『ペルソナ4』第21話「DON'T SAVE ANYONE ANYMORE(コレイジョウタスケルナ)」の感想
恐ろしい連続殺人事件に対抗する能力を持って戦いに臨み、曲がりなりにも楽しい学園生活を満喫してきた主人公たち特別捜査隊。だがそういったこれまでの雰囲気がここで一変する。それは、真犯人と思しき存在が主人公・鳴上悠(なるかみ ゆう CV:浪川大輔)に送り付けた手紙から始まる。
今後のストーリーの根幹に関わる大きなネタバレは避けていますが、少しのネタバレも観たくない方は、閲覧にご注意下さい。
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『ペルソナ4』第20話「We'll all meet at the AMAGIYA Hotel(天城屋旅館で逢いましょう)」の感想
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悠が夢の中で訪れる意識下の空間、ベルベットルーム。主(あるじ)のイゴール(CV:田の中勇)と助手のマーガレット(CV:大原さやか)は、悠が紡ぐ物語がいよいよ佳境に差しかかったことを告げる。
残された時間が少ないことを、今までに無いぐらい真剣な口調で語りかけるマーガレット。無表情な表情ながら語りかける言葉からは、傍観者的協力者というこれまでの己の立場や枠を越え、悠が真実に辿りついて欲しいという思いが秘められているように思える。
オープニング
放映時間が終了したテレビのカラーバーのみが光源となっている暗い部屋で、男が一心不乱にノートに何かを書きつけている。その様子は明らかに常軌を逸した雰囲気で、まともな精神状態とは思えない。
それから11日後の10月31日(月)。ジュネス屋上の特別捜査本部。前回悠宛に届いた脅迫状の分析を依頼されていた白鐘直斗(しろがね なおと CV:朴璐美)は、手がかりになりそうなものは発見できなかったことを悠に告げる。郵便局の手を介さず、直接堂島家の郵便受けに入れられていた脅迫状からして、それを投函した人物は近在のものだと直斗は当たりを付ける。
つまりそれは犯人と思われる危険人物が悠の自宅を知っているということでもある。悠の身に危害が及ぶ可能性が心配される。花村陽介(はなむら ようすけ CV:森久保祥太郎)は何かあればすぐに連絡するよう悠に言うが、一同のうち、直斗の考えだけはそれのみに留まってはいなかった。
解散後、共に家路につく悠に直斗は、自分の思いを吐露する。犯人側からの今回の接触は、悠の身の危険だけでなく、事件解決のためには突破口になるのではないかと思ったというのだ。まるで悠が危険に直面することが望ましいかのような、つまり悠に囮役を期待したという不純な思考に囚われたことに、直斗は自己嫌悪する。
直斗と別れ、自宅に帰りついた悠は、いとこの菜々子(ななこ CV:神田朱未)が宅配業者の男を見送る場面に出くわす。
日常の何気ない光景だ。あまり気にも留めない悠。その存在に気付いた菜々子は、いつもの笑顔で悠を迎える。夕食を取る2人の観るテレビのニュースから、菜々子が関心を示す話題が流れる。
頻繁に発生する稲葉市の霧に有害物質が含まれているのではないかという風評を調査に訪れた政治家の姿が映し出される。その議員は訪問した小学校で風評被害に惑わされない利発な生徒と出会ったことを感心した口調で話していた。
ふと見ると、菜々子が赤い顔をして頭痛を訴えていた。悠は慌てて額に手を当て熱を計るが、その熱さに驚く。菜々子は体調を崩してしまったらしい。
優しく菜々子を寝かしつける悠。ここのところの寒さが菜々子に影響したらしい。すぐに春が来て、暖かくなると元気づけるつもりで悠は語るが、それは年が明け、1年という期限でこの地を訪れている悠と別れることになるということに、菜々子は思いが至っていた。
寒い冬は嫌いだが、その冬が終わってしまうと、大好きなお兄ちゃんが帰ってしまう。菜々子は複雑な思いから布団を頭までかぶってしまう。悲しい表情を悠に見せたくなかったのだろう。
菜々子「雪が降ったら、お兄ちゃんと一緒に雪だるまを作る」
菜々子にしては珍しく、自分の意思を前面に出してのワガママを言う。その態度を愛おしく思う悠も、菜々子の頭を撫でながらそのワガママに快く同意する。2人はやがて訪れる別れを前に、精一杯楽しい思い出を作ることを約束する。
菜々子「約束だよ?」
月が変わり、11月4日(金)。雨の降る中、深夜0時のマヨナカテレビの放映を待つ悠。事件がまだ解決していない上、次のターゲットに自分が選ばれる可能性もある。マヨナカテレビを待つ悠の思いは如何に?
