれば良いのかを葛藤し続ける三国。母の観ている前で、無様な姿を晒したくは無い、だがしかし、フィフスセクターに逆らう勇気も持てない。



 三国の気持ちと同様、ハーフタイムの雷門控室は暗く落ち込んだ雰囲気で充満していた。まだ同点なのにみんなの元気が無いと、一人ずれた所で現状を語るKYな天馬くん。他のメンバーの気持ちにまだ気付いてなかったのかな?

 そんな天馬を面白そうに嘲笑(あざわら)う剣城。天河原の隼総が自分と同じシードである事、そして化身を自由にコントロールする能力を持っている事を明かす。それほどの実力者を相手にする事に消沈する他のメンバー。それ以前に、戦う意思も気概も無いのだけれど。

 フィフスセクターに逆らう事の無謀さを諄々(じゅんじゅん)と説く剣城。雷門の敗北というシナリオを受け入れる事を改めてメンバー全員に突き付ける。


 その空気を変える一言が、剣城に反対する天馬の後押しをするように発せられる。今まで沈黙を貫いてきた監督、円堂守(CV:竹内順子)の力強い言葉が剣城の警告を打ち消すべく控室に響く。

 勝負の前に結果を決める事は、何びとたりとも許されないと説く円堂。勝利の女神だけが勝負の行方を決める権利があり、そして勝利に向けて努力したものにだけ女神は微笑むと続ける。

 勝敗が操作された今のサッカーで満足なのかをメンバー全員に問う円堂。そして三国が、負ける義務を負いながらシュートを止めようとボールに向かった事を挙げ、それがサッカープレーヤーの本能だと喝破する。



 全員に言い聞かせるように、サッカープレイヤーの心得を述べる円堂。憎悪の表情を浮かべる剣城以外は、驚くほど素直に聞き入るメンバーたち。そして最後に改めて、負けて良いと思っているのか、自分たちのやりたいサッカーは何なのかを自問する事をメンバーに命じる。

 そこに慌てて入って来る理事長の金山郷造(CV:小室正幸)と校長の冬海卓(CV:四宮豪)。円堂の高説通りに動かれては堪らないと、邪魔をしにやって来たのだ。指示に従わない円堂を激しく叱責する2人。

 フィフスセクターの指示に従いこの試合には負けるよう、選手たちに監督命令を出す事を要請する金山。しかし言うべき事は全て言ったと述べ、その要請を断る円堂。後は選手たちの自主性に任せ、金山たちには目もくれずに退室する。

 「フィールドで待っている」と最後に告げ、去って行く円堂。それを来た時同様、慌てて追って行く金山と冬海。


 うるさい大人たちが去り、選手たちが自分の頭で考える機会が訪れた。それでも考えがまとまらない事を、C調の口調で一人ごちる浜野海士(CV:金野潤)。この言い分が大方の皆の気持ちを代弁しているのだが、一人だけそれに当てはまらない者がいた。悩みつつも結論を出さんとするその選手は、三国であった。



 後半戦が始まろうとしていた。両チーム、選手の交代は無い。雷門は11人ギリギリで、変えようにも交代要員がいないのだけど。

 未だ結論の出せていない雷門フォワードの南沢篤志(CV:梶裕貴)と倉間典人(CV:高垣彩陽)。お互いの責任を転嫁するかの如く、ボールを回す。ボールを受けた浜野、パスを要求する天馬にあっさりとパスしてしまう。とたんに南沢と倉間に糾弾される。ボールを持つ事で、意思を明確にしなければならないという事から、3人とも逃げたのだと思われる。浜野はほんの少し、天馬たちに近い考えを表したのだと想像するが、以前もあったように、この子だけは行動が読めないから。山の天気と浜野の性格だけは読めない。



 言い訳する浜野の顔が意外と可愛い。


 反フィフスセクターの意思の表出に躊躇(ためら)いの一切が無い天馬。ドリブルで敵陣に切れ込む。そこにやって来るのが、前回足を引っ掛けて妨害した西野空。慌てずサイドの信助にパスを送る天馬。そのプレーぶりを見て、パスの練習をしておけという自分の指示を、天馬が忠実に守って来た事を確信する三国。

 ドリブルで進む信助に強烈なスライディングタックルを浴びせる安藤。親友が倒された事に怒りの形相でボールに向かう天馬。後ろで見ている三国は、勝利のために練習して来た後輩たちのプレーに何か感じるところがあったようだ。


 天馬のプレーに、記憶の中の自らの幼い頃の姿を重ねる三国。がむしゃらに練習し、サッカーが楽しかった頃。チームメイトと勝利の抱擁を交わし、優しい母のねぎらいの言葉を受ける、至福の時の事。三国の母が試合を見に来た時は、いつも必ず勝利するというジンクスがあった。三国にとっての勝利の女神とは、母の事であった。



