『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第39話「結束!雷門とエルドラド!!」の感想 【新しい仲間、そして新しい敵!】

 毎週水曜日夜7時からテレビ東京系列で放映されている超次元おもしろアニメ『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』の恒例の感想文。今回はその第39話「結束!雷門とエルドラド!!」を観ての感想を書く。かつて雷門の敵であったエルドラドと共闘して新たなる大敵に立ち向かうこととなる。サッカーを守るための正義とは、一体……?



 当ブログは、『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOクロノ・ストーン』第38話「恐怖のハイパーダイブモード!」の感想 【黄名子と天馬がついにミキシマックス!】
 をご覧ください。

 で、一覧表示されます。

 で、一覧表示されます。

 時空最強イレブンの能力を手に入れるため、アーサー王伝説の物語世界に向かった松風天馬(CV:寺崎裕香)たち雷門の一行は、見事その地でアーサー王(CV:星野充昭)とマスタードラゴン(CV:小林優子)のオーラを手に入れることに成功する。

 課せられたそれぞれの役どころを演じきり、物語を無事ハッピーエンドで終わらせたその時、天馬と空野葵(CV:北原沙弥香)の前に天馬とそっくりの容貌(ようぼう)を持つ少年・SARUことサリュー・エヴァン(CV:岡本信彦)が現れ、天馬に接触を試みる。

 だがそれに先手を打つようにエルドラドのルートクラフトが天馬たち雷門の一行を有無を言わさずその場から連れ去ってしまう。果たして天馬たちの運命は? そしてSARUのなそうとしていることとは?



 ルートクラフトの射出口が開き、天馬たちは外部に投げ出されてしまう。早速みんなの無事を確認するのは、キャプテンではないもののリーダーの素質十分の神童拓人(CV:斎賀みつき)だった。

 わけも分からないまま拉致(らち)され連れてこられた先は、暗く殺風景なだだっ広い空間だった。

 ここがさっきまでいたアーサー王の世界ではないことはすぐに気付く一行。だが詳細はまったく分からない。戸惑う彼らの前に、光が湧き起こり、何者かがその場に現れる。



 何者かが現(あらわ)る。そして現れた人物の靴には何やら見たことがあるようなマークが……。よく見たら彼らを連れ去った組織の名前が背景に描かれているんだけどね。


 その人物の姿を見た天馬たちは大いに驚く。



   オープニング



 現れた人物、それは天馬たち遠征組がアーサー王の世界に向かっている間、雷門中学に残留していた残りのメンツだった。



 彼らも何が起こったのか分からないらしい。左から天城大地(CV:奈良徹)、速水鶴正(CV:吉野裕行)、三国太一(CV:佐藤健輔)、車田剛一(CV:野島裕史)、浜野海士(CV:金野潤)、一乃七助(CV:折笠富美子)。ここに映ってないけど青山俊介(CV:高垣彩陽)も来てるよ。


 意外な地で再会した両者は、お互いに意外そうな表情を浮かべて言葉を交わす。天馬たち同様、三国たちもわけが分からないままにこの場に連れて来られたようだ。


???「諸君、ようこそエルドラドへ」


 そこにこの状況を説明し得る立場の人物の低い声が響き渡る。その声は確かに雷門の敵である「エルドラド」を名乗った。見やると転送装置らしい緑の台座の上に2人の壮年の男性が立っていた。

 そのうちの1人、右に立つヒゲの男性には天馬たちは面識があった。それはパーフェクト・カスケイドの監督として恐竜時代に出会ったサカマキトグロウ(CV:石井康嗣)その人だった。そうなるともう一人の人物もそちらに与(くみ)するもの=敵だと考えたほうが良いだろう。


 サカマキが状況を説明する。この場が200年後の未来都市セントエルダにあるエルドラドの本部であることを告げ、自らの傍(かたわ)らにいるもう一人の人物がエルドラドの議長・トウドウヘイキチ(CV:相沢まさき)であると紹介する。

 エルドラド議長の名を聞き、錦龍馬(CV:岩崎了)や天馬の視線が険(けわ)しくなる。サッカーを消そうとするエルドラドのボスがこの男なのだ。警戒し、敵意を剥(む)き出しにするのも無理はない。

 さらにこの状況である。無理やり連れて来られたに等しい現状、エルドラドの意図が分からないという状況は不気味さを増す。神童がエルドラドが何を考えて自分たちをここに連れて来たのかを問う。


トウドウ「ここに来てもらったのは話し合うためだ」


 予想しないトウドウからの提案に対し、神童、天馬は考える間もあらばこそ、即座にそれを拒否する。だがトウドウは澄ました表情で、サッカーの歴史は元に戻しておいたと言う。

 浮かび上がったモニターには、解体工事が進められていたはずのサッカー棟が元の姿を取り戻していた。エルドラドが画策したサッカー禁止令そのものが無くなってしまったのだろうか?


