無知のくせにTPP交渉に前向きな野田佳彦首相 【TPPについて(その5)】

 賛成する人間を数倍上回る、反対及び無関心の国民を無視して野田佳彦首相がTPP交渉参加を表明しました。そういった事態にならないよう祈っていたのですが、馬鹿にはこの思いは届かなかったようです。


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 当ブログはこれまで、上記記事でTPPの問題点、毒素と呼べる条項についていろいろと書いて来ました。ややこしい話で分かりにくく、しかも選挙などで争点になったことも無い話が、何故かとんとん拍子に進んで行くことに強い懸念を感じていました。

 かつマスコミは総出でこのTPPなるものの問題点を隠蔽し、逆に早期参加こそが日本の生き残る唯一の道だと不安を煽って思考停止の方向に世論を誘導してきました。ほとんどの国民はTPPとはどういったものなのかすら知らないまま、恐ろしい可能性を秘めた条約の交渉に参加しようとしています。


 そしてTPP参加について、最終的に判断する最高権力者、行政府の長たる内閣総理大臣が、TPPの問題点に関して全く無知であったことが発覚しました。

 11月11日、参議院予算委員会において行われたTPPに関する集中審議で、自民党佐藤ゆかり議員が「国内法がISD条項によって曲げられる可能性について」首相に質問しました。野田首相の返答が如何に無知を晒すものなのかを以下の動画で確認してみて下さい。



  • 野田首相 「国内法で対応できるよう交渉をしていく」
  • 自民党の野次 「(国際)条約が優先するから対応できないんだよ、国内法では!」


 野田首相は国内法よりもISD条項の方が優越するという、TPPの問題点の基本中の基本を、何と知らなかったのです。これは驚くべきことです。国益を本当に重視するなら、いの一番に理解していなければならないことだと言うのに。



 11月11日と言えば、首相が当初予定していたTPP参加表明のまさにその日でした。前日に党内の反対派に配慮して表明日時を1日ずらしましたが、この後に結局、参加表明したことは皆さんご存じの通り。野田首相は恐ろしいことにその日まで、自民党に攻撃されるまでISD条項を寡聞にして知らなかったのです。


 (あり得ませんが)TPPがもし仮に、マスコミなどが言う通り日本の将来にとって役立つものであったとしても、このような無様な無知ぶりを晒した首相が碌に勉強もせずに参加表明して来て良いはずがありません。その段階ですでに国益を大いに毀損していると言えるでしょう。


 (これもあり得ませんが)もしアメリカ大統領をはじめ、参加表明した他の国々のリーダーが懸案の条約についてこんなに無知だったとしたら、きっと国民から総スカンを余儀なくされたことでしょう(共産党1党独裁のベトナム人民行動党による事実上の独裁状態のシンガポール両国は言論の自由が無いので除く)。緊張感も無く、外国の益のために自らの国を喰い物にする政治家は「無自覚な売国奴」だからです。一目で見分けが付きにくい分、自覚した売国奴よりも性質が悪い最悪の政治家ですが、よりによってそれが今の日本国のトップにいるのです。



 「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」

 ネタ画像っぽいですが、これはゲーテが本当に言った名言。何かの標語の後に『ゲーテ』と付ければ、何でもそれらしく見えるというネタが「さよなら絶望先生」でもありましたが……くどいようですがこれは本当にゲーテの言葉です。さておき最近の野田首相にこれ以上合致する言葉は無いでしょう。活動するたびに国益にマイナスになることしかしない歴代民主党首相にも当てはまりますね、この言葉。



 当ブログのこれまでの該当記事を読んで下さっている方は皆さんすでにご存じのISD条項に関して無知を露わにした野田首相。当ブログの読者の皆さんは、自国の最高権力者よりもモノ知りだったという訳で、誇りに思っても良いでしょう(これはまぁ野田クンに対する皮肉ですが)。


 今後の日本は否応なくTPP協議に関わらざるを得ませんが、最終的に大いに国益を棄損することになりますが、議会で批准しないという方法でTPP不参加を表明するしかないでしょう。

 一度交渉に参加すると表明して、後で「やっぱやんぴ」と前言を翻し、反故にするやり方が如何に世界から信用を失うことになるのかは、6カ国協議における北朝鮮を見ればお分かりだと思います。活動的な馬鹿が最初に参加表明さえしなければ、こんな無用な信用失墜を受けることも無かったのですが、前回選挙で民主党という毒素を政権与党に押し上げた私たち日本国民の過失として甘受するほかありません。

 またそれだけの損失を被(こうむ)っても、TPPに完全に巻き込まれるよりは、日本が受ける毀損度ははるかにマシだと思われます。まだ協議に入るかどうかを議論する段階だという詭弁を弄する民主党議員たちがいますが、野田首相の馬鹿っぷリを見ていると、到底それだけで済ますことなど出来ないでしょう。きっとタフなアメリカに強引に条件闘争という名の交渉に引きずり込まれるはずです。これは断言しても良いと思います。

 今後、私たちに出来ることは、与野党問わずTPP反対派の議員に働きかけて、せめて国会での批准を阻止することだと思います。後で「私はあの時反対したんだぞ〜」とアリバイ作りのために反対したエア反対議員も民主党には多数存在しますが、民主党は議会多数派だから、とりあえずは彼らの票もあてにする必要があります。



 一国の首相の分際で小中学生にも劣る知能の持ち主が、国家の存亡を決める権利を有する状態が政権交代以来、ずっと続いています。「幾らなんでも前のあのバカよりはマシだろう」と思われ続けながら、「鳩ポッポ」→「すっから菅」→「上島竜兵」と相変わらず同レベルのバカ宰相を輩出し続ける政府・民主党

 これ以上、国家のかじ取りを亡国政党に任せてはおけません。次の選挙が待ち遠しいですね。


【追記・上島竜兵様】
 偉大なコメディアンである貴方様をこんな馬鹿の代名詞に使ってしまい、あなたの名誉を著しく棄損してしまったことを、ここに深くお詫び致します。



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