『イナズマイレブンGOギャラクシー』第19話「行くぞ!宇宙へ!!」の感想 【信助が再登場!】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGOギャラクシー』第19話「行くぞ!宇宙へ!!」を観ての感想を書く。ついに地球を離れるに当たり、彼らが最も信じるもの、サッカーは楽しいものであるとの思いを再認識する。そして松風天馬(CV:寺崎裕香)にとっては親友である少年との再会がその思いに花を添える。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOギャラクシー』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOギャラクシー』第18話「来訪者」の感想 【本当の意味でビビった来訪者は座名九郎の方】
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 「フットボールフロンティアインターナショナル(通称FFIV2)」に挑んでいた天馬率いる【イナズマジャパン】はアジア予選にて優勝を飾る。だがその大会の主旨は天馬たちが思っていたような世界大会などではなく、遠く18万8千光年離れた宇宙のサッカー大会【グランドセレスタ・ギャラクシー】の予選であった!

 宇宙船でホーリーロードスタジアムに降下してきた、地球人から見て「異星人」にあたる銀河連邦評議会よりのメッセンジャー、ビットウェイ・オズロック(CV:津田健次郎)からその事実を聞かされ、イナズマジャパンは混乱する。

 彼らの前にオズロックと第一種接近遭遇を果たしていた豪炎寺修也(CV:野島裕史)が語るには、オズロックは月を消してしまい、地球人に絶対に断ることが出来ない状況を作り上げた上で大会への参加を迫られたという。

 さらに驚愕すべきことに、その星間サッカー大会【グランドセレスタ・ギャラクシー】はお互いの惑星の所有権を賭けて争われるという。負ければその星の住民はイコール滅亡の危機に瀕(ひん)するというわけだ。


 まさに全地球人の運命を賭けて戦わなければならないという極限の状態。かといって地球の安定に貢献する月を人質に取られた状況では不参加を表明するわけにも行かない。進むも地獄、退(しりぞ)くも地獄の状況に、日本代表【イナズマジャパン】あらため地球代表【アースイレブン】と呼ばれるようになった天馬たちは大いに悩む。



 彼らを代表に選出した監督の黒岩流星(CV:佐々木誠二)は、彼らには宇宙の敵を相手にしても対応することが出来る地球人特有の能力、獣の力が秘められていると語る。

 戦わぬわけには行かない。自分たちのサッカーでみんなを救うことが出来るのなら宇宙に行くしかないと檄を飛ばす天馬に、仲間たちも最終的には同意する。

 そんな時、円堂守(CV:竹内順子)がある男を伴(ともな)ってアースイレブンに合流する。その男の名は市川座名九郎(CV:小西克幸)。その名は前作で物語の真の主役とまで言われた(言ってたのは私だが)トリックスター、ザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)にそっくりの容貌をしていた。



 座名九郎は丁寧に頭を下げ、礼儀正しく出会いの挨拶をしたのだが、いきなりの闖入者(ちんにゅうしゃ)の登場に一同は声もない。

 黒岩は待っていたとばかりに遅い到着に苦言を呈(てい)する。この言いようだと、円堂に座名九郎を連れてくるよう命じたのは黒岩自身だということだろう(第1話で携帯電話で連絡を取り合っていたシーンはまさにこのシーンの伏線であろう)。


天馬「彼は、一体……?」


 前作であれだけ関わったというのにつれないことを言う天馬くん。ザナークとは物腰が違いすぎるのでなかなか思いつかないのかなぁ?

 天馬のその疑問に答えるのは、黒岩ではなく物知りの皆帆和人(CV:代永翼)だった。座名九郎が中学生ながら大活躍している歌舞伎役者であることを告げる。ひょっとしたら皆帆は歌舞伎のファンなのかも知れない。さておき彼の紹介に聞き捨てならない一言が……


 なに!? 座名九郎って中学生なの!?


 同じ容貌のザナークも中学生だったということなのか。彼は地球人なんだから年齢詐称疑惑の対象になっても止むを得まい。ただ天馬の驚きは年齢のことではなく、歌舞伎役者がどうしてこの場に現れたのかという一点であった。


座名九郎「歌舞伎役者とは言っても、私ごとき『名も無き小市民』ですから……」


 「名も無き小市民」というフレーズが飛び出し、もう完全にザナークが嘘ついて紛(まぎ)れ込んでるようにしか見えないんだけど。あとは「そういうと思ったぜ」だな。



   オープニング



 前回に引き続き、新オープニングから。女っ気なしだった剣城京介(CV:大原崇)が異星人の少女と何やらロマンス感じるカットが。



 同じく新オープニングから。天馬の方にもこんな感じで可愛い異星人の少女と手をつないで見つめ合うという描写が。この2組のカップル、どうなるんだろうね。空野葵(CV:北原沙弥香)ちゃんの立場は?



