SIMPLE2000シリーズ Vol.99 『THE 原始人』の感想 【月に一度のゲーム感想文】

 Twitterを始めるとブログの方がおろそかになってしまうという方を心なしよくお見かけするのだけど、その傾向はどうも当方にもありそうな気がする。

 ……実はこの後長文でTwitterの恩恵と弊害に付いて書いたんだけど、書いた本人ですら面白い文章と思えないので削除。後々まで読まれるブログに愚痴るのは良くない気がする。愚痴りたい時こそ、さらりと流れるTwitterの出番かも知れないし。



 という訳で、今回は【積みゲーを少しずつ消化していこう企画第2弾】としてプレステ2の「SIMPLE2000シリーズ Vol.99 『THE 原始人』」の感想を書こうと思う。これは事前調査したネット上では割と評判が良かったので、ちょっとお高めだったけど購入しておいたものだ。結論を先に言うと、その判断は間違ってはいなかった。

 ニンテンドーDSで同名のゲームがありますが、それは別物です。


【関連記事】

シンプル2000シリーズ Vol.99 THE 原始人

発売日 2006年04月27日

メーカー D3パブリッシャー

価格 2000円

対応ハード プレイステーション2

甘茶
ピクミン』の劣化版? 『マリーのアトリエ』系が好きならハマる(書き下ろし)


 積みゲーを消化するにあたって、やはりテンポ良く行くにはSIMPLEシリーズだろうという訳で、今回もその系統のゲームの感想文。


 平和にのんきに暮らすサルのボスがある日見た夢から、ストーリーは始まる。その予知夢は、天変地異が起こり、彼らの星ごと滅亡してしまうという恐るべきもの。迫り来る滅亡の危機を現実のものとしないために、ボスは仲間を率いて進化を目指す。


 オープニングは至ってシンプル。だけど開始して10分でこの世界観に没入する。面白いのよ。進化するにあたり、見聞を広めるという名目で村の近辺のフィールドに冒険に出かけ、石ころや木片を拾い集め、村に持ち帰ることで村を発展させる。村の発展要素には「木」「石」「鉄」の3要素があるのだが、持ち帰る素材の別で、村はそれらに応じた違う進化をしたりと細かい。例えば持ち帰る素材に石が多いと石系の武器などが優先的に開発されたりする。


 はたまた食材確保のためサーベルタイガーやマンモスと闘って肉を確保したりといった、RPG的な要素もあって楽しい。序盤は仲間の人数が少なかったり、武器が貧弱だったりして勝つのが難しかった敵にも、村の発展や冒険の間にいつしか増えた大勢の仲間で勝つことも出来るようになる。そうなれば、過去にサーベルタイガーに噛み殺された仲間やマンモスに踏み潰された仲間たちも浮かばれる。

 強大な敵を、大量の仲間と強力な武器で取り囲んで倒すというちょっと陰湿な悦びもあったりして、ヒネた性格の当方的にはうすら笑いを浮かべるほど楽しい。


 獲物や食材、素材などはそれぞれリスト化され、それらをコンプリートするというやり込み的な要素もある。冒険中、まだ見ぬ素材に出会った時のドキドキ感はなかなか胸が躍る。仲間の人数で持ち帰ることが出来る量が決まるので、それまでに仲間を(食べられたりして)減らしてしまって持ち帰れない時もある。その際の落胆もなかなかのものだ。レアなアイテムは、何を置いても最優先で持ち帰ったりしてね。


 各フィールドのボスを倒し、進化のためのキーアイテム(「石器」とか「たいまつ」とか、人類進化の過程の重要アイテム)を入手すればめでたくそのフィールドはクリアとなり、別のフィールドにも行くことが出来るようになる。ただ人数が多くないと開けない扉なんかが序盤のフィールドにあったりして、後から戻って来て調べたくなるという面でのやり込み要素も組み込まれている。行かなくても良さそうだけど、リストフルコンプのためには行かずにはいられないもんね。プレイヤー心理をくすぐる憎い演出だ。


 サル→猿人→原人→??? と、どんどん進化して行くボスたち。最終過程で一体何が起こるのか? 彼らを待ち受けるものは何なのか?