 ただこうなってみると、さらにわけが分からない。サッカーをなくしてしまうという意図を持って雷門を襲撃したエルドラドがどうして……? 剣城京介(CV:大原崇)が強い口調でエルドラドの真の企(くわだ)てを問い詰める。

 トウドウはようやく本題に入る。彼の望みは「雷門がエルドラドに協力して、ともにセカンドステージチルドレンを打倒すること」であった。これまでの僭越(せんえつ)な行為がまるで無かったかのようなその傲岸不遜(ごうがんふそん)な物言いは、当然ながら雷門選手一同に反発を呼び覚ます。

 みんなの気持ちを代弁するように、車田が協力拒否を告げる。だがサカマキは雷門がこの提案を断れないことを知っていた。なぜならセカンドステージチルドレンは彼らの監督、円堂守(CV:竹内順子)を封じ込めたクロノ・ストーンを所持していたからだ。

 円堂を救うためには、セカンドステージチルドレンからそのクロノ・ストーンを奪回しなければならない。……というわけで手を貸せというのがエルドラドの要請だった。

 だが雷門のエルドラドに対するアレルギーは簡単には払拭(ふっしょく)しない。錦が、霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が、自力での円堂救出を明言する。



蘭丸「お前たちのような悪とともに戦うつもりはない!!」


 トウドウはそれを受けて、なぜ自分たちを「悪」と言い切れるのかを尋ねる。そして彼らエルドラドがサッカーを歴史から排除しようとした理由を知っているかと逆に問いかける。

 それはサッカーを要因として産まれたセカンドステージチルドレンの存在を無かったことにするため……最初にこの話を雷門に持ち込んだ未来人、フェイ・ルーン(CV:木村亜希子)がそう答える。

 トウドウはそれを肯定し、それが世界を救うための行為なのだと強調する。その言葉の意味を理解するためには、この200年後に何が起こっているのかを知らなければならない。トウドウの解説に一同は知らず耳を傾ける。


 セカンドステージチルドレンは進化した遺伝子「SSC遺伝子(これは"Second Stage Children"の頭文字を取ったものだろう)」を持つ存在で頭脳、身体能力ともに常人では及びもつかないレベルに進化している。テレパシーや念動力など、超能力と呼ばれる力を持つ者もいるという。サッカーで念動力とか持ってたら、ハッキリ言って無敵だけどな。

 彼らはその存在を知られないようにか、ひっそりと暮らしていたらしい。だが1年前、彼らは「フェーダ」という組織を結社し、突如エルドラドに宣戦を布告したというのだ。

 自らの内にある破壊のオーラをアンプルという形で抽出(ちゅうしゅつ)し、軍の戦術兵器にも匹敵する威力の銃器型の武器でそれを発射するという攻撃法でエルドラドに破壊工作を挑む。

 エルドラド側も座視(ざし)していたわけではない。秩序維持のため対抗手段に撃って出たのだが、セカンドステージチルドレンの能力は凄まじく、破壊工作は止むことを知らなかった。





 聞きしに勝るセカンドステージチルドレンのその非人道的な態度に愕然(がくぜん)となる雷門の選手たち。「子供の皮をかぶった恐怖の軍隊」というトウドウの説明に、天馬は怒りからか、その拳を握り締める。

 トウドウの説得とも言える解説は続けられる。セカンドステージチルドレンの権力奪取はイコール、人類の滅亡だとまで言う。そしてそれを防ぐためにエルドラドは過去に遡(さかのぼ)り、サッカーを無くしてしまうことでセカンドステージチルドレンが誕生するタイムルートを消去することを決断したのだと語る。



 ……確かに話の筋は通っていた。そう考えると、善悪の判断も変わって来ざるを得ない。天馬たちはその説明を前にしばらくは言葉も無かった。

 その沈黙を破ったのは神童だった。セカンドステージチルドレンの目的を問うたのだ。トウドウはセカンドステージチルドレンが彼ら自身の世界を作るため、世界を支配しようとしているのだと答える。



