今日から日本シリーズということで『ワールドスタジアム2』の感想

 ドラフト会議も終わり、今日から日本シリーズが開幕するとの事で、プロ野球好きにとってはいよいよ今年も押し迫った感がある(まだ2カ月もあるのだが)。ファンだった近鉄が無くなってからは一応バファローズの愛称を継承したオリックスを応援しているのだが、今年のドラフトは1位指名で3回も抽選で負けるなど散々だったようで……。来季も期待できない雰囲気がプンプンする。

 私的に残念だったドラフトはさておき、今年の日本シリーズは中日とロッテという事が原因なのかどうか分からないが、何でも全国ネットで地上波放映されないらしい(第一戦、第二戦、第五戦の三試合)。当方もどちらのファンでも無いので局側の気持ちも分からないではないのだが、今後もこんな感じで続くとしたら残念な気もする。野球人気というものの凋落ぶりを実感するニュースではあるが、ハンカチ王子斎藤祐樹投手をはじめ、有力選手が多くプロ入りした来季以降、人気を取り戻し巻き返してもらいたいものだと思う。日本ハムの斎藤投手と楽天マー君こと田中将大投手との投げ合いは、甲子園での早稲田実業×駒大苫小牧時代の因縁を込めて客の呼べる名勝負になるだろうし。

 ただオリンピックやWBCワールド・ベースボール・クラシック)など、日の丸を付けて日本を代表して他国と戦うときの熱狂ぶりを考えると、野球もサッカーと同様の状況に至ったのかなと思う。代表人気からすそ野に広げようというサッカーとはむしろ逆の現象だけど。

 今回は第二回WBCで、日本が優勝した後、ペナントレースが始まった頃に書いた『ワールドスタジアム2』の感想文の再掲。ほぼイチロー談義の内容だけど、あの決勝ヒットのラストを見せられたからには、我ながら仕方ない気もする。野球好きの編集さん(確か【ゲームクエスト】投稿者から編集者になられた【河】さん)が担当する日まで掲載を待たされた記憶がある。待たされたとは言うものの、その配慮は逆に嬉しかった。


甘茶さん の「ワールドスタジアム2」 (プレイステーション)
懐古的ながらもエキサイトできる
 ワースタといえばメジャーリーガーズやフーズフーズレイルウェイズを思い出します。パワプロももちろんいいんですが、私はやっぱり野球ゲームの原点だと思います。懐かしさ、けっこう、大いに今でも楽しめるゲームです。

甘茶
懐古的ながらもエキサイトできる(2009.04.17)
 WBCでの日本の二連覇は大変な偉業で、野球ファンを自認する当方も大いに興奮して応援させてもらった。ちなみにパソコンの壁紙も、日の丸の前でのWBC優勝記念撮影の写真にしているぐらい(苦笑)。ただ、言わせてもらえば今回の大会の運営自体には不満も多い。特定の国のチームとの組み合わせが異様に多く、うんざりする事があった。個人的にはスピード・コンパクト・スモールベースボール侍ジャパンと、パワー全開のビッグベースボールチームたる「ベネズエラ」、「プエルトリコ」との対戦はぜひ見てみたかったのだが……。せっかくの4年に一度の祭典なのだから、対戦相手を固定する今回の方式は無粋であると言わざるを得ない。次回以降の改善を望みたい。とは言え決勝の「韓国」との戦いは間違いなく今大会のベストゲームであった。イチローの決勝ヒットに快哉を叫んだのは、日本国内で何十万、いや何百万人いたであろうか? あの天才打者イチローをして、大会後は胃潰瘍でダウンしてしまう程のプレッシャー……日本という国家をあの双肩に担っての闘いだったのであろう事は想像に難くない。考えてみれば、WBCという世界大会で優勝を経験した国民は、未だ私たち日本人だけなのだ。これはすごいことだ。改めて侍ジャパンと、その精神的支柱だったイチローには心からの敬意を表したい。

 そのWBCの熱の余韻冷めやらぬうち、プロ野球が開幕した。WBC越しの目線だからでは無いだろうが、例年より盛り上がっている様に思える。当方も久しぶりに野球場へ出向いてみようかと思ったりして……。とにかく無性に野球づいている最近の当方としては、ゲーム感想の方も野球で行こうと思った次第だ。長い前フリ、申し訳ない。

 昔購入した野球ゲームの中から、今回プレイしたのがこの『ワールドスタジアム2』。いや、懐かしい。引退して今はフィールドに無き往年の名選手の名前があり、さらに当方が長年愛した球団「近鉄バファローズ」が存在している(泣)。何より印象的なのが、WBCで日本人をやきもきさせ、最後は千両役者を見事演じたイチローが、オリックスの一員としてゲームに出ているところ。この頃はまだ売出し中だったはずだけど、手が付けられない1番バッターとして当方の前に立ち塞がる(当方は未だ愛するバファローズを使用)。今となっては懐かしの振り子打法が画面に蘇る様は敵ながらあまりにも美しく、たかが数コマのドット絵に、暫くは身震いを止める事が出来なかった。

 すげえよ、イチローさん! こちらの苦心したアウトコースぎりぎりの球をあっさりとレフト前に弾き返す様を見て、WBCでは各国のピッチャーがこんな思いをしながら対戦していたのかな、と知らず想像していた。大会中は不調でも、世界で一番安打を打つ技術を持つ男との認識は、国籍問わず世界中の野球人の共通認識であった事だろうから。おまけに足が速い速い。バッティングの良い「ぴの」みたいなものだ。走力があるというのは守備範囲も広いということで、ゲーム中はパーフェクト超人。自キャラで操ってもすごさを感じるのが容易な選手だが、やはり対戦相手として向かい合うのが、彼のすごさを十全に味わう何よりの方法だと思う。理不尽なまでの能力を、敵として味わって欲しい。WBC勝戦、決勝打を打たれた韓国のイム投手(2010年現在ヤクルト所属の抑えピッチャー)の気分がよーく分かるはずだ。

 ゲーム全体に言及してみよう。本作は一部のキャラを除いてバランスが非常に取れた、オモシロ野球ゲームに仕上がっている。それでいてイチローを含む一部の怪物キャラに関しても、ゲームを壊してしまっているという訳では無い。野球はチームプレイなので、多少のオーバーパフォーマンスがあっても個性としてゲーム性で吸収し切れている点が、むしろプラス効果の役割を果たしているのだ。またこの頃のナムコのゲームソフトに共通しているシステムとして、「ネジコン」というコントローラーに対応していて、ネジコンを使えばより効果的にプレイすることが可能というふれ込みであった。当方はネジコンを使用した事が無いので気にならなかった要素だが、ネットなどで確認した限り、使い分けた方は総じてネジコン使用の方が良いという評価を下していた様だ。未経験の当方としては、ちと残念な要素かな。いまさらコントローラーを買うわけにも行かないし。まぁ、普通のコントローラーでも問題ないレベルの操作性であることは保証する。

 なんだかんだと、懐古的ながらもエキサイトして遊ぶことが出来た。そこで今後の野球ゲームへの提言……というか、願望を述べさせて欲しい。権利の面で大もめにもめそうだが、WBCのゲーム化という企画は無いものであろうか? ぜひ今回の侍ジャパンをゲームで再現して欲しいのだが……。予選敗退により幻に終わった強国「ドミニカ共和国」や、そのドミニカを破って勝ち上がった新星国家「オランダ」との夢のカードをゲームでぜひ体験してみたい。ついでに大会不参加だった超一流選手A・ロッド(薬物でケチを付けたがドミニカ代表として)とか日本の真の4番・松井秀喜なんかも加えた、まさにドリーム仕様で!!

 やっぱり権利面で、もめにもめて無理か……(笑)。

 ちなみに今年の日本シリーズ、どちらのファンでも無い訳だけど、今年は中日を応援するつもり。やはり半年間のペナントレースの重みを考えると、1位でセリーグを制した中日と、3位だったロッテとは同列にしたくないと思えるからである。落合監督の采配は個人的にあまり好きでは無いのだけど。

 4勝1敗で、中日が日本一になると予想。


[追記]
 ロッテが緒戦を勝利したようで、早くも予想が外れそう(笑)。


[さらに追記]
 ロッテが2勝したので予想外れ。面目ない。


[さらにさらに追記]
 ロッテ優勝、おめでとう。何も言う事は無い。



今見ても心が震えるイチローの決勝ヒット。


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