【ゲームクエスト】初投稿の『ドラゴンフォース』の感想文

 今朝の大阪はこの秋一番の冷え込みだったらしい。当方、暫く前から風邪気味なのだけど少し悪化したのか今日は熱っぽく、新調したメガネも相まって物凄くふらついている。早めに休んで睡眠を多く取って早期の回復を期したい。皆様も時節の変わり目、お身体にはご自愛を。


 今回は当方が【ゲームクエスト】に初めて投稿した作品『ドラゴンフォース』の感想文。昨日の『ドラクエ』のエントリーと「ドラゴン」繋がりという事で、どうか一つ(苦しい理由だが)。

 これは友人に投稿を促され、短時間で書き上げた感想だったと思う。今読み返すと処女作としての内容の稚拙さもさておき、殆どふざけた部分の無い真面目な文章で、その辺が逆に恥ずかしく赤面してしまう。文章も短くてさらっと読めてしまうところはむしろ【ゲームクエスト】編集部の方針に合致していた訳で、以後の投稿感想よりも実は喜ばれていたのかも知れない。……などと思うとなんか、忸怩たる思いに陥ったりして。

 余談だが、投稿にあたって一番悩んだのが一人称。今も使っている「当方」も、決して良い呼称だとは思えないのだが、この時使い始めた以上、時に使いづらさに後悔しつつも便宜的に使い続けている。


甘茶さん の「セガエイジス2500シリーズ Vol.18ドラゴンフォース」 (プレイステーション2)
世が世なら、二次創作的ジャンルで花開いたのでは?
 甘茶さんは、サターンでも発売されたシミュレーションゲームのリメーク版を取り上げています。PS2になり、グラフィックも一新、声の演出もあり、イベントやせりふも追加するなど、あなどれない仕上がりになっています。見るべきゲームは、新作ばかりじゃないんですね。

甘茶
世が世なら、二次創作的ジャンルで花開いたのでは?(2008.07.03)
 セガサタ−ン中期のヒット作にして、現在でもカルトなファン層を形成している名作、『ドラゴンフォース』。このプレイステーション2移植作をゲーム店にて見かけた時、思わず感嘆の声を挙げてしまったのを覚えている。何のことは無い、当方もこのゲームのカルトなファンであったからだ。稼動する事の無くなったサターンからプレステ2に処を変えて、かつてと同様の「ドラフォ三昧」の毎日を、しばらくの間堪能した。ファーストプレイから10年近い年月を経ていても、楽しく飽きない展開に夢中になり、改めてこの作品の完成度の高さにうならされたものだ。
 
 ゲームの概要はサターン版の当作品の他の方の感想にて、加筆の要をなさない程詳細、的確に述べられているので、ここではプレステ2移植版での追加的要素について触れたいと思う。


 まずグラフィックの一新。
 武将達は元絵の特徴を活かしつつ、綺麗に描き直されている。旧作で評判の悪かった、描き分けのなされていない脇キャラ(いわゆるクローン)も、髪型などの些末な部分ではあるが、きちんと描き分けされている(色違い忍者だけはどうにも弁護できないが……忍者とは、そもそもそんなものという事か)。物語に随時挿入されるイベント絵もかなりの数が新規に、今風に美麗に描き下ろされている。


 それから、声優による声の演出。
 オープニングのみならず、イベント時もよく喋る。世間での評判も概ね好評のようだが、当方も良い変更点だと思った。音声のON/OFFを選べる点が、違和感を感じる人にも配慮されていて好感触。文字ウインドウの表示の関係か、二行ごとに台詞が途切れるのが少々不快であったが、不満はその程度。声の質もキャラに合っていて良かった。
 

 次に将星録絡みの新イベントの追加。
 調和神イーリッシュのお宝の噂から始まって、最終的にはゲームシステムにまで関わって来るこのイベントのおかげで、やり込み要素もアップ。旧作では、どんなに頑張って集めてもクリアデータに反映しなかったアイテムなどにも集め甲斐ができた。プレイ中出会った武将も記録される上、キャラの詳細設定が記載されているので、プレイするだけでは分からない情報も知り得る事ができる。


 旧作でもあった武将間の因縁台詞(せりふ)が大幅増になった。
 ファーストプレイ時、シナリオ進行に慣れてきた頃に、「いつもと違う」とハッと思わせるセカンドインパクトが武将間の因縁イベント。旧作でもいろいろ楽しませてもらったのだが、プレステ2版での量の増加は大変嬉しかった。プレイし慣れた立場から言うと、この因縁イベントはこの作品のキモであるとすら思える。過去においてなんらかの因縁のあるキャラ同士が戦闘状態になると、特定の、いかにもな台詞を吐くのだが、それは時に元恋人同士の切ないロマンスであったり、仇敵に対する抑え切れない恨み節であったり、図らずも竹馬の友と戦場でまみえる事となった男達の苦悩の一言であったり、女ったらしキャラの、まず報われない節操無しのナンパ術だったり……。プレイヤーに、この世界で息づくキャラ達の人生を感じさせるのだ。この世界で彼等は確かに生きている、戦略シミュレーションゲームの駒のひとつではないと思わせる、巧みな演出だ。世が世なら、二次創作的ジャンルでいろいろ使われていたんじゃないかと妄想逞しく考えているのだが、どうだろうか。
 
 これだけの追加要素を含めて2500円という低価格でのリリースには、正直頭の下がる思いだが、残念な事に現在新規の販売は終了しているようだ。サターン屈指の名作ゲームと、太鼓判を押してお薦めできる作品だけに、中古ショップなどで幸運にも見かけた折には、是非ともプレイしてみてもらいたいと思っている。昔のゲームの色にどうも馴染めないという人以外には、相当の確率で受け入れられると思う。