 子供の頃からコントのおかんのような髪形の三国(中)。あの髪形はファッションじゃなくて、天然だったんだね。


 その淡く美しい想い出を、汚す訳には行かない。

 あの頃の勝利の女神が、今日もここに来て自分を見ている。母の見てくれた試合は必ず勝つというジンクスを壊す訳には行かない。グローブをはめた手のひらをギュッときつく握りしめて、三国は今、ルビコンを渡る事を決断した。


 ボールは天河原の1点目を挙げた隼総のもとに。これで決めるつもりの隼総の前に走り込んでボールを敢然とキャッチした三国。天馬と信助、神童の3人が笑顔を浮かべてそのプレーを歓迎する。

 その3人に目を覚まさせてくれた礼を述べる三国。勝利の女神を微笑ませるために、自分のサッカーをする事を胸に誓う。余談だけど、三国先輩はここで初めて天馬の事を名字の「松風」ではなく名前の「天馬」で呼んだ。


 神童にパスを出し、存分に攻める事を要求する三国。ゴールは自分が守ると、力強く宣言する。天馬と信助の練習の成果を認め、今なら神童の指示にも的確に従う事ができると伝える。三国に認めてもらえて、天馬と信助も嬉しそうだ。


 頼もしき4人目の同志を得て、勇気が何倍にもなった天馬たち。一斉に攻撃に参加する。剣城は不快感を隠さないが、円堂は満足そうに試合展開を見つめる。自分と同じポジションの三国の反乱は、円堂も嬉しかったんじゃないだろうか? キーパーがその気になってくれないと、点を入れられ放題だろうし。


 一方、三国までもが造反し、一層混乱する倉間たち2年生。

 神童の行く手を、天河原のキャプテンの喜多が塞(ふさ)ぐ。キャプテン同士の一騎打ちだ。



 フィフスセクターに賛成ではないが従うほかないと思っている喜多が、一人賛同者が増えても何も変わらないと吐き捨てるように告げる。それに対し、変えて見せると言い放ち、正攻法の技で抜き去る神童。キャプテン対決は神童に軍配が上がる。



 今回文字が出て、必殺技である事が明らかになった「神のタクト」。

【追記】
 ogawa-ranさんから「『神のタクト』は【必殺タクティクス】の類いではないか?」とのご指摘を頂きました。調べてみたところ、そちらの可能性の方が高いようです。ogawa-ranさん、指摘して頂きありがとうございます。


 そして「神のタクト」で天馬に指示を出す。パスを受けた天馬。前に立ちはだかるのは、またも因縁の西野空だ。今度は天馬がいいトコロを見せつける番だ。




 前回の安藤の時と同様、いや西野空のラフプレーにはイライラが溜まっていた分、それ以上に視聴者の溜飲が下がるシーン。


 必殺技「そよかぜステップ」で西野空を後方彼方(かなた)に吹き飛ばし、前進を続ける天馬。神童にパスを出す。

 神童は2人に前方を塞がれ、パスを出すが敵選手にボールに触れられ、コースが変わってしまう。ラインを割り、攻勢の展開を途切れさせる事に成功したと思い込み、笑顔を浮かべる敵選手。


 その誰も届かないと思えたハイボールに追いつける選手が、雷門には、いる。前回に引き続き、またも信助だ。誰よりも小さい信助が、誰よりも高いボールに追いつく事ができるという意外性。

 しかもそれら一連の動作が、神童の計算ずくのパスだったという事に驚愕を隠せない天河原の選手たち。敵がボールに触れて高く跳ね上がる事も、そこに信助が駆け込む事までも含めて予定の行動だった訳だ。恐るべき、神童の「神のタクト」。


 しかし一瞬の隙を突いて信助からボールを奪い、その攻勢を止めた選手がいた。天河原メンバー中で最高の実力者と推測される隼総であった。信助からボールをものすごく強引に奪い取ると、一人で雷門ゴール目がけて突進する。

 そしてまたも化身を発動させ、必殺シュート「ファルコ・ウィング」を1点目の再現とばかりに雷門ゴール目がけて撃ち込む。




 ハッキリ言って、三国の心細い必殺技「バーニングキャッチ」では止められそうにない(剣城の「デスソード」も止められなかった前例があるし)。

 そこに駆け込んで来たのが天馬だった。止めたいという意思が発動のトリガーになったのだろうか、入学式の時の剣城との戦いの時にも発動したオーラが顕在化したのだ。そのまま体でボールを阻止しようとする天馬。いつの日か天馬も化身を発動させる時が来るのか?