 彼らは彼らの能力を恐れて受け入れなかった世界に復讐するつもりでいるらしい。

 だがセカンドステージチルドレンはここで意外な行動に出る。エルドラドに対して世界の覇権を賭けたサッカーによる対決「ラグナロク」を提案したというのだ。恐竜時代編の最後の回でエルドラド本部に攻め込んできたSARUたちがトウドウにした提案とは、まさにこのことだったのだろう。



 サッカーの試合を世界の覇権を賭けた戦争に見立てるセカンドステージチルドレンのその態度は、サッカーを心から愛する天馬たちに驚きと悲しみと怒りを喚起する。


 そしてその戦いに敗れることがあれば、人類はセカンドステージチルドレンに支配されてしまうこととなる。

 そこで三国が疑念を述べる。セカンドステージチルドレンは戦闘で人類を圧倒しておきながら、なぜ今になってサッカーで事を決するという方針を取ったのかが謎なのだ。

 言われてみればそうだった。あえて回りくどいことなどせずに、前回エルドラド本部に急襲した時にトウドウ以下議員たちを滅ぼしてしまえば勝負はついていたと思われる。だがSARUたちはそれをしなかった……。

 サカマキはその理由を2点述べる。一つは彼らは自分たちの万能の力を人類に見せつけ、認めさせる機会を望んでいること。そしてもう一つは、彼らには時間が残されていないこと。


 時間……?

 そう、セカンドステージチルドレンは常人を上回る能力の持ち主だが、その代償として寿命が極めて短く、大半は20歳を迎えることが出来ない存在でもあるという。

 だからこそ、一気にことが決せられるラグナロクを提案し、その場で覇権を得ようとしているのだ。破壊活動で人類を屈服させるより、確かにその方が早いはず。彼らにとって生きているうちに決着をつけるには、ラグナロクが道理に適(かな)っていると言えよう。

 そしてトウドウはそれを受けた。最高権力者として破壊活動で世情が混乱することに頭を痛めていたであろうし、本部にまで攻め込まれて選択肢がなかったとも言えるが、それを受けたのだ。

 受けたからには絶対に負けるわけにはいかない。人類のためにセカンドステージチルドレンは打倒しなければならない。また倒すと言っても殺すわけではなく、常人を超える能力に慢心(まんしん)する彼らの意思を抉(くじ)き、彼らばかりが優れた存在ではないと知らしめることこそが狙いだとトウドウは言う。そして総力を挙げてセカンドステージチルドレンを打倒するのに、雷門の力が必要なのだと告げる。


トウドウ「君たちにはエルドラドのメンバーとしてラグナロクで戦ってもらう!」

 トウドウの意見に理があることが明かされたわけだが、それでも衝撃的な宣告ではある。ただこの中でフェイだけがあまり驚いていないように見える。やはり彼の正体はセカンドステージチルドレンなのだろうか?


 ここでようやくトウドウの要求していた真意が判明し、再び雷門が決断を迫られる状態に戻った。セカンドステージチルドレンとエルドラドの実情を聞かされ、エルドラド=悪という判断を留保した蘭丸は神童にどうするかを問う。

 神童は熟慮する。だがその結論が出ないうちに、天馬の言葉が強く響く。


天馬「やりましょうよ!!」


 サッカーを守ることこそが自分たちの使命であり、そのサッカーが原因で誕生するセカンドステージチルドレンが世界を滅ぼしてしまうとすれば、それはサッカーを守ったことにはならないのだと断言する。彼はセカンドステージチルドレンに対して、ハッキリと勝利する気でいた。そして勝ってサッカーによる悪い影響を未来に与えないようにすべきだと力説する。


天馬「俺、サッカーを守りたいんです!!」


 その言葉は仲間たちの胸を打つ。天馬はアーサー王のオーラを受け継ぎ、本当のキャプテンになれたような印象だ。神童は天馬の意見に賛同し、ラグナロクを受けて立つことを仲間に提案する。もちろん仲間たちにも異議はない。

 中でもクラーク・ワンダバット(CV:吉野裕行)は張り切っていた。今度こそ自分が監督をする大舞台がやって来たのだと大張り切りで叫び、仲間たちの失笑を買う。


 三国がここで大事な質問をする。ラグナロクとはどういう試合なのかを尋ねたのだ。これは確かに確認しておかないといけない話だろう。

 それにはサカマキが答える。各チームが3チームずつ出して3試合を行い、勝利したチームが多い方が勝利するというルールだ。



 3試合と聞いて、ワンダバがまたも張り切る。3チームあれば、さすがに自分もどれかの監督が出来ると踏んだのだろう。

 世界の覇権を賭けた戦いだというのに、その内容のシンプルさに狩屋マサキ(CV:泰勇気)が拍子抜けしたような声を上げる。だがその試合の意義、1勝の価値は非常に重い。それには人類の命運がかかっているからだ。

