『イナズマイレブンGOギャラクシー』第28話「灼熱の惑星ガードン!」の感想 【新しい紫天王は不動似のショタっ子】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGOギャラクシー』第28話「灼熱の惑星ガードン!」を観ての感想を書く。今度の舞台は火の惑星、そして相手は鳥人間だった。焼き鳥を食べたくなったのは私だけであろうか?



 当ブログは、『イナズマイレブンGOギャラクシー』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOギャラクシー』第27話「皆帆のオウンゴール!」の感想 【ポトムリの正体がイケメン過ぎる】
 をご覧ください。

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 松風天馬(CV:寺崎裕香)率いる【アースイレブン】は星間サッカー大会【グランドセレスタ・ギャラクシー】の本戦2回戦【惑星サザナーラ】に勝利して次の目的地へと向かう。



 次の目的地の名、それは【惑星ガードン】。月面のようなクレーターと赤錆(あかさび)た色合いが荒涼とした雰囲気を醸し出す星だった。アースイレブンを載せた【ギャラクシーノーツ】号はガードンのステーションに到着する。

 乗降ドアが開くのを今か今かと待ち受けていたピクシー(CV:北原沙弥香)が一番乗りで外に飛び出そうとするが、吹き込んできた蒸気に悲鳴を上げる。天馬たちも開いたドアから流れ込む蒸気という事態に驚く。

 ガードンは灼熱のマグマ惑星だったのだ。その温度、湿度の高さから一同は蒸し暑さを感じる。降り立ったばかりなのに早々にバテてしまう一行。



 この状況に準備良くうちわを仰(あお)ぐ野咲さくら(CV:遠藤綾)と、その準備の良すぎるさくらの装備品に呆れ口調の鉄角真(CV:泰勇気)。このやり取り一つを見てもこの2人はやっぱり名コンビだという気がする。



 まるで蒸し風呂のようなその状態はメガネっ子である真名部陣一郎(CV:野島裕史)にとっては天敵だ。嬉しいわけでもないのにメガネが曇る状態を森村好葉(CV:悠木碧)に心配され、さらには黒い性格を隠さなくなった瞬木隼人(CV:石川界人)には指を指されて笑われる始末。


 面白い状況になっていると瞬木にからかわれながらも、真名部はこれは気温の高さの証明だと人差し指でメガネを持ち上げる例のクセを見せる。

 そしてさすが頭脳派らしく、この星の高温の状況を推測し始める。太陽による熱以外にもマグマによる放熱、そして活動的な地熱の影響も大きいであろうことを推察する。

 神童拓人(CV:斎賀みつき)は真名部の解説から星全体が暑いということを感じ取る。地熱により発せられるスチーム(蒸気)が湿度を高め、より一層熱く感じられるのであろう。


 彼らの想像が正解だということを、グランドセレスタ・ギャラクシー開催中は彼らのコーディネイターとして随行するイシガシ・ゴーラム(CV:遠藤綾)が肯定する。いつものように次の目的地に先着していたイシガシは、これもまた恒例となった無感動な口調でアースイレブンの到着を歓迎する。彼(!)自身はこの暑さの中、汗ひとつかかない涼しげな表情で。


イシガシ「ようこそ、惑星ガードンへ……」



   オープニング



 イシガシはこの星の環境に慣れないうちはこまめに水分補給するよう地球人たちに忠告する。前回のサザナーラが涼しい水の惑星だった分、この茹(う)だるような暑さは選手たちに過酷な状況に感じられた。九坂隆二(CV:岡林史泰)はだらしなく両手をだらりと下げながら歩き、ボクシング経験者の鉄角ですら止まらない汗に辟易(へきえき)していた。



 タオルを絞ったらこんなに汗が。確かに暑いがその異常な量の汗は鉄角が単に汗っかきだったということだろう。代謝しすぎだろ。その汗っかき体質自体を嫌悪するような目で見つつ、皆帆和人(CV:代永翼)はこの地をサウナに例える。


 西園信助(CV:戸松遥)は空に何かが飛んでいることを発見する。鳥のようにも見えるが、それは翼だけで身体のフォルムは人間だった。


神童「鳥人間……?」


 イシガシはそれをガードンの住人だと説明する。次の敵チームが空を飛びながらサッカーするという可能性を示唆され、鉄角が抗議するが、イシガシは戦うべき相手は彼らではないと語る。