 さらに新オープニングから。黒岩と水川みのり(CV:高垣彩陽)のまだ秘密隠してるであろうコンビの図。宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長のような佇(たたず)まいでふんぞり返る黒岩が印象的。



 鉄角真(CV:泰勇気)は歌舞伎役者がいきなりこのメンバーに加わることを訝(いぶか)る。言わんとすることは分からないでもないけど、君だって元ボクサーでサッカーは初心者だったわけで。

 九坂隆二(CV:岡林史泰)はその出で立ちに親近感を覚えたのであろうか、気さくに挨拶をかわす。座名九郎は謙虚に、アースイレブンに会えたことを光栄に思うと返答する。その謙虚な態度に野咲さくら(CV:遠藤綾)は好感を覚える。


さくら「何だか、感じ良い人ねぇ」


 その第一印象が裏切られたということにならなければ良いのだが……。素材があのザナークだけに心配される。サッカー始めた途端、性格が豹変(ひょうへん)するとか。



 豪炎寺はこの12人でグランドセレスタ・ギャラクシーに臨んでもらうと語る。せめてリザーブは5人はいたほうが良いと思うんだけど……特にキーパーは絶対複数いないとダメだと思う。負傷したり退場処分になった場合、替えがいないと困るからだ。


 一同は決意を新たにするが、まだ確認しなければならないことがあるということに、冷静な神童拓人(CV:斎賀みつき)だけは思いが至っていた。


神童「待ってください。彼を選んだのは、もしかして……」


 黒岩は良いところに目をつけたとばかりにニヤリと笑い、神童の考えを肯定する。サッカー技術も不明な座名九郎が名も無き小市民の分際でありながらこの場に選出された理由、それは彼もここにいるメンバー同様、獣の力を持っているからであった。

 臨死体験(りんしたいけん)以来、獣の能力保持者を見分けることが出来るようになった黒岩は、その持ち主である座名九郎の説得に円堂を向かわせたのだった。



 歌舞伎舞台の楽屋内で説得工作する円堂さん。何度断れられてもトライし続けるガッツの持ち主でないと説得は不可能だったかもしれない。だがその説得は困難を極めた。いきなり「サッカーやろうぜ!」とか言われても常識人の座名九郎だったらそりゃ断るよな。


 何度断っても諦めない円堂に根負けした座名九郎は、なぜ単なる歌舞伎役者である自分にサッカーを勧めてくるのかを問いただす。円堂はそう言われては隠し事が出来ない性分(しょうぶん)だ。笑って事実を打ち明ける。


円堂「お前にサッカーをやらせたい理由、それは……」


 そう言って円堂は天空を指差す。座名九郎が見上げたその指の先には夜空に星が瞬(またた)いていた。


円堂「宇宙と戦うためだ!!」

 そう言われて納得する人間などこの世にはいない。「宇宙人とサッカーやろうぜ!」(意訳)とか言われてもねぇ。しかし円堂はそう言って人ったらしの笑顔を向ける。この笑顔にコロッと騙された被害者は妻の夏未(CV:小林沙苗)や雷門中サッカー部をはじめ多数。


 果たして座名九郎もこの人ったらし笑顔にコロッとやられ、こうしてアースイレブンの力になるためにやって来たというわけだ。円堂の言葉を信じ、独自にサッカーの特訓を積み重ねてきたと座名九郎は語る。だが実戦を積み重ねたわけではない。またもサッカー初心者がメンバーに加わるという状況に、京都の料亭並みに初心者さんお断りの意識がまだ抜けきれない神童がため息をついて苦笑する。


「(フッ)またサッカー初心者、か」

 新人に1から教えることの面倒くささを噛み締めるように苦笑いを浮かべる神童くん。さすがにこの期(ご)に及んで黒岩の選んだ選手に文句をつけるという行為はしないようだが。



 一同は屋外グラウンドに移動する。その場で新加入の座名九郎のサッカー技術がどの程度のものなのかを確認するためだ。

 鉄角とさくらが見極めに協力する役割。さくらはお手並み拝見とドリブルで座名九郎に向かっていく。座名九郎を前にしてさくらは得意のジャンプ力でボールを足にかけたまま飛び上がる。自信満々のプレーだったが、座名九郎も笑ってそのプレーについて行く。さくらの幻惑的な動きに騙されず、適切な挙動でボールを奪い取ってしまった!

 そのボールを奪い返そうと今度は鉄角が向かって来る。だが座名九郎はヒールでボールを浮かせて鉄角のスライディングタックルを難なくかわす。これら一連の挙動はとてもサッカーの初心者のプレーだとは思えない。瞬木隼人(CV:石川界人)や真名部陣一郎(CV:野島裕史)ら見学していたメンバーも座名九郎の動きに目を見張る。

 2人がかりの奪取にも余裕の表情であしらうかのようにプレーする座名九郎。しかも彼は動きにくそうな私服でスパイクすら履いていない。ものすごい素質の持ち主と言えそうだ。こういう初心者さんが最初から加わってくれていたら神童も考えがもう少し柔軟になっていたであろうに……。


 2人をかわして放たれた座名九郎のシュートは、豪快にゴールネットを揺さぶる。仮にも過酷な特訓を積み重ね、押しも押されぬアースイレブンのレギュラーポジションを獲得した鉄角とさくらを向こうに回してのこのプレーである。座名九郎の実力は相当高いと言えよう。

 天馬は強力な仲間が加わったことを喜ぶ。見事にダシにされてしまった鉄角とさくらも素直に座名九郎のプレーを褒め称える。そのプレーには京都の一流料亭並みに初心者さんお断り主義の神童も唸(うな)らされる。



 座名九郎は円堂からの特訓を受けていたのだ。それだけにサッカーの能力も高まっていたと言える。だが合宿所で数十億円の設備を使いつつ実戦も経験していた鉄角たちを上回る座名九郎の実力を思うと、黒岩より円堂が指導した方が強くなるんじゃね?


