セガサターン珠玉の名作『サクラ大戦』の感想

 さて、最近せがた三四郎づいている当方のブログであるが、懐古しているうちにセガのゲームに関しての感想も紹介したくなったので、今回選んだのはセガサターンの最高傑作『サクラ大戦』の感想文。痛い表現も少なからずあるので掲載を見送って来た感想文であるのだが、勢いを借りて思い切って出してみる。本人的に出来の悪い、あまり気に入っていない感想文なのだが、同じく【ゲームクエスト】投稿者の「花丸110」さんの『サクラ大戦』の感想文が非常に面白かった記憶がある。是非また読みたい。誰か保存しててくれないかなぁ。せめて【ゲームクエスト】がデータベースだけでも残してくれていれば、リンク出来たのにねぇ……(恨み節)。

 なお、続編の『サクラ大戦2 〜君、死にたもうことなかれ〜』の感想文も掲載しているので、合わせて読んで頂けるととても嬉しい。

甘茶さん の「サクラ大戦」 (セガサターン)
オープニングのアニメにくぎ付け サターンの最高傑作
 甘茶さんは90年代のPSとSSのデッドヒート中に生まれた「サクラ大戦」の感想です。オープニング、世界観、キャラクターとの恋愛、どれも魅了されたそうで、「サターンの最高傑作」と絶賛。PS2版もプレーしているところを見ると、よほど気に入ったのでしょうね。

甘茶
オープニングのアニメにくぎ付け サターンの最高傑作(2008.07.24)
 今となってはゲームハード事業から撤退してしまったセガのゲーム機、セガサターンが2008年現在の暫定王者任天堂そっちのけで、ソニープレイステーションとゲーム機トップシェアを激しく争ったという、信じ難い過去がかつてあった。しのぎを削る両機からは、その後のゲーム史上に残る名作が多数輩出される事となった(全体の、所謂分母が大きかったので、その分の粗製濫造っぷりも酷かったが)。そんな中で「せっかくだから、俺はこっちを選ぶぜ!!」と、コンバット越前ばりに『デスクリムゾン』の妖しい輝きに惹かれ、サターンを選んだ後のセガ信者たちは最終的に悲惨な末路を辿る事になるのだが、途中経過ではサターンも大健闘し、プレステユーザーから羨望の眼差しで見られた作品も多々あったのは揺るがざる事実であった。『スーパーロボット大戦F』及び『スーパーロボット大戦F完結編』、『機動戦士ガンダム ギレンの野望』、『グランディア』、『バーチャファイター』シリーズなどなど……(後に全てプレステやプレステ2に移植されている事実がサターンユーザーの涙を誘うが)。その中でも当時最もサターンユーザーである事に優越感を抱けた作品が、この『サクラ大戦』であった。世間では語られ尽した感のある当作品だけに感想を付け加えるのは難しいが、優越感に浸っていたユーザーの一人として敢えてサターン版『サクラ』を語らせて貰いたいと思う(その後程なく『バイオハザード』プレイの為にプレステを購入した日和見者ではあるが……)。
 
 この作品は衝撃だった。まずオープニングのアニメーションから釘付けになった。現代の目線で観ると、映写機のフィルムを噛ませる部分に靴の裏一足分の砂を振りかけたかの様なザラザラ感が何とも物足りない出来のアニメだが、当時のマシンパワ−では画期的、衝撃的な出来だったのだ。音楽も優れ、主題歌のサビの部分は身震いする程カッコ良く、いい歳した人間が横山智佐の歌声にハモりながら口ずさんでしまうのも止むなしといった具合で、オープニングから物凄い吸引力で作品の世界観に引っ張り込まれてしまう。
 
 ゲームが始まってからも当方の好感度は「ピンポロポロポロリーン♪」とアップし続けた。この作品は架空の時代「太正時代」を舞台にしているのだが、大正浪漫、近世モダンといったレトロな風情に、知らず懐かしさが感じられて良い雰囲気なのだ。主人公、大神一郎属する帝国華撃団の本拠地となる劇場や、帝都の町並、登場人物の衣装などの和洋折衷感が妙に心地良い。作中の最新鋭の機械の多くの動力も蒸気、スチームというのがまたレトロ感に溢れていて、違和感ありありだが微笑ましく受け入れられた。戦闘シミュレーションパートで帝国華撃団花組が搭乗する霊子甲冑もフォルムが丸くてレトロチック。アドベンチャーパートでの選択肢システム(LIPS)にも、選択の時間切れの時には蒸気がプシュプシュッと吹き出す演出があって、レトロ感の統一性に「うむ、凝っているな」と感心させられた。
 