 さくらは地上で見かけるガードン人を見て、顔だけが鳥であることに気づく。ガードン人には先ほど空を飛んでいた翼のある者と、翼を捨てて機械の腕を取り付けたものとの二種が存在することが明らかとなる。天馬たちアースイレブンが戦うべき相手は、翼のない方のガードン人だとイシガシは告げる。まぁ確かにサッカーはキーパーが手を使うし、スローインの時も手を使うしねぇ。

 地上のガードン人たちは地球人である天馬たちがこちらを見ていることを察し、姿を隠してしまう。どうやら警戒しているらしい。


 天馬の質問に答える形で、イシガシはこの星でどうして二種類のガードン人が存在するのか、その経緯を説明する。

 かつてガードン人は全員が翼を持ってこの星に存在していた。しかし近年、その翼を手放して機械の腕を付けるガードン人が増加しているという。それはその手にハンマーやスパナを持って工業化に進むため、ガードン人たちが自ら選択した新しい進化の形であった。



 その手でハンマーを振るい、その手で握ったスパナでネジを締める。そうして工業化に進んだガードン人たちは様々な機械製品を開発し、高度な文明を築き上げて地上での生活に適応していく。

 空を飛べるというアドバンテージを手放してまで工業化に進んだ行為を、皆帆はやや不思議そうな思いで聞いていた。ただそれは最初から飛べない分、飛ぶことに憧れる地球の人間の発想ではある。ガードン人の一部からすれば地球人のように腕が欲しいという気持ちになることも想像に難(かた)くない。

 しかし一方で、彼らの特性である翼を手放すことを潔(いさぎよ)しとせず、機械化を拒(こば)んだガードン人たちもいた。

 それが今も空を飛んでいる東の種族であり、機械化を受け入れたガードン人は西の種族と呼ばれている。



 左のガードン人は買い物かごとまつ毛からして女性なのだろう。西の種族は腕以外にウンコみたいな髪型までもがアバンギャルドで斬新だ。


 東と西の種族はその見解の相違もあり、惑星ガードンの支配権を巡(めぐ)って対立関係にあるという。同じ星の種族なのに、考えが違うことで争い合うということに信助は悲しそうな表情になる。地球人だって資本主義と共産主義という考えの違いで殺し合った歴史を持つわけで、一概にガードン人の行為を愚行(ぐこう)と断罪することは出来ないだろう。

 問題は星の中でも争っている時に、その星全体の運命がアースイレブンとのサッカー対決で決まってしまうということだろう。実際に戦う西の種族はともかく、東の種族は自分たちと関係ないところでそのようなことが決められることに納得はしないだろう。

 そんな現状を瞬木はケンカして勝手に自滅してくれたら良いのにとハッキリ語る。ハッキリ言うようになった瞬木だが、神童はその考えも一理あると肯定的だ。何といってもこの戦いは負けるわけにはいかないのだ。敵が分裂していることをチャンスと判断することは卑怯でも何でもない。


 天馬はカトラ・ペイジ(CV:上田麗奈)からかけられた言葉を思い返す。そう、勝ち続けて彼女のもとにたどり着くまで天馬は、アースイレブンは負けるわけにはいかない。カトラに会えれば地球だけでなくこの銀河系すべての人間を救うことが出来るはずだ。天馬はドリンクの入ったボトルを強く握り締めて決意を新たにする。

 そして次の戦いに勝利するためにも特訓を開始すると宣言する。キャプテンらしくメンバーに檄を飛ばし、次の戦いへの布石を打つ。もちろん一同に異論はない。高温多湿というガードンの過酷な環境にあっても彼らのサッカーへの情熱だけは揺るがない。



 天馬たちの様子を高々度から見つめる視線があった。それは機械で造られた鳥。スパイバードだった。地球人の監視に使われていることは間違いない。



 案の定、そのスパイバードが送る画像は西の種族族長でありチーム・ガードンの敵キャプテンでもあるアルベガ・ゴードン(CV:高口公介)の元に送られていた。



 アルベガ。ワシのような顔を持ったガードン人。思うにガードン人は鳥類が進化してその星の支配者となった例であろう。サンドリアスが爬虫類の進化系だったように。もしかしたら地球のように哺乳類が進化して地上の支配者となった例の方がこの銀河系では少ないのかもしれない。


 高度な機械文明を築き上げた彼らだけに、スパイバードからの映像から彼らの筋力など潜在能力まで調査してしまう。この技術により、試合前からアースイレブンの能力は丸裸にされ、情報戦においては圧倒的に不利な情勢に追い込まれてしまう。