 天馬に褒められた座名九郎は涼しい表情で一言


「そう言うと思いましたよ」

 ついにこっちの決めゼリフも飛び出した。ここまで重大なヒントをもらっておきながら、座名九郎を見てザナークを思い出さない天馬くんは天然だとしてもひどい。


 座名九郎のサッカーの実力、そして人間性など、今のところどこを取っても彼の新加入を否定する部分は見当たらない。この実力でも性格がザナークだったら加入は不可能だったと思うけど、座名九郎で良かった。


 この12人で戦うことが決まる。天馬や剣城は覚悟を決めたが、井吹宗正(CV:鈴木達央)や瞬木はまだこのメンバーで戦うことに不安を抱いていた。絶対に負けられない戦いという緊張感が、日頃は強気な彼らをここまで弱気にさせていた。

 その荷の重さには座名九郎の加入を祝福していた鉄角やさくらでさえも視線を落としてしまう。皆帆、真名部、九坂もその掛かる重圧に黙り込んでしまう。



 そんな彼らに言葉をかけるのは、ここまで彼らとは一度も接点の無かった円堂だった。


円堂「なぁお前たち。サッカーは好きか!?」


 根源的なその問いに一同はその肩にかかった重みをしばし忘れて笑顔で自身とサッカーとの関係性を振り返る。サッカーが楽しくなったと語るさくらと、夢中になれるものを見つけたと語る鉄角。真名部と皆帆は彼ららしく、理論を導き出す行為とそれに違(たが)わぬ解を得たときの喜びを語る。つまりみんなサッカーを好きになったということを別の表現で言っているに過ぎない。

 天馬にそう指摘され、彼らは顔を見合わせる。円堂がダメ押しで、サッカーがどれだけ好きかという気持ちと必ず勝つという気迫がサッカー選手には肝要であり、イナズマジャパン時代の彼らの試合を見てきた円堂にとって、彼らこそその思いを誰よりも持っていると胸に手を当てて称える。



 お前らならどんな困難でも乗り越えていけると太鼓判を押す円堂。鉄角たちとは初対面で一度も指揮したことがない彼だが、もう完全に彼らの気質を把握していた。この言葉に勇気を得た鉄角たちも天馬たち同様、円堂の弟子となったと言えるかもしれない。



 最初に円堂の言葉に反応したのはさくらだった。地球のために戦うという行為に対して前向きになった彼女はそう言って天馬を喜ばせる。



さくら「だってあたしたち、スーパーヒーローになるかもしれないんだよ!」


 さくらの場合、女の子だから「スーパーヒロイン」が正しいと思うが、とにかくすごいやる気だ。元来目立ちたがり精神が旺盛(おうせい)で新体操を志(こころざ)していた彼女にとってこの反応こそが普通なのかもしれない。一番乗りで宇宙に行くことを宣言する。

 2番目に宇宙行きを宣言するのは、九坂であった。大事なダチを守るため、そしてそのダチにつながるダチのダチまでもを救うためと言って九坂は胸を張る。

 地球を救うという直接的な発想ではなく、宇宙人という星外の知的生命体に興味を抱くのは皆帆だった。知的探究心が旺盛な彼はそれを満たしたいというこれまた彼らしい理由を述べる。

 真名部も宇宙では地球と違うことを想定した上で、地球の物理法則と理論がどこまで通用するのかを確かめたいという思いが芽生える。

 仲間たちの醸成した雰囲気もあろう。難しいことを考えることが苦手な鉄角は頭をかきむしり、進むも退くも地獄なら、進んで死地に臨む覚悟を決める。

 日和見(ひよりみ)の結果か洞ヶ峠(ほらがとうげ)の結果かどうかは分からないが、瞬木も笑顔で宇宙に行くことを天馬に告げる。


 それら姿を嬉しそうに見つめる葵の隣から、か細い声が聞こえてくる。それはチーム1臆病な森村好葉(CV:悠木碧)のものだった。



好葉「宇宙に行くなんて……ウチ……」


 そして最初に不安感を口にした井吹も、まだ宇宙行きの意思が固まらず逡巡(しゅんじゅん)していることを、握り締めた拳の震えから神童は目ざとく見抜く。



 いずれにせよ、事態は不可逆(ふかぎゃく)な方向に動き出した。天馬は急いで自宅へと走る。アパート木枯らし荘で久しぶりに愛犬サスケ(CV:佐藤健輔)の歓迎を受けた天馬は、そこで自分を待っていた懐かしい親友と再会する。


???「天馬! おかえりっ!!」


 それは日本代表・イナズマジャパン選出の際に黒岩のチーム構想から外れ、代表入りを逃して以来、久々の再会となる西園信助(CV:戸松遥)だった!