 【ゲームクエスト】掲載時、サターン版の感想で、やたら詳しく本作の概要を紹介している人が複数居たので敢えて内容の詳細説明は避けたのだが、詳しく知りたい向きの方はこちらをどうぞウィキペディアですまん。

 本作は、やはり150人以上の武将キャラ全てに固有の名前が付いていて、それぞれが織りなす人間ドラマを絡めた大がかりな国盗り合戦的シミュレーションRPGである点が最大の魅力だったと思う。ただ感想文中でも触れたがサターンでは顔の描き分けがなされず、何人かは全く同じ顔グラフィックの使い回しで「クローン」と呼ばれたりしていた。これは当時興醒めした記憶がある。同時期のプレイステーションRPG幻想水滸伝』では108人の味方がちゃんと描き分けられていたので、ジャンルが違うとはいえ、この辺はもうちょっと頑張って欲しかった。クローンキャラは作り手の愛情も無かったのか、普通より戦死しやすかったしねぇ。敵の女の子キャラを戦死させてしまうと、自分が勝利したとしてもリセットしてたなぁ。思い入れを強く持ってプレイしているからキャラには生きているイメージが強くって、死なせるのは後味悪すぎるんだよね。

 敵味方それぞれ最大100人の兵士ユニット同士がゴチャゴチャ戦う様は、サターンのスプライト能力の高さを証明するだけでなく、これまで見た事無いと思わせるインパクトを持った面白ゲーであった。続編の『ドラゴンフォース2』は2種類の兵士ユニットを混合させて統率できるなどいろいろ追加要素があったのだが、どうも評判は良くなかった。当方も購入して遊んだけど、あまり記憶に残っていなかったりする。無印の成功で、声優陣も豪華になっていたはずなんだけど、やっぱりファーストインパクトには及ばなかったという事なのか。世間一般の受けが良くなかったのは、『ドラゴンフォース』の様にこんな形でリメイク移植されなかった事で明白だが。


 ここからは短い感想文では書き切れなかった話をつらつらと思いつくままに(プレイした人にしか分からない話で恐縮だが)。遊んでて楽しい国はトパーズ王国。周りが敵だらけなので攻められっぱなしなんだけど、慣れてくるとそれが楽しくなる。好きなキャラは、君主ではジュノーン。ジュノーンは男装の麗人な上に声優が高乃麗という事で『サクラ大戦』のマリア・タチバナがモロにイメージに被って来るのだが。主要キャラ以外ではウリル。主であるギデオン、グレイスに圧勝してしまう彼女は強すぎ。アシガルを使うイズモ国の人間以外には無敵。ジョシュアは重要武将のくせに裏切ったり戦死したりするのには驚愕したのだが、一番の驚愕はPS2で喋る声を聞いて、男だと分かった事。サターン版プレイ時はずっと女だと思ってたよ

 本作は今でも偶にプレイするゲーム。簡単だし、爽快感があって楽しい。君主はいつも全員レベル50(最大レベル)にまで育ててから最終決戦に臨む。そこまでしなくてもクリア出来るんだけど、なんとなく。早めに君主キャラを仲間にすると育てるのが大変なので、後回しにする。自キャラのレベルが上がると、他の勢力の武将もレベルが上がるシステムを利用するのだ。戦闘で捕虜にした敵武将はわざと撤退してリリース。自キャラのレベルと武勲を挙げる事だけ考えていれば、結果的に楽に全員を強くする事が出来る。レックナートの場合のみ物語の進行上、このパターンが使えないので当方はあまり好きではない君主。声が少年レッドを思わせる渕崎ゆり子なのに加え、上記した最強のサブキャラ、ウリルを初期から使える勢力なのは魅力なんだけどね。



 雰囲気が良く分かるキャラ紹介的イントロ。主人公「星竜の八戦士」の一人、エルフ女王のティリスのナレーションが恰好良い。販促デモとしてゲーム店舗の店頭で流されていた動画だが、ゲーム作品内にも収録されている。



 PS2版のエンディング前のエピローグ。この部分、グラフィックは綺麗だけどアニメーションしないんだよね(スクロールはする)。実はこの場面はアニメーションするサターン版の方が感動する。女神アステアの掌中から八戦士が帰還するところなんかは、アステアの巨大さを実感したりね(巨漢のゴルダーク、レオンも掌に乗ってしまう程のでかさ)。最後にナレーションに合わせて、神々との決別を決意した君主たちが振り返るシーンがメチャクチャ恰好良かったんだけど、残念ながらサターン版の動画が見つからず。PS2版でも十分、恰好良くって感動するけどね。PS2版にはサターン版のグラフィックで遊ぶモードもあるので、サターン版のエンディングを見る事も出来るよ。



 『ドラゴンフォース2』のCMだけど、面白すぎるので紹介。せがた三四郎が100人居たら、どんな敵にも圧勝だろう。何度でも言うが面白すぎ。そしてラストは怖すぎ。せがた三四郎を考えた人は天才やね。せがた三四郎が1年早く登場していれば、プレステとのシェア争いにも勝てたかもしれない……。セガファンとしては、残念。

 【追記】 アメリカ人がこの動画に対するコメントで「If they had an army of Segata's during WWII, the US woulda been fucked.(第二次世界大戦中に彼ら日本に『せがた軍』が居れば、アメリカはぼろ負けしていただろう)」と書いていて笑った(一部意訳)。

 このアメリカ人、品は無いけどセンスはあるよね。


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