そして午前0時が訪れる。テレビに映し出された影。だがノイズが多く、そのハッキリした姿は映し出されることは無かった。残念ながら、それが誰なのかを認識することは出来なかった。
翌11月5日(土)。電話で陽介と連絡を取る悠。陽介の側も認識は不可能だったことを聞く。今日も雨、つまり今日もマヨナカテレビは映し出される。2人は今日もマヨナカテレビを確認することを期し、連絡を終える。
居間に戻ってきた悠を見て、菜々子は慌てて何かを隠す。もったいぶった感じで秘密を話そうとする菜々子だったが、そこでくしゃみをする。熱こそひいたもののまだ風邪は治りきっていないようだ。気遣う悠は早く寝るように告げるが、菜々子はテレビが観たいと駄々をこねる。最近の菜々子は悠にだけはワガママを言うようになって、そこがまた可愛い。
菜々子はコタツを出すことを提案、実行する。だがコタツは故障していて、点かなかった。新品をジュネスに買いに行くと聞き、ジュネス大好きの菜々子は大喜びだ。
そこに叔父の堂島遼太郎(どうじま りょうたろう CV:石塚運昇)が帰宅して来る。いつものように明るく父を迎える菜々子だったが、堂島の表情を見て固まってしまう。堂島は怖い顔をしながら、悠に宛てられた手紙を手渡す。切手も無く、差出人も不明の手紙に不穏なものを感じているのだろう。
堂島の刺すような視線を感じる。その場で確認しろと、その目が語っていた。悠はやむを得ず、その手紙を開封する。
案の定、それは以前と同じ人物から送られたであろう、脅迫状だった。「今度こそ止めないと大事な人が入れられて殺されるよ(分かり易く漢字ひらがな変換)」と書かれた文章を見て、警察官の堂島が黙っている訳がない。悠から手紙をひったくり、どういうことなのか説明を求める。
その場の雰囲気に気圧されて怯える菜々子。菜々子のことを考えても、その場で話すことは出来ない。堂島は悠を自分の領域、警察署に連れて行くことにする。心配する菜々子の頭を撫でて宥める堂島、そして悠。それを見送る菜々子だったが、さっき悠に隠したものを見つめ、寂しそうな表情を浮かべる。
堂島の部下の刑事・足立透(あだち とおる CV:真殿光昭)も居合わせる警察署の取調室で、悠はまるで容疑者のような扱いを、叔父から受け尋問されていた。
以前の菜々子も交えてのやり取り以来、悠を実の家族も同然と思っていた堂島は、稲葉市を騒がせる連続殺人事件に不自然なほどに関わっていた甥の姿を、常に気に掛けていた。
そして脅迫状が自宅に届くという事態が起こった今、堂島はもはや黙ってはいられなかった。真剣な表情で問い詰める堂島を見て、悠も覚悟を決め、胸襟を開き家族として真実を話すことを決意する。
だがテレビの中に入って誘拐された被害者を救出するという悠の言葉は一般人の堂島にはあまりに荒唐無稽で、どうしても信用できるものでは無かった。悠が苦し紛れの嘘を吐いていると決めつける堂島は、それ以上悠の言葉を聞こうとはせず、悠を一晩ここに拘束することを告げ、部屋を出て行ってしまう。
信じてくれない叔父に絶望する悠。「取調室にあるテレビに手や顔を突っ込めば信じてもらえたんじゃないのか!?」と叫ばざるを得ない。そしたら嘘じゃないと証明できるのにねぇ。この段階で悠はテレビの存在に気付いてなかったかな?