 愛犬、親友に続いて天馬の親戚の木野秋(CV:折笠富美子)がいつもの調子で優しく声をかける。天馬は彼女の声を聞く度に我が家に帰ってきたというホッとした思いを新たにするに違いない。


 信助は天馬たちイナズマジャパンがアジア地区予選を優勝したことを祝福する。選出されなかったものの、テレビでずっと天馬たちの応援をしていたのだろう(試合会場にはいなかったのでテレビ観戦だと推察)。

 だがそれを聞いて天馬は未だ真相が秘められているという事態の重要さを思い知る。実は天馬たちはアジア予選を戦っていたわけでは無く、地球の運命を賭けて宇宙人たちと戦っていたということを、信助たちはまだ知らない。


 信助は無邪気にイナズマジャパンの活躍を、まるで我がことのように目をキラキラ輝かせて熱っぽく語る。天馬はそんな信助の言葉に触れ、自分を心から応援してくれている信助と秋の2人に真相を知らせないことがどうしても耐えられなかった。天馬は深刻な表情で、彼らにすべてを打ち明けることにした。



 先ほどの意思確認で宇宙行きを宣言しなかった井吹は、ブラックルームでプログラム相手に黙々とキーパーの練習に打ち込んでいた。何かに追われるような焦りの表情を浮かべる井吹に、今となっては彼の心の師とも言える、神童が語りかける。グラウンドでの井吹の様子を見て、ここまで追ってきたのだろう。

 宇宙への出発の準備が済んだのかと問われ、井吹はひとつの質問を返す。キーパーとしての心得を神童に教わった思いの井吹は、今感じている懸念に対しても神童からの回答を得ようとしたのだ。

 今度の戦いは地球に住むすべての人間の運命が掛かっている。そのため、ゴールを守る井吹にとっては1点の重みがこれまでとは比べ物にならないほど重い。


井吹「俺に……ゴールを守り通せるのか!?」


 神童はひとりでゴールを守るという概念にまだ井吹が囚われているのではないかと語る。井吹はそうではなく、自身の実力不足で失点をしてしまうことを恐れていると返す。その不安を紛らわせようと、井吹はこの場で特訓に打ち込んでいたのだろう。


 そう感じた神童は気休めになりかねない自身の言葉ではなく、かつて神童を含めたチームに感銘を与えたある人物の言葉を引用する。


神童「サッカーは11人によるハーモニーだ、と……」


 それは時空最強イレブンを結成するにあたって、円堂の祖父、円堂大介(CV:藤本譲)が語った言葉だ。カリスマ円堂大介の言葉は、さすがの説得力を持って井吹の胸に響いた。

 得点するのがストライカーひとりの力では無いように、失点するのもキーパーひとりの責任に帰することは出来ない。11人がそれぞれの役割を有機的に果たすことによって勝利は引き寄せることが出来る。その触媒がハーモニーなのだ。



神童「もし1点取られたならば、俺たちが必ず取り返す!! ……それがチームだ!」


 それをゆめ忘れるなと言い残し、神童はその場を去る。ハーモニーとはチーム内の信頼感という言葉に置き換えることが可能かもしれない。この場合、神童は井吹を信頼したのだ。そして勝利のために井吹も俺たち仲間を信じろと、神童は言いたかったのではないか。


 歩み去る神童の背中に、井吹は何を見るのだろうか……?



 舞台は天馬の部屋に移る。そこで宇宙人の真相を聞かされた信助は大いに驚く。まぁそりゃそうだろうね。

 宇宙人との戦いに挑み、地球の運命を守り通すことが出来るのは天馬たちアースイレブンしかいないのだと、天馬は真剣な表情で訴える。みんなを守ってみせると強い口調で語る天馬の姿を、秋は頼もしそうに感じていた。



秋「安心してるよ。だって天馬だもん」


 秋ねえ可愛いな。どうしてまだ独身なんだろう? 天馬の気持ちをまったく疑うことなく、秋は笑いかける。その屈託の無い笑顔を見せられ、天馬はかえって守るべき者のためにその肝(きも)が座るのを感じていた。


信助「……ボクも行きたい」


 信助はイナズマジャパンに選ばれなかったその時から傍観者(ぼうかんしゃ)となり、その後は天馬たちと戦えなかったことが無念でならなかった。

 信助は友がそんな極限状態で戦いを強いられ、今また地球の命運を賭けて戦いに臨むことを何も知らずにいたことを申し訳なく感じていた。天馬の力になりたい。


信助「だからボクも連れてって! お願いだから!!」


 友のその目に、固い意志を感じた天馬はうなづいてそれを受け入れる。だがそれを最終的に決める権限は天馬には無い。その権限を持つ男、黒岩に2人で頼みに行くことを約束する。



 合宿所から近いちびっこ動物園には、好葉が訪れていた。



 お気に入りのウサギと戯(たわむ)れて笑顔を見せる好葉。以前もそうだったが大きなストレスに遭遇(そうぐう)し、それを癒したい時に動物と触れ合うのは彼女にとって無意識での療法なのかもしれない。


 そこに声をかけるのは葵だった。井吹の葛藤に気付いた神童と同じように、好葉の恐れに気付いた葵は彼女を追ってこの場にやって来たのだろう。

 好葉は以前のように葵を恐れて逃げ出そうとはしない。ただ宇宙に行かなければならないという運命には抵抗したい思いがあるらしかった。

 葵も宇宙を怖いと思いつつ、みんなを助けるためだと言い聞かすように語る。誰よりもその運命に向けて頑張る姿勢を見せた天馬を補佐するために、マネージャーとして自分が行くのだと笑顔を浮かべて好葉に向き直る。天馬が「ちょっと頼りないから」という理由が本音では無く方便であることがその表情から窺(うかが)える。