 ただ、この作品を評価する人々の大半の、第一の褒めどころはと言えば、やはり魅力的なキャラクター達との恋愛モードであろう。「キャッキャウフフ」レベルの恋愛のドキドキ感を楽しむ程度のウブいヌルい展開だが、敵との闘いという乾いた世界設定の中で部下の女子隊員と気心を通じ合わせるという「潤いの感覚」が凡百のギャルゲーよりずっとこちらの心の琴線に触れる気がした。戦闘シミュレーションパートも別の意味でかなりヌルいが、好感度が上がっている隊員の戦闘力がアップしていたり、最大限好感度の上がったキャラに大神が隣接する事によって合体攻撃が出せたりと、こちらのやる気も上がってしまう工夫が施されている。自分はノーダメージなのを良い事に、お気に入りの隊員を敵の攻撃から「かばう」事で、隊員に『大神はん、おおきに〜♡』とか『お兄ちゃん、だーい好きぃ♡』とか言わせて悦に入ってみたりするのもありだ。色々とウブヌルい環境に、ズブズブはまってしまうのがこの作品の一番の楽しみ方なのだと理解して貰いたい。
 
 隊員達とのミニゲームも時間の経つのも忘れる程楽しかった。本編クリア後のおまけ要素「帝劇の長い一日」でミニゲームを好きなだけ遊び倒せるのだが、中でも「こいこい」は有りもののゲームなだけに、並のシンプルシリーズ以上に作り込まれていて遊べる出来であった。個人的に一番お気に入りなのが料理ゲーム。マリアの、抑揚の無い声の割に最高の賛辞という『ハラショー。とても、美味しいわ』という台詞は何度聞いても笑ってしまうが、聞くと達成感があって嬉しいものだった。冷静なマリアのクールっぷりを演出していると好意的に解釈しているが、ゲーム画面中のSDのマリアがすっごく美味しそうな、嬉しそうな表情をしていて、そのギャップにも笑ったり萌えたり……。お掃除ゲームで、さくらが魅入られたかの様に何度もネズミにぶち当たりまくるのを目の当たりにして「もうお前はついて来んな!!」とキレて、クリア後のご褒美絵を見るまでは、さくらが嫌いになったというのも今となっては良い思い出だったりする(……実はまだ少しトラウマだったりもする)。
 
 この作品は間違いなくサターンのゲームの最高傑作だ。もしまだこの作品を未経験で興味を持たれたという方は、是非一度プレイしてみて頂きたい。ただ、個人的にはプレイステーション2のリメイク版『サクラ大戦 〜熱き血潮に〜』はお勧めしない。同じくサターンからのリメイク版『ドラゴンフォース』と違って、このリメイクは感心出来ない。ゲーム性やグラフィックの向上など進化している部分もあるが、そこに容量を取られ過ぎてミニゲームなど旧作の良い部分を不当に削ってしまっているのだ。現在のハードの稼働率の関係上、プレイは困難かと思われるサターン版若しくはドリームキャスト版を敢えてお勧めする。


 若気の至り(2年前だが)とはいえ、痛いね。担当編集さんの付けてくれたタイトルがまず痛いし。コンバット越前ネタとか、分かる人しか分からないネタも痛々しい(『デスクリムゾン』と合わせてググって下さい)。ただゲーム自体はすんごく面白いから、『サクラ大戦』そのものには罪は無いからね、もちろん。あと蛇足説明だが「ピンポロポロポロリーン♪」の効果音は、ゲーム中女性キャラが主人公の分身、大神一郎に好感度を抱いた時に出る音。これを聞きたいが為に、プレイヤーは必死こいて血眼になるという寸法だ。




 若き日の当方の心を震わせたサターン版のオープニングムービー。サターンはマシンスペック上、ムービーが弱かったからねぇ。ムービーとポリゴンが弱かったのが、プレステに対するディスアドバンテージだった訳で。そんな制約の中、製作サイドは頑張って造り込んだのだろうと思わせるだけの出来だった。ザラザラのムービーでも感動したもんな〜。今観ても悪くない。結構良いもんね。ちっちゃい画面だとアラも目立たなくて



 エンディングテーマ曲「花咲く乙女」の『アイドルマスター』版。なんだか凄く出来が良い。踊りも曲に完全にマッチしていて、まるでキャラがそのまま歌っているかの様な親和性。当方、『アイドルマスター』は全然プレイした事が無い上に、基礎知識すら皆無なんだけど、このゲームってこんな事が出来るの? 動画製作者の技量が大きいんだろうけど、これは凄いねー。李紅蘭の再現率があまりに100%過ぎて笑った。パジャマ姿では、ちゃんと三つ編みを解いているところが芸コマ(3分22秒辺り)。他のキャラも特徴をつかんでいて違和感はあまり無い。これを見た限りの印象では『アイドルマスター』、面白そうだね。


 ミニゲームの動画は残念ながら見つからず。マリアの棒読みの様な口調の賛辞「ハラショー」(これ本当に爆笑できるんだけどな)と、さくらのミニゲームの凶悪さを是非観てもらいたかったんだけど、残念。


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