落ち込む悠に、足立が気休めの言葉をかける。堂島も悠が心配だからこそこういうことをするのだと。だが反応しない悠を見て、気まずさを覚えた足立は笑ってごまかしつつ、部屋を辞する。暗い取調室に一人残される悠。自分を信じてくれなかった叔父への思いから、その心はその部屋よりも暗いものであっただろう。
一方、ジュネスの食料品倉庫で働くクマ(CV:山口勝平)と陽介。クマの衣装のツケを返すため家業を手伝わされて陽介は不満タラタラだ。だが陽介はクマのために他にも散財していた。クマに携帯電話を手渡す。クマは陽介の優しい気づかいに感激して涙ぐむ。
使い方を教えるため、陽介は何気なく悠に連絡を取ろうとする。しかし繋がらない(悠はこの時取調室にいた)。自宅の番号に掛け直すと、菜々子が電話に出た。
菜々子から手紙を見た堂島が悠を警察署に連れて行ったということを聞き、陽介は即座に脅迫状の件を思い出す。来客を告げて電話を切る菜々子。
取調室に監禁された悠。備え付けのテレビが突然光り始める。それはマヨナカテレビだった。そこに映し出された人物の姿を見て、悠は驚愕する。それは、菜々子だった!
ここでCMアイキャッチ。パラメータは前回と変わりない。「言霊使い」の伝達力でも堂島には通じなかった。ペルソナとかシャドウとかいった話が凡人相手に通じないのもやむを得ないと言えるが。
マヨナカテレビを確認したのは悠だけでは無い。電話口の向こうから事の理不尽さを訴えて絶叫する里中千枝(さとなか ちえ CV:堀江由衣)の言葉を聞きながら、直斗はタクシーで悠の自宅へ向かう。菜々子の安否を確認する為だ。
テレビに出た人物が被害者になるというこれまでの傾向に合致しないと憤る千枝だったが、直斗は菜々子がテレビに登場していたことに気付いていた。稲葉市視察に訪れた政治家が褒めていた利発な生徒、それがまさに菜々子のことだったのだ。感心な子供の美談の噂をマスコミが嗅ぎつけるのは時間の問題だ。直斗が親の敵の如く握りしめた本日付けの夕刊、そこでその生徒が菜々子であることが報じられていた。
犯人が菜々子の存在に気付くのも、時間の問題だったのだ。直斗はそこで初めて冷静に千枝と話していた口調を変え、自分の至らなさを責めるようにタクシーのドアを激しく叩く。
マヨナカテレビで菜々子に迫る危機を知った悠は、閉じられたドアを激しく叩いて解放するよう、堂島と足立に懇願する。だがその言葉は彼らを動かすことが出来ない。テレビの中の世界を信じない大人たちにマヨナカテレビを根拠にした説明をしても通じる道理がないのだ。
菜々子の危機を知りつつ、自分はどうすることも出来ない。悠は心配のあまり気も狂わんばかりだった。その時ドアの外で慌てる足立の声、そして悠にとって嬉しい仲間たちの声が響く。
陽介とクマ、そして陽介からの連絡で駆け付けた巽完二(たつみ かんじ CV:関智一)の3人が足立を押しのけ、悠を救出にやって来たのだ。怒りながらやって来る堂島を尻目に、陽介は菜々子がいなくなったことを告げる。恐れていたことが現実となったのだ。
陽介の言葉は、菜々子の実の父の堂島の心をも動揺させる。説明を求める堂島に、陽介は全てを確認した直斗に説明を受けるよう、通話中の携帯を手渡す。
警察との伝手もある直斗から説明を受ける堂島。菜々子が連続殺人犯に誘拐されていると告げられ、堂島の顔から血の気が引く。天才少年探偵と目される直斗を煙たく思ってはいたものの、その実力は認めていたであろう堂島は、その言葉を確認するため、自宅に連絡する。帰って来るのは菜々子の声では無い。不在を伝える留守番電話の機械音だった。
直斗の言葉を信じざるを得なくなった堂島は、警察官としてでなく、父親の顔になってどこかへ向かおうとする。当ても無く探しに出ようとする堂島を止めようとする足立。それを振り切って堂島は出て行ってしまう。同じく飛び出そうとする悠だったが、職務上それは許す訳には行かない足立が止める。
