『ザ・タワーDS』 経営シミュレーションゲームのメルクマールと言える佳作の感想

 今日は寒かったですね。大阪の北の方は雪が降っていたようです。車での帰宅時、道路上に雪が落ちていました。車上に雪を乗せたまま、近くまでやって来た車がいたのでしょう。

 また、センター試験の2日目という事もあって、受験生の人たちは相当大変だったでしょう。自分の大学受験の時を思い出しつつ、今頑張っておられる人たちを応援したくなります。まぁ、このタイミングでネットを楽しんでいる受験生の方は居らっしゃらないでしょうが、この場を借りて、皆様の努力が報われる事をお祈りします。



 さて本題。今回のゲーム感想文は、ニンテンドーDS用のビル経営シミュレーションゲーム『ザ・タワーDS(The Tower)』の感想文だ。本文中にも触れているが、タイプとしては『シムシティ』と類似のゲームで、違いは奥行きを無くした代わりに高さの概念を導入し、人間の上下の移動に思索を巡らせるものになっている。『シムシティ』にも渋滞や排気ガス公害など交通事情を考慮する部分はあるが、最悪道路を全部線路にして市民を全員電車通勤、通学にしてしまうという無茶な力技があった。『ザ・タワー』にはその手が使えない。

 ただ全体的な難易度は、本作の方が低いと思われる。DS版はマリオタワーというイベントがあり、そこで資金を稼げる事が救済措置になっており、歴代のシリーズよりも資金不足でゲームオーバーになる可能性も低いらしい。初心者の当方には、むしろありがたかったかもしれない。経営シミュレーションゲームとしても、簡単なシナリオから順々に経験を積んで行ける、分かりやすい展開で優れものの出来。同タイプのジャンルをプレイする上でも、メルクマールと言えるものになっていると思う。


 こまごました作業で、小さな達成感を繰り返しながら進行して行くタイプのゲームが好きな人には、お勧めできるゲームである。楽しいよ。


甘茶さん の「ザ・タワーDS」 (ニンテンドーDS)
予定調和が何故かたまらない
 大画面で楽しむのもいいですが、自分だけのビルを管理する楽しさと携帯ゲーム機の相性はいいと思います。ビルという限られた空間だからこそ、フリーモードが生きるのではないでしょうか。

甘茶
予定調和が何故かたまらない(2009.12.04)
 予定調和が何故かたまらない、不思議な感覚のゲームである。

 今回はいわゆる『シムシティ』タイプのビル経営シミュレーションゲーム『ザ・タワーDS』の感想だ。プレイヤーはビル建設・経営の責任者となり、タイプの異なる4つのビルの運営を任され、それらをキャンペーン的にクリアして行く展開となる。結構硬派なイメージの本作、プレイ前には些(いささ)か物怖じしかねない雰囲気を持っているのだが、分からないこと、疑問に思うことなどは、セサミ・ストリートみたいな顔のおっさん……もとい、ビルオーナーの大室社長様の薫陶を賜ることも可能なうえ、今足りない必要条件が画面上部に適宜表示されるので、その都度その条件を満たす方向に努力を傾けることで、事態は大抵の場合、間違いなく良い向きに進行していく。

 必要以上に難しい顔で構えるよりも、プレイしながら詳細を覚えて行くのが吉である。なぜなら楽しいから。すっごく楽しいから。騙されていないと思って、やってみなさいって。


 本作はセガサターン版、プレイステーション版など、幾つものゲーム機でリリースされている作品である。『シムシティ』や『テーマパーク』など、この手のタイプのゲームには目の無い当方なのではあるが、個人的には実に意外な事に『ザ・タワー』シリーズは本作が初プレイである。他シリーズとの比較考査が出来ないのは極めて残念だが、初回プレイ故に味わえる感覚、気付きなども十分にあり得ると思うので、その観点から今回感想を送ることにさせて頂く次第だ。機会があれば、既出作にも手を出して行きたいと思っている。


 まずは概略。最初はマンション経営から始まり、ホテル経営、商業ビルを経て、住民の不満をサポートしつつ警備、清掃などの重要性などを学んでいく。それらノウハウを全てつぎ込み、真打ちの地上40階を越す規模の全タイプ複合ビルの建設・経営の成功を目指す。41階以上の位置に建立出来る大聖堂で、あるひと組のカップルの結婚式を施行する事が出来れば、キャンペーンはめでたくクリア。ちょっと感動するエンディングを迎えることになる。


