F1韓国GPがヤバいらしいので……『美神伝説Zoku』の感想

 まさかブログを始めたその日に、2人の方からコメントを頂けるとは思わず、動転している(笑)。半年ぐらいは細々と続けるつもりだったのだけど……。ただこれは嬉しい誤算で、【ゲームクエスト】の残光(……という言い方は甚だ失礼にあたるのだろうけど)は、まだまだ健在であると心を強くした。書き込んで下さった、漫研さんとおかもろ(再)さんには深謝したい。

[追記]
【ゲームクエスト】の元閲覧者さんからもお言葉を書き込んで頂けた。大変励みになる内容で、とても有り難く思う。

 その辺も含めて書きたい事が出て来たのだが、それをすると本日分の計画が大幅に狂ってしまうので、申し訳ないがそれは次の更新の時にさせて頂く事にする。今日は題名で書いたとおり、F1韓国GPの予選が行われる。昨日のフリー走行では何事も無かったようなのであるが、当初から開催が危ぶまれていたらしく、直前でもこんな感じだったらしい。ドライバーの皆さんの無事を心から祈る。

http://www.topnews.jp/2010/10/22/news/f1/races/koria-gp/25815.html



 時事ネタと絡めると言っては何だけど、こういう話題に便乗して検索数を稼ぎたい姑息な小市民の当方としては、ここはレースゲームの感想文を持ってくるのが良いと思われ、過去投稿感想文を漁ってみたのだが、見つかったのはバカゲーとして有名な『美神伝説Zoku』だけであった……。どうして『マリオカート』の感想を投稿していなかったんだと後悔することしきりであったが、しょうがないのでこれで行く事にする(推敲の遅い当方は、時事ネタの書き下ろしは無理だった)。面白くないと感じたゲームなので正直に辛口なのだが、けなし方が下品に過ぎたかもしれない。個人的にあまり出来の良くないと思える感想文なのだが、担当編集の方は好意的に読んでくれたらしく(【ゲームクエスト】の編集さんは、褒めてやる気を出させる方針だからであろうけど)、その点は嬉しかった。当時の担当編集さんから頂いたお言葉も合わせて、掲載時とほぼ同じ内容で再掲する。誤字脱字は校正したつもりではあるが、お見かけの際はこっそり教えて頂けるとありがたい。

 

甘茶さん の「美神伝説Zoku」 (スーパーファミコン)
ほめる点探すのは無理 定価なら世の中を呪ったかも
 甘茶さんは、面白半分で購入したゲームの感想です。中古ショップに駆け込んで、説明書がなかったためにちゅうちょし、予想通りにガッカリしている様子が面白いですね。ほめるべきところがない……というのもかわいそうな気がしますが、正直な意見です。

 甘茶
ほめる点探すのは無理 定価なら世の中を呪ったかも(2008.09.01)

 ゲームを余暇の嗜みにする生活が長くなると、ごく稀にどうしようもない馬鹿げたタイプのゲームを遊びたくなるものだ。理性と論理的常識に縛られた日常からの離脱を求める程に現代人の心は疲弊しているのかも知れない…、と言い訳をしておいた上で紹介する今回の作品は、ネットや雑誌で評判のバカゲー『美神伝説Zoku』である。
 
 上記の通り、猛烈にバカゲーをプレイしたくなった当方は中古ゲームショップに駆け込んだ。一通り見回したところ、スーファミ中古ゲーム販売コーナーで今尚、伝説のバカゲーと評判のこの作品を発見した。ハズレても心が痛まないくらいの価格、280円というステキプライスで売られていたので早速購入し、プレイしようと箱を開けた。すると取扱い説明書が無いではないか。「取説無し」などとは明記されていなかったのだが……。昔のゲームは説明書無しで始めるとえらい苦労をするというのが常識なので、どうしたものかと途方に暮れた。一瞬返品も考えたが、いい大人が「説明書入ってないから294円(税込)返せ!!」とは言い辛く、そもそもハズレ前提の買い物だったのだからと自分を納得させてみた。「今どきこんなゲーム買ってやがる」とゲームショップ店員に二度も蔑みの目で見られるのも耐え難かったし。

 ……さて操作法だ。もともと評判(それもマイナスの評判)だけで購入を決めたので、当然操作法は全く分からない。ネットでざっと操作方法を探してみたが見つからない。そもそもネットでじっくり詳細に情報を仕入れようとする人間がこんなバカゲーをしようなんて思う訳が無い。それに普通は入っている説明書を見れば事が済む基本操作など誰もネットに書く訳も無い。そんな中でも幸いに、裏技の載っているサイトを見つけたので、その情報を頼りにプレイしてみようと思う。言っておくが、基本的な操作は一切分からないままだ。