 ここでトウドウとサカマキは左右に別れ、何かを迎える準備をする。それは雷門とともに、世界の命運を賭けて戦う仲間たちを紹介するためだった。 そして転送装置から現れたのは……



 左からアルファ(CV:谷山紀章)、レイ・ルク(CV:河野裕)、ガンマ(CV:泰勇気)、ベータ(CV:伊瀬茉莉也)。懐かしのアルファからさっきまで戦ってたレイ・ルクまで、ルートエージェントキャプテン4人衆の再登場だ!


 ついこの間まで死闘を繰り広げてきた敵たちの登場に一同の表情が険しくなる。トウドウやサカマキの意図するものは、彼らと雷門で混成チームを結成するというものらしい。

 だがこれには錦が反発する。自分たち雷門は11の時空最強イレブンのうち、10までを手に入れたわけで、余計な助力は無用だと啖呵(たんか)を切る。

 それをすぐに否定する声が響く。それはクロノ・ストーン状態の円堂大介(CV:藤本譲)のものだった。時空最強イレブンは11の力すべてが揃った時こそ本領を発揮するものであり、それに満たない場合半分のポテンシャルも引き出せないのだと改めて錦に説明する。サッカーは11人によるハーモニーであることを度々忘れる錦は叱られっぱなしだ。

 さらに今の雷門とエルドラドの戦力はほぼ互角であり、手を組んで戦うのは得策と言えないこともないと大介は念を押す。

 そしてさらに混成チーム結成に対する後押しを引き受ける存在がその場に現れる。


???「ここはエルドラドの提案を飲むほうが良い」
天馬「鬼道さんに豪炎寺さん!?」



 鬼道有人(右 CV:吉野裕行)と豪炎寺修也(左 CV:野島裕史)。


 ともに監督経験のある2人(鬼道は帝国学園と雷門中で、豪炎寺は聖堂山中学で監督経験アリ)もこの場に招かれていたのだ。トウドウは彼らとサカマキの3人で、混成3チームの監督を任せるつもりでいた。

 それを聞かされたなんちゃって監督のワンダバは、予定調和的に真っ白に燃え尽き、物理的に人格崩壊してしまうのだった……



 正確にはクマ格崩壊かな? どっちにせよ最後まで報われないワンダバのやる気スイッチ。狩屋と影山輝(CV:藤村歩)もその哀れさに掛ける言葉が見つからない様子。ミキシマックスガンの出番もあと1回だろうし、ヘタしたら雨宮太陽(CV:江口拓也)や菜花黄名子(CV:悠木碧)の時のようにガン無しでミキシマックスする可能性もあるしなぁ。


 トウドウは改めて、この戦い、ラグナロクが人類の命運を賭けた負けられない戦いである意義を強調し、メンバーへの一層の奮起を期待する。天馬はその言葉を受け、武者震いする自分を感じていた。



 そして場面はエルドラド内のサッカー場に移る。その場で彼ら混成軍は3つのチームに分けられて再編成されることとなるのだ。



 3人の監督を前に発表を待つメンバーたち。どうしても後ろでイジケるワンダバに目が行ってしまうが……。



 まずは豪炎寺のチーム。キャプテンは天馬。エースの天馬を始め、鉄壁のキーパーである西園信助(CV:戸松遥)やこの間まで強敵だったレイ・ルクを擁(よう)し、バランスの良い最強チームと言えそう。蘭丸や太陽、トーブ(CV:ゆきじ)など化身を持つミキシマックス可能選手も豊富だ。個人的には何の能力もない、多分お咬ませであろう浜野と速水に注目したい。



 続いてサカマキのチーム。キャプテンは神童。一転して旧プロトコル・オメガ勢が大勢を占める。アルファ、ベータ、ガンマ、倉間典人(CV:高垣彩陽)とFWの選手がやや多い。アルファあるところにはエイナム(CV:野島裕史)が、ベータあるところにはオルカ(CV:ゆりん)がいるというところはサカマキよく見てるなと感心。キーパーはプロトコル・オメガ3・0のルジク(CV:金野潤)。能力的にはパーフェクト・カスケイドのラウ・セム(CV:美名)の方が上だと思うのだけど、前回のあまりのザルっぷりがマイナス評価されたのかもしれない。ルジクくんはムゲン牢獄帰りで能力も上がっていそうだしね。



