ニンテンドー3DSが値下げ 【2万5千円から1万5千円に】
ゲーム業界に衝撃が走った。
任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」が2万5000円から1万5000円に値下げされる事となった。
まんたんウェブより引用
ニンテンドー3DS :異例の1万円値下げ 8月11日から1万5000円で販売
2011年07月28日任天堂は28日、携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の価格を8月11日から現行の2万5000円から1万円値下げした1万5000円で販売すると発表した。2月26日の発売から半年未満での値下げは極めて異例。
3DSは、裸眼で3D映像を見られる携帯ゲーム機で、ニンテンドーDSシリーズの最新後継機。カメラなどの機能も搭載し、「ドラゴンクエスト9」(DS)などで社会現象にもなった「すれちがい通信」の機能を大幅に強化した。
発売開始から2日間で約37万台を販売するなど好調だったが、従来のDSシリーズと比べて高額の2万5000円という価格や、発売当初のソフトのタイトル数を抑えたこと、発売直後の3月11日に東日本大震災が起きた影響もあり、売れ行きが鈍化。発売後3カ月目となる4月の月間ゲーム販売ランキングでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯ゲーム機「PSP」に1位の座を奪われていた。同社は、岩田聡社長名義でコメントを発表。値下げについては「3DSの発売前と、現時点で大きく状況が変わったため、今思い切った手を打たなければ、多くのお客様にニンテンドー3DSを楽しんでいただく未来がつくりだせない可能性が高まった」と説明。1万円高い現行の値段で購入したユーザーに対しては、「スーパーマリオブラザーズ」「マリオカートアドバンス」など3DSで遊べるファミコン、ゲームボーイアドバンスの人気タイトルを各10作品ずつ無料配信するとしている。(毎日新聞デジタル)
http://mantan-web.jp/2011/07/28/20110728dog00m200024000c.html
上記記事の通り、東日本大震災の影響を強く受け、販売実数が低迷していたらしい。当方は『イナズマイレブンGO』待ちで、今のところはまだ「これがやりたい」というゲームが無い状態だったので、購入を見送っていたんだけどね。
1万円の値下げは消費者的にはありがたいが、任天堂側から見て大丈夫なの? と思わず心配してしまうほどの思いきった価格設定だ。これにはPSPの次世代機「PS VITA」の価格設定の方も強く響いていると思う。ほぼ同価格でのリリースだったし(3G非対応版)。
しかし発売後わずか半年での値下げというのは驚きだ。こうなると当然、発売当初の2万5000円で購入した層は不満が溜まるだろう。その辺は上記記事の最後に記述の措置で不満を解消してもらう狙いがあるらしい。
その救済措置をもう少し具体的に書かれている記事を紹介。
Engadget 日本版より抜粋
発表にあわせて岩田社長は「ニンテンドー3DSを価格改定前に購入されたみなさまへ」という文書を公開。「いちばん最初にニンテンドー3DSを応援してくださったみなさまからのご信頼を損ない、ご批判を受けかねないことだと痛感しております」としつつ、「今思い切った手を打たなければ、多くのお客様にニンテンドー3DSを楽しんでいただく未来がつくりだせない可能性が高まったと判断した」と値下げの理由を説明しています。
さらに岩田社長は、すでに3DSを所有する「アンバサダー」向けの特別プログラムを紹介。値下げされる8月10日(水)までに3DSでニンテンドーeショップに接続することで、アーリーアダプターだった方々のための特典を得ることができます。特典はいずれもバーチャルコンソールのタイトルで、まず9月1日にファミコン10タイトルを先行・無料配信。さらに年内にはゲームボーイアドバンスの10タイトルが「アンバサダー限定」の独占・無料配信されます。つまり値下げ前に3DSを所有していれば(あるいは今のうちに購入すれば)、20本(うち今回しか手に入らない10本)のバーチャルコンソールタイトルを入手できるということ。具体的なタイトル名は5つずつ紹介されており、ファミコンが
スーパーマリオブラザーズ
ドンキーコングJR.
バルーンファイト
アイスクライマー
ゼルダの伝説ほか5タイトル。ファミコン版は年末までに配信予定のVCタイトルを先行配信するもので、正式版の配信時に追加機能がある場合は無償でアップデートが可能です。
スーパーマリオアドバンス3
マリオカートアドバンス
メトロイドフュージョン
メイドインワリオ
マリオvs.ドンキーコングほか5タイトル。こちらはアンバサダー・プログラム限定となり、3DS用には将来も販売予定はありません。
この程度で納得しないという人も多そうではあるが、個人的にこれはなかなかキチンとした措置ではないかと思う。昔のゲームハードではこんな顧客に配慮した措置など無かった訳で。セガのゲーム機とか、既存ユーザーの切り捨てがすごかった時代を知っている立場からすれば、良心的だとは思う。
せっかくの3Dなんだから、ゼルダかマリオかポケモンか、3DS用の自社製ソフトを1本お詫びに差し出すぐらいの措置があっても良いかとは思うけどね。
今回の救済措置、ソニーがハッカーの攻撃を受けて、そのお詫びとして無料ゲームを配信した事を思い出すけど、あれは脆弱なガードのまま個人情報を受け付けていたソニーの怠慢に対するお詫び、であって、今回の措置は純粋に既存ユーザーへの配慮だと思う。どちらも倫理的な措置だけど、任天堂の方が許せる気がするんだよね。
この思いきった値下げについて、市場はどう反応したのかも見ておこう。
サーチナニュースより引用
きょうの悪役・任天堂、大幅減額で「成長神話」崩壊し7年2カ月ぶり安値
2011/07/29(金) 15:0529日の株式市場で悪役となったのが任天堂 <7974>だった。主力大証で急落し、7年2カ月ぶり安値。東証では一時ストップ安。28日に2012年3月期の連結業績予想を大幅下方修正し失望売り、処分売りが加速した。通期の連結営業利益は従来予想の1750億円から前期比8割減の350億円に減額した。「ニンテンドー3DS」が販売不振で、ハードウエアの値下げ、円高も響く。8月11日から3DSの希望小売価格を現行の2万5000円から1万5000円に引き下げる。発売から半年も経過せずに、大幅な値下げ。価格引下げで数量増を狙うが、かつての「成長神話」が崩壊した格好だ。
アナリストサイドから投資判断や目標株価の引き下げも相次ぐ。野村証券は投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に引き下げ。SMBC日興証券が「1」から「2」へ、JPモルガン証券が「オーバーウェイト」から「アンダーウェイト」に、別の米系証券でも「買い」から「中立」に引き下げた。(編集担当:山田一)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0729&f=business_0729_194.shtml
任天堂の株価は大きく下げてしまったらしい。値下げで状況を変えようとする事は、よく見られてはいないようだ。
当方に資金が800万円ほどあれば、任天堂株を買うんだけどねぇ。きっと任天堂は反転攻勢すると思っているから。株価で儲ける事は残念ながら不可能だけど、任天堂には頑張って欲しいと思う。
この価格は英断だと思うし、きっと購入に走る層は少なくないと思う。1万円の値下げは背中を押されちゃうよね。あとはソフト面の充実が急務だろう。
【追記】
コメントを下さったTM2501さんがこの件で興味深い記事を書かれています。大変分かり易く、かつ勉強になると思われますので興味がありましたらご参照ください。
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