 そして恐るべきことに、現在ソウルを発動できる選手までもが把握されてしまう。好葉、市川座名九郎(CV:小西克幸)、瞬木、皆帆の4名。いきなり出すことで意表を突くことが出来るソウルパワーも事前に知られてしまっては効果も半減する。


 アルベガの側近はソウルそのものを軽視して前時代的なパワーだと一笑に付す。アルベガも翼を捨てたとともにソウルも不要だと言い捨てる。彼らの矜持(きょうじ)、それは翼とソウルを捨ててでも手に入れた機械の腕を絶対視し、彼らの選択が間違いではなかったことを東の種族の連中に知らしめるということであった。



 一方、ガードン人たちにスパイされていたことも気づかずに石畳のグラウンドで練習を開始するアースイレブン。近くの石柱の上から、先ほどのスパイバードとは違う目線で彼らを見つめる視線があった。

 老人の姿をしたガードン人は彼ら地球人の到来を吉か凶かと占うかのように謎めいた言葉をつぶやき、その翼で飛び立つ。翼を持ったその姿から、この老人は東の種族に属していることを強く示唆していた。



 そしてグランドセレスタ・ギャラクシーの開催の元となった惑星【ファラム・オービアス】に舞台は移る。王宮では女王のララヤ・オビエス(CV:高垣彩陽)が剣城京介(CV:大原崇)の帰還を待っていた。

 剣城の帰還に、ララヤは明らかに喜びを込めた口調で語りかける。剣城はララヤに求めていた「1日の猶予」を終え、約束通り戻ってきたのだ。

 ララヤは王になる決心(=自らと結婚する決心)を改めて問う。剣城はそれに即答を避け、逆にララヤが女王としてしなければならないことは何ぞやと質問する。



ララヤ「決まっておる。この星の幸せを守ることじゃ」


 ララヤはいきなりの質問に小考し、笑ってそう答える。だが剣城はこの星が決して幸せな状態ではないと深刻な口調で語る。ララヤは自分の星の絶対の幸福を否定されたことに怒り出す。

 だが剣城はララヤを王宮に閉じ込め、都合の悪い真実を教えずに隠し通そうとしている勢力が存在していることを示唆する。女王の代わりにこの星を治める権利を委託する貴族たちは彼女が尊敬する亡き父から任命されたものであり、自身を裏切ってこの星を操ることなどありえないとララヤは色をなす。

 しかし剣城は確信していた。そしてララヤが女王であるというのなら、真実を見なければならないと強く迫る。おそらく剣城が欲した「1日の猶予」の期間中、剣城はこの星の実情を観察しに向かっていたのだろう。



 舞台は再度、ガードンへ。好葉とさくらの女子2人はランニングに汗を流すが、この星の暑さは彼女たちから容赦なく体力を奪い取る。いきなりこの暑さに慣れることは難しい。だがそんな中、鉄角だけは全力で声を張り上げ、全力でダッシュして全力でシュートする。

 その姿はバテていた他のメンバーを驚かせる。鉄角は未だそのソウルに目覚めていない自分の状況を鑑(かんが)み、ここが成長への踏ん張りどころだと見据えているのかもしれない。

 鉄角の暑苦しいまでのその頑張りは、暑苦しい仲間の座名九郎や九坂などの魂にも火を点ける。さわやかコンビのまなみなにまで派生したそのド根性という士気の高まりを利用しない手はない。天馬はその意気だと張り切る仲間たちを鼓舞する。


 鉄角と九坂の競り合いから、ボールがあさっての方向に飛んでいってしまう。だが高く上がったそのボールに飛びつき、豪快なボレーでゴールにシュートを叩き込む影があった。

 グラウンドに降り立ったその人影は機械の手を持ったガードン人だった。その機械製の腕に紫のキャプテンマークを巻いたその人物、それはアースイレブンをスパイしていたアルベガその人だった。

 アルベガは名を名乗り、次の対戦相手の代表として挨拶に来たと尊大に述べる。いきなり乱入してきたその無礼な態度を、これがガードン流の挨拶なのかと非難する神童。ケンカ上等の九坂は早くもその挑発に応じようとして天馬に諫(いさ)められる。

 翼を捨てた鳥人間と瞬木に揶揄(やゆ)されたアルベガは目を見開き、翼よりも機械の腕を選択した自分たちの考えが正しいことを証明するためにアースイレブンを倒すと宣告する。究極の進化を遂げた自分たちに敵は無いと自信満々に。

