セガが『イナズマイレブン』に関して特許侵害とレベルファイブを提訴【イナズマシリーズ存続の危機！】

　今冬大流行のノロウイルスにやられてしまいました。吐き気と腹痛がすごく、かなりつらい症状です。手洗いでかなり防ぐことが出来るようなので、風邪の予防を兼ねて、皆さんは手洗いうがいの励行を。

　本題。病気なだけにしばらく休もうと思っていたのですが、看過できない大きなニュースが入ってきたので更新します。株式会社レベルファイブが頒布する人気ゲーム『イナズマイレブン』シリーズが自社の技術特許を侵害しているとして、株式会社セガが訴えを起こしたようです。

読売新聞より引用

イナズマイレブン巡り…セガ、ゲーム特許で提訴
　ニンテンドーＤＳのゲームソフトに採用されている技術の特許を侵害されたとして、ゲームソフト大手「セガ」（東京都）がソフト開発会社「レベルファイブ」（福岡市）を相手取り、同社の人気サッカーゲーム「イナズマイレブン」シリーズ８作品の販売差し止めと廃棄や約９億円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしたことがわかった。
　７日に第１回口頭弁論が開かれ、レベルファイブ側は争う姿勢を示した。
　ゲームはペンや指で画面に触れてキャラクターを操作する仕組みだが、セガ側は訴状で「自社が取得した２件の特許権が侵害されている」と主張。シリーズ８作品で３００万本以上が売れており、特許使用料として約９億円が入るはずだったとしている。
　イナズマイレブンはゲームの人気が先行し、その後、テレビアニメや映画にもなっている。
　レベルファイブ側は「反論を準備しており、現時点ではコメントを差し控える」としている。
（2012年12月11日14時41分読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121211-OYT1T00864.htm

ねとらぼより引用

「イナズマイレブン」が特許侵害？　セガ、東京地裁にレベルファイブを提訴
セガの持つ特許を「イナズマイレブン」シリーズが侵害しているとして。
　「イナズマイレブン」シリーズで使用されている技術が自社の特許を侵害しているとして、セガがレベルファイブにシリーズ8作品の販売差し止めや破棄、9億円の損害賠償を求め東京地方裁判所に提訴した。
　今回争点になるのはセガが持つ「タッチパネルの移動」などの特許について。キャラクターを移動させる際の演出や処理が酷似しているとして、セガはレベルファイブに対して昨年10月から9カ月にわたり交渉を続けていた。結局合意には至らず、10月22日に提訴へ踏み切った。損害賠償についてはシリーズの販売実績から換算し、得られるはずだった特許使用料とのこと。
　セガの広報部によると、「約1年にわたり交渉を続けており、突然提訴に踏み切ったわけではない」と説明している。
　YOMIURI ONLINEによると、12月7日に第1回口頭弁論が行われ、レベルファイブ側も争う姿勢を示しているとのこと。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1212/11/news091.html

（赤字は引用者）

　最初聞いたときにはあまりに唐突な話で、「セガが冬コミに落選した腹いせなのか？」と思ってましたが（本当に落選してる）、どうも1年近くも話し合いを持っていたものの、合意に至らずやむなく提訴したというのがセガの言い分らしいです。レベルファイブ側の言い分が表に出ていないので何とも言いようがないのですが、裁判ともなると全てをオープンにするわけにもいかないでしょう。

　調べてみたところ、特許面に関してはレベルファイブ側が圧倒的に不利な情勢らしいです。損害賠償の9億円はそれほどの影響はないでしょう。問題はシリーズの販売差し止めの件で、裁判でこれが認められるとイナズマイレブンシリーズは全部販売停止の上、新作もリリースすることは出来なくなるでしょう。

　そもそもがゲームとのタイアップで誕生したイナズマ展開、ゲームがダメになればアニメや映画やマンガ、カードゲームといったメディアミックスも長期的には萎んでしまい、そういった関連コンテンツもダメになるでしょう。イナズマイレブンのゲームはすべてのイナズマメディアの根っこの部分であり、そこがダメになるとすべてが枯れてしまうということです。

　人気コンテンツを失い、レベルファイブという社の存続にも関わる事態だと思います。『ダンボール戦機』シリーズなんてかなりのテコ入れでやっと軌道に乗ったような印象ですし……。

　想像ですが、セガはこの件に関してイナズマイレブン関連のゲームが1本売れるたびに特許使用料をいくらか支払えとレベルファイブに要請し、レベルファイブはそれを断ったのでしょう。裁判で争われるのはその際の特許使用料が妥当なのかどうか、が問われるのではないかと思います。

　私、このブログで何度か書いてきたようにセガには結構思い入れがあるゲームファンでもあります。ですがというか、だからというか、今回のセガのやり方はあまりに非情で許しがたい。イナズマシリーズが大ヒットしてそれが一段落したタイミングを見計らって金を巻き上げようとするその心根が気に入らない。パチンコ会社のサミーの傘下になってからのセガにはクリエイターとしての矜持がない。ハッキリ言って失望した。

　セガに「そんなこと言わはりましても、ウチが持っとる特許やさかい、キッチリ払ってもらわんと困りますわな（なぜか強欲な関西商人風）」とか言われたらレベルファイブ的にはどうしようもないんだけど。

　シリーズ8作で300万本以上の売り上げを誇る作品を生み出したのはやはりレベルファイブの功績だったと思うのですよ。セガが同じようなゲームを作ったとして、こんなに売れてアニメ化や映画化するような作品が作れたとは思えません。昔のセガならともかく。

　今後この問題がどうなるのか、注視して行きたいと思います。下手したらこのブログの看板が無くなってしまいかねない話ですし。それにしてもゲームメーカーが同士討ちするような争いは止めてほしいんだけどね。出来れば裁判中でも示談成立させて、どうか『イナズマイレブン』という偉大なコンテンツの消滅だけは避けて欲しいと思います。

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