 前述のように他シリーズとの比較は出来ないが、DSオリジナルの要素であると推測できるのが、マリオタワーでの資金稼ぎや、行き届かなかった部分への掃除などの際に使われる、画面を擦(こす)る動作である。DS特有のタッチ機能を生かしたシステムで、アイテムの設置などもタッチペンで手軽に出来る点は敷居を低く感じさせ、この手のゲームとしては大切な要素でもある故に評価したい。ただ操作性はイマイチどころかイマサンぐらいで、部屋や商店など基本アイテムに階段やエレベーターなどの移動アイテムが重なる構図の本作では、どちらに照準が合っている(いわゆるアクティブ状態)かが分かり難く、結果的に煩わしさが増すことにもなっている。階段を中央に動かそうとして、後ろのオフィスをつかんでしまって、二度手間になったりすることはざらだ。この辺、酷な様だがもっと改善の余地があったのではないかと、辛く評価しておきたい。


 シナリオモード攻略中、非常に面白く夢中でプレイしたのではあるが、実はクリア後のフリーモードには不満がある。今までプレイして来たモードを順不同に遊べるようになるだけで、主観を排して論じてみたとしても、ご褒美としてはずいぶんしょぼいものであるとのそしりは免れないであろう。

 ただ困ったことに、不満はそこのけで延々とフリーモードを遊びこんでしまう自分が居る。それもいつも同じような攻略展開に持って行くことが快感で、何故か前回と違う展開(同じ配列にした喫茶店ハンバーガーショップの人気が前回プレイ時と違い、エレベーターの混雑やトイレの利用状況が変わるといった、言わばゲーム性に起因したランダム要素)になったらなったで、その状況を楽しみながらも目指すは飽くまでもこれまでのプレイで培った最高級の完成形であったりする。

 ゲームを楽しむという行為は、いろいろな角度から様々にプレーすることで多角的に享受する類いのものであるというのが当方本来の持論であるのだが、このゲームの場合、実に保守的に、愚直に前回の行動をなぞってしまう自分が居る。予定調和が心地良いのだ。傍から見ていると、単なる時間の無駄にしか見えないんだろうな、と時折第三者目線で考えたりもするが、果ては相変わらず、なのである。困りつつも、やめられないとまらない。


 ニンテンドーDSという携帯ゲームで手軽に遊べるこの移植は良かったと思う。寝床にまで持ち込んでプレイする始末の当方としては、睡眠時間を侵されて痛し痒しであるのだが……。不満点を解消させた上で、ぜひとも続編を出してもらいたいものである。

 今もたまにこのゲームでお手軽に遊んでいる。ただ、相変わらず同じプレイングで、ランダムはあれど同じ展開で、同じ結末を迎えている。ちょっと冒険する事もあるのだけれど、せいぜい設置アイテムの順番を変えるぐらい。つくづく小市民だと、プレイングで思い知らされる。でも面白く遊べているんだから、それで良いかな、とも思う。



 『ザ・タワーDS』のプロモーションビデオ動画。当方の文章よりもずっと分かり易い紹介になっているので、むしろこっちを先に観た上で感想文を読んで欲しかったりする。

 これはダウンロード配信版のよう。パッケージ版と変化は無いように思う。



 この2つはシナリオダウンロード版との事。できる事は、パッケージ版と同じようだ。ダウンロード版だと、データセーブとかどうなるのかな? 本作に限らず、ダウンロードをやった事が無いので分からないんだけど。

 動いてる住人たちやエレベーターを見てるだけで楽しい。誰かがプレイしているのを延々と見ているだけで、楽しめるだろうな〜。以前、感想文を紹介した『世界樹の迷宮』とは別の意味で、他人のプレイが見てみたいゲーム。もちろん、チキンの自分が思いも付かない経営方法を見てみたいという思いもある。

 当方だけかな、こう思うの。洗濯機で洗濯している服を眺めるだけで、時間がつぶせる性格してるからなぁ。


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