 他者のためにそこまで思い、信頼する気持ちを持った葵の姿は、好葉の心にも大きな感慨を呼び覚ます。



 さくらは自宅で父(CV:奈良徹)と母(CV:美名)に宇宙行きを告げる。その言葉に驚かされつつも両親はその言葉を荒唐無稽(こうとうむけい)なものとしてしか受け止めなかった。

 さくらは真剣な表情で、宇宙でも一番輝いてみせると意気込み、両親を困惑させる。ただその真剣さのみは伝わったはずだ。




 真名部も同様に自宅で父(CV:鈴木達央)を説得する。父は真名部を見ることもなく真名部の言い分をSF小説の読みすぎだと一蹴(いっしゅう)する。

 ただサッカーを球蹴りと揶揄(やゆ)し、頃合いをつけて辞めるよう言っていた父が、依然サッカーを続けていること自体は非難せず、むしろその先行きを気にしているような口調だったことに真名部は逆に驚かされる。

 そこに母(CV:遠藤綾)がやって来て、父が真名部のことを心配して試合をすべてチェックしていたという事実を明かす。



 試合に負けたら学業に戻すためだと語る父だったが、その言葉とは裏腹の柔和(にゅうわ)な表情が本当の理由を告げていた。真名部は父がサッカーのことに関して許してくれたことを嬉しく思うのだった(肝心の宇宙行きは伝わってないけどな)。



 お台場の建設工事現場では、そこをたまり場にしている不良たちに宇宙行きを伝える九坂の姿があった。彼らは固定概念に囚われていないというか偏差値が低いというか、とにかく親友である九坂が言うことを疑うこともなく、宇宙人相手のケンカだと色めき立つ。

 宇宙最強になると軽口を叩く九坂を見て、あの試合以来わだかまりが解けた幼なじみのサトちゃんこと神田里子(CV:矢野亜沙美)が冗談を言えるようになったリュウちゃんに笑いかける。



 サトちゃんが一回コッキリのキャラとして使い捨てにされなかったことが嬉しい。九坂は好葉に告白してフラレたけど、クササトもやっぱりお似合いな気がする。


 幼なじみを思うサトちゃんの素朴な感想が皮肉にも九坂の言い分がジョークであるという認識をされてしまうこととなる。「宇宙人との戦い=うそんこ」というイメージが場に醸成されてしまう。九坂は反論しようとするのだが、サトちゃんの世界大会でも応援するという真っ直ぐな視線を受け、それが本当の話だと言い張る機会を失う。相変わらずおにゃのこに弱いな九坂は。



 その点、皆帆はある意味気が楽かも知れない。現存して意見してくる人ではなく、今は亡き父が報告相手であるからだ。いつものようにグラウンド脇のベンチに腰掛け、写真から微笑みかける父に向けて宇宙に挑む心境を報告する。



 普段父がいないという境遇が当たり前の皆帆にとってはこの人智を超えるレベルでの冒険旅行がむしろ心細くないと言えそうだ。彼にとって父の存在は形而上的(けいじじょうてき)な概念となっているからだ。



 埠頭(ふとう)で叔父にしてボクシング修行時代のトレーナーである徹さん(CV:間宮康弘)に宇宙行きを報告する鉄角。徹さんは荒唐無稽な宇宙人という話を何のためらいもなく信じてくれた。



 宇宙チャンプの称号を手に入れて来いと厨二な激励をする徹さん。ただ他の家族と違って鉄角の目を見ただけでどんな無茶な話であろうと信じてしまうところがすごい。ふだん鉄角が嘘をつかない性格であるということを熟知しているからこそであろう。


 徹さんからの熱い激励を受け、鉄角も目の前に広がる愛すべき大海原(おおうなばら)を必ず守ってみせるとその決意を語る。夕陽が沈む海は穏やかにその少年の門出を祝っていた。



 アパート「ひので荘」では弟の雄太(CV:小林ゆう)と瞬(CV:戸松遥)に見送られ、瞬木が出発しようとしていた。地球の運命を救うという兄の使命は弟たちにとって大いに名誉なことのはずだ。地球を守るヒーローと言われ、瞬木は嬉しいような、それでいてシニカルに困ったような表情を浮かべる。




 翌日、天馬と信助は黒岩の執務室を訪れる。アースイレブンの一員となり、天馬たちと共に戦いたいと訴える信助に天馬も加勢する。だが黒岩の言葉は絶望的なまでに無慈悲だった。


黒岩「却下だ。お前では役に立たん」


 一刀の元に両断され、信助はそのプライドを傷つけられる。雷門イレブンの一員として、時空最強イレブンとして数々の戦いを経験してきた信助だ。本当に実力が不足しているのかテストをして欲しいと黒岩に直訴(じきそ)する。

 さらに信助の気持ちを理解する天馬が強硬に信助を後押しする。だがそれでも黒岩はその意見を却下する。どうしても信助をメンバーに入れるということを拒絶する黒岩を前に、天馬と信助は取り付く島がなかった。


 昨日、皆帆が座っていたベンチに腰掛けて信助は途方に暮れる。天馬と一緒に戦いたいという彼の思いは実現することは無いのだろうか?