 しかし追い討ち気味に隼総の化身にひと押しされ、突破を許してしまう。撃ち破られた天馬のダメージを心配して声を上げる幼馴染の空野葵(CV:北原沙弥香)。

 そのピンチに、もう一人の化身能力者が阻止に動く。神童が前回不発に終わった化身を発動させる事に成功したのだ。



 化身同士のぶつかり合いだが、これも使用度に一日の長のある隼総の化身が打ち勝ってしまう。泣きながら吹き飛ばされる神童が悲しくも可笑しい。



 ホントは真面目な緊迫したシーンなんだけど、何故だか笑えてしまう神童くん「泣き」のシーン。


 しかし2人の努力は無駄では無かった。シュートの威力は三国の能力でも止められるほど、確実に弱まっていたのだ。「バーニングキャッチ」で三国は見事に化身のシュートを止めた。3人がかりで止めたのだ。


 そして残り時間の少ない中、すかさず攻勢に出る雷門。三国から天馬にパスが渡る。喜多が止めに入るが、天馬は3たびの「そよかぜステップ」で寄せ付けない。

 天馬からのパスは神童に。後方から三国が神童を叱咤激励する。


 その言葉に勇気を授かった神童。おのれの意志で化身の能力を使いこなし……





 神童の化身「奏者マエストロ」の加護を受けて放たれたシュート「ハーモニクス」は隼総の化身を貫き、さらに天河原ゴールをも貫いた。



 うっかりしているようでちゃっかりしている茜はもちろん、神童関連のシャッターチャンスは逃さない。満足を表す心象風景「花」も飛び散る。前よりカメラの質も上がっているようだ。スケバン瀬戸水鳥(CV:美名)も感心するやら呆れるやらの様相。


 円堂が皆(4人だが)の健闘を褒め称え、三国の母が微笑んだ瞬間、試合終了のホイッスルが鳴り響く。試合はフィフスセクターの思惑を越えて、2ー1で雷門中学の勝利に終わった。

 使命を果たせなかった事よりも、負けた事それ自体が信じられなくて膝から崩れ落ちた隼総。その肩に手を当て、敢闘した仲間を励ましつつ、神童の勇気に敬意を払う天河原のキャプテン、喜多。

 化身をコントロールできた事を喜ぶ神童と、それを祝福する三国。勝利の女神の前でみっともないプレーはできない、と語る三国の言葉の意味が理解できない神童。

 天馬の不思議な雰囲気に導かれ、また自分のサッカーにまい進する人間が増える事となった。心のモヤモヤを吹き飛ばす、そよかぜのような奴、と神童は天馬を評する。天馬となら、今のサッカーを変えられるかも知れないと思う三国。


 吹っ切れた三国と違い、他のメンバーは勝利にも複雑な表情を浮かべる。ホーリーロードという大舞台でのこの造反は、もう取り繕(つくろ)う事はできない。未来が閉ざされたと自棄的に吐き捨てる速水。


 この造反劇は、フィフスセクターの聖帝も生で観ていた。自らに対する反乱に「面白い結果になった」と嘯(うそぶ)く聖帝。この造反は彼にとって不利には働かないのだろうか? 



 その真意は、未だ見えない。



 次回に続く。



  エンディング



 前回の神童に引き続き、今回は三国が天馬の味方になった。良い傾向だけど、次の試合までにこれ以上増える雰囲気ではない気がする。三国の友人の車田剛一(CV:野島裕史)、天城大地(CV:奈良徹)が余り立場を明確にしていなかったから、次に考えを変えてくれるのはこの辺になるのだろうか? 出番自体が少なかったとも言うが。野島さんは今回は完全に聖帝役だったよね。

 円堂が良い事を言いつつも、最終的な判断は選手サイドに委(ゆだ)ねているのが良い感じ。円堂が目立ち過ぎて新キャラの存在感を無くしてしまう事が懸念されていたけど、全くの杞憂だった。選手たちの決断を待ち、それに対して責任を持つという役どころは、監督としてこれ以上ない存在だと思う。最後は更迭される事になるとしても、この選手たちの殿(しんがり)を引き受けるという大人の立場を貫いて欲しい。


 化身に関しては、なかなか難しいところ。必殺技のバリエーションとしてなら、ありなのかも、と思えるし、やっぱりサッカーとはかけ離れ過ぎじゃないかな、とも思ってしまう。将来的には化身が使える選手しか通用しなくなりそうだし。ゲームに生かす場合も、その傾向が強くなるのは避けられそうにない。ゲームだと発動にTPが膨大に掛かって、連発できないようにするというギミックはできそうだけど、アニメはそういうのも難しそうだよね。やっぱり世界観を壊してしまいかねないという懸念は今も不安と共に持っている。


 今回ちょっと肩すかしというか、残念だったのが敵のキーパー。かいけつゾロリみたいな顔してるくせに、天河原のキーパーは必殺技持ってないのかしら?




 比較対象。上が天河原のキーパーね。うっかりすると間違えそうなので、念の為。


 神童の2回のシュートを2回ともあっさりと決められちゃって。ゴールするにしても、キーパー技とのぶつかり合いが見たかった気もする。栄都学園のキーパーですら、必殺技を披露したのにねぇ。


 あと今回は顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)が何気なく出ていたけど、ほとんど空気で存在感が無かったのが残念だった。絡めるのは確かに難しそうな回だったけど、控室で円堂をフォローするとか、活躍させる場は無かったかなぁ?


 次回はいよいよ剣城の秘密が明かされるらしい。剣城が仲間になる布石だろうと思うけど、入院しているのは兄なんだろうか? 前作の豪炎寺の時と状況が似ている気がするんだけど……。



 次回「剣城の秘密」に続く。



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