 言いたいことを言ったアルベガはその場を立ち去る。宣戦布告にやって来たということであろう。直接対峙した敵の将の姿に、アースイレブンはその気を引き締める。



 そしてファラム・オービアス。剣城は城下の繁華街にララヤを誘(いざな)っていた。以前、街に登場したときは熱狂的な市民に迎えられた彼女のことだ。その再現をさせてしまっては真実の視察にはならないだろう。変装したララヤは街を行き交う市民が誰も自分のことに気づかないことが楽しそうだ。



 お忍びで街を歩くことを嬉しそうにはしゃぐララヤちゃん。そのクリンとした特徴的なモミアゲからして一目瞭然なんだけど。


 いつもと変わらぬ平和そうな街の様子を見て、ララヤは安心した様子で歩いていた。剣城は人々の表情をよく見ろと忠告する。そう言われてよく見ると、確かに市民たちの表情は暗く沈んでいた。


ララヤ「誰も……笑っておらぬ……」


 彼女の知るファラム・オービアス国民はいつも幸せそうに笑っていた。だが女王が見ていないところでは、誰もその笑顔を浮かべてはいなかった。剣城はさらに深刻な場へとララヤを導く。


 そこは街の華美な華やかさとは無縁のバラックが建ち並ぶ、いわゆるスラムだった。まさか自分の治める国内にこのような貧民街があることにララヤは絶句する。

 財産と住む家を奪われ、その地にひっそりと存在する彼らを見て、ララヤは怒りを込めて彼らから財産を奪ったその首謀者を問う。



 その首謀者が、これまでララヤが信頼していた上級貴族たちであることを剣城から聞かされ、ララヤは言葉に詰まる。途方に暮れて焚き火の前でせめてもの暖を取る子供たちの姿……それが上級貴族たちの自身への裏切りの結果であることをララヤは痛感する。


剣城「お前の父、国王アクロウスが本当に作りたかった国はこんな国なのか?」



 追い討ちのように剣城の言葉がララヤの胸に突き刺さる。ララヤの瞳からは、自分が何も知らなかったことに対する後悔と悔悟と痛惜の念が入り混じった熱い涙がにじむ。自らをお飾りにして勝手な行為に及んだ貴族たちへの怒りの涙へと転嫁することはあるのだろうか?



 舞台は三度(みたび)ガードンへ。ガードン人たちの本拠地では、アルベガとファラム・オービアスから送り込まれた刺客たちとの間でいざこざが巻き起こっていた。

 誇り高く自分たちが築き上げた文明に自信を持っているガードン人はファラム・オービアスの助っ人は不要との立場だった。



 だがファラム・オービアスよりの刺客、紫天王のロダン・ガスグス(CV:藤村歩)は挑発的に笑って、今のチームではガードンはアースイレブンには勝てないと言い切る。余談だけどこの前髪と目つきから、不動明王(CV:梶裕貴)を思い出したのは私だけではないだろう。あとこのイジワルな口調からも。


 仮に助っ人を得た上で勝利してもそれは東の種族に対する優越性の証明にならないという判断が働いているアルベガはロダンの意見に聞く耳を持たない。

 再度の拒否で交渉は決裂したかに思えた。だがロダンはガードン人たちが誇りと思っている究極の進化という言葉自体をバカにする。そうしてアルベガたちを後に引けない状態にして、ロダンは条件闘争に持ち込む。



 本拠地内にあるサッカーグラウンドで、ロダンは1対3でサッカー勝負をすることを提案する。数の上でも不利なのだが、さらにボールを奪われた時点でロダンの負けという圧倒的に不利な条件だ。ロダンが負ければ二度とアルベガたちの目の前に現れないことという条件が示される。

 それらすべての条件を飲んで、それでもロダンは自信満々だった。キーパーのアルベガが開始を告げた直後、ロダンは疾走しその秘められた能力を全開にする。




 トラのようなアルマジロのようなソウルに身を包み、一気にゴールを陥れたロダン。アルベガもその仲間たちも一歩も動く隙のない、まさに圧勝の貫禄だった。またも余談だが、アニメ上で紫天王がソウルを使用したのはロダンが最初。