 余談だが、選考中ぼっち状態で孤立するレイ・ルクくん(左端)がなんか可哀想。


 キャプテンに神童の名が告げられたとき、てっきり自分がキャプテンに選ばれると思っていたアルファ、ベータ、ガンマ3人が気色(けしき)ばむ。この辺りの経緯を見ても、このチームのチームワークには今から不安の様相が窺(うかが)える。


ベータ「あの人がキャプテン!?」

 3人の嫉妬(しっと)の視線を受け緊張気味の神童。ただ後ろの輝は自分の尊敬する人が選出されたことを喜ぶ。ホンの少し口角を上げて微笑んでいる様が何か企(たくら)んでいそうで不気味だが。



 そして鬼道のチーム。キャプテンは剣城。サカマキチームとは逆にFWが剣城一人しかいない。フェイがサブのFW的存在になるのかな? エースストライカー対決で剣城に勝った黄名子もいるし(自己申告だが)、攻撃面の不安はあまり無いかもしれない。特筆すべきは一乃と青山がついに試合に出場するという点。ホーリーロードの頃から続けられている2人の努力を鬼道もちゃんと見てくれていたんだね〜。ルートエージェントの誰かで穴埋めされていたらどうしようかと思ってたんだけど、素直に嬉しい。ザルといえばこの人と言われ続けたカリフラキーパーに一抹の不安が残るが、総じて守りは堅そうなチーム編成だ。


 こちらはあらゆる面でサカマキチームとは対照的だった。キャプテン選出に意義はなく、逆に選ばれた剣城の方が驚くという状態。確かに剣城は唯我独尊(ゆいがどくそん)タイプでキャプテンというのとは違うイメージがある(フィフスセクターのシードだったやんちゃ時代、「黒の騎士団」を率いていたという黒歴史は忘れたフリしてあげよう)

 言外(げんがい)に自分がキャプテンで良いのかと鬼道に問いかける剣城だったが、鬼道は3日後に試合があるとだけ告げ、剣城に返答を与えない。



 こうしてラグナロクに臨む3チームの編成は決まった。後はチームごとに精度を上げ、人間の能力をはるかに超えた敵と戦うための特訓が彼らに課せられる。何しろ敗れると人類は滅亡してしまうのだから。



 早速特訓開始だ。どのチームも実戦形式で連携などの確認から入る。混成チームだけにこの配慮は必須条件だろう。豪炎寺チームでは信助からレイザ(CV:藤村歩)へとボールがフィードされるが、守備役の蘭丸がキッチリとマークにつく。

 サイドからパスを要求するのは速水だ。レイザは素早くパスを送るがそのパスが早すぎて速水は追いつくことが出来ない。サイドラインを割ってしまい、プレーが途切れてしまう。



 強気なレイザが弱気な速水を睨(にら)みつける。ただパスの精度は出す側にも責任があるわけで、この失敗はレイザの方にも責任があったことは間違いない。それでも両者の性格、そして力関係が分かりやすいシーンで、この2人は意外とハマるカップリングな気がする。


 その後も攻撃のリズムが合わず、防御側がことごとく攻めを潰してしまう。防御側も組織で止めているわけではなく、個人技で止めているわけでチームプレーの確認にはなり得ていない。

 プレーのちぐはぐさに焦るのは、このチームのマネージャーとなった葵だった(3人のマネージャーはそれぞれ1人ずつ各チームに配置された。これは上手い配分)。葵は心配のあまり豪炎寺の顔色を窺うが、その表情からは何も読み取れない。

 戦いまでわずか3日。それまでにこのバラバラのチームをまとめなければならない。キャプテンの天馬の双肩(そうけん)にかかる難題は実に重く感じられる。「何とかなるさ」の天馬だから何とかなりそうな気はするが……。



 だがそんな豪炎寺チームですら、実はこのチームよりはずっとマシな状態なのだった。サカマキチームでは倉間のアタックを受けたガンマが不敵な笑みを浮かべながらそのプレーを嘲笑する。役柄上は敵同士の形とはいえ、あくまでこれは練習だ。本当は仲間だというのに相手を蔑(さげす)む態度は感心できないだろう。

 そんなガンマに不快感丸出しで挑みかかるのはベータだった。神童は後方から上がってくる狩屋にパスを送るよう指示するが、ガンマは先ほどのキャプテン選出時から反感を持っている神童の指示などどこ吹く風で無視する。

