【ペテン師】 菅首相が去った後の展望 【カンチョクト】

 先週は4日連続でブログを更新した。拙ブログ開始当初以来の珍事なのだが、4日目の趣味の恒例記事以外はいずれも当初の予定に無い、内閣不信任案にまつわる菅政権への批判記事だった。怒りというものがブログ継続の原動力になるという事を認識した。

 まぁそんな事が無いと毎日書けないという当方の不甲斐なさも身にしみて感じたのではあるけれども。毎日、面白くてためになる記事を書けるブロガーの人は本当に尊敬する。




 権力を維持する為なら味方をも欺くという日本人離れした発想で首相に留まろうとしていた菅首相も、そのあざとさをマスコミにまで指摘され始めた。すると一転して党内基盤まで失い、支持派と見られて来た仙谷由人官房長官(現官房副長官)や、枝野幸男官房長官にまで裏切られる始末。官房長官とは、総理と同じ主張を最後までし続けるのが使命という側近中の側近が務めるポストだというのに、もう見放されている。菅という人間の人望の無さを象徴している訳だけど、問題はそれだけでは無い。


 見苦しいまでに権力に執着した菅首相のデタラメぶりを身内も認めざるを得ない状況なのだが、自分たちの政治家としての存在維持の為には、かつて担いだ大将をもあっさり見切るという民主党の体質もよく表れた現象と言える。沈みゆく船を見抜く事にかけては敏だ。

 あの菅流のウルトラCを党内的に無批判にやらせたのも、世間の反応を見極めたいという民主党アドバルーンだったのではないかと思えてくる。で、世間がダメ出しをし始めたので、あっさりと手のひら返しで菅首相が登った梯子を外したというのが真相臭い。これまで散々他者の梯子を外しまくった菅首相が最後に梯子を外されて晩節を汚しつつ政治的に終焉するというのは、因果応報と言える。


 いずれにしろ、菅政権の早期終了は永田町のみならず、日本全国で既定路線となった。鳩山由紀夫前首相を騙した口約束の時点ではそのニュアンスであったのだから当然とも言える。「嘘から出たまこと」とはこの事だ。

 焦眉の急は、次の国のトップを誰にするかという事。


朝日新聞より引用

「ポスト菅」若返りなら野田氏、大連立なら仙谷氏有力か

 菅直人首相(64)の辞意表明で、民主党内は「ポスト菅」争いの号砲が鳴った。党内では、世代交代を進めるなら野田佳彦財務相(54)が、自民党との大連立を見据えるなら同党との太いパイプを持つ仙谷由人官房副長官(65)が、有力視されている。一方、岡田克也幹事長(57)や原口一博総務相(51)らは、今回の内閣不信任決議案への対応をめぐって批判を浴び、出遅れたという見方が出ている。

 「これで代表選だ」。首相周辺の一人は2日昼、首相の辞意表明の直後にこう語った。具体的な時期を首相は明言しなかったが、「辞任」を口にしたことで、ポスト菅を決める代表選は始まったとの認識だ。

 ポスト菅の条件として、首相は2日の党代議士会で「若い世代への引き継ぎも果たしたい」と強調した。この条件をクリアする一人が野田氏だ。

 当選5回。財務副大臣から財務相に昇格し、財務省内では「政策への理解度が高い」と評される。首相と二人三脚で消費増税への意欲を示し、政策路線も引き継がれる。演説のうまさや面倒見のよい性格に定評があり、党内では約20人のグループを率いる。小沢一郎元代表(69)と距離を置く「脱小沢」の筆頭格だが、小沢氏に近い参院議員も「野田氏なら支持できる」と評価する。