 ソウルを否定していたガードン人がソウルに敗れるというのは屈辱的だったであろう。しかも圧倒的に有利な条件であったというのに。


アルベガ「これが……ソウルの力……!?」


黒「ああ言うのをなんて言うの、リュゲル兄?」
白「『当然の結果』と言うんだ」

 こちらも3人いるというのにロダン一人に任せてこの勝負を傍観(ぼうかん)していた紫天王の2人、リュゲル・バラン(左 CV:ランズベリー・アーサー)とガンダレス・バラン(右 CV:興津和幸)の兄弟。紫天王が一気に3人も舞台に登場するとは驚き。きっと彼らも強力な能力を持っているのだろう。しつこく余談だが、リュゲル役のランズベリー・アーサーさんはアメリカ出身の超イケメン声優さん。そのご尊顔はこちら


 なんにせよ、勝負はロダンの完全勝利だ。条件を提示する立場もアルベガからロダンに移行する。彼は「悪いようにはしない」と悪い顔をしながら言い、ガードンイレブンに自分を加えることを強烈にアピールする。アルベガは勝負に敗れた以上、是非もない。



 アースイレブン側のグラウンドではまだ練習が続けられていた。鉄角と九坂が相変わらず競る。他の場では座名九郎と皆帆、瞬木と真名部などいずれも1対1の形でボールの奪い合いが繰り広げられていた。

 マネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)はそんなメンバーに声をかけて応援をする。彼女自身も選手と同様に汗をかきながら。


 神童のドリブルを天馬がカットする。そのボールは転々と転がり、物陰に入り込んでしまう。それを拾いに行った天馬は、その場でまたも運命の邂逅(かいこう)を果たす。



 カトラだ。またも天馬ひとりの前にその姿を現す。水川みのり(CV:高垣彩陽)の中に在するポトムリ(CV:三木眞一郎)が知ったらまたヤキモチ妬くんだろうなぁ。


 カトラはこの星には3つ目の希望のカケラ「赤い石」があることを伝えるために現れたのだった。ただその赤い石はこの星の人間、つまりガードン人の手に渡っているらしい。

 どうすれば赤い石を入手できるのかという天馬の質問に、カトラは東の山に棲む種族がかつてこの星を治めていたことを語り、彼らに赤い石の在り処(ありか)を尋ねてみることを提案する。

 そこに帰りの遅いことを心配した神童がやって来る。その瞬間、カトラは最初からそこにいなかったかのように姿を消してしまう。相変わらず、彼女は天馬以外の前にはその姿を見せようとはしない。



 カトラから聞かされた話をした天馬の口伝は、やっぱりみのり(ポトムリ)からの強い否定で返される。カトラがすでにこの世の人ではないと、みのりは信じ切っていた。

 カトラの存在の証明となるのは、この星に赤い石が存在するということだ。天馬は東の山に行って赤い石を探すよう皆に告げる。

 東といえば、機械文明を否定する翼を捨てなかったガードン人の棲家(すみか)だ。ただ鉄角は試合前だけにそんな話よりも練習して敵との戦いに備えるべきだと語る。真名部もその意見に同調する。

 天馬はこの戦いに勝利するだけでなく、宇宙全体を救う方法を獲得するためには、希望のカケラを手に入れることも大事なのだと反対派を説得する。


真名部「キャプテンはいるかどうかも分からない人の言葉を信じて行動するというのですか?」
天馬「うん! 俺はカトラを信じる!」


 あまりにもあっさりと肯定され、真名部は論理的に反駁(はんばく)しようとするが、神童も天馬の意見に否定的な口調で「そういう問題ではない」と告げる。


神童「だが試してみる価値はあるだろう。それが宇宙を救う唯一の可能性ならばな!」


 神童のその言葉に勇気を得た天馬は、改めて東の山に向かうことを仲間に提案する。だがさくらはやはり試合前の調整を優先させるべきだと返答する。他のメンバーもその意見に同調的であることを雰囲気から察し、天馬は悲しげな表情を浮かべる。

 神童はそんな後輩の思いに応えるべく、自分と天馬だけで東に向かうと天馬の隣に立つ。二番目にそれに同調したのは井吹宗正(CV:鈴木達央)だった。ひところは神童に反発しまくっていた井吹が二番目に同調するというのは物語当初を知っている立場から見れば隔世の感がある。

 そして知的好奇心が人一倍強い皆帆も同調者として名乗り出る。座名九郎も石を探すという行動の方がこの星の環境に適応できるのではないかと、参加を決める。

 そういう流れが出来てしまえば、残って練習するメンバーの数にも支障が生じる。あまり乗り気ではなかった真名部やさくら、鉄角も参加を決め、これで全員が赤い石捜索メンバーに加わることとなった。