 チームプレーをしない者からボールを奪うことは易(やさ)しい。ベータはあっさりとガンマからボールを奪い、そのプライドから来る高い鼻っ柱をへし折ってしまう。



 ベータちゃん、ガンマのことが大嫌いだろうなぁと思っていたけど、やっぱりそうだったようだ。戦国時代編での失敗から失脚したベータに引導を渡しに来たのはガンマだったもんね。こういうところで意趣返(いしゅがえ)しするところがベータちゃんの可愛いところではある(怖いところでもある)


 一連のプレーを終え、チームの瞬間湯沸かし器である天城が怒りの形相(ぎょうそう)で神童の指示通りに動かなかったガンマを叱りつける。

 しかしガンマは自分は雷門の選手たちと協調して戦う意思など無いとキッパリと告げる。これまでは敵だった関係だが、次の試合では協力しないとフェーダには勝てないと歯を食いしばってガンマに訴える天城。

 その意見を却下するのは、アルファだった。自身とベータ、ガンマはムゲン牢獄でレベルアップを図ったから、雷門の力など無くともフェーダを倒すことが出来ると言うのだ。

 だがそんなアルファのフォローを台無しにするように、ベータがお前たちと一緒にするなと挑発的に告げる。ガンマも馴れ合いはごめんだとばかりに、それぞれが好きにやれば良いと他人事のように言う。


狩屋「オイオイ、このチーム大丈夫かよ?」


 中の人的にガンマと同じ声なのだが、狩屋が呆(あき)れてそうつぶやく。そう、大事な試合を前にしてここまでバラバラだと、いくら個々の能力に優れていようとフェーダのチームには勝つことなど夢のまた夢だろう。神童は深刻なチーム事情を垣間見(かいまみ)て、なぜ自我の強いプロトコル・オメガの各リーダーたちを自分たちと同一のチームにしたのかとサカマキのチーム編成を疑問に思う。



 逆に鬼道のチームは個々の選手たちが能動的、有機的に動き順調なペースで仕上がっているように見えた(こういう点でもサカマキチームとは対照的だ)。このチームの不安視される部分の一つ、それは新キャプテンとして選出された剣城の心境にあった。

 自身がキャプテンに選ばれたことにどうしても違和感のある剣城はそれを決めた鬼道を横目で見つめながらプレーする。だが濃い緑のサングラスの向こうにある鬼道の真意は見通すことが出来ない。剣城は自分の思う通りのプレーをするだけと割り切り、黄名子を抜き去りダーナ(CV:美名)にパスを送る。

 ダーナは容赦なく「シュートコマンド06(プラズマボール)」をゴールめがけて撃ち込む。今までの僕らの三国さんだったら、間違いなく▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああああああコースなのだが……




 なななんと、必殺キーパー技「真ゴッドハンドX」で受け止めて見せる三国! これまで見せたことがないくせに、いきなり「真」とか、反則級にすげえ!! カッコ良くて男前なんだけど、でもでもこんなの僕らの三国さんじゃねえ!!


 見違える三国の活躍に、錦やフェイも驚く。このチームのマネージャーの瀬戸水鳥(CV:美名)が感心して三国を褒め称えるが、シュートしたダーナと中の人がかぶってるだけにちょっと不思議な現象だったりする。

 そんな遠征組に対し、三国と同じく残留組だった車田は自分たちも特訓に打ち込んでいたことを明かす。そう、三国はこの技を伝説のキーパーと謳(うた)われた大介から直々(じきじき)に受け継いだ技だったのだ。それは長き戦いの中で、きっと三国の力が必要になると判断した大介の深謀遠慮(しんぼうえんりょ)だった。

 三国は大介との約束を果たし、「真ゴッドハンドX」を見事に受け継いだ。ザルだと思われたこのチームのキーパーもこれなら戦えるかもしれない。また一つ鬼道チームの不安点が払拭された感がある。


 そんな練習シーンを、ビジョン状態のSARUが偵察に来ていた。自分たちに対抗すべく結成されたチームを見て、彼は一体何を思うのだろう?