 天馬がふと見た先にはサッカーボールが転がっていた。天馬は信助をサッカーに誘う。


 天馬と信助はキャッチボールするようにパスのやりとりをする。彼ら2人がサッカーを始めたばかりの頃のような光景がそこで繰り広げられた。

 天馬はボールを蹴りながら、サッカーをやっていて本当に良かったと思う今の心境を明かし、サッカーによって大事なものを守るという戦いに出る心境を語る。そして大切な仲間や親友に出会えたという点では2人の意見は一致する。

 どんな強い敵を相手にした時も諦めない天馬の姿に、信助は頑張ることが出来たと語る。その思いは天馬も同じだった。



信助「天馬、ボク、サッカーが大好きだ!!」
天馬「俺もサッカーが大好きだ!!」


 また一緒にサッカーをするという約束を2人はかわす。やはりこの2人は一緒にサッカーをして欲しい。願わくば、今回の宇宙人との戦いの過程で。



 そこに走り込んでくる懐かしい顔ぶれ。それは天馬ならずとも、イナズマイレブンGO初期からの視聴者にとっては感涙ものの光景だった。



 雷門イレブンたち。左から狩屋マサキ(CV:泰勇気)、錦龍馬(CV:岩崎了)、霧野蘭丸(CV:小林ゆう)、速水鶴正(CV:吉野裕行)、天城大地(CV:奈良徹)、浜野海士(CV:金野潤)、三国太一(CV:佐藤健輔)、青山俊介(CV:高垣彩陽)、倉間典人(CV:高垣彩陽)、一乃七助(CV:折笠富美子)、車田剛一(CV:野島裕史)、影山輝(CV:藤村歩)。残念ながら2役やっているキャラしか喋らない。例えば蘭丸は瞬木の弟の雄太、狩屋は鉄角、車田は真名部と豪炎寺(3役)、倉間はみのり、浜野はコーチの船木、天城はさくらパパなど。


 彼らは葵から話を聞き、ここに駆けつけて来たらしい。荒唐無稽な話だが、絆でつながる雷門イレブンには事の真偽が分かるのだろう。狩屋がタダで宇宙旅行が出来ると皮肉っぽく言い放ち、蘭丸に窘(たしな)められる。天馬がこれまで何度も見てきた彼らの日常の光景そのものだ。懐かしい再会だったが彼らは何も変わっていない。

 宇宙人相手の戦いに楽観的に野次馬を決め込む車田剛一(CV:野島裕史)に倉間典人(CV:高垣彩陽)がツッコミを入れる。天城大地(CV:奈良徹)や三国太一(CV:佐藤健輔)は天馬たちの実力を信じ、きっと乗り切ってくれるとエールを贈る。雷門魂を見せろと言われ、天馬は笑顔でその意気に応える。


車田「みんな、何かムズムズしないか!?」
浜野「このメンバーだったらサッカーでしょ!?」


 このメンツが揃い、目の前にはサッカーグラウンド、そしてサッカーボールもあるとなれば、サッカーしないほうがおかしい。麻雀を覚えたての大学生並みにそうなることは必定だった。かくして同窓会的雰囲気のもと、雷門イレブンによる送別会サッカーが始まる。


神童「俺も入るぞ!」


 そこに遅れてやって来たのは、常に彼らの精神的支柱であり続けた神童だった。彼が参加して、ほとんどの雷門メンバーがこの場に介したこととなる。



 残されたあと一人の雷門イレブンはどこに? 剣城は兄の優一(CV:前野智昭)と共にタクシーでこの合宿所に向かっていた。松葉杖をつきながら弟と話す優一ももちろん宇宙に向かうという話は知っていた。



 2人の元に喧騒が届く。それはサッカーに夢中になる少年たちが上げる歓声だ。見ると雷門の仲間たちがサッカーをしていた。


優一「行って来い、京介」


 サッカーを愛する者同士、優一にもその気持ちがよく分かる。剣城はその言葉に後押しされ、仲間たちの元に向かう。剣城が「俺も入れてくれ〜」と言ったとしたらぜひそのシーンを見たかった気がするが。




 イナズマジャパン→アースイレブンのユニフォームに身を包んだ天馬、神童、剣城のチームと雷門イレブンの対決だ。得意のドリブルで浜野と一乃を抜き去る天馬。そのプレーに見る懐かしさとサッカーに対する根源的な楽しさ、喜びに抜かれた側である浜野と一乃の表情にも笑顔が浮かぶ。



 ドリブルで仕掛ける蘭丸からスライディングタックルでボールを奪うのは、彼の親友である神童だった。天馬と信助の間に見えるサッカーを介しての友情と同じものが彼らの間にも確かにあった。



 すべてのプレーを嬉々として楽しむ天馬たちと雷門イレブンの仲間たち。天馬たちはこのあとに控える地球の命運を賭ける過酷な戦いを前に、真にサッカーを楽しむという貴重な機会を得たのだった。

 浜野へと渡ったボールをカットした天馬。そのボールが転がった先には……。


三国「おっ噂のアースイレブンか!?」


 そこにはアースイレブンの姿があった! 旅支度を整えた彼らもこの合宿所にやって来て、サッカーを心から楽しむ雷門の姿に感応したのだろう。

 みんなもおいでよという天馬の言葉に瞬木たちは戸惑(とまど)う。雷門の仲間でサッカーを楽しんでいるのに部外者が入るのは悪いという遠慮だろう。



 だがサッカーにそんな遠慮は無用であり、無粋(ぶすい)だ。ていうか三国は噂のアースイレブンがどの程度の実力か、試したくて仕方がない様子。テンションアゲアゲでアースイレブンの参戦を歓迎する。