 天馬は自分の曖昧(あいまい)な意見に全員が同調してくれたことに喜び、感謝の言葉を告げる。最初にその流れを作ってくれた神童の提案により、メンバーを3班に分けて捜索することとなる。



 グーチョキパーでグループ分けを決めようとするが、全員がチョキを出した中、ただ一人グーで勝ったと思い込んだ九坂がはしゃぎ出す。神童はアホを見るような目でそんな九坂をたしなめる(九坂の方が年上なのに)。ていうかグループ分けで一人ぼっちになったとしたら、九坂の負けなんだけどね。死ぬぞ。


 仕切り直しのグーチョキパーでメンバーは3つに分かれた。



 神童、井吹、皆帆、好葉の1班。まなみな、くさこのなどが一気に無くなってしまった布陣だが、神童と井吹の腐れ縁は存続。チームリーダーはやはり神童だろう。



 第2班。まったく接点のないメンバーが勢ぞろい。剣城が本物だったら信助と雷門つながりなんだけど、あいにくこの剣城はニセモノの剣偽だ。チームリーダーはいない感じ。本物だったらリーダーは剣城だろうけど。



 第3班。天馬を始め、体力に自信がありそうなメンバーが揃う。真名部のみ体力なさそうで心配だが。チームリーダーは言うまでもなく天馬だろう。瞬木、鉄角、座名九郎などは2班に回ればリーダーになれそうだけど。


 この捜索には加わらない葵からの、見知らぬ土地である星だけに気をつけるようにという忠告を聞きながら3つのチームは赤い石捜索に出発する。



 3つに分かれたアースイレブンの様子は、相変わらずスパイバードによって敵に筒抜けだった。サッカー勝負に勝ってもはやチーム・ガードンのリーダーのように振舞うロダンが監視する。

 そこに通信の割り込みが入る。映し出されたのは、ファラム・オービアスでララヤの隣にいた老婆、ルーザ・ドノルゼン(CV:美名)だった。



 ルーザはこの星でアースイレブンを潰すよう、ロダンに念を押す。おそらくアースイレブンと戦う予定の各惑星に紫天王を送り込んでいるのも彼女の差し金だろう。そしてさらに推測だが、ララヤをお飾りにして政(まつりごと)を私物化し、ファラム・オービアスの民を苦しめているのも彼女の仕業であろう。



 ロダンはルーザの命令を軽く請け合う。彼自身、アースイレブンを叩き潰すのが楽しみで仕方がないといった風情(ふぜい)であった。そこには命令などなくとも地球人を潰すという無邪気かつ残酷な意志が感じられた。



 溶岩のたまる傍(そば)を進む天馬たち3班。案の定、ひとり遅れ出す真名部を置き去りにしつつ鉄角が歩を早める。彼は早く石を見つけて練習に戻りたいと語る。

 熱心に練習していたことを座名九郎に指摘され、鉄角は自分も早くソウルの力を出したいのだと素直に言う。先にソウルの能力に目覚めた瞬木にからかわれるが、鉄角は前向きにサッカーへの思いを語る。もっと強くなりたい……その一心で鉄角は苦しい練習に打ち込んでいたのだ。



「その心意気、あいやお見事ぉ〜!!」


 ここぞとばかりに薄れつつある歌舞伎キャラをアピールする座名九郎。彼は強い意志が壁を打ち破り力を得るという自らの信念を語り、鉄角の努力を応援する。

 ソウルの力の先達(せんだつ)にそう太鼓判を押され、鉄角は嬉しさに有頂天になる。この辺は同じくソウルパワーの先輩の瞬木と違って座名九郎の良いところだろう。あのザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)の祖先とは本当に思えない。顔がそっくりなのでDNA的に疑いようがないのだけど。


 浮かれている彼らを尻目に、真名部は左手にある岩がさっき見かけたものと同じように見えることに気づく。同じような光景なので気のせいだろうと言いつつ、念のために目印のバッテン印を書き込む。この慎重さは真名部がこの班にいる大きなアドバンテージになりそうな印象だ(アレ、真名部くんお荷物じゃない?)。



 彼らが遠く歩み去ったあと、その岩が静かに動き出す。それはガードン人の技術で造られた人工の岩だったのだ。ロダンはそれを動かすことによって天馬たちを道に迷わせようとしていた。灼熱地獄で体力を失わせ、試合の本番で実力が発揮できないようにするという卑怯な作戦だ。