抗議する悠たちをオートロックの取調室に閉じ込める足立だったが、そこに駆けつける直斗、千枝、天城雪子(あまぎ ゆきこ CV:小清水亜美)、久慈川りせ(くじかわ りせ CV:釘宮理恵)の女性陣。悠を解放するよう、足立に詰め寄る。有無を言わせず得意のキックでドアを蹴破ろうとする千枝を、さすがに止める雪子。
事情が分からないのに解放する訳には行かないと語る足立に、直斗は全てを話すから解放してもらうという条件闘争に持ち込む。菜々子の危機に焦る悠はそんな暇は無いとドアの内側から叫ぶが、直斗は今ここで落ち着いて整理することが今後の自分たちの行動にもプラスになるということが分かっていた。
なおも食い下がる悠を諌め、直斗は事件の概要を整理して語り始める。事件はこれまでと同一犯(ミツオの様なイレギュラーではないこと)。そして家の鍵は壊された形跡が無かったことから、菜々子は自分の意思で鍵を開けたことが推理される。前回の温泉での菜々子との会話で、知らない人が来ても玄関を開けないと語っていたしっかり者の菜々子、つまり犯人は菜々子の顔見知りの可能性が高いことが導き出される。
だいぶ犯人像の核心に近づいて来た。直斗は自らが被害者だった時のケースを考慮する。直斗が誘拐されてから、テレビの中に落とされるまでの一連の犯行のスピーディーさに目を付ける。玄関で犯行に及び、すぐ近くにテレビのある状態、つまり犯人は車でテレビを持ったまま移動しているということが推察される。人間を一人押し込めるサイズのテレビ、それはある程度大きなサイズのはずだ。
大きな車だが、それでいて目撃情報も無い、つまり不審に思われない風景に溶け込むタイプの車。運転手が玄関からやって来ても怪しまれず、菜々子の顔見知りで、テレビを運ぶほどの大きさで、日常の何気ない光景に溶け込む車両……それは、宅配業者のトラックだ! 以前、菜々子が見送っていた宅配業者の男の姿が思い出される。
ついに推理が犯人に行き着いた。そしてこれまで誘拐された完二や雪子、りせの元にも宅配トラックがやってきたという記憶が呼び覚まされる。千枝は宅配業者に関して何か手掛かりがないかを足立に問いかける。一瞬足立は戸惑うが、彼にはある心当たりがあった。
足立「キミらの推理、当たってるかも?」
最初の被害者、山野アナウンサーの関係者を洗った時に浮かび上がったのが、運送業で以前は議員秘書だった男。それはかつて容疑者に上がったものの鉄壁のアリバイでリストから外れた、山野アナの不倫相手・生田目太郎(CV:服巻浩司)だった。
そこまで分かったのだから、後は生田目を追うだけだ。自分を解放しろと叫ぶ悠。そして全てを話すという約束を守り、じっと足立を見つめる直斗たちの目を見て、足立はたじろぐ。観念したかのように頭を掻いた足立はドアの鍵を開け、悠たちを解放する。
そして現場に向かうと告げ、その不在の間に脱走があったとしても自分は関知しないと話してその場から立ち去る。遠まわしだが、職務を盾に悠たちの行動を黙認する足立の心遣いだった。
当ても無く車で菜々子を探す堂島に連絡が入る。足立が菜々子誘拐の犯人が生田目であることを連絡して来たのだ。その言葉を聞く最中、対向車線を走るトラックの運転手の顔を、堂島の鋭い眼は逃さなかった。恐怖か動揺か、顔をひきつらせたその運転手は、まさに一度は捜査線上に浮かんでいた件の男・生田目だった。
急ブレーキをかけ、生田目の車両を追う堂島。
一方悠たちはタクシーでジュネスへ向かう。おそらく菜々子はすでにテレビの中に入れられているだろう。現実世界の犯人追及は堂島たちに任せ、悠たちはテレビの中を目指すのだ。
雨中の街中をサイレンを鳴らして生田目を追う堂島。菜々子を思うその気持ちが彼を駆り立てる。後ろに迫る警察の追及を見て動揺する生田目は、がむしゃらに逃げる。堂島の連絡を受けた足立が追跡に合流する。元本庁のエリートの彼にはこんなカーチェイスの経験も始めてだろう。必死に食らいつく。
追い詰められた生田目は、ある決断を実行するため、シートベルトを外す!