 一方、そこがどこだか分からないが、図書館のような風景のフェーダのアジトでは銃器型の武器を手に、いきり立つ赤い服のセカンドステージチルドレンたちの姿があった。そのチームのリーダー格である目つきの鋭い男、ガロ(CV:不明)が扇動する中、メンバーはどこかを襲撃に向かうつもりでいるらしい。

 だがそれを制する女性の声。対照的に白い衣装に身を包んだグループのリーダー格の少女、メイア(CV:佐々木日菜子)がそれを止めようとする。ただそれも被害に遭う人間を気遣うというわけではなく、ラグナロクで決着をつけるというSARUの意思に逆らわないようにとの態度からだったが。



 だがガロはその言葉を一笑に付して取り合わない。かつて人間から受けた仕打ち(それが何かはまだ明かされてはいない)を許せないガロはあくまでも銃器によって攻撃することにこだわる。

 両者の間に緊張が走る。一瞬後、ガロが吹き飛ばされていた。メイアの手から発された光弾で飛ばされたのだ。これは念動力の一種、サイコアタックだろう。

 先に攻撃を受けたガロが怒りにその瞳を燃やしてメイアに向かう。メイアはさっきガロを叩き伏せた光弾を連発するが、ガロはそれを巧みにかわして前進する。そしてついにメイアの眼前に達し、お互いがその秘めた能力をぶつけ合う。剣と剣とのつばぜり合いのように光塵(こうじん)がはじけ飛ぶ。

 拮抗(きっこう)する力のせいだろうか、ガロが宙に飛んで着地する。なおも食ってかかるガロ。そんな2人の争いを、赤いジャケットを着た第三のチームの選手たちが冷ややかな目で見ていた。ガロの暴力性を軽蔑(けいべつ)するその態度は、セカンドステージチルドレンの中でも意思は統一されてはいないことを示唆していた。

 そしてさらにガロと同じ服装の男が同様に争う2人を見ていた。それは幕末編以来フェーダと行動を共にしていたザナーク・アバロニク(CV:小西克幸)だった。



 ザナークはやはりエルドラドとの共闘を解除してセカンドステージチルドレンたちと行動を共にしていた。だがそんな彼もこの争いにはうんざりといった表情でため息をつく。


SARU「何だい、また揉め事?」


 そこにSARUが帰ってくる。その瞬間、あれだけ荒れ狂っていたガロが恐怖に青ざめてあわてて攻撃を止める。そして必死の弁解を開始するのだが、SARUのひと睨みにごまかしきれないことを瞬時に悟ったガロは自らの非を認め謝罪する(おそらくSARUにはテレパシーで心も読み通す能力があるのではないかと推察)。

 あのガロですらここまで怯(おび)えるSARUの力はやはり気になる。伊達(だて)にフェーダのリーダーを務めているわけでは無いだろうし。

 メイアはエルドラドの情勢を探っていたSARUにその成果を尋ねる。エルドラドが雷門と手を組んだことを聞かされ、ザナークが動揺する。エルドラドと雷門の混成チームをまるで敵とは思わないSARUの態度。雷門の名を聞いたザナークはその顔を歓喜に歪めて、宿敵との再会を期待する。



 どこかの研究室。現れたトウドウに対し、研究者の一人が立ち上がって迎える。何らかの研究を急がせるトウドウ。この研究は一体何をしているというのだろうか?



 セカンドステージチルドレンに関する研究だろうか?



 その間もサッカーグラウンドでは対フェーダの特訓が続けられていた。サカマキチームでは相変わらずベータが、ガンマが、それぞれ勝手に行動してチームとしての連帯感はゼロの状態が続いていた。

 ベータの強引なシュートはポストにはじかれてしまう。それを見て、ライバルの失敗を心底嬉しそうに笑うのはガンマだった。ベータの勝手なプレーを天城が怒声を上げて抗議するが、ベータはぷいとその場を立ち去ってしまい、聞く耳を持たない。誰の指図も受けないという彼らの身勝手な行動はチームをさらにバラバラにするものであった。


 ベータたちに対する天城のフラストレーションは頂点に達していた。ロッカールームで怒りを爆発させる天城に倉間が同調する。神童は説得を試みるのだが、監督にメンバー変更の直談判(じかだんぱん)するという天城と倉間の意見は変えられない。

 「これでは戦う前から勝負は見えている」という倉間の言葉が、残された神童の胸にずんと重くのしかかっていた。その一部始終を見ていた狩屋は最悪の状況に眉をひそめ、天馬たちのチームがどうなっているのかを心配する。



 練習を終え引き上げようとするレイザとメダム(CV:金野潤)に、天馬が努めて明るく話しかけ、夜の練習に誘う。ボールを通して意思疎通すればバラバラだったチーム事情も改善するとのキャプテンなりの判断だろう。