 場面は2班の様子へ。相変わらずこの暑さに不満タラタラのさくらはさっき持っていたうちわを持っておらず、手で自身を扇(あお)ぐ。暑いという言葉は周囲をも暑く感じさせる。他のことを考えようという信助の提案で、一同はしりとりをすることになる。別のことに思考を集中させる行為は暑さを忘れるというか、暑さを紛らわせる効果はありそうだ。

 彼らと話を合わせる必要性のある剣偽は「しりとり」という言葉の意味を脳内で検索する。言葉遊びであることを理解した剣偽は、何と一番手に指名される。

 他の人間の回答を参考にすることも出来ない状況に焦る剣偽。さくらに急かされ、彼はえらいことを口走ってしまう。


剣偽「ダーレンモーシラヌ」


 それが何のことなのか、一同はさっぱり分からない。剣偽はそれが銀河の辺境にある惑星の名前だと説明するが、なぜそんなことを一介の中学生が知っているのかという根本的なことに気がついていない。ていうか地球人では大人でも知らない名前だし。

 ただ剣偽にとって幸いなことに、その発言はジョークと受け止められた。「ダーレンモーシラヌ」は「誰も知らぬ」のもじりっぽいし、ギャグに聞こえるのも分からないことはない。仕切り直しで今度はさくらからしりとりが再開される。

 しりとり→りんご→ゴリラ……というものすごい厨二の典型的な始まり方をみせる彼らのしりとり。剣偽はボロが出ないうちに脱落しておこうと考え「ライオン」と答える。「ん」が付けば負けだということは検索済みだったようだ。



 その頃1班のメンバーは険しい坂道を登っていた。



 滑落(かつらく)してしまった好葉をカッコ良く救ったのは何と井吹であった。すぐ下にはマグマだまりが見える。井吹は好葉の命の恩人といえよう。これが九坂じゃなかったことが悔やまれる。九坂、のんきにしりとりしてる場合じゃないぞ。これがきっかけで好葉と井吹が付き合ったりしたら、アースイレブン崩壊の危機だな(九坂の怒髪天で)。



 そしてその頃1班は真名部が印を付けた岩の前で途方に暮れていた。真名部の直感通り、彼らは何度もこの岩の前を歩かされていた。しかしそれは方向が分かりにくいことよりもロダンの悪知恵のせいであったのだが。

 作戦成功にロダンはほくそ笑むが、姑息な手段に誇り高いアルベガは納得が行かない。ロダンは勝たせてあげるという自分の作戦に異議を唱えることは許さないとばかり、振り向いてこう凄む。


ロダン「それとも僕に反抗する気?」


 一度勝負に敗れているアルベガたちは勝手にしろとその場を立ち去る。その時画面内から状況打破に自信を持った声が聞こえる。


真名部「大丈夫ですよ」


 地面に棒を立てて影を作り、そこから太陽の位置と角度を計算して方角を割り出せばこれ以上道に迷うことはないと真名部はその知識を生かして仲間に貢献する。



鉄角「さすが真名部!!」


 私もこのチームのお荷物は真名部だと思っていたことをここでお詫びしたい。真名部がいなかったらこの脳筋チームはダメだっただろう。

 頭脳派の存在に作戦が失敗に終わったことを見切ったロダンは、その攻撃対象を別の班に向けることを決心する。



 他の班の苦労も知らずに第2班はのんきにしりとりを続行していた。「おでん……の大根!」と卑怯に言い直しても「ん」が付いて信助が脱落し、残るは九坂とさくらの2名。

 残った2人が幸か不幸かしりとり得意のしりとりクラスタだった。一騎打ちにもお互い一歩も引かずに延々と戦いが続く。感心して見守る信助と、呆れて見ている剣偽。

 だが剣偽は正体が地球人ではない分、危機察知能力にも長(た)けていた。ロダンが何か策をこらす行為にいち早く気づいたのだ。



剣偽「伏せろ!!」


 ロダンの操作で吹き出した蒸気が4人を襲う。だが剣偽の声に反応したおかげで4人は全員が無事であった。高熱の蒸気をまともに浴びていれば大やけどを負っていただろう。

 

 特に抱きしめられる形で救われた信助は感謝の言葉を剣偽に向ける。ある種、本物の剣城に対してよりも信助の信頼度は高いのではないか? それはさておき本物の剣城ではない剣偽が信助たちを救った理由は一体……?


