温泉旅行2日目「黒川温泉にて」の巻(極めて普通の旅行記)

 1日目の「湯布院」編の旅行記はこちら。
 3日目の「熊本城」編の旅行記はこちら。


 前回のエントリーでは現地・湯布院からの緊急リポートという事情により、ホテルの温泉や食事よりもずっと強烈な印象であったナマ韓国人のお話に終始しましたが、そのまま終わりでは読んで下さる方にも、それにゆふいんホテル「秀峰館」さんにも申し訳ないので、1日目の湯布院の良かったところを少し書きます。

 ホテルの温泉は露天も含めてとても良かったです。男女の入れ替えが無かったのが残念ですが、おそらく同じ造りなのでしょう。湯船に浸かると、真正面に冠雪した由布岳が望めて雄大で勇壮な気分になります。食事も大変美味しかったです。特に夕食のメニューの豊後牛という地元産の牛肉を使ったしゃぶしゃぶは、今まで食した中で最高レベルの味わいのしゃぶしゃぶでした。

 余談ですが給仕の妙齢のおば……おねえさんに、当方の爪がキレイとしきりに褒められました。褒められた事は素直に嬉しかったのですが、変な空気を感じ、ふと横を見ると当方の隣に座る姉が自分の指先を見つめながら、世にも微妙な表情を浮かべており、温かいお風呂上がりだというのにぞっとしたり。接客業務的に、義務感でも良いから是非こっちも褒めてあげて、と気が気じゃ無くなったり……。


 2日目は大分、熊本間の山地を抜けて、ひなびた雰囲気で人気の温泉スポット、黒川温泉に行きました。前述しましたが最低気温マイナス5度の中の出発。寒い中の山道、路面の凍結が心配でしたが、大部分が高速道路で、大過無く目的地に到着出来ました。

 雰囲気はとても良かったです。湯布院と違って見た目ですぐ分かるタイプの外国人観光客も居ませんでしたし。建物全体が黒い瓦屋根に、ベージュの壁面、黒い木枠の窓と統一性があり、落ちついた印象を感じさせます。到着がお昼ごろでチェックインにはまだ時間があったので、先に露天巡りをしようという事になり早速入湯手形を購入します。入湯手形は1200円で黒川温泉内の24の露天温泉のうち3つに自由に入れるお得な手形(通常入湯の場合、1つ500円)。

 


 当方のデジカメで撮影。3枚目の構図は、とても気に入っています。


 温泉街のほぼ中央にある組合事務所のガイドビデオを見て、まずはパノラマ大展望が望める「三愛高原ホテル」が気になりました。ただ中心地から7キロも離れていて、車が無いと行けそうにありません(実際結構な山道で、歩きでは2〜3時間は掛かってしまいそう)。遠いところから済ませて、近くを散策する為にも、まずはそこに向かいます。

 ある意味、その選択は間違っていました。素晴らし過ぎたのです。最初に最上の露天温泉に入ってしまった感があります。そこ以外の温泉がダメだった訳ではないのですが、ここは最高でした。周りに何も無いから出来る、囲いの無い開けた造り。昼間の入湯だったのですが、夜間だったらもっと良かったと思います。露天巡りは夜9時までですが、レンタカーや乗用車で黒川温泉を訪れたなら、夜間の山道越えという困難時を覚悟してでも夜に行く価値有りです。「車掌は僕だ」と運転手役を同行者に押し付ける事が出来る立場の人なら、なおさら行くべきです。ゴールド免許ドライバーの当方は、運転要員としての参加なので、是非も無いのですが。

 ホテルからの帰り道で立ち寄った蕎麦屋で食べた手打ち蕎麦も美味しかったです。不勉強ながら熊本の名物って、熊本ラーメンと辛子レンコンくらいしか知らなかったのですが、蕎麦も名物らしくって、湯布院から黒川温泉に至る山道には何軒も手打ち蕎麦を銘する店が連なっていました。訪れた際は、昼食の選択肢にするのも良いでしょう。


 天ザル1200円也。このお店は内装も綺麗でサービスも良く、好感触でした。


 さて組合事務所に戻り、ここからは歩きです。次に行ったのは宿の主人が9年かけて掘り進んだ手作りの洞窟温泉があるという「山の宿新明館」。壁面がまさに荒削りで手作り感満載です。迂闊に壁に付いた手に体重を掛けると、めり込んで痛いぐらいです。ただここは奥の混浴以外は脱衣場が半端無く狭く、浴衣に雪駄の温泉街スタイルで来るのが良いと思います。チェックイン後に来るのが吉(混欲には行かなかった我々は難儀しました)。

 最後は湯に硫黄成分が多く含有しているという「和風旅館美里」。なるほど、館内に入るだけでかなり強い硫黄の臭いがします。他の温泉でもある程度の硫黄成分が含有されているらしく(当方一行が宿泊した旅館の温泉も硫黄臭がありました)、硫黄の臭いは珍しいものでは無いのですが、体験した限りに於いては、ここが一番硫黄成分が多かった様な印象です。入っているだけで皮膚がピリピリして、効いているような気になります。

 熱い温泉を3件も廻ると、冬でも目も廻るほどに湯疲れして来ます。由緒ある酒屋さんの地ラムネを飲んで、とっととチェックインする事にします。宿泊先は「旅館にしむら」。古い造りでありながら、綺麗で過ごし易い雰囲気の良い旅館でした。部屋の扉とか、どこかで見たようなデジャビュがあったのですが、夜になって周りが暗くなると思いだしました。日本一怖いホラーゲームで有名な『零』シリーズで舞台になった日本家屋の雰囲気と似てるのです。コワ懐かしさを疑似体験する為に、夜中に館内を徘徊しました(内風呂は24時間入れるので、歩き回る事は大丈夫ですけど、徘徊は真似しないように)。手には射影機ならぬ、普通のデジカメを持って。


 ……これって恐怖ゲーム大好きの当方的に今旅行記中、最高の褒め言葉なんですけど、ホラーゲームと一緒にするなと旅館側からは怒られそう。近いうちに『零 〜刺青の聲〜』あたりの感想文を挙げたくなりました。冬なのにね。


 2日目はこれで終わり。物凄く普通の旅行日記になってしまって恐縮です。実際にあった事って、なかなか面白くお伝えする事が難しいものです。脚色する訳にも行きませんし……。まぁ、こういう無難な日記も書けるという事で。


[次回予告]
 帰阪直前に訪れた熊本城を見学する当方一行。そこに嫌がらせの待ち伏せの様に眼前に現れたアポロチョコ色の悪夢の一団との再会。「か、加藤清正公の顔が!?」「フラッシュ撮影禁止の展示物にフラッシュを浴びせ逃げる女が!?」「ヘンな歴女現る!?」 などなど、脚色無しで描きます。お楽しみに。




 黒川温泉紹介動画2本。淡々とその良さが伝わる逸品。



 福岡の情報テレビ番組らしいです。出演タレントさんが全く分からないところがローカル番組らしくてむしろ良いです。黒川温泉の雰囲気が網羅されていて、感じが伝わり易いかと思います。1分55秒辺りから、当方も上記で絶賛した「三愛高原ホテル」の絶景露天温泉が見れます。


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