 エンディングは2種類用意されている(グッドエンドとバッドエンド)。初回プレイでは偶然、ラスボスのいるところに行ってしまって強制戦闘→バッドエンドという流れだったんだけど、そのセーブデータからまたやり直しが効くので問題は無かった。キッチリやることをやった上で臨めば、グッドエンドを見るのはたやすい。クリア時間は13時間ほど。結構やり込んだつもりでもその程度なので、アイテムコンプやグッドエンドにこだわらないプレイングなら10時間ほどで終わらせられそう。難易度も3種類から選べて親切設計。


 いろいろ褒めた後は、本作をプレイして感じた不満点を挙げておこう。本作は昼夜という概念があり、夜になると周囲が見えにくくなるという弊害がある。夜間は獲物が眠っていて狩りや回避には都合が良いなど、ゲーム性を高めようと配慮しているつもりだと思うのだけど、これが徹底し過ぎていて、画面が暗すぎて逆にゲーム性を著しく損ねている。

 落ちると即死してゲームオーバーになる水場や穴が幾つもあるフィールドを用意しておいて、これは駄目でしょう?(何度も死んだ人間の魂の叫び) テストプレイをどれだけしたのか疑問に思う。理不尽さを感じるシステムとして、ここはマイナス評価としたい。

 ただ不満に感じられたのはこの部分だけ。日はまた昇るように、夜もまた常に訪れる訳だから、結構でかい欠点なんだけどね。テレビそのものの明るさを調整する必要がありそう。あと、進化のキーアイテム「たいまつ」をゲットすれば、夜間の移動もかなり楽にはなる。「たいまつ」入手の頃はゲームもかなり佳境に入るころだけどナ〜。



 下調べ中、本作が任天堂の『ピクミン』と似ているという感想を読んだ。当方は『ピクミン』はプレイしたことが無いのだけど、CMなどで観た印象としては、確かに似ている要素もありそうな気がする。『ピクミン』と比較して原始人たちは可愛くないのが難だけど。個人的には素材集め的要素が『マリーのアトリエ』ぽい印象。あちらと比べると圧倒的にやり込み要素は少ないが(本作にも錬金術的要素もあるが、かなりしょぼい)、逆にその手軽さがウリの一つでもある訳だし。リアルタイムでキャラを動かすというアクション的プレイが苦にならず、『マリーのアトリエ』が面白いと感じられる方には本作は受けると思う。


【参照記事】

 2006年のゲームだから、もう5年以上前のゲームなんだね。古いゲームばかりの感想文で申し訳ない。ただ、面白いゲームはいつやっても面白いのも事実なんだよね。ゲームにおける画像の進歩と比較して、脳が面白いと感じる琴線はあまり変化は無いんじゃないのかなぁ。モバゲーなど携帯のシンプルなゲームが流行る理由も、分からないでは無いんだよね。まっとうなゲーム業界の首を絞めている状況だから、相変わらずSNS系ゲームは好意的に見れないんだけど。


 本作の製作はヴァンテアンシステムズという会社(販売のD3パブリッシャーの下請け会社だろう)。SIMPLEシリーズでは『THE 戦車』など黒歴史作品を幾つか排出しているらしいが、本作は間違いなく良作。もう少しいろいろな味付けをすれば、フルプライスでも問題ないレベルの面白さに満ちていた。夜の暗さだけは勘弁だけど。


 ちなみにヴァンテアンシステムズの作品でもう一つ積みゲーがある。『ゾンビvs救急車』という、これまたネットでの評価が高い良ゲーらしいのだが、諸事情により感想が書きにくいものとなっている(ストーリー展開上、震災が絡み、どうしても言及しないといけない)。それで敢えて積みゲーにしているのだが、いつかはこの感想文も書こうと思っている。



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