世代問題という訳でも無い「ビートルズを知らない世代」

 ビートルズを知らないという若い人が居たらしい。それ聞いて私、最初は心底度肝を抜かれたんだけど、熟慮してみるとこれって無知を呆れて済む話、という単純なものでは無いという気がしてきた。現代社会を生きている者としては前世紀で一番有名なロックバンドグループという認識で、一般常識以前の刷り込みに近い感覚の知識だと思っていた訳だけど、飽くまでも自分の基準での話だもんね。

 解散後40年が経ち、ジョン・レノンが射殺されてから30年が経過している訳だから、こういった人が居るのも仕方が無いのかも知れないと思うし。ただジョンを殺した犯人の名前(マーク・チャップマン)はおろか、その犯人を凶行に衝き動かした愛読書(サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」)まで承知している立場としては、複雑な心境がどうしても割り切れなかったりもするんだけど。

 この知らなかった人が幾つなのか分からないけど(Twitter内での会話では17歳という事になっているようだ)、曲は流石にそれまでの人生で、いつか何処かで耳にしたとは思うんだよね(例えば「開運!なんでも鑑定団」を見てたら「HELP!」を絶対に聞いているはずだし。あ、この人テレビ見て無いんだっけ?)。知らないって言ってるけど、それはそう思っているだけで、曲を聞いたその時に興味持てなくて忘却してしまったという事だと思う。そう考えると知らなくても当然の土壌という事は想定できる。興味無いモノを知らないと認識するのも無理は無いと思うし。それを持って一般教養が無いとあまり揶揄するのも一方的で可哀そうな気もする。

 ただ「産まれる前の人(だから知らなくても当然)」って言い方はどうかと思う。産まれる前の人を全て知ろうとせず、聴こうとしなかったら、楽曲を楽しむ事が不可能になるとは言わないけど、ある程度その嗜好は窮屈に制限されると思うんだけどね。それを言ったら、私から見ても産まれる前には既にビートルズは解散してる訳だしね。やっぱり興味がその音楽性に向いたかどうかの話であって、この人には知った上で聞こうとすら思えない程度の曲だったと言うだけであろう。飽くまで個人的な好き嫌い、フィーリングの問題であって産まれる時代は関係ないと思うよ。

 「4人目の名前が出て来ないよ」ぐらいの認識だったら、こんなに驚かなかったんだけどね(おそらく多くの人にとっての正解はジョージ・ハリスン。この人も故人。リンゴ・スターは日本人に覚え易い名前で得してる)。或いは「ずうとるび」なら知らなくても驚かないんだけど(むしろ17歳で知っている方が驚く)。ずうとるびのメンバーは私も一人目から名前が出て来ないもんな。存在してた事ぐらいは知ってるけど。

 「無知より知ったかぶりの方が罪深い」という含蓄のある言葉を最近何処かで読んだけど、この場合もそう判断すべきかなと思う。何だかんだでこの人もウィキペディアを見てビートルズの事を知ろうとした訳だし。私がもしこの人とTwitterで話していたら、この人にどういう態度を取っていたのかなぁと考えさせられる事案ではあった。

 まぁTwitterはやろうとも思わないし、やり方も知らないんだけどね




 「HELP!」の和訳があったので紹介。結構重い歌詞。



 ビートルズの曲で私が一番好きな曲「Please Please Me」




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