 剣偽はこれ以上進むことは危険と告げ、葵たちの元へ戻るよう言う。ロダンの存在に気づいた剣偽はこの後の道程も危険だということが分かるのだろう。

 このグループへの作戦も失敗に終わったロダンは、残る1班に攻撃を向けることを決める。



 溶岩だまりの横を進む一行の元に、何かの叫び声が聞こえてくる。それは野獣か怪鳥が発するような不気味な声であった。


皆帆「機械の、鳥……?」


 一直線にこちらに向かってくる黒い鳥。それはずっと彼らをマークしていたスパイバードだった。スパイバードは彼らの前に降下し、こちらに向かってその鋼鉄製のくちばしと爪で攻撃してくる。



 その攻撃はやはり一番弱そうな好葉へと向かう。動物好きの好葉ちゃんをこういう形でいじめるなよなロダン


 好葉の危機を素早く脱いだジャージで庇(かば)うのは、またも井吹であった。フラグ連発だな。井吹はジャージを振りながら、自分が引きつけている間に好葉を連れて逃げろと神童に指示を出す。



 神童は井吹を気遣いつつ、腰を抜かして立てない好葉の手を掴んで逃げる。どさくさで井吹に何も言われていない皆帆も一緒になって逃げとるな。


 全員を攻撃できないことを見て取るが、ロダンはキーパーの井吹だけでも潰す価値があるとあまり気にしていない風。

 井吹の男っとこ前な活躍で好葉(とついでの皆帆)を安全地帯に運んだ神童は井吹を救うために戦場に取って返す。スパイバードの鋭い攻撃にジリジリと後ずさる井吹は、ついに崖っぷちに追い詰められる。下は溶岩だまりであり、落ちれば万に一つも助かる可能性はない。

 とどめの一撃が井吹を襲おうとしたとき、神童の投げた石がその行為を阻害する。戻ってきた神童のデータを見たロダンは、それがアースイレブンの司令塔であることを知ってその顔を喜色に染める。正キーパーと司令塔を同時に潰せるなら、試合は間違いなくチーム・ガードンの勝利に終わるはずだからだ。



 石を投げて威嚇(いかく)する神童と、その間にジャージを着込む井吹。彼らのデータはロダンからは丸見えだ。


 投げた石を命中させ、その隙をついて逃げ出そうとする神童と井吹。だがロダンの操作するスパイバードはその爪を無慈悲に彼らに向ける……



 その攻撃を避けようとした2人は崖から転落してしまう!! すわメンバーチェンジか!? 信助にとってはライバル消失!?


 崖下にはマグマが迫る。彼らの命運は誰の目にも風前の灯に見えた……!!



 次回に続く。



  エンディング



 さて惑星ガードン編がスタートした。環境と敵が一新する展開はいつもながらワクワクする。今回の敵は鳥人間だけど、警戒すべきはソウルを持つ紫天王のロダンだろう。他の2人の紫天王は今回の戦いにはノータッチなのかな?

 緊迫の終わり方だったけど、何となく神童と井吹は助かる気がする(次回予告見たし)。井吹が死ぬとしたら、九坂に撲殺されるという説に100ガバス賭ける。


 他に今回は一見幸福そうだったファラム・オービアスの影の部分が描かれていた。官僚国家とかにはありがちな話だけど、何も知らされていなかったララヤちゃんが不憫(ふびん)で可哀想だった。ずっと騙されていたわけだからね。元老院的貴族制の悪い面が出た感じだけど、ララヤちゃんに関しては親政(王自身が直接政治に関与する手法)が望ましかったと思われる。たぶんまだ子供だからと摂政(せっしょう)が代理で立っていたんだろう。その摂政があの老婆、ルーザだったと思われる。

 ルーザの野望自体も黒幕に利用されているフシがあり、イナズマシリーズは子供向けと思えない深い部分がいつもあるという気がする。




 イナズマイレブン国民投票、FW部門の発表。何と豪炎寺修也(CV:野島裕史)が1位でシュウ(CV:沢城みゆき)が2位。イナギャラレギュラーの剣城が3位という結果だった。最近の剣城はずっと囚われの身だし仕方ないのかなぁ。追加メンバーと重大告知に関しては、次回の感想文で触れたい。実はまだ結果を知らないんだけどな〜。



  次回「翼を捨てた戦士たち」に続く。



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