 当選3〜5回の議員では、原発事故対応に当たっている馬淵澄夫(50)、細野豪志(39)の両首相補佐官や、海江田万里経済産業相(62)も意欲を見せている。細野氏は小沢氏が代表の時に党役員室長を務め、小沢グループ内に一定の支持があるほか、海江田氏は出身の鳩山由紀夫前首相(64)のグループに推す声がある。

http://www.asahi.com/politics/update/0602/TKY201106020524.html

 管首相が辞めた後の次の候補に挙がっている前原誠司外務大臣は僅か3か月前に在日韓国人からの献金問題で辞任したばかりである(菅首相も同じ理由で辞任するはずだった)。永田メール事件で見せた政治的脆弱さも併せ、おおよそ現在の混迷した政治状況を率いる能力は無いと思われる。ただ、自民党と大連立を組んで時限的に震災復興対策をする分には、今のバカ総理よりはマシとも思える。在日献金問題で見限った政治家だけど、べ、……別に時限的に支持しても良くってよ(ツンデレ風)。


 同様に次期総理候補として仙谷官房副長官の名が挙がっている事には驚きを禁じ得ない。一体誰がこんな事を言っているのか? 確実に亡国するシナリオを描く極左の仕業か?



 左翼が政権運営に不向きで、権力維持の為ならなんだってやるという独裁者的思考を持っているのは現首相の行為から明らかだ。左翼から極左に権力を渡そうものなら、本当に日本は終わると思う。

 「自民党との太いパイプ」とは、おそらく大島理森自民党副総裁との関係の事だろうけど、他の多くの自民党議員が極左政権に協力するとも思えない。大島副総裁も調整相手としての仙谷官房副長官には一定の信を置いているとしても、首相候補とは思っていないのではないか。外国人参政権への対応など、両者の政策は水と油だからだ。仙谷売国政権を待望する朝日新聞共同通信の恣意性を感じるという見方は穿ち過ぎだろうか。


産経新聞より引用

首相退陣視野に…民主・自民のあのコンビが夜の会談
2011.6.5 01:21

 菅直人首相が8月までに退陣する意向を固めたことを受け、仙谷由人官房副長官自民党大島理森副総裁が4日夜、都内のホテルで会談した。仙谷氏は首相退陣を見据え、自民党が反対する特例公債法の早期成立への協力を求めたとみられる。自民党は引き続き、首相の「6月退陣」を求める一方、首相退陣後の新政権との連携も模索する。

 石原伸晃幹事長は4日、富山市での講演で「衆院選がやれない以上、今の枠組みで政治を進めなければならない。年内や春までなど、期限を区切って協力して国難に立ち向かうべきだ」と強調。期間と目的を明示した上で新政権と連携する用意があることを表明した。連携のあり方については「自民党から閣僚が入る『大連立』と言うのもいいし、閣外から協力する形でもいい」と語った。

 石原氏や谷垣禎一総裁ら執行部は、子ども手当など「バラマキ4K」政策の見直しに加え、菅首相退陣が民主党との連携の大前提としてきた。派閥領袖も「目的限定、期間限定で新しい政治の形を組んで復興を達成しなければいけない」(麻生太郎元首相)と前向きだ。

 ただ、党内には首相の退陣意向を「また嘘では」と疑問視する声があるほか、4K政策の見直しをめぐって民主党内がまとまるかどうかは不透明なことから「しばらくは政権内の動きを見極める必要がある」(谷垣氏周辺)との慎重論もある。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110605/stt11060501220000-n1.htm


 結果的に消去法というか、無難なところが一番の長所と言える、野田佳彦財務大臣が今回の場合の最有力候補となりそうだ。地味でよく分からない分、民主党の政治はうんざりといった層にも受け入れられやすそうだし。

 この国難の折、誰が首相を務めても難しい政治運営が求められるだろう。参議院与野党がねじれている状況では、時限的な大連立もやむを得ない。野党サイドが最も乗り易い環境を整えるのが、政権与党たる民主党に課せられた使命である。菅首相では乗れないという事を内閣不信任案で表明した段階で、即時の党首切り替えが求められていたのだ。ペテン師の権力しがみつきを一旦は容認した民主党議員たちは猛省しなければならない。遅きに失したとはいえ、一刻も早く党首を挿げ替える事だ。9月代表選というのも遅過ぎる。前原氏と野田氏でさっさと代表選すべき。



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