 だがレイザとメダムは顔を見合わせ、今日の練習は終わりだとすげなく返答して帰って行ってしまう。これでは意思統一すら望めそうにない。残された天馬は力なく肩を落としてしまう。エルドラドのために張り切って協力してくれているというのに、なんでこう未来人たちってこうも勝手なんだろうなぁ。だがここでくじけないところが天馬の良いところだ。


天馬「何とかなるさ!」



 翌日、フェーダのアジトではセカンドステージチルドレンたちが整列してSARUの指示を受ける。そしてSARUの号令で出発する。目指す先は……

 一方、トウドウの元には側近議員からの急報でセカンドステージチルドレンが一斉に本部を取り囲んでいることが告げられる。



 SARUはラグナロクで決着をつけるはずではなかったのか!? そのために一旦は組織内部の跳ねっ返りであるガロを厳しく糾弾(きゅうだん)したハズなのに……この急襲は一体何を意味するものなのだろうか?



 次回に続く



  エンディング




 ついにイナクロにおける最終章(多分)、ラグナロク編がスタートした。

 ラグナロクとは北欧神話における最終戦争、審判の日のこと(キリスト教で言うところのハルマゲドン)。以前ジャンヌ・ダルク編で触れた『ニーベルングの指環』の最終章も実はラグナロクで締められる。北欧神話では主神オーディンラグナロクの最中に巨大な狼フェンリルに飲み込まれて死ぬ。神々は魔軍と相討ちとなりそして世界は滅びるという運命をたどる。つまりその名前が付いた戦いとなると、雷門とフェーダの戦いは文字通りの生き残りを賭けた戦いとならざるを得ないわけだ。本家ラグナロクの結末を思えば、フェーダが勝利して人類が滅亡するという可能性も……。ありえないとは思うけど。


 さて今回は登場人物が多かった。あまりに多すぎてトーブや太陽は一言も言葉を発する機会がなかったんじゃないかなぁ? 懐かしのキャラの再登場という状況に嬉しさ半分、戸惑い半分といった印象を受けた。かねてより復活するだろうとは思っていたけど、あの個性の強いアルファ、ベータ、ガンマがいきなり馴染むわけがないし、そこに雷門からは天城という一番喧嘩っ早いキャラが組み合わさるという……サカマキチームはどう見ても苦しそうだよね〜。負けるとしたらこのチームかなと思ったりして。

 トウドウやサカマキが思ったより善人だったこともショックでかいよ。ただこれまであんな悪そうな顔してたわけで、彼らの言うこともにわかには信じがたい。トウドウが研究させていた内容も気になるし、セカンドステージチルドレンが受けた仕打ちというのもまだ解明されていない。ここに来て協力を求めるならなんでアーサー王の世界でパーフェクト・カスケイドを送り込んできたんだとも思うし……単なるうっかりさんだったというオチだったら微笑ましいんだけどね。


 敵サイドではザナークが久々に再登場していた。彼も今後どういう行動をするのか分からないが、北欧神話におけるトリックスター、ロキのような役どころになるのではないかと想像したりしている。ザナークとガンマとの再会もなんだか楽しそう。前回完膚なきまでやられ、洗脳までされちゃったガンマはビビるんじゃないかなぁ。


 セカンドステージチルドレンの寿命が短いという話、多分遺伝子のテロメアが短いのだろう。「太く短く」という言葉があるが、彼らはまさにその特性があると思われる。超人的な能力を使うことで命の炎をより大きく燃やし、結果それが原因で燃料切れも早いということだろう。

 ただそうなるとSARUと行動を共にしていた謎の老人(CV:家中宏)はセカンドステージチルドレンの一員ではないということになるのかな? 老人になるまで生きられるとは思えないし。またザナークがセカンドステージチルドレンだとすると、彼もまだ未成年ということになる。見た目のごつさからして20代後半ぐらいだと予想してたんだけど、ある意味これも驚愕の事実。



 次回からはいよいよフェーダとの戦いが始まる。天馬たちは大変だろうけど、我々傍観者はラグナロクを楽しもう。




 この2人はガルシャア・ウルフェイン(上)とヴァンフェニー・ヴァンプ(下)なのだろう。ガルシャアはゲーム版『イナクロ』ではネップウ限定のキャラ。そしてヴァンフェニーは同じくライメイ限定のキャラ。彼らがアニメにこんなに早く出てくるとは思わなかった。モチーフは言うまでもなく狼男と吸血鬼。



  次回「壮絶開幕!最終決戦ラグナロク!!」に続く。



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