運転手が席を外れたため、激しくスピンする宅配トラック。猛スピードで後ろに付けていた堂島はその車体をかわし切れない。
ジュネスに向かう途上の悠たちの乗るタクシーが、まさにその現場を通りがかる。運転手に停車を命じる悠。そこで悠は、血まみれになって地面に横たわる堂島と、それを介抱する足立の姿を認める。
堂島はそんな状態になっていても、菜々子を心配していた。そして駆けつけた悠に、菜々子の無事保護を託す。現場保存を訴える足立の言を無視して生田目の乗っていたトラックの確認に向かう悠。
警察からも一目置かれる直斗が手袋をはめて現場の検証に立ち会う中、悠と完二はトラックのドアを開ける。中には誰もいなかった。落ちていた手帳を拾う直斗。
トラック後部の荷台に、推理通りテレビが積まれていたことを千枝と雪子が確認する。それを聞き、悠は我を忘れてしまう。テレビの中に向かおうとする悠をクマが止める。ジュネスのテレビ以外からテレビの世界に向かうのは帰り道が分からなくなる恐れがあり、危険なのだ。
それでも向かおうとする悠に、りせが諌める。ここで自分たちが失敗したら、誰も菜々子を救うことが出来なくなるという言葉を聞いて、ようやく自らの無謀を省みた悠。
直斗が拾った手帳は生田目の綴った日記帳だった。【新世界(テレビの中のことだろう)を知った自分は、他の人を救わなければならない】という、本人だけが理解できるような理屈が書かれていた。そして別のページには、これまでの被害者の住所氏名が書かれていた。
別件だった諸岡 金四郎(もろおか きんしろう CV:龍谷修武)の名は無い。それはこの日記を綴った人物が真犯人であることをより裏付ける証拠でもあった。生田目が完全に真犯人だった証拠を掴んだことに、足立が興奮する。
最後のページに書かれた内容、それは菜々子のことを示唆するものであった。生田目の歪んだ論理によると、テレビの中に入れてしまうことが菜々子を救うためになるという。怒りに燃えた目で荷台のテレビを見やる悠。その目に、小さな赤い封筒が留まる。その封筒を開く悠。
そこには、菜々子が自分に宛てた手紙と、以前テストで1位になった時に贈ると約束していた菜々子手作りの指輪が入っていた……。昨晩悠が堂島に連行される前に、悠から隠したものは菜々子からのサプライズの贈り物だったのだ。菜々子の気持ちに触れ、悠は救えなかった自分の至らなさを悔やむように慟哭する。そして悠は菜々子の思いが詰まったその指輪を手に、必ず菜々子を救わなくてはと心に誓うのだった。
そこに、意識を取り戻した堂島が悠に言伝(ことづて)があると陽介が告げに来る。叔父の元に走る悠。菜々子を改めて救って欲しいと告げる堂島。動かぬ身体で悠の肩を掴み、かつては信じなかった悠の能力を使って、菜々子を助けてくれと訴える。
堂島の手を握りしめ、悠は命に代えても菜々子を救うことを誓う。
悠「必ず、助け出します!!」
エピローグ。職員用の勝手口から深夜のジュネスに入る特別捜査隊。悠が堂島に誓った、菜々子救出に向かうのだ。
そして花が咲く美しい景色の中、一人座る菜々子の元に、やって来る真犯人・生田目。彼も荷台のテレビを通ってこの世界にやって来ていたのだ。常軌を逸した血走った目つきで、菜々子に迫る生田目。怯える菜々子。果たして悠たちは、菜々子の危機に間に合い、救い出すことが出来るのだろうか?
以下、次回!
前回までのお笑い学園ドラマの雰囲気を全て排した緊迫感あふれるパート。今回はこれまでの被害者よりもいたいけで弱い菜々子が被害者という、本当に気が揉まれてしまう内容だった。最後の菜々子からの贈り物を見つけるシーン、涙が出た。原作ゲームでは少し違う描写なのだけど、そちらも菜々子をどうしても救わなければと思わせるものになっている。機会があれば、確認してみて欲しい。
次回は菜々子を救出に向かう悠たちの戦いが描かれることになるのだろう。無事に菜々子を救い出し、帰って来ることが出来るのか? そして生田目の心の中の影、シャドウはどのようなものなのか? 全ては次回に持ち越された。必ず観て確認しなければならない。
あと余談なのだが、女帝コミュは描かれることになるのだろうか? 残り話数も減って来て、心配になって来る。事件解決に当たって、悠が自力で手に入れることが可能な残されたコミュは女帝だけなのだけど。
次回「It's just like Heaven(天国みたいなところ)」に続く。
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