 そう聞かされて、新たなるサッカー馬鹿たち(褒め言葉)も黙ってはいられない。サッカーをやりたいというムズムズした感覚を一刻も早く解消するためにグラウンドに飛び込んで来る。



 「アースイレブンVS雷門イレブン!」 事情を知らないファンやマスコミが見たら、世界大会進出を決めたイナズマジャパンと少年サッカー界最強のチームである雷門中サッカー部との垂涎(すいぜん)のドリームマッチの実現だと大騒ぎになっていただろう。きっとツイッターFACEBOOKなどで拡散されまくること請け合いだ。


 瞬木がその高速のドリブルで蘭丸と青山を抜いてみせる。青山はともかく、雷門の鉄壁のリベロである蘭丸を抜いたのは瞬木の潜在能力の高さを証明するものだ。

 その後も両者一歩も譲らない好試合を演じる。真剣勝負ではない分、サッカーを楽しむという感覚は両チームに共通していた。



 なにげに中の人が同じキャラ対決。どちらもDFだし、泰勇気さんはDF声なのかもしれない。DF声ってなんだ?


 倉間のシュートをガッチリと受け止めた井吹の姿は、同じキーパーとして信助にも伝わるものがあった。



 座名九郎ももちろんプレーには参加していたが、なぜか誰からも「お前ザナークじゃん!?」という声がかからなかったのが不思議でならない。



 その姿を見つめながら、コーチの船木宏正(CV:金野潤)はこれまで非難してきた黒岩に対する態度や選手たちを叱責してきた態度が過(あやま)ちであったことを認める。

 そして黒岩に対し、選んだ11人の選手たちが本物であったことを認め、アースイレブンが地球を救ってくれることを信じるとサバサバした口調で語る。

 それを聞いていた黒岩は、これまでのように船木を無視せずに返答する。だがその言葉は意外なまでに厳しいものであった。黒岩は彼らを信じてなどいないと断言する。ただ100%の勝利を果たすためだけに彼らを選んだと言い切る。そこにはサッカーに対する思いも人間性も感じられない、極めて事務的で怜悧(れいり)な印象しか見えなかった。



 別の場所からは円堂がこの試合を見ていた。円堂は宇宙一というこの地球上で誰も目指したこともない高い頂(いただき)に臨むアースイレブンの健闘を称える。



 天馬のシュートが雷門ゴールに迫る。信助はそれをガッチリと受け止め、ゴールを許さない。思いっきりサッカーをする楽しさ……その喜びを実感し、信助は顔をほころばせる。


円堂「そうだ、その『楽しい』って気持ちを忘れるなよ!」


 その気持ちがある限り、彼らが無敵であることを円堂は知っていた。サッカーを楽しむというこれ以上ない戦いへの門出。アースイレブンに対する最高の餞(はなむけ)は終わる。




 そして出発の時を迎える。12名のアースイレブン全選手がその場に集結する。影山輝くんにとっては黒岩=影山零治である叔父さんとの久しぶりの再会だと思うんだけど、その辺のエピソードは挟まないのかな? ちょっと見たかったんだけど。


 アースイレブン12人の名を呼ぶ豪炎寺。全員の名を呼び終えたとき、真名部が質問をする。遠い宇宙に向かうに当たり、宇宙船のようなものがこの場に無いということを疑問に思っていたのだ。

 その直後、合宿所の宿舎から物々しい音が響く。彼らが大会中に使用していた宿舎が見る見る列を成し、さらに橋梁(きょうりょう)にも列車の先頭部のような物体が姿を現す。さらにさらにミーティングや食事の場として使用していたメインエントランスも動き出し、宿舎と同じようにその形を整えていく。



 滑走路のようなレールの上で、まるで列車のようにそれぞれが連結されていく。そう、これはまさに住空間をつなげた列車であった。


鉄角「な、なんじゃこりゃ!?」


 鉄角だけではない。誰もがこの大変動を驚愕の表情で見ていた。



さくら「これって、電車!?」
みのり「列車型スターシップ、【ギャラクシーノーツ号】よ」


 みのりはそれが銀河連邦から受け取った設計図を元に作られた人類の現在のテクノロジーを超えた宇宙船であることを語る。ということは月を消された3か月前に作り始めたというわけか。設計図を貰ったにせよメチャクチャ仕事が早いじゃん、地球人。

 ここではなぜみのりが宇宙船の名前や事情を知っているのかをまったく問い詰めない天馬くんの天然っぷりをむしろ問い詰めたいのだが。マネージャーだから知っていたというのも同僚の葵が何も知らずに驚いていたことから説明つかないし。



 宇宙船と化した元合宿所のドアが開き、中から寮母的存在の管理人、蒲田静音(CV:くじら)が姿を現す。何か桃鉄を思い出してしまうんだけど。とにかくギャラクシーノーツ号の車掌というのが彼女の本来の姿であり、使命であったのだ。前作のクマ型運転士に続いて今度はオバチャン型車掌か(蒲田さんはロボットじゃないけど)。



 【参考資料】桃鉄の桃太郎社長。



 蒲田は呆然とする天馬たちに早く乗り込むよう告げる。もう出発の時刻が迫っているのだ。重要な役割を秘めていたにもかかわらず、いつもと同じ調子で天馬たちを叱りつけるオバチャンの態度に、天馬たちは安堵(あんど)して笑みを浮かべる。考えてみればオバチャンも18万8千光年という気の遠くなるところまでみんなと同行するのだ。並大抵の気の持ちようでは協力者として名乗り出ることなどありえない。


 蒲田にいつもの調子で声をかけられ、天馬たちもいつもの感覚が戻ってきた。一斉にかつて合宿所だったものである宇宙船ギャラクシーノーツ号に乗り込む。

 乗り込む天馬たちの後ろ姿をじっと思惑ありげに見つめていたのは、信助だった。彼は振り返ることなくギャラクシーノーツ号の中に消えて行く天馬を寂しそうに見ていた。宇宙船に乗り込むことでワクワクする気持ちは分からないでもないけど、このシーンの天馬くん、ちょっと冷たいぞ。


 乗り込んだ天馬たちは、そこでこれまでの合宿所とは一変したハイテクの装置群を見る。宇宙船の先頭部には、彼らが並んで座ることが出来るだけの席が用意されていた。

 宇宙船に乗り込み、いよいよ前を見るしかなくなった。天馬たちは気持ちが高揚してくるのを感じていた。


天馬「よぉーし、行くぞ宇宙へ!!」
一同「オウッ! 出発進行〜!!」

 キャプテンの号令一下、ついに彼らは宇宙へ旅立つ! 天馬くんはこの瞬間、信助のことは忘却の彼方にしている感が満載だ。天馬と同じく拳を振り上げているさくらが可愛い。あと無理くり真名部の影から顔を出してる皆帆はカメラの位置がよく分かっている。九坂の表情もユルユルで笑える。でも一番笑えるのはいつの間にかちゃっかりと艦長席のような場所でふんぞり返っている黒岩の姿だろう。


 最後部から噴煙が上がり、その推進力でギャラクシーノーツ号は動き出す。宇宙へと突き出すような滑走路が具現化し、高速でそこを駆け抜けたギャラクシーノーツ号は一気にその姿を天空に没して行く。


 それを見送る円堂たち旧雷門3人衆と、現雷門中サッカー部の面々。だが狩屋は違和感があった。隣で同じように見送っているはずの信助の姿が見えないことに……。



狩屋「信助くん……?」



 大気圏離脱を図りグングンとそのスピードを増していくギャラクシーノーツ号内部、キッチンのテーブルの影にその人物はいた。



 信助だ! どうしても天馬たちと一緒に戦いたい信助は、最後の手段「密航」で宇宙に向かったのだった!! 彼のしようとしていることがアースイレブンにとって災いとならなければ良いのだが……。天馬くんは今この瞬間、信助のことなんて忘れてそうだし……。



 次回に続く。



  エンディング




 さて展開が改まって、今回で地球編はおしまい。次回からは宇宙編に突入するようだ。始まった当初はさすがにこんな展開になるとは思ってもみなかった。世界大会編になるという流れは結構普通だったから疑い無く信じていたけど、日野社長のやることは常人には予測できねぇ(褒め言葉です)。

 それぞれが家族や親しい人たちに宇宙に向かうという経緯を説明する場面があったわけだが、あれはある意味それぞれの別れのシーンを表現している。家族が出て来たさくらや真名部はともかく、それ以外のキャラの家族たちがどうしているのかはちょっと気になった。サトちゃんや徹さんといったキャラが再登場していたのはなにげに嬉しかったけど。あとちびっこ動物園のウサギも可愛かったよな。


 雷門中のメンバーが駆けつけたシーンもグッと来た。残念ながら声優さんの都合上、喋らないキャラもいたけどな。さらに残念だったのは、葵以外のかつてのマネージャーたちが来てくれなかったこと。水鳥(CV:美名)と茜(CV:ゆりん)の2人には連絡しなかったのかなぁ? 葵ちゃん腹黒いぜ!


 さて信助という懐かしのキャラが再登場したわけだけど、彼が黒岩から同行を拒否された件を見て、その後の活躍度が気になる。信助はキーパーとしての才覚だけなら今の井吹よりも上の実力を持っているだろう。ただこのアースイレブンに重要なファクターは、黒岩が見ることが出来る獣の力であり、それが地球人以外の相手との戦いで活かされるという展開になるはずなのだ(オープニングですでにバレバレだし)。

 黒岩が信助の参加を却下したということは、信助にはその獣の力が無いということだしねぇ。ただこのチームにはキーパーが最低2人はいないとダメと思っていたから、信助の加入はマイナスにはならないと思うんだよね。もしかしたら途中で信助にも獣の力が宿るかも知れないし。あるいは黒岩にも見抜けなかった潜在能力があるかも知れない。私の見たところ、信助には電撃系カネ持ちネズミの力が宿っていると思われる。



 次回の一番の見どころは何といっても美少女2人の泣き叫ぶシーンだろう。これは可愛い。壁紙にしても良いぐらい。



 新展開を迎え、イナギャラも面白くなって行きそうな感じだ。新展開について行けず離れてしまった人たちもぜひぜひ帰ってきて欲しいなぁ。信助も出るしザナークモドキもいるぜよ。



  次回「砂の星にやってきた!!」に続く。



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