 ストーリーはオープニングで流れたので一応理解出来た(理解してもしょうがないレベルの物だが)。世界恐慌や富士山の噴火によって東京は荒廃し、人々は力を求め暴力的な暴走族チームを結成し、主人公の男女はその抗争に巻き込まれて行く……という『北斗の拳』や『マッドマックス』など世紀末的世界観ではありがちなストーリー(この『Zoku』の世界は2020年で、「世紀末じゃ無いよ(笑)」との製作サイドの浅薄エクスキューズが聞こえて来そうだ)。実際出てくる敵キャラは全員『北斗の拳』や『マッドマックス』みたいな外見で、乗ってるバイクやバギーも両作品で既出と言って良い程酷似している。ただ敵キャラが全員女である事を除いて。……そう、恐ろしい事に敵は全てレディースの暴走族なのだ。チェックポイント的に各面のゴールにいるボスには男にしか見えないキャラもいるのだけれど。

 女性主人公が「好きな男が出来たから」と、件(くだん)のチームを抜けるに当たりかつての仲間から報復を受けるという展開なのだが、レディースってこんな風に忍者が抜け忍を追いかけて処断するみたいなシステムがあるのだろうか。あるんだろうなー。殺すまでは行かないまでも抜ける時に「ヤキを入れる」なんて話はひと昔前に良く聞いた話だ。荒廃した世紀末的世界観では「殺しに来る」というのはデフォなのであろう、と説明書の無い当方は憶測でストーリーを無理矢理補完する。
 
 プレイしての感想だが、あまり言う事は無い。世間の評判の通りだった。限り無くクソゲ−寄りのバカゲーで、こんなゲームに手を出した当方がバカだった(正にバカゲーマー)。レースゲームとしてこのゲームはスタートするのだが、どんなにフルスピードを出して敵車を追い抜いても、次のコーナーで確実に(本当に100%、紛れの余地すら無く確実に)抜き返されてしまう。しかも見えない所から殺人的体当たりをされてこちらがクラッシュする事も度々だ。レースゲームの醍醐味というものを全く理解していない製作者が作ると、こういった出来になるのだろう。カタルシスとは真逆の、ストレスしか感じさせないレース展開。テストプレイはしたのだろうか。ろくにしていないと思うが、テストプレイを経てこの仕様に落ち着いたのだとしたら、テストプレイヤーが無能なのか、社内で立場が弱く何も言えなかったかのどちらかだ。ただ底の浅そうな製作サイドの意図は理解し易い。どうしても『ファイナルファイト』的な戦闘部分を付加したかったのであろうな、と。自車がクラッシュした時、プレイヤーキャラは路上に投げ出されて、敵キャラとの『ファイナルファイト』モードでの戦闘が始まるのだが、「製作サイドはこれがやりたかったんだろうな」感がありありと漂う展開なのだ。しかしこの戦闘がまた絶望的に面白くない。クラッシュさせられたイライラ感につまらない『ファイナルファイト』をさせられるイライラ感が募り、だんだん何がなんだか分からなくなってくる。これならコストは掛かっても素直に『マリオカート』と『ファイナルファイト』を別々にプレイした方が何兆倍もマシだ。製作サイドは、レースゲームを遊べてストリートファイトゲームも遊べる「ひと粒で二度美味しい」を意図していたのだろうが、「ひと粒で嘔吐した」というのが当方の率直な感想だ。
 
 恥ずかしながらというか当然ながらと言うべきか、当方はこのゲームをクリア出来ていない。画面右下にマップレーダーがあるのだが、全然レーダーの役割を果たしていないのだ。冒頭書いた裏技に自車周辺のマップを表示するコマンドがあるのだが、こっちをデフォルトにしてくれないと駄目じゃん。ただ問題は、自車周辺マップに切り換えてもゴール地点が曖昧でよく分からないという所。このゲームの理不尽なまでのくそ意地悪さが顕在している。何度か挑戦したが上記の通りゲーム展開のつまらなさと、そこから来るやるせなさに耐え切れず、相当序盤の段階でリタイアしてしまった。説明書が無いので、道中落ちているアイテムの意味が分からなかったのも痛かった(なんか四角いのが自車のダメージを回復するアイテムだという事は自力で気付いた)。

 クリアしていない作品の感想を送るのは忸怩たる思いがある。また感想を送るならどんなクソゲ−でも何らかの「良かった探し」をして褒めるべき点は褒めるといった態度を取るのが当方のポリシーなのだが、今回はどうにも無理。……定価は凄い高額だね。もし定価で購入していたら、当方も盗んだバイクで走り出して、校舎のガラスを叩き割るぐらい暴力的に世の中を呪ったかも知れない。そう思うと、つくづく心が痛まない値段で良かったと思える。……いや、本音を言えば280円でも返金して欲しいぐらいだけどね。


 そう言えばクリア出来て無かったっけ(笑)。まぁ『グランツーリスモ5』よりは時事にあったゲームであったかも知れないと思ったり。……今更プレイする気にならないのだけれど。

 PS3の『グランツーリスモ5』はやってみたいけど、別の意味で(当分は)出来そうにないようである。




 恐ろしい事に、こんなゲームにも動画が……。最初は簡単そうに見えるかも知れないが、それは1面目。敵車の出る2面目から(動画では6分55秒辺りから)がこのゲームの本番であり、地獄である。勘